無私の日本人 磯田道史

無私であり、利他の精神で、ひたむきに生きた3人の日本人の傑作評伝。
穀田屋十三郎
中根東里
太田垣蓮月
みな、名利を求めず、無名で生涯を終えたが、接した人々の心に深く残った。
著者の表現を借りると「濁ったものを清らかなものに浄化する力」をもった人たち。
その達意の文章は、司馬遼太郎がよみがえったのかと思った。
また、穀田屋たちの必死の働きかけに対する仙台藩の対応は(似たような経験をしたことがあるが)
現在の役人の対応とまったく同じなのに驚いた。江戸時代から綿々と続いた伝統だったのか。

無私の日本人

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