島津奔る 池宮彰一郎

記録的な勝利を収めた朝鮮の役の退却戦から話は始まる。「シーマンズ」として彼の地で恐れられた薩摩島津の関ヶ原の物語だ。
島津義弘を英雄として描いている。「奔る（はしる）」とは、島津義弘を助けるため、国元から家臣が一人また一人と上方に向かって奔って駆けつけたことと、関ヶ原の勝敗が決した後
絶対絶命の窮地からの逃避行を敢行したことを指すのだろう。
司馬遼太郎「関ヶ原」との類似が問題となったようだが、大谷義継の造形が似ているなあと思った以外は、別に気にならなかった。面白かった。

島津奔る〈上〉 (新潮文庫)

司馬の「関ヶ原」もおすすめである。

関ケ原（上） (新潮文庫)

また、かつてＴＢＳでドラマ化された「関ヶ原」もオールスターキャストで、特に、森繁久弥の演じる徳川家康が見応えがあった。

関ヶ原 [DVD]