崩壊は現実に。

2006/02/18 (土)

福島県での産婦人科医師の逮捕の報道には驚いた。逮捕ですよ!もう結果が悪ければ犯罪になってしまうらしい。(不当な報道と思っても内容をよく知れば、医療側の失態だと思うこともままあるが、この場合はひどすぎる。たった一人で緊急事態を迎え必死で頑張っていた一人の中堅産科医を罪人にしてしまっている。)それにしても病院や県の冷たさはどうだろう。面倒だから一人の医者に責任を押し付けてほおっかむり・・・ですか!

どうやら国の治安機構や裁判所は、予測不能だったり、予測できても対処のしようのない場合でも医者に罪をきせたいらしい。そして今回の事件(事件?可哀相だが不運だった症例のように感じるが)からの教訓は一人医長での診療も止めた方がよいらしい。ということは、大病院・都会の病院以外は診療をするな→病院崩壊まっしぐら、と予想するのは私だけではないだろう。さしあたって、危機感の強い産婦人科志望の医者は確実に確実に減ってしまうだろう。

崩壊のスピードは予想以上だが、今日も一般臨床に明け暮れてため息をつくだけの私なのであった。夫にいたっては、ネットをする時間がないのでこのニュースも知らなかったし、内容を聞かせてもふうん、と人事のようだった。自分の仕事に疲れきっていて、医療の今後を考える余裕はないようだ。忙しすぎる勤務医には問題に立ち向かう時間的・肉体的余裕がない。暇がある勤務医(=私)は気持ちはあせっていも、どう立ち向かったらよいのかわからないのだ・・・。