フリーマガジン完成


この半年ほど、個人でフリーマガジンを作っていました。
本の名称は『ARTIFE』(アータイフ)といいます。アーティフではありません(笑)。
当初の発行予定よりも遅れてしまったのですが、何とか完成させることができました。



テーマは「芸術」です。
といっても僕は芸術活動をしていないので、様々な芸術家の方々に写真作品や絵画などを提供していただき、芸術に関わっている方々へインタビューをさせていただき、「芸術」に関する断片を集めることで一冊の本にしました。サイズはB5で、44ページです。


<提供していただいた作品>
・望月柚花さんの写真作品(http://momo11731.wix.com/yukamochizuki
・なかのひろかさんの動物の絵画
・工房あかねさんの絵画(http://www.geocities.jp/studioakane/


<インタビューにご協力いただいた方々>
・the place : f-ritz art centerの小見さん(http://theplace1985.com/
 前橋市に「シネマまえばし」を作られた方です。本、絵本、お花などを売っているお店のオーナーさん


・パレ・デ・パリのフレデリックさん&須藤さん(http://palaisdesparis.org/index.php/jp
 パレ・デ・パリ = 海外アーティストを招聘する機関。高崎市で2ヶ月ほど海外アーティストが滞在させ、制作を行うことを支援しています。


シネマテークたかさきの小林支配人(http://takasaki-cc.jp/
 高崎市が誇る映画館。いわゆる、ミニシアター系です。この映画館がなかったら高崎市はキビシイ。


・ふやふや堂齋藤さん(http://fuyafuya.jp/
 月曜日だけ開店している本屋さん。普段はデザイン会社で、齋藤さんはデザイナー社長。


この他に僕がいくつか文章を書いています。
下記が発行文です。

「複雑なものを複雑に」


なぜ今、芸術か。


芸術は、時間やお金に余裕がある人や、芸術的センスがある人のためのものではなく、全ての人のものであり、全ての人が触れるべきものだと僕は思います。それは芸術が、「人生を豊かにするもの」という人生の味付け的なものではなく、「生きるにあたって必要なもの」であると考えるからです。


芸術は「社会の複雑さ」を教えてくれます。映画でも音楽でも、それを体験することで人は自分の「好き」「嫌い」を知ることができます。さらに「好き」の中にも、「すごく好き」「まあまあ好き」や「大嫌い」「ちょっと嫌い」などのグラデーションがあることにも気付かせてくれます。その結果、芸術に触れれば触れるほど、自分の複雑性に気づくことになります。そして重要なことは、それが自分だけでなく他の人も同様である、ということを芸術は教えてくれることです。自分も複雑であり、他人も複雑である。それは、人の総体である社会が白と黒で分けられる単純なものではないことを意味しています。
しかし現在の日本社会を「複雑なもの」として扱われているでしょうか? 僕には「複雑な社会を単純な社会」として扱おうとしているように感じられてしょうがありません。特に近年その傾向が顕著だと感じていますが、そのような「歪な社会」は何かを隠蔽し、何かを無視し、何かを見ないふりします。既にその弊害が様々なところで表れてはいないでしょうか。


「読書は,人生の全てが,決して単純でないことを教えてくれました。私たちは,複雑さに耐えて生きていかなければならないということ。人と人との関係においても。国と国との関係においても。」


これは美智子皇后の言葉です。(第26回IBBYニューデリー大会1998年)僕はこの言葉に同意します。そしてこの「読書」を「芸術」に替えてみることで、より広く考えてみたいと思います。


「複雑なものを複雑に」。そのことを「芸術に触れること」からもう一度見直してみたい。その思いからこの冊子を作りました。この冊子が芸術に触れるきっかけになってもらえれば、そう願っています。


少しでも、音楽、映画、本、写真、絵画などに触れる人が増えたら嬉しいですね。
文字をもっと大きくすればよかった、と反省。


送料をご負担していただく形になりますが、もし興味ある方がいらっしゃいましたらお送りします。


artife2015○gmail.com
(○をアットマークに)


までご連絡いただけましたらと思います。
よろしくお願いします。