なるひこの Linux Printing お勉強日記 RSSフィード

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2013-12-25

FLOSSドキュメントの日本語化 vs 日本独自コンテンツ

みなさん、メリークリスマス*1 です :)

さてさて、Doc-ja Advent Calendarもいよいよ最終日となりました。なかなか読みでがある記事が多くて楽しかったですね。

そんな最後に、今回もまたちょっとしたネタを書こうと思います。


二つの「ローカライズ」〜ローカル言語化と地域向けコンテンツ〜

LibreOfficeにはWikiがあります。URLがちょっとわかりにくいのですが http://wiki.documentfoundation.org をトップページとするものです(我々はよくTDF Wikiと読んでます)。ここのコンテンツは基本的に英語で、例えばマーケティングのページならURLhttps://wiki.documentfoundation.org/Marketing で、後ろに/jaをつけた https://wiki.documentfoundation.org/Marketing/ja は「日本語版」なわけです。

だけど、「グローバルな情報を日本語に翻訳した」情報が、「日本語話者が主に日本で利用するために欲しい」情報とイコールではないですよね。そういう理由で LibreOffice Wiki には http://wiki.documentfoundation.org/JA (通称 JA) というカテゴリーがあって、これはまさしく、日本語話者が主に日本で利用するための情報を書いているわけです。


欲しいのは日本語訳? それとも日本での情報?

LibreOfficeはいつもリソース不足に悩んでいます*2。したがって、Wikiを書いたり更新したりするときに、常に考えるわけです。「この情報はグローバルから翻訳したほうがいいのか、それとも日本語独自コンテンツにしたほうがいいのか」と。

例えばLibreOfficeの日本語UI/ヘルプの翻訳方法は、日本語チームが定めて日本語のMLで議論した日本語翻訳独自のルールその他が書いてあるページなので、ここは翻訳ではなく独自コンテンツにするべきだと(少なくとも)私は考えました。その点については合意は得られていると思います(ちょっとまだ書き足りていませんが)。

一方で翻訳プラットフォームであるPootleの使い方は世界中で共通です*3。なので、Pootleガイドについてはオリジナルコンテンツではなく、日本語訳を用意しているわけです。

ここのところの判断はいつも悩んでいるので、もしグローバルのWikiを見て「翻訳欲しいなあ」と思われた方は、ぜひぜひその旨を知らせてもらえればなと思います。逆に「細かい話は英語で読むから、入門的な話とかを独自に書いて欲しい」という意見も歓迎です。もちろん、TDF Wikiはサインアップすれば誰でもページ作成可能なので、ご自分でページ作ってもらっても構いませんよ*4

個人的には Development 関係は「どうせ深入りしたい人は英語と向き合わざるを得ない」ので翻訳よりかはエントリー層向けのガイドラインを独自コンテンツで書き、エンドユーザーや非開発系(翻訳も含む)向けコンテンツは翻訳でやるのがいいのかなあと考えています。


日本リージョナルな情報を英語で発信

私が最近ちょっとやってるのは、「日本だと誰がどんなことやってるの?」ということをグローバルに対して発信したいということです。アクティビティを見せることはFLOSSにおいてとても重要だと私は考えているので。なので下手くそな英語でブログ書いたりしてるわけでして*5

で、同じようなことをTDF Wikiでやるのが密かに辛いのですな。というのは、先ほど書いたように「末尾に /ja がつく翻訳コンテンツ」と「頭に JA/ がつく日本語独自コンテンツ」があるけど、日本リージョナルな情報を英語で書く「ここ!」という場所がない。「日本のイベント情報」を書こうとしてはたと困って、しょうが無いので https://wiki.documentfoundation.org/Events/Japan こうやって無理やり書いたんですけど……。なんかいい方法ないかなあ?


おわりに

ドキュメントワークも重要な翻訳でございます。でも翻訳が必ずしも優先度が高いわけでなく日本語話者、日本向けの独自コンテンツのほうが大事なときもあるわけで。翻訳は情報提供の手段に過ぎないので、グローバル文書の翻訳カバレッジを上げることが目的化しないようにしたほうがいいですね。

では! 年末も残り少ないので、良いお年を!

*1:一瞬素で「あけましておめでとう」と書きそうになりました。おいおい……。

*2LibreOfficeに限らず、たいていのFLOSSはリソース不足が常態化しているでしょう。

*3:権限周りで、どの権限を誰が持っているかというのは翻訳チームごとに違いますけれども。

*4WikiエンジンとしてはWikipediaと同じMediaWikiを使ってます。Wikipediaよりはバージョンは古いかも。一応、LibreOffice WriterからMediaWiki記法へのエクスポートは可能です。

*5URLはヒミツ。といっても、検索すればすぐ出てくるのですが。

2013-12-18

Play!の某ライブラリーを訳したらいつの間にか翻訳が取り込まれていた話

この記事はDoc-ja Advent Calendarの18日目です。

超しょぼい話ですが、ちょっと驚いたよってネタ。


社内でPlay! Framework + Java案件が今走ってて、認証・認可系で使えるプラグインないかねえってことでいくつか調べてるうちにPlay! Authenticateに行き当たったのです。

私は開発メンバーではないのですが検証をお手伝いしてるときに、あれ、コレそもそも日本語サポートしてないなあってことで、元々のリポジトリフォークしてサンプルで遊びがてらざくざくっと翻訳しちゃったんですね。念のため、翻訳作業については別ブランチに切って。

そしたら突然github経由で「pullさせてちょうだいリクエスト」が飛んできて。すごいびっくり。「日本語に訳してくれたんだすげー。それ pull していい?」って。もちろん最終的には pull-req 出すことも考えていたので、断る理由がなくて「いいよー」っていったらあっさり取り込まれて、このモジュールには私の翻訳が入ってるわけです :)


そんなわけで、ちょっとしたライブラリでも何でも、とりあえず手元に翻訳を抱き込むんじゃなくて、見えるところに晒しとくといいことあるよ、という話。

2013-12-15

翻訳カフェなんてものをやっていたなあ

このエントリーはDoc-ja Advent Calendar 2013の15日目なんですが、昨日で途切れてますね。まあいいや。

昔やってた(実は再開しようという気持もなくはない)「翻訳カフェ」というイベントについてちょっと書こうと思います。


翻訳カフェとはなんぞ?

  • 毎週場所と時間を決める
  • 行ける人はなんとなく行く
  • コーヒーのいっぱいでも頼んでもくもく翻訳する
  • 一緒する人は一緒にもくもくする
  • もちろん一緒の場所にいる人で、翻訳内容とか相談したかったら相談する

会です。ポイントは「主催者というものが存在しない」こと。例えば私なら私が「ここでやりませんか?」と言ったとして、私が行かないからといって中止にはならない。発起人が場所とコアタイムだけ決めたらあとは来る来ないは自由。そんな感じ。

要は「確実にこの場所で作業すると決めることでサボりたがりの自分を追い込む」ってことと、「そういいつつ人が来てくれたら相談とかできていいなぁー」というゆるいものです。

関東LibreOfficeオフラインミーティングもそうだけど、私はいつもイベントを非形式化しようという傾向にあるなあ。


再開?

なんだかんだで最近サボっているので、新橋汐留ルノアールで再開しようかなって思ってます。翻訳に限らず「FLOSSもくもくカフェ」みたいな感じで。月曜日20-21時コアタイムかな。興味がある人連絡ちょうだいね。


明日は @okano_t さんですね。よろしくですー。

2013-12-10

極私的FLOSS翻訳史

ネタがないので雑談。まあいいでしょ、たまには。


openSUSE Weekly News

私がFLOSSの翻訳を始めたのは多分最初がopenSUSE Weekly Newsだったんじゃないかな。今は亡き*1

確かカーネル読書会(懐かしい言葉だ……)のopenSUSEの回で松本さんが話していて、「いやーWeekly Newsってのの翻訳始めたんだけど大変なんだよ―」という言葉に対して「じゃあ手伝いましょうか?」ってうっかり言っちゃったのが最初。2年ぐらいはやったんだっけ?

今でも英語得意なわけじゃないけど昔はもっとずっとできなかったから「これ意味が分からない」「日本語になってない」「原文の読み落としをごまかしてる」とか毎回毎回ダメ出し食らって、私自身もつらい思いもしたしプライドも相当傷つくこともあり、また松本さんの時間も相当取っちゃったんでそれもまた心理的プレッシャーになって結構辛かったけど、半年ぐらい経ってからかなあ、「この訳はいいですね、そのまま採用しましょう」ってのが増えてきて、随分楽になった。

結果としては英語力向上には大いに役立って、感謝しております。最初にやったのがニュースレター的モノだったんで、ある程度まとまったボリュームの文章を読む必要があったのは幸いだった。


CUPS の翻訳など

あれ、CUPS 1.4の翻訳と Weekly News はどっちが先だったかな。多分CUPSの方が後。こっちはオープンソース向け印刷標準化活動OpenPrintingの活動としてやったんだった(たしか「やりません?」と言ったのは私)。このときは GNU gettext がどうとか po がこうとか何も知らなくてそこら辺はまるっとおまかせ。私の担当は HTML のテンプレートファイルだったかな。

で、CUPS 1.5 のときは開発者の Michael Sweet が「あ、翻訳は Apple でやるから大丈夫」っていっててあーそうなんだ、って思ってたら翻訳全部捨てられてて、1.6 のときにしれっと「あ、翻訳はコミュニティでよろしくね」っていっててコイツ殺るぞって思った(おおげさ)。このときは fuzzy メチャ多くてさあ、って話は:

に書いた。1.6 は Debian の @kmuto さんとの共同作業。私が po 担当ね。

今年の秋に出た CUPS 1.7 については私一人で作業しました。というかテンプレート変更なかったし。


LibreOffice

時系列は覚えてないけど、LibreOffice が立ち上がってちょっと経ったときに、「おがさわらさん印刷周りちょっと見てコメントください」って、今も日本の翻訳コーディネータをされている、あわしろいくやさんに声かけてもらったのね。Ubuntuユーザーだったから前々から知ってたしね。

で、「これはぼくならこう訳します」ってのをメールで送ったら、「じゃあコミット権お渡しするのでやってください」と。それが LibreOffice に関わりだしたのが最初。

まあ LibreOffice の翻訳についてはちょろちょろ書くのでネタとしては取っておきますが、私が印刷という専門分野から入ったのと同じく、例えば「自分金融系得意だから金融系のセル関数とか翻訳できるよ」とか「統計なら任せろ」とか「データベースなら分かる」とかそういう人が join してくれるとうれしいなという話でした。


まとまってないまとめ

こうやってちょこちょこ手を出してると、「一度手を出すとあとは抵抗がなくなる」「そもそも他のプロジェクトと用語統一撮れてる方がよかったり」「知恵を出しあったり」「のでいろいろと齧る」っていうのが、デスクトップFLOSSの翻訳の傾向じゃないかなって思います。別にFLOSS翻訳に限らず、ちょっとずつコラボしたほうが却って楽になることもある。そんなことないすか?

まあ始めるきっかけなんて些細なもんです。おっちょこちょいぐらいがちょうどいいのです。みんなおっちょこちょいになりましょう。

*1:翻訳以前に、本誌がなくなってしまった。

2013-12-09

翻訳につかってる道具とかなんとかあれこれと

この記事は、Docja Advent Calendar 2013の9日目です。前日まだ終わってないみたいですしそもそもこのエントリーも日付買代わっちゃっててダメぽよなんですがやらんよりはいいやろと。

ぼくが翻訳やるっていうと主にLibreOfficeUIとかWikiなんですけど、何使ってるかって話をチョットします。最初は技術の話をするつもりだったのについコミュニティ論に流れてしまうのがダメぽよな感じ。


英辞郎

プロ翻訳家は使わねーよプゲラとか、口は達者だけど頼りない後輩君とかいろいろ言われてますが、まあ、実際辞書としてはびみょいですわね。カジュアルに使える辞書+用例集みたいな感じで見てます。


Weblio

こちらも電子辞書ですが紙の辞書で実績ある奴を使ってるので、もうちょとかっちりしたい訳をほしいときに覗いてます。


Google 翻訳その他

ぶっちゃけ使いません。翻訳サイトで翻訳できるような内容ならぼくでもかろうじて意味が取れるし、自分で意味が取れない英文は機械翻訳だとボロボロになるので。あと権利関係がびみょいところはありますよね。


GNU gettext / msgfmt

LibreOfficeではあんまり使いませんが、CUPSの翻訳のときにはお世話になりました。


作文能力

これはUIの翻訳というよりWikiの翻訳に多いんですが、直訳で日本語として意味がわからなくなるぐらいなら、大胆に作文するほうがぼくの好みです。三島由紀夫が言っていた「もし英文和訳を読んで意味が通じなかったら、理解力がないのはあなたではなく、訳をした側だ」(細部は違うかも)というのを信じております。


気力

ぼくは英語がめっちゃ嫌いだし苦手なので、英語を訳すということは気合が必要です。なんといっても「こんな訳をしたら笑われるんじゃないか」という気持ちを捨て去ることが大事です。笑う奴らは所詮やらない奴らなので無視すればいいのです。


仲間

相談できる仲間がいればいいなって思います。宣伝だけどLibreOfficeコミュニティはそういう仲間が多いですよ。


海外の声

「日本の奴ら、こんなにやっててすげーじゃん!」って言ってくれる人がグローバルにいてくれること、そういう人たちは心の支えになります。


ユーザーからの目に見えるフィードバック

「翻訳してくれてありがとう!」というポジティブなフィードバックはもちろん嬉しいけど、「ここなんか違わない?」「これ意味取れないんですけど」って言葉を、「ぼくらの目の届くところで」やってくれると、とってもありがたい。


まーそんなところかな。

明日は nyampire さんの OSM 翻訳の話です。よろしくおねがいします!