【ベトナム・インドシナ】「金融危機ありえない」UNDP専門家

6月17日8時0分配信 NNA

 国連開発計画(UNDP)でべトナムを担当するジョナサン・ピンカス上級エコノミストはこのほど、「べトナム経済が抱えている問題は、(通貨・金融危機が起きた)1997年のタイとは違う」と述べ、一部の海外金融機関などが唱えた「べトナムで通貨・金融危機が起きる恐れがある」という説に否定的な考えを示した。16日付べトナム・インベストメント・レビュー(VIR)が報じた。

 ピンカス氏はまず、べトナムは97年当時のタイと違い、外貨建て短期債を多く抱えているわけではないと指摘。「これは、外銀がべトナムから資金を引き揚げるといった類の危機が起きないことを意味する」と説明した。
 
 次にピンカス氏が挙げた違いは、輸出が「なお健全」なこと。「輸出はべトナムのマクロ経済で重要な位置を占める。1〜5月の輸出額は(昨年同期比)27%も伸びた。他国やべトナムの他の時期と比べてもよい状況」と話す。
 
 これに関連してピンカス氏は、「モノの輸出の成長は、ドンが過大評価されていないこと、ベトナムの(輸出)競争力が高いことを示す」と説明。これに対し、97年の通貨・金融危機発生直前、タイ・バーツは相当に過大評価され輸出にも影響が出ていたと述べ、両者の違いを強調した。
 
 ■「輸出主導へ転換を」
 
 一方でピンカス氏は、べトナム経済が現在抱える問題として◇インフレ◇貿易赤字◇通貨政策――を挙げ、現在の経済状況は深刻だと認めた。状況改善は可能で、「今、正しい政策を実施し、これを今後数カ月続ければ、年内に深刻な状況を反転させられる」との認識を表明。逆に悪い政策が実施され、(政策などの)透明性が改善されなければ、インフレはさらに深刻になり得る、と警告した。
 
 ピンカス氏は今後のベトナム経済の在り方について、「投資主導経済」から「輸出主導経済」への転換を求めた。また経済の健全性と安定性を改善するために、国営コングロマリット(複合企業)に市場原理を適用すべきとも主張している。
 
 計画投資省系研究機関・中央経済管理研究所(CIEM)マクロ経済部のグエン・ディン・クン部長は「べトナムは主に、安全性の高い政府開発援助(ODA)や外国直接投資(FDI)を資金源として利用してきた。その結果、(巨額の)短期外債の需要はなかったが、代わりに貿易赤字が膨れ上がってしまった」と説明。「輸出主導」への転換を求めるピンカス氏の発言を補足した。
 
 クン氏は一方で、ドンが外貨と自由に交換できないこと、当局によって資金流出が厳格に管理されていることを挙げ、「投資家はべトナムから逃避しにくい」との見方を示している。
 
 <ベトナム

最終更新:6月17日8時0分

相変わらず僕は経済音痴なんですけど、金融危機が起こらなければそれでいいんですけど。