<アフガン>地方政府でタリバン登用広がる 地域安定に寄与

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071110-00000057-mai-int

 【イスラマバード栗田慎一】アフガニスタン北西部バドギス、ファリヤブ両州政府に、旧支配勢力タリバンのメンバーがそれぞれ約100人ずつ計210人採用され、行政区長に任じられた人物もいることがわかった。両州の警察幹部らが毎日新聞に明らかにした。

 タリバンの地方政府への参加は、中部ガズニ州に続き計3州となった。タリバンに和解を呼びかけているカルザイ大統領の和平路線の一環で、全国に同様の動きが広がる可能性が出てきた。

 バドギス州警察幹部によると、同州にタリバンが参加したのは10月末。武器を所持しているものの、友好的に仕事を続けているという。タリバン政権時代に行政区長を務めていた人物が同じ行政区長に返り咲いたという。

 一方、ファリヤブ州政府では10月下旬から参加が始まった。今は無任所だが、行政区長や治安幹部などの要職も与えられる予定という。

 両州内には、タリバンを構成するパシュトゥン人の居住地区が点在しており、こうした地区出身のタリバンメンバーらが採用された。

 タリバンの参加は、タリバン支持者を抱える地方では行政運営が円滑になる側面もある。「タリバンのいないカブール(中央政府)と違い、地方はタリバンも反タリバンも隣り合わせで暮らしている。敵視政策だけでは地方に混乱と暴力を強いるだけ」(バドギス州警察幹部)だからだ。

 カルザイ大統領は米同時多発テロ事件から6年の9月11日、タリバンに「話し合い」を呼びかけ、7月に韓国人拉致・殺害事件が起きた中部ガズニ州で事件後、タリバンと関係を持つ有力者を知事に任命し、タリバン45人が州政府の職員になった。

 ただタリバンの地方行政への浸透は、武力だけでなく政治力もタリバンに与えることになるタリバン側は「全外国軍の撤退が政府との和解条件だ」と国際治安支援部隊(ISAF)などを狙った自爆攻撃も続けている。

 カルザイ政権は外国軍の力を背景に政権を維持している。地方の治安回復と政治的安定を狙ったタリバンの職員採用は、矛盾を抱えた政策とも言えそうだ。

これ、どうなるんでしょうね。中東はどの国も綱渡りっぽいですね。