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森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

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2004-04-10 (土) 少年少女世界の名作ブログ 今月のトラックバックコーナー このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

少年少女世界の名作ブログ 今月のトラックバックコーナー(2005年4月)

 

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 トラックバックとは何だという方のために、説明です。

 トラックバックとは、相手の記事を紹介したということを通知する機能です。

 だから、相手からの片リンクを自動的に生成する仕組みであります。

 ということは、トラックバックするために書く記事には、トラックバック先の記事へのリンクがついていることが本来の使用方法です。

 

 ということで、お互いブログで紹介し合ってアクセスを増やしていこう、という企画です。

 

【先月のTB】

 先月のテーマは、『プルターク英雄伝』でした。

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 残念ながら、コメントトラックバックともにありませんでした。

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 今月は皆様のご参加もお待ちしております。

 

【今月のトラックバックコーナー】

 

テーマ1)今回のメルマガに対する感想

 完全版収録ページ http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20040409

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テーマ2)『ガルガンチュア物語』に関する話題

  少々マイナーな作品ですが、トラックバックお待ちしております。

   http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20040410

テーマ3)小学生時代に読んだ本の話題

     懐かしい思い出、トラックバックお待ちしております。

      村上勉さんや佐藤さとるさんについての話題もお待ちしております。

   http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20040410

テーマ4)その他何でも

      TVアニメ『冒険コロボックル』が好きだった方、おられますか?

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少年少女世界の名作文学ブログ・完全版(ブログ版) 目次は

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2004-04-09 (金) 児童名作全集の冒険・ガルガンチュワ物語

[]児童名作全集の冒険・ガルガンチュワ物語 児童名作全集の冒険・ガルガンチュワ物語を含むブックマーク 児童名作全集の冒険・ガルガンチュワ物語のブックマークコメント

◆◇◆◇◆◇ 少年少女世界の名作文学ブログ・完全版 ◇◆◇◆◇◆◇

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   第4回配本 児童名作全集の冒険・ガルガンチュワ物語

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

  

 さて今回は、少々マニアックな選書ですが、ちくま文庫から新訳の刊行が開始されたことにちなんで、ラブレーの『ガルガンチュア物語』を取り上げます。

 

“「ガルガンチュア」の新訳を62年ぶりに刊行した東大教授

というタイトルで、2月22日のA新聞ひと欄に、訳者の宮下志郎さんが掲載されて

いました。

 ラブレーに最初に出会ったのは東大2年の時。あこがれていた小説家大江健三郎さんの師でもあった渡辺一夫さんが30年以上かけて心血を注いだ「歴史的名訳」に魅了されてのめり込んだ。

 5年ほどまえ、出版社から新訳を打診された。そびえ立つ渡辺訳へのプレッシャーから一度は断ったが、「自分なりのラブレーを」と決心した。

……と、かなり大変な決心をされたことが伺われます。

 渡辺一夫訳の『ガルガンチュワ物語』は、フランス語関係に強い出版社白水社

から出て、その後岩波文庫に入りました。

 現在絶版になっているようです。

 ガルガンチュワ物語〈第1之書〉 (ワイド版岩波文庫)

 そして宮下志郎の新訳『ガルガンチュアとパンタグリュエル』がちくま文庫から

刊行開始です。

ガルガンチュア―ガルガンチュアとパンタグリュエル〈1〉 (ちくま文庫) ガルガンチュア―ガルガンチュアとパンタグリュエル〈1〉 (ちくま文庫)

 宮下志郎さんは、ラブレーに関する著書も出されているようです。

ラブレー周遊記 ラブレー周遊記

 ラブレーとルネサンス (文庫クセジュ 646)

 ◆◇◆  ◇◆◇ 書誌的事項 ◇◆◇  ◆◇◆

 少年少女世界の名作文学(名作文学50巻版)19 フランス編1(1968年

   『ガルガンチュワ物語』 フランソワラブレー原作

            渡辺一夫(訳) 森いたる(文) 矢車涼(絵)

 少年少女世界の名作(名作55巻版)22 フランス3(1972年

   『ガルガンチュワ物語』 フランソワラブレー原作

             森いたる(文) 村上勉(絵)

 ◆◇◆  ◇◆◇  ◆◇◆  ◇◆◇  ◆◇◆  ◇◆◇

 今回読んだ本では、渡辺一夫が訳したテキストを森いたるという方が分かりやすく書き直しています。

 それにしても、ルネサンス期の古典的大著、しかも翻訳は仏文学者大家渡辺

一夫の名訳。

 この翻訳少年少女向け文学全集に収録しようという蛮勇に近い試みは、賞賛に

値すると思います。サブタイトルにしたように、まさに冒険的行為であります。

 

 50巻版には「渡辺一夫(訳)」という注釈があります。

 この全集の特色として、以下の説明があります。

翻訳は各専門家の手で厳正に、文章表現は児童文学者の手によってかおり高く平

易に」

 当時の児童向け翻訳は、専門家が訳した完訳版を別の人が分かりやすく書き変え

たものが一般的だったのでしょうか。

 ともかく、その方針により、この全集では渡辺一夫訳の『ガルガンチュワ物語

少年少女向けに提供する、という、超豪華な試みを行っています。

 また、もう一つの特色として、これも挙げられています。

「当時の社会のもようがひとめでわかるようにさし絵は原書によっている」

 

 私は何らかの資料によって『ガルガンチュワ物語』の原書の一ページを見たこと

がありますが、そこに掲載されていた挿し絵と、この50巻版に掲載されている

挿し絵が似ていました。つまり、原書挿絵を模写しているわけです。

 福音館書店古典童話シリーズ旺文社文庫では、原書の挿し絵を転載している

例が多くありましたが、転載というのではなく、模写という方法もあるのですね。

 一流の翻訳者原書の挿し絵。

 もちろん、翻訳挿絵も間に介在者が入るのですが、少年少女向け文学全集

それを提供提供しようとしたこの全集の心意気を感じます。まさしく、児童向け

名作文学全集としての冒険的行為です。

 

 名作55巻版では、「渡辺一夫(訳)」の注釈が消えてしまっています。内容は、

50巻版を圧縮したものとなっています。

 脱線や脇道といった枝葉末節が省かれ、かなり短くなっています。

 そして挿し絵画家として何と、村上勉さんが起用されています。

 この方が描くと、物語がかわいくファンタジー系になってしまうようで素敵です。

 

 私が幼い頃、この村上勉さんの挿し絵は色々な絵本や本で見ていました。

 佐藤さとるさんの作品の挿し絵を多く描いておられます。

 アニメ化されたコロボックル物語シリーズも、佐藤さとる村上コンビによる

ものです。

コロボックル物語(1) だれも知らない小さな国 (児童文学創作シリーズ) コロボックル物語(1) だれも知らない小さな国 (児童文学創作シリーズ)

 

 小学4年生になった時、新しくもらった国語教科書の冒頭の物語に、村上勉さん

の挿し絵が載っていて、懐かしく感じたものです。

 その物語主人公の名前、今でも覚えています。カズヤとタモツというのです。

(覚えている人、いますか?もしいたなら、場所を越えた同期生とでもいうべきも

のです)

 

 個人的には、『宇宙からきたかんづめ』に思い入れあります。

 えっ、この名作、現在絶版なんですか?

佐藤さとるファンタジー童話集〈10〉宇宙からきたかんづめ (講談社文庫) 佐藤さとるファンタジー童話集〈10〉宇宙からきたかんづめ (講談社文庫)

宇宙からきたかんづめ (フォア文庫 B) 宇宙からきたかんづめ (フォア文庫 B)

 

【作者】 

 フランソワラブレー(1483年〜1553年)はフランスルネサンスを代表する人

物だそうです。

 ルネサンス期の人物とは、結構古い時代の人物であります。

 一般的に児童名作文学全集に登場するような作品は、もっと後の時代のものが多

いです。

 例えば、『不思議の国のアリス』のルイス・キャロルが(1832〜1898)『宝島

スティーブンソンが(1850〜1894)、『ピーター・パン』のバリが(1860−1937)。

 ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテはちょっと古くて1749年〜1832年

 アメリカ文学者に至っては、アメリカ独立宣言自体が1776年なので、それ以降と

なります。

  

 そういった人々と比べて、かなり古い時代の古典名作を取り上げた、ということです。

 名作文学50巻版でも、フランス編1に収録されています。

 この全集は、大体年代順に収録されていますが、同じフランス編1に収録されて

いる他の人物でも、ラ=フォンテーヌ(1621〜1695)、メリメ(1803〜1870)、ジョルジュ・サンド(1804〜1876)などですから、ルネサンス時代のラブレーの作品は、際立った古典だといえます。

 

 さて弁護士の息子として生まれたラブレーは、僧になった後医学をおさめたそう

です。

 当時、『ガルガンチュワ大年代記』という作者不詳の本があり、そこからヒント

を得て、ガルガンチュワの息子パンタグリュエルの物語パンタグリュエル』を出版し、

それが好評だったため、その後『ガルガンチュワ物語』や『パンタグリュエル』の続編などを書き継いでいったそうです。

 ラブレーとガルガンチュア物語について、フリー百科事典ウィキペディア (Wi

kipedia) 』

http://ja.wikipedia.org/ に、非常に分かりやすい解説が掲載されているので、一読をお薦めします。

 フランソワ・ラブレー

 ガルガンチュワとパンタグリュエル

   

 さて、50巻版の「読書のてびき」で、児童教育評論家滑川道夫氏による興味深い

記述があります。

 原作者ラブレーは、風刺作家であり、同時に医者でありました。病人の薬の処方

せんを書いて、最後に病人の読む書名をしるしたといわれています。読書

によって心を治療することを考えたわけです。病人には、どんな内容の本がいいか

を見通していなければできないことです。ずいぶんたくさんの本を

読んでいなければできないことです。

 さながら、読書セラビーとでもいうべきものでしょうか。こういうの、いいです

ね。

 必要な本がピタリと分かれば何と素晴らしいことでしょうか。

 私は読書量が少ないので、とてもその域まで達していません。

 

【作品】

「糞尿譚から古典の膨大な知識までを散りばめ、教会をはじめ既成の権威を風刺し

た内容を含んでいたため、禁書とされ、亡命生活を送る。」

ウィキペディアの記述にあります。

 風刺が強いとのことですが、普通に読んで目立つのは下ネタでしょうか。

 赤ん坊時代のガルガンチュアが、お尻の締まりが悪く、いつもうんこをたれ流し

にしていたとか、ガルガンチュアが研究した「すばらしいおしりのふき方の発明

や、ガルガンチュアやその愛馬タルモンデーの小便によって洪水が起きる話など、

滑稽なエピソードが続きます。

 原作は風刺小説だそうですが、こういったエピソードが面白いということで、ユ

ーモア物語枠で収録されたのでしょうか。

 一方で「下品で教育に悪い」と評することもできますが、私はこの物語の掲載は

良かったのではないか、と思います。

 55巻版では新たに村上勉を起用して再度掲載されたというのは、結果的に成功し

ていたということを証明しています。

  

 さて、ユートピー国王・グラングウジエ(55巻版ではグラングージェ表記)と妃

・ガルガメルの間に生まれたガルガンチュワ。

 優秀な学者・ポノクラート博士に連れられてパリに遊学し、文武両道に長けた王

子として成長していきます。

 物語は、ガルガンチュワの誕生から少年時代パリ遊学時代、そして敵国・ピク

ロコル王との戦いまで、ガルガンチュワの一代記であります。

 ガルガンチュワは巨人に成長したということで、随所にその巨大さを示すエピソ

ードが描かれています。

 例えば、小便で洪水を起こしたり、ポノクラート博士の前任の家庭教師がガルガ

ンチュアの耳元で講義をしている際に、梯子から足を滑らせて落ちて死んだとか、

船で遭難した時、船を担いで岸まで泳いだとか、敵の大砲が当たってもびくともし

ない、とか。

 しかし両親は巨人として描かれていず、どうやら普通サイズの人間のようである

し、ガルガンチュアも普通の場面では特に大きいということを強調されず、普通

イズのような描かれ方をしています。

 時に巨人、時に普通サイズ。この描かれ方の二面性は面白い。喜劇的に描かれて

いるのだから、あえて統一性をうるさく指摘する必要はないと思われますが。

 まあ、変身ヒーローのように、必要な時に巨大な姿に変身する、という風に思っ

ていれば良いかと思われます。

 

 さて、ポノクラート博士に連れられてパリに遊学した際、それまでのなまくら生

活を一変して生活習慣を変え、学問に励みます。

 いままでの朝ねぼうはどこへやら、ガルガンチュワは、だれもいわないのに四時

に目をさました。

 夜の明けるのを待ちかねたように暗いうちに起きてきびしい日課をくりかえすと

いう、まことに学徒のもはんだった。

 やはり、生活の改善早起きからということでしょうか。

 夜は夜で、ピタゴラス派流の学習法を実践したそうです。

 その日一日、学んだことをピタゴラス派流(朝、学んだことを夕方復習する流儀

)におさらいして、それから安らかに眠りについた。

 忘却曲線を考えると、非常に理に叶った学習法です。

 

 さて、パリで文武の両道に励んでいるガルガンチュワのもとに、故国ユートピー

のグラングージェ王から火急の知らせが届きます。

 隣国のピクロコル王がユートピーに攻め込んだというのです。

 ユートピーの羊飼いとピクロコル王の国の小麦せんべい売りとのいざこざが原因

による戦争

 元来はせんべい売りが一方的に悪く、ユートピーの国は濡れ衣を着せられたよう

なものです。

 

 穏健に事を済ませたいグラングージェ王は、話し合いの使者をピクロコル王に向かわせるも

、追い返されます。

 その後、調べにより、原因が明らかとなります。

 悪いのは向こうだが、小麦せんべいが原因の戦争などもってのほかだ、と、使者

に贈り物を持たせて再度の和議を申し込みますが、再び追い返されます。

 それでも決戦に踏み切る覚悟はできず、パリからのガルガンチュワ到着を待つの

です。

 

 ようやくガルガンチュワが一騎当千の部下を引き連れて到着、敵を散々に蹴散ら

し、ピクロコル王の片腕のトウクジョンを捕虜として連れ帰ります。

 グラングージェはトウクジョンを懇々と説き伏せ、今一度、ピクロコル王との和

議を申し込みます。

 改心したトウクジョンはピクロコル王に和議を勧めますが、起こった王はトウク

ジョンを処刑。

 この暴虐に失望したピクロコル王の部下達は王を見捨て、ついに和議は成立しま

す。

 ガルガンチュワやグラングージェは、捕虜や敵兵を寛大に扱い、その後も友好関

係を築きます。

  

 そういえば、冒頭に紹介した新聞記事でも、以下の記述がありました。

 物語戦争テーマの一つ。善玉と悪玉が登場するが、善悪二元論で世界を単純

に区分けしようとするどこかの国と違って、よく読むとラブレー

笑いの中で複眼的に世界を読み解こうとしている。

ラブレーのそんなおもしろまじめな姿勢も楽しんでもらえたらうれしい」

 

 そして、ピクロコル王との戦争のエピソードで、ガルガンチュワに並ぶもう一人

主人公ともいえる人物が登場します。

 ジャン・デ・ザンムトール修道士です。

 ガルガンチュワのような巨人ではなく、普通サイズの人間修道士ですが、豪勇

無双若者であります。

 ガルガンチュワのいないユートピーの国を守り、ガルガンチュワ帰国後は合流し

て一緒に戦いますが、ともするとガルガンチュワ以上の活躍を

見せたりします。

 

 そして戦争終了後、かねてから考えていた新方式の修道院の設立を願い、許可さ

れます。

 ガルガンチュワ物語は、このテレ―ム僧院の描写にて終わりとなります。

「テレームの僧院」の章は一種のユートピア物語であり

ウィキペディアの記述にあります。

 ラブレーは、もう一人の主人公ともいえるジャン修道士が設立した僧院に理想を

見、当時の教会を風刺していたのかもしれません。

 そういえば、この物語舞台の名前は「ユートピー」でした。

 この物語も、ユートピア物語の系譜に含まれる作品なのでしょうか。

 

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【今月のトラックバックコーナー】

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す。トラックバック、遠慮なくどんどんやって下さい。お待ちしております。

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 ガルガンチュワ物語少年探偵シリーズの共通点は!?

 masatecさんからTB頂きました。

   http://d.hatena.ne.jp/masatec/20050728

 少年探偵団やピノキオを親子で読んでいるとは、うらやましい。

 私は昨年、夏休みに親子で読みたい本として少年探偵シリーズを挙げてみました。

   http://nazede.gozaru.jp/mmm011.html

 もう一度少年時代に戻れるなら、少年探偵シリーズを一気読みしたいと思います。

 少年探偵シリーズ絶版になっていたようですが、新たに新シリーズの刊行が出、

大人向きの文庫江戸川乱歩全集にも一部入っているようでこの世に復活したようで、良かった良かった。

 あなたは

     まぐまぐより 95人(−2)

  E−マガジンより  7人(+1)

   メルマガ天国より 32人(+1)

     めろんぱんより 12人(+2)

  マガジンライフより 277人(+7)

 の名作文学について考える少年少女感性を忘れないヒトのうちの一人です。

少年少女世界の名作文学ブログ・完全版(ブログ版) 目次は

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ニュイニュイ 2013/04/10 10:40 佐藤さとるさんの教科書の話って、みかんの話でしたっけ?
だとしたら、今日の私はすごいめぐりあわせの中にいるようなのですが
ラスト段ボール詰めのみかんが置かれているのじゃなかったですかね、佐藤さとるさんは筆箱の世界やら靴箱の世界やら本当に夢のある作品を色々書いてくれましたね

少年少女世界の名作で検索してきましたが、ガルガンチュアは未読でした
でもこのタイトルがあったことは、はっきり覚えてます

nazegakunazegaku 2013/04/10 20:24 そうでしたそうでした。確かカズヤとタモツがお寺のみかんを取っていて、和尚さんに怒鳴られて逃げて、怖い和尚だと言っていたら、みかんと手紙をもらって、
「悪させんかったらあげたのに みかんの木の寺の和尚より」
というような内容でした。
タモツという名前は珍しい名前だ、と思ったので印象に残りました。
 この作品について検索しても分かりませんでしたが、佐藤さとるさんには、他にもカズヤとタモツが登場する作品があるようです。
 http://satoru-web.kids-book.info/tubakinoki.htm
大人になってから佐藤さとるさんや村上勉さんの作品を読み返すのも新たな発見があるかもしれませんねえ。本当は親子で読むのが一番いいのでしょうが。

2004-04-08 (木) 少年少女世界の名作ブログ 今月のトラックバックコーナー このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

少年少女世界の名作ブログ 今月のトラックバックコーナー(2005年3月)

 

 ブログトラックバック機能を活用するために新設したコーナーです。

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 だから、相手からの片リンクを自動的に生成する仕組みであります。

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 ということで、お互いブログで紹介し合ってアクセスを増やしていこう、という企画です。

 

【先月のTB】

 

 先月のテーマは、『ピーター・パン』でした。

  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20040406

 

 早速、SF Kidさんから、『ピーター・パン』はSFか? というTBを

頂きました。

  http://blog.livedoor.jp/sfclub/archives/16786179.html

 ありがとうございます。

 今月は皆様のご参加もお待ちしております。

 

【今月のトラックバックテーマ

  

テーマ1)今回のメルマガに対する感想

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テーマ2)『プルターク英雄伝』に関する話題

     映画や本など、色々な話題でトラックバックお待ちしております。

      もちろん映画アレクサンダー情報もお待ちしております。

   http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20040408

テーマ3)小学生時代に読んだ本の話題

     懐かしい思い出、トラックバックお待ちしております。

   http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20040408

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   http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20040408

          トラックバックお待ちしております。

 

 では、遠慮なくお寄せ下さい。お待ちしております。

 

2004-04-07 (水) 第3回配本 成功哲学の古典・プルターク英雄伝 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

◆◇◆◇◆◇ 少年少女世界の名作文学ブログ・完全収録版 ◆◇◆◇◆

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   第3回配本  成功哲学古典プルターク英雄伝

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 なぜ学です。今月も配信が遅れ、第3週での配信となりました。

 もう一つ発行しているメルマガが遅れやすいので、来月から配信を引っくり返し

て、当メルマガを第1日曜に配信することにします。

 ということで、次回は4月3日に配信する予定です。

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少年少女世界の名作文学ブログ速読み版』の3つの新編集方式

1)メルマガでは簡略版を配信 ブログには完全版を収録

   (コメントトラックバックお待ちしております)

2)スタンドごとに配信日をずらして配信。 受信に都合がいい曜日を選べます。

    日曜日……まぐまぐ

    火曜日……E−マガジンまぐびー(申請中)

    水曜日……メルマガ天国

    金曜日……めろんぱん

    土曜日……マガジンライフ

3)毎回テーマを決めてトラックバックコーナーを設け、ブログによる交流を推進。

 ◆◇ スリムダイエットしたメルマガ版は、こちらから ◇◆

       http://www.emaga.com/bn/bn.cgi?meisaku

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 前回より新編集方式で配信しております。

 読者の皆様とのブログによる交流を目指し、トラックバックコーナーを新設しま

した。

  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20040406

 早速、SF Kidさんから、『ピーター・パン』はSFか? というTBを

頂きました。

   http://blog.livedoor.jp/sfclub/archives/16786179.html

 ありがとうございます。

 今月は皆様のご参加もお待ちしております。

 さて今回、前回も候補に上がった『プルターク英雄伝』をお送りします。

 あまり評価はかんばしくありませんが、上映中の映画アレキサンダー』にちな

んだものです。

  (公式サイト) http://www.alexander-movie.jp/

アレキサンダー (竹書房文庫) The Making Of Alexander アレクサンドロスと少年バゴアス アレキサンダー最強の帝王学―「自分の可能性」に挑む、奇跡の10年! アレキサンダー大王 陽炎の帝国 

 原典の完訳版は、岩波文庫で12巻にも及びます。(河野与一・翻訳)

第1巻「テーセウス、ロームルス、リュクールゴス、ヌマ」

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003211618/nazegaku-22/ref=nosim

第3巻「ペリクレース、アルキビアデース、コリオラーヌス、ファビウス・マクシムス」

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003211634/nazegaku-22/ref=nosim

第8巻「セルトーリウス、エウメネース、アゲーシラーオス、ポンペイユス

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003211685/nazegaku-22/ref=nosim

第9巻「アレクサンドロスカエサル、フォーキオーン、小カトー

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003211693/nazegaku-22/ref=nosim

   ◆◇◆  ◇◆◇ 書誌的事項 ◇◆◇  ◆◇◆

 少年少女世界の名作(名作55巻版)2 古典編2

  『プルターク英雄伝』プルターク 原作

     近藤健・文/依光隆・絵  1975年

 ◆◇◆  ◇◆◇  ◆◇◆  ◇◆◇  ◆◇◆  ◇◆◇

 この作品は、55巻版にしか収録されていません。50巻版や30巻版には収録されて

いません。

 55巻版には、伝記という扱いで入っています。

 ノンフィクションや伝記も収録するという55巻版の方針から、他の版にはないこ

の作品が55巻版に収録されているものと思われます。

プルターク英雄伝』については、私は名前だけしか知りませんでした。

 小学生の頃、ナポレオンが島流しにあった、ということを何かで知り、何であん

偉人が島流しなんかになるんだ、と疑問に思ってナポレオンの伝記を読んだこと

がありました。

 フランス学校に出てきた田舎出身のナポレオンは友人ができず、一人で『プル

ターク英雄伝』を何度も読み返した、というエピソードが記憶に残りました。

 ナポレオンの心の支えになったという『プルターク英雄伝』。

 もしこの時私も読んでいれば、その後の人生にどんな影響があったでしょうか。

『英雄伝』は1人の人物を記述した単独伝記4編と、古代ギリシャの人物と古代

ーマの人物を対比した対比列伝22編からなる。

         (フリー百科事典ウィキペディア (Wikipedia) 』

                    http://ja.wikipedia.org/ より)

 対比して述べる、とは面白そうな試みですが、今回読んだ翻訳では、そんな難し

い構成は取らずに、一人の人物を中心にして普通に描かれています。

 今回読んだ翻訳では、

  アルキビアデズ

  アレキサンダー

  デモスセネス

  シーザー

の4人について紹介されています。


アレキサンダー

 まず、今回の目当てのアレキサンダー編について。

 影に怯える暴れ馬を乗りこなす12歳の頃のエピソードから始まります。

 武力がものをいった当時、体力や武力はもちろん、馬を乗りこなすことも必須の

技術だったようで。

 しかし今でも自動車を運転する技術はなくてはならないもの。

 自動操縦で子どもでも運転できる時代が来るのはいつのことか。

 アレキサンダーの父であり、マケドニアの王でもあるフィリップ王は、アレキサ

ンダーに最高の教育をほどこそうと、大学者・アリストテレスギリシアからスカ

ウトします。

 これがいかにすごいことか。

 外国から高名な学者王子家庭教師に連れて来たフィリップ王。先見の明のあ

る王です。

 ウィキペディアの記述によると、どうやらアリストテレスは元来マケドニア生ま

れのようです。

 アリストテレスは噂に違わぬ大学者のようでした。

 アリストテレス教育方針については詳しく描かれていませんが、フィリップ

にも口出しさせず、また王もアリストテレスの方針を尊重します。

 そしてアレキサンダーアリストテレスのもとで、学問に励みます。どんな教育

を受けているのだ、と父に問われて答えます。

「わたしの体は、お父さまの力によって育てられております。同時に、わたしの人

間としての心は、アリストテレス先生の教えで育てられております。」

「自分一人の幸福だけを考えて生きることは、正しい心の人間のすることではない、

ということです。」

 アレキサンダーが20歳になると、アリストテレス先生

「教えることはもうなにも残っていない。

 このあとは、自分で自分の道に向かっていけばよい」

と言って帰っていきます。

 アリストテレス教育を受けたことは、その後のアレキサンダーにどんな影響を

与えたのでしょうか。

 今回の映画アレキサンダー』では、その辺りどんな風に描かれているのでしょ

うか。

 そして父・フィリップ王が暗殺され、弱冠20歳のアレキサンダー即位します。

 このマケドニアの混乱を狙って、ペルシアダライアスが襲ってきます。

 アレキサンダーマケドニアギリシアの軍を同盟させ、共同でペルシアに当た

ることにします。

 ギリシア連合軍の総司令となったアレキサンダーアテネに入り、会議を開催し

ます。

 そんな時、アリストテレス先生の恩師とも言われる大学者・ダイオゼニスのこと

を思い出します。

「文化国ギリシアには、名高い学者が多い。その中で、ギリシア第一の学者、いや、

世界第一の学者は、ダイオゼニス先生だ、とアリストテレス先生がいっていた。し

かもダイオゼニスは、アリストテレスの恩師であるともいっていた。」

 連日の会議で疲れ切っているアレキサンダーは、息抜きのつもりでダイオゼニス

を訪ねていきます。

 この危急の際に学者を訪問とは。

 アリストテレスの薫陶を受けた文人政治家の面目躍如であります。

 ところで、この翻訳ではダイオゼニスと表記されていますが、この時アレキサン

ダーが訪れた大学者は、広くは「ディオゲネス」と表記されています。

 樽の中に住んでいたといわれる、逸話の多い哲学者です。

 ウィキペディアをはじめ、検索すると色々と面白い記述が出てきます。

(しかし弟子にアリストテレスがいる、との記述はなかったが?)

 ペルシアを撃退したアレキサンダー。善政をしき、ペルシア国民から信頼を得た

頃、インドに反乱が起こり、これも平定します。

戦争によっては、世界は統一されない。文化と言葉の交流こそ、真の平和をつく

るものだ」

民族民族のあいだに、へだてがあっては永遠平和はのぞめない」

という信念から、平定した地域を寛大に扱い、融和政策を取ります。

 これが評価を高め、ヨーロッパアジアの大半を統一したアレキサンダーを人々

大王と呼びます。

 しかし西のカルタゴとの戦いに向かう途中、熱病にかかって急死するのです。

 広い地域を征服したアレキサンダー大王

 それは支配欲のためか、それとも世界平和のためか。

 今回読んだ記述を読む限り、アリストテレスの教えを受けた文人政治家としての

アレキサンダーに焦点が当たっているように思います。

 アレキサンダーがどのような世界を夢見ていたのか、興味深い問題です。

 そういえば現在公開中の『アレキサンダー』も、イラク戦争と重ね合わせて語ら

れることもあるようです。


【アルキビアデス】

 本書で取り上げられている他の3人についても少しずつ取り上げます。

 まず、アテネ政治家・アルキビアデス。

 ここで興味深いのは、ソクラテスとの交流が描かれていることです。

 金持ちの家に生まれ、我がまま一杯で育ったアルキビアデス。

 悪い仲間とも付き合い、生活が乱れます。

 そんな時、ソクラテスに呼び止められます。

「見こみのない人間など、世の中には一人もいない。ただ、見こみがあるのに、そ

れを自分の手で投げ捨ててしまう、ばかな人がたくさんいるだけだ。」

「むずかしいか、やさしいか、やってみないのにわかるはずがない。やってみれば、

結果が答えを出してくれる。やらないと、いつまでもばかのままでいなければな

らない。」

「いいかね、人間のほんとうのねうちは、自分の心にひそんでいる無知に勝ってこ

そ、はじめて生まれてくるものなのだよ。」

 ソクラテスの励ましで心を入れ替えたアルキビアデスは、生活を改め、アテネ

主党の総裁ペリクレースを目標と定めます。

 時々以前の悪い習慣がよみがえり、反省と失敗を繰り返しながらも少しずつ目標

に向かって進んでいきます。

 そんな時、ソクラテス裁判にかけられて処刑されます。

 本書では宗教上の問題が原因のように書かれていましたが、本当のところどうで

しょうか。

 私は以前何かで、スパルタとの戦争アテネでの政治状況などを原因とする記述

を読んだことがあります。

 その時は哲学者だと思っていたソクラテスが結構政治的に生々しいことに関係

ていたんだな、と驚きました。

 

 また、本項にはアテネの有名な政治家ペリクレースも登場します。

 アルキビアデスは病没したペリクレースの跡を継いで新総理になった、という記

述があります。

 ここでは述べられていませんが、ペリクレースは確かスパルタとの戦いの最中

病没したはずです。

 そしてアルキビアデスはスパルタとの戦いに踏み切り、敗北するのです。

「武芸の都スパルタ芸術の都アテネ

という記述もあります。アテネスパルタを中心としたギリシア都市国家間の歴

史については興味深く、もっと色々知りたくなってきます。


デモスセネス】

「その人に、正義を愛する気持ちと、道徳をとうとぶ精神と、苦労を乗りこえてい

く強い信念とがあれば、かならず大きく成長していくものだと、ぼくは信じている」

「この偉大な弁論家デモスセネスの一生は、ぼくの考え方の正しいことを証明して

くれるだろう」

と最初にプルタークの前書きがあるデモスセネスの項目。単独伝記編でしょうか。

 幼い頃、体が弱くて登校拒否になり、家で引きこもっていたデモスセネス。

 見かねた母親家庭教師をつけます。

 その家庭教師先生裁判の傍聴に連れて行ってもらい、有名な弁護士の活躍を

見ます。

「あんな人になりたいものだなあ」

と決意した彼は、弁論術の勉強に励みます。

 自信をつけた彼は勇んで市民弁論競争に出演しますが、あまりの緊張に大失態を

演じ、海岸に逃げていきます。

 そこに現れたのが、老大家のエウノモス。わしもあの有名なペリクレースも、初

めての演説はあれよりひどかった、となぐさめます。

「一度や二度の失敗で、なぜなくのだ。せっかく心をきめていながら、ないたりあ

きらめたりするのは、ひきょうというものだぞ。自分に負けてないている人間が、

大衆の心をとらえる弁論家になれると思うか。」

 奮起したデモスセネスは、家に地下室を作り、そこにこもって毎日演説の練習を

積みます。

 そして翌年の弁論大会では、見事優勝を獲得するのです。

 デモスセネスの弁論は、早速政治外交でも効果を上げます。

 ギリシアの北方にあるマケドニアフィリップ王が南下してきます。デモスセネ

スはアテネスパルタ、テーベなどのギリシア都市国家間をまとめ、マケドニア

を撃退することに成功します。

 しかし、フィリップ王の跡を継いだアレキサンダーアテネを攻め、ギリシア

盟を崩壊させます。

 この辺、【アレキサンダー】の項目との記述の違いがあるような……。

 いずれにせよ、この辺の歴史についてはいずれ勉強してみたいと思います。

シーザー

 アレキサンダー大王の伝記を読んでいた若き日のシーザー、いきなり声を上げて

泣き出します。

アレキサンダーはわたしぐらいの年には、もう多くの国ぐにを征服していたのだ。

それなのに、わたしはこれという仕事はなに一つしていないではないか。」

 そしてアレキサンダー大王の胸像の前で、将来を誓います。

 政治家を志したシーザー、一時は暗殺の危険からローマを逃げたりしましたが、

やがて地盤を固め、ようやくポンペイ、クラサスと並んで三頭政治を始めるまでに

なります。

 そしてクラサス死後、勢力を伸ばしたポンペイと争い、執政官となります。

 国王になるべきかならざるべきかと悩むシーザー

 シーザー暗殺に加わるべきか否かと悩むブルータス

 本作品では、シーザーブルータスも悪人としては描かれていません。

 シーザー暗殺成功後、結局崩壊してしまった反シーザー陣営。

 このあたりの過程も興味深い。

 シーザーポンペイウスクラッススによる第一次三頭政治

 アウグストゥスオクタウィアヌス)、アントニウスレピドゥスによる第二回

三頭政治

 この辺、高校世界史でも習います。

 このあたりの事情、面白そうです。

 第一次と第二次の三頭政治の面子がそれぞれ相似形をなしているようなイメージ

があるのも面白い。

 私は、偕成社少年少女世界の名作

   http://nazede.gozaru.jp/kaiseisha.html

 で、シェークスピアの『女王クレオパトラ』を読んだことがあります。

 この作品で、クレオパトラと組んだのがアントニウス

 アントニウスが素朴で善良な人物として描かれている一方で、アウグストゥス

野心家のように描かれていました。


 アレキサンダーもそうですが、他に取り上げられたアルキビアデス、デモスセネ

ス、シーザーも皆、若き日に目標を立て、刻苦勉励に励んでいます。

プルターク英雄伝』は、英雄の功績を描く英雄伝であると同時に、目標目指して

努力することの大切さを教える成功哲学の本とも言えます。

 ギリシアローマで名を残した偉人達の功績も、若き頃の努力あってこそだ、と

いうことが分かります。

 いや、「成功哲学」という肩書きが安っぽく見えるほど、本格的な古典でありま

す。

 ナポレオンが繰り返し読み、心の支えとしたのも当然かと思います。

 日頃ビジネス書ハウツー書、成功哲学といわれる自己啓発書をよく読まれる方

々も、一度読んでみてはどうでしょうか。

 また、若い世代の人にとってこそ、社会に出る前に一度は読んでおくべき必読書

といえるでしょう。

 特に世界史を選択している人にとって、ギリシアローマ時代の歴史リンク

てくる部分もありますから、おすすめです。

 

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テーマ2)『プルターク英雄伝』に関する話題

     映画や本など、色々な話題でトラックバックお待ちしております。

      もちろん映画アレクサンダー情報もお待ちしております。

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 懐かしの名作の思い出話、作品論、雑談など、気軽に書き込んで下さい。

 かの有名なワンダーランドのティーパーティーのように、

 ここでは25時間中、ティータイムです。

   http://www.startingweb.com/bbs.cgi?job=bbsidx&bbsid=5683

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   ◇◇◇なぜ学 読書調査◇◇◇

  日本人の読書体験を徹底調査!!……とは大袈裟な。

  名前は有名だが、少々敷居が高いイメージがある今回の作品。

  この作品の読書体験を問う!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

質問)『プルターク英雄伝』を読んだことがありますか。

 

完訳版で読んだことある    (4票) 9%

縮訳・抄訳で読んだことある  (2票) 4%

ない             (41票) 87%

その他            (0票) 0%

 

開始:2005年03月21日/締切:2005年03月29日18時

投票数:47票/コメント数:3件

 

コメントボード

2005年03月21日20時39分26秒 お名前:なぜ学

コメント

 メルマガでは、映画アレキサンダー』にちなんで、『プルターク英雄伝』を紹介してみました。

 若い頃のナポレオンが繰り返し読んだといわれている本です。

●縮訳・抄訳で読んだことある

2005年03月21日20時40分34秒 お名前:なぜ学

コメント

プルターク英雄伝』は、英雄の功績を描く英雄伝であると同時に、目標目指して

努力することの大切さを教える成功哲学の本とも言えます。

 ギリシアローマで名を残した偉人達の功績も、若き頃の努力あってこそだ、と

いうことが分かります。

 いや、「成功哲学」という肩書きが安っぽく見えるほど、本格的な古典でありま

す。

 ナポレオンが繰り返し読み、心の支えとしたのも当然かと思います。●

2005年03月26日22時35分17秒 お名前:ひろき(H.O.)

コメント

 今初めて知りました。●ない 

考察

 後で思ったのですが、『プルターク英雄伝』の完訳版は、岩波文庫で10冊にもなる大著。

 完訳版で読んだとはどの範囲でいうのか判断が難しい。

 まあ、いつものことですが、その辺は独自基準で判断して下さい。

 このアンケート参加することに意義がある(実施者を励ます)のです。

 あなたは

     まぐまぐより 94人(−2)

   E−マガジンより  6人(+4)

   メルマガ天国より 31人(+1)

     めろんぱんより 10人(−1)

  マガジンライフより 270人(+15)

 の名作文学について考える少年少女感性を忘れないヒトのうちの一人です。

2004-04-06 (火) 少年少女世界の名作ブログ 今月のトラックバックコーナー このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

少年少女世界の名作ブログ 今月のトラックバックコーナー(2005年2月)

   

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 ということで、お互いブログで紹介し合ってアクセスを増やしていこう、という企画です。

  

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 では、遠慮なくお寄せ下さい。お待ちしております。

 

(追伸)

 2005年5月5日朝日新聞「ひと」欄に、

ピーターパン」の続編を執筆する作家

 ジェラルディン・マコリアンさん

 

という記事が載っていました。

 英国の有名な児童文学者らしい。

 バリにより著作権を譲られたロンドンの小児病院が続編のあらすじを公募し、100以上の候補作から選ばれたという。

 来年、出版予定の続編の名は『キャプテンパン』。

「大人になった原作の人物が子どもに変装し、ピーターパンが待つネバーランドに戻るんです。」

ということです。

(2005.5月8日記す)

2004-04-05 (月) 第2回配本 大人も子どもも楽しめる『ピーター・パン』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

◆◇◆◇◆◇ 少年少女世界の名作文学ブログ・完全収録版 ◇◆◇◆◇◆

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  第2回配本 大人も子どもも楽しめる『ピーター・パン

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 なぜ学です。前回『平家物語』では、メルマガでは簡略版を配信し、ブログに完

全版を収録する新編集方針を採用しました。

 その後、これを発展させてタイトルも新たに改名し、再出発することにしました。

 (参照) メルマガ発行、こんな工夫はどうだ

       http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20050126

 前回の『平家物語』を新編集版第1号、今回を第2号とし、以後続いて通し番号

を打っていきます。

 今後も変わらぬご愛読のほど、よろしくお願いします。

少年少女世界の名作文学ブログ速読み版』の3つの新編集方式

1)メルマガでは簡略版を配信 ブログには完全版を収録

   (コメントトラックバックお待ちしております)

2)スタンドごとに配信日をずらして配信。 受信に都合がいい曜日を選べます。

    日曜日……まぐまぐ

    火曜日……E-Magazineまぐびー(申請中)

    水曜日……メルマガ天国

    金曜日……めろんぱん

    土曜日……マガジンライフ

3)毎回テーマを決めてトラックバックコーナーを設け、ブログでの交流を推進する

 さて、前回、『源平盛衰記』や『義経記』を予告したと思うのですが、NHK

河『義経』は、『新選組!』ほどのテンションを維持できない、ということで、傍観

レポート宣言をしました。

(参照) 『義経レポートは、傍観レポートとなります

        http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20050205/p3

 ということで、NHK大河『義経連動企画おしまいとなります。

 それで今回のテーマとして、丁度映画館で激突中の『アレキサンダー』『ネバー

ランド』にちなみ、『プルターク英雄伝』か『ピーター・パン』を候補に上げました。

 ネット上をサーチした印象では、『ネバーランド』の圧勝のようです。

 それだからというわけでもないのですが、私自身読みたいということもあったの

で、今回は『ピーター・パン』を読んでみました。

 スリムダイエットしたメルマガ版は、こちらから。

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 ◆◇◆  ◇◆◇ 書誌的事項 ◇◆◇  ◆◇◆

 少年少女世界の名作文学(名作文学50巻版)9 イギリス編7(1967年

   『ピーター=パン』 ジェームズマシューバリ 原作

                  田島準子 訳・文

                  竹山のぼる 絵

 少年少女世界の名作(名作55巻版)10 イギリス編8

   『ピーター=パン』 ジェームズマシューバリ 原作

       (図書館になかったため、詳細は不明です)

 少年少女世界の文学(世界の文学30巻版)6 イギリス編5

   『ピーター=パン』 ジェームズマシューバリ 原作

                  田島準子 訳・文

                  竹山のぼる 絵

 ◆◇◆  ◇◆◇  ◆◇◆  ◇◆◇  ◆◇◆  ◇◆◇



ピーター・パン』は、ディズニー映画で有名のようです(私は見たことないの

ですが)。

 1991年には、ライバルの海賊船長をタイトルにした『フック』として映画化されました。フック コレクターズ・エディション [DVD]

フック コレクターズ・エディション [DVD]

 また、つい最近2003年にも『ピーターパン』として映画化されています。ピーターパン コレクターズ・エディション [DVD]

 ピーターパン コレクターズ・エディション [DVD]

 この時、それと連動してこのメルマガでも取り上げようと思っていたのですが、

多忙のためメルマガを書く余裕がなく終わりました。

 今回公開されている『ネバーランド』は、ネット上をサーチしたところ、『ピー

ター・パン』そのものの映画化ではなく、作者のジェームズマシューバリ

ピーター・パンモデルとなる少年と会い、彼を主人公とした物語創作していく

過程を描いたもののようです。

 こういったアプローチも面白いと思います。

  (公式サイト) http://www.neverland-movie.jp/

 映画「ネバーランド」オリジナル・サウンドトラック

 ネバーランド [DVD] (DVDも発売予定)

 今回読んだ本の解説を参照すると、バリはまず、1902年に『白い小鳥』という小

説を書き、2年後にこれを劇化した『ピーター・パン』を上映、1906年に『ケンジ

ントン公園ピーター=パン』を出版。

ケンジントン公園の〜』は、劇化されたものをさらに小説化したものか、それと

も続編なのか、その辺は分かりません。

 そして、映画などで一般的に知られているウェンディーが出てくる版は1911年

書かれた『ピーター・パンウェンディー』です。

 日本でも一般的に知られているのは、こちらではないでしょうか。私が読んだの

も、こちらの版です。

 日本で一般的に出版されているのも、こちらだと思われます。

 ただ、新潮文庫版の『ピーター・パン』は、アマゾンの読者レビューを読んだ限

りは、ウェンディーが出て来ない版のようです。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4102104011/nazegaku-22/ref=nosim

ピーター・パン』は有名な作品ですが、恥ずかしながら私は映画も観たことなく、

原作を読んだ記憶もありません。

 小さい頃、何らかの抄訳で読んだことはあるのでしょうが、ほとんど忘れていた

ため、今回読んだのがほぼ初めてのようなものです。

 読む前のイメージとしては、子ども向けのわくわくドキドキの冒険ファンタジー

小説、というイメージがありました。

 確かに、わくわく・ドキドキがあります。冒険があります。

 空を飛びます。インディアン人魚達との交流があります。

 海賊達と戦います。

 しかし、単なるわくわく・ドキドキの冒険ファンタジーに留まらない、大人が読

んでも新たな発見がある作品です。

ピーター・パン』がどのような性格を持った作品であるか、作者がどういう意図

で描いた作品であるか。

 フリー百科事典ウィキペディア (Wikipedia) 』  http://ja.wikipedia.org/

 

の「ピーター・パン」の項目の解説が秀逸で分かりやすいので、一読をおすすめ

ます。

 また、アマゾンカスタマーレビューを色々読んでいると、この作品は大人のた

めにも描かれている、ということが分かってきます。

 ウィキペディアで記述されているフック船長の記述、味わい深いですね。

 そういえばフック船長のファーストネームはジェームズ。作者バリと同じです。

 原作が持つニュアンス翻訳でどこまで伝えているか。原作翻訳を読み比べる

のも面白そうです。

ピーター・パンとウェンディ (福音館文庫 古典童話) 子ども読書運動に功績ある石井桃子の訳

ピーターパン (角川文庫) 2004年映画化に際して改訂新版を出した角川文庫

ピーター・パン (岩波少年文庫) 岩波少年文庫

ピーターパンの冒険 (竹書房文庫―世界名作劇場) 世界名作劇場版では巨大ロボットも登場、SFアニメとも言われている

 今回私が読み比べたのは、名作文学(50巻版)と世界の文学(30巻版)です。

 共に、田島準子さんの訳・文で、一部に少々の訂正はありますが、同じものと見

ていいと思います。

 挿絵は、同じ方が描かれています。白黒の前者に対して後者カラー版。新しく

描き直しておられます。

 名作(55巻版)にも収録されているはずですが、これは図書館にはなかったため、

詳細は不明です。

 この作品は、大人も子どもも楽しめる作品だと思います。

 わくわく・ドキドキがあります。冒険があります。

 空を飛びます。インディアン人魚達との交流があります。

 海賊達と戦います。

 空想の世界で冒険する楽しみを味わうために、子ども時代にはぜひとも読んでお

きたい作品です。

 しかし、大人になって改めて読んでみると、この作品の新たな一面を発見するこ

とができるでしょう。

 ピーター・パンとは、子ども達なら誰でも知っている少年のことです。

 子ども達はよく、ピーター・パンの噂話をしますが、大人になると忘れてしまう

のです。

 この設定だけでもう、何か物悲しいのですが、そもそもピーター・パンの生い立

ちが悲しいのであります。

 ピーターは幼い頃、大人になるのがいやだと思って窓から飛んで逃げ出し、その

まま人間子どもでも小鳥でもない存在として年を取らず、楽しく遊んで暮らし

います。

 そしてある時思い立って家に帰ってみると、窓は閉められ、お母さんは別の赤ん

坊と一緒に眠っていることにショックを受け、母親に対する複雑な思いを持ち続け

ているのです。

人間子どもは、もと、みんな小鳥でしたので、飛ぶことができるのです」

「生まれたばかりのあかんぼうは、みな、空を飛べるのです。でも、じきに、じぶ

んが小鳥だったことを忘れてしまうので、自然に飛べなくなってしまうのです」

 子どもの自由さ、可能性についての記述。

 子ども時代にこんな文章を読んでも、あまり感慨深いものは感じないのですが、

いざ大人になってからこういった文章を読むと、ぐっとくるものがあります。

 妖精についての記述。

「まあ、あなたは妖精を知っているの。すてきねえ」

妖精なんて、ちっとも珍しくないよ。生まれたばかりのあかんぼうが、初めて笑

うと、その笑い声がこなごなにくだけて、そのひとつひとつが、妖精になるんだよ。

子どもには、男の子でも女の子でも、みんなひとつずつ、妖精がついているんだよ」

「でも、あたしにはついていないわ」

「それは、子どもたちが、妖精のことを信じなくなるからだよ。『この世のなかに、

妖精なんかいるものか。』というたんびに、その子についていた妖精が、死んでし

まうんだよ」

 なかなか味わい深い記述です。

 少々俗っぽい視点ですが、これはいわゆる成功哲学という観点から見ても興味深

い記述です。

 誰にでも、成功の可能性があるのです。ところが、「私にはできない」というマ

ナス思考に陥るたびに、その可能性を摘み取っているのだと……。

   

 ピーターと一緒にいる妖精ティンカー・ベルも、結構有名な存在です。

 原作で実際に読んでみると、なかなか嫉妬深くて意地悪な性格をしています。

 ウェンディーは一度は彼女の悪だくみで死にかけたくらいですから。

   

 もう一人、いや一匹、印象深いキャラクターがあります。子守り犬のナナです。

 ウェンディー、ジョン、マイケルの3人の子どもを立派にお守りしています。

 ところがお父さんのダアリングさんはナナが嫌いで、いつも辛く当たっています。

 ダアリングさんの辛い仕打ちに健気に耐えて立派に子守りをするナナ。

 特に、ウェンディー達3人がピーターと共に旅立つ夜の出来事が悲しいですね。

 そして3人は、ナナの急報に駆けつけた両親が部屋に駆け込む前に、ピーター

一緒に飛び立つのです。

 この飛び立ちのシーン、印象的です。自由な世界へ!

   

 そして3人は、ピーターの住んでいるネバーランド(田島訳では“夢の島”となっ

ている)で暮らし始めます。

 この島には、6つの種族が住んでいます。

 妖精人魚猛獣インディアン海賊、そしてピーターの子分である6人の男

の子達。

 ウェンディー達は、妖精人魚インディアン達と交流したり、海賊達と敵対し

たりして暮らしています。

 幸せな生活の場である夢の島海賊という敵役が登場するのは不思議です。

 生活にスリルを与える刺激的な存在としての敵役なのでしょうか。

 海賊達の描かれ方は、どことなく間が抜けていて滑稽ですらあります。

 フック船長などは、時計を飲み込んだワニに追いかけられています。

 だからまあ、子ども達と海賊は同じ島に住んで敵対していながら、連日連夜血で

血を洗う抗争をしているわけではありません。

 ところが、最後の決戦では海賊達は皆殺しにされてしまうわけです。

「ホンマに殺してしまうんかい」

 ちょっと驚きました。

   

 そしてウェンディー達は家に帰ってきます。6人の子ども達もダアリング家の養

子として迎えられました。

 しかし、ピーターだけは帰っていきます。

「いやです。ぼくは、いつまでも子どもでいたいんです」

 養子になった6人は、学校へ行くようになって1週間もたたないうちに思うので

す。

「しまった。ピーター夢の島にいたらよかった」

 ピーターウェンディーは、毎年春に会うことを約束します。

 しかし、数回来た後、ピーターが来ることはありませんでした。

 月日は流れ、ウェンディーにはジェインという女の子が生まれます。

 ある晩、ウェンディーの前に昔のままのピーターがひょっこり現れます。

ピーター、わたしはもうおとなになって、飛ぶことも忘れてしまったのよ」

「わたしは年をとったのよ。結婚して、子どもまであるのよ。そこに寝ているのが、

わたしの子どもよ」

 ピーターは泣き出します。

 しかし今度はウェンディーの子・ジェインがピーターと友達になり……物語は、世代を超えて繰り返

されるのであります。

 この物語の色々な場面で、特に最後の場面で、子ども時代に対する独特の感情が

伺われます。

 また一方で、永遠に大人になれないピーター・パンに対する哀れさというものも

感じます。

   

ピーターパンシンドローム」という概念があります。

ピーター・パンシンドローム―なぜ、彼らは大人になれないのか (ノン・ポシェット)

内容(「BOOKデータベースより)

 ピーター・パンは、永遠少年である。大人社会への仲間入りを断わり、夢の国

「ないない島」で暮らす。

 そこで現実を忘れ悪戯に明け暮れるうちに、どんどん年を取っていくが、彼は大

人になりたくない。

 一時期、よく言われていた概念です。

 言葉として、或いは概念としては知っていました。

 しかし改めてこの概念のもととなった原作を読んでみて、この概念の哀しさ・悲

しさが切実に感じられます。もしかすれば、私自身もそれに当てはまっているのかもしれません。

 夢を持つこと、子どものような自由な精神を持ち続けることは大切です。

 しかし一方で、社会で生きていくことも必要なわけです。

 この辺の折り合いをどうつけていくか考えていくことが、夢見る者・子どものような

自由な精神を忘れない者の宿命といえるでしょう。

 

  ロスト・ボーイズ―J.M.バリとピーター・パン誕生の物語

 

  ピーター・パン写真集―ネバーランドの少年たち

   

 なお、当項はブログとなっています。コメントトラックバック歓迎します。

 スリムダイエットしたメルマガ版は、こちらから。

   http://www.emaga.com/bn/bn.cgi?meisaku

【今月のトラックバックコーナー】

 ブログを持たれている方とのトラックバック推進のために、特にテーマを設けま

す。トラックバック、遠慮なくどんどんやって下さい。お待ちしております。

テーマ1)今回のメルマガに対する感想

 完全版収録ページ http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20040405

               にトラックバックお待ちしております。

テーマ2)『ピーター・パン』に関する話題

     映画や本など、色々な話題でトラックバックお待ちしております。

   http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20040406

テーマ3)小学生時代に読んだ本の話題

     懐かしい思い出、トラックバックお待ちしております。

   http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20040406

テーマ4)その他何でも

   http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20040406

          トラックバックお待ちしております。

   

   ◇◇◇なぜ学 読書調査◇◇◇

  日本人の読書体験を徹底調査!!……とは大袈裟な。

  映画ミュージカルなどでも有名な今回の作品。

  この作品の読書体験を問う!

問い)ジェームズバリの『ピーター・パン』を読んだことがありますか。

 完訳版で読んだことある     (0票) 0%

 縮訳・抄訳で読んだことある   (8票) 19%

 絵本で読んだことある      (22票) 51%

 ない              (13票) 30%

 その他              (0票) 0%

開始:2005年02月20日/締切:2005年02月28日18時

投票数:43票/コメント数:1件

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お名前:なぜ学/メールアドレス

コメント

 映画ネバーランド』にちなんで、メルマガ最新号でテーマにしました。

 映画ミュージカルで、また、世界名作劇場でもアニメ化されましたが、私にとっては今回読んだ少年少女向け翻訳が初めてです。

 大人にとってもなかなか味わい深い名作でした。●

 

考察

 かなり有名な作品であるにもかかわらず、投票数が少なめで終わりました。

 この辺が限界か?

 いや、まだまだ。

  

(相互紹介)睡眠開発計画

   睡眠を、

    心身の健康・願望達成や創造力開発・潜在能力開発

  に活用する方法 を模索。

     http://sfclub.web.infoseek.co.jp/sleepdeveloper.htm

【相互紹介】SF KidなWeblog

    ……SF睡眠開発計画、超常現象……。

      SF Kid的ウェブログ

         http://blog.livedoor.jp/sfclub/

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

編集後記】

 メルマガが新編集方針によってリニューアルしました。

 ご意見感想お寄せ下さい。

 今月号からトラックバックコーナーも新設しました。

 トラックバックもどんどんお寄せ下さい。

 一つ気がかりなのは、メルマガ配信スタンドまぐびーさんでの配信が受理されないことです。

 私は以前からまぐびー http://magbee.ad-j.com/mlm/index.php

デザインが好きでした。

 今回、配信スタンド増加の方針のため、かねてよりお気に入りだったまぐびーさんからも配信させて頂くことにしたのです。

 まぐびーさんからの配信の利点は、1)デザインが気に入っていた という以外にも、バックナンバー表示の方法が優れているからです。

2)バックナンバーが件名(タイトル)入りで表示される

3)バックナンバー各号がフレームではなく、独立したアドレスが付与される

4)バックナンバー各号が目次一覧から新しい画面で生成される。

   

 ブログの完全版とメルマガ速読版に違いが出る新編集方針では、比較のためにメルマガ版のバックナンバーコーナーも充実させておきたいところです。

 そのため、何とかまぐびーでの発行申請に合格しておきたかったのです。

 ところが、何度申請しても梨のつぶてです。

 1月28日、2月3日、7日、15日と、4回申請しても一向に受理されません。

 申請直後にリターンメールは帰ってきて、そのメールHP画面には

  

「結果につきましてはあらためてご連絡いたします」

   

と書かれているのですが、合格とも不合格とも何にも言ってきません。

 何度もメールで問い合わせているのですが、それにも返信が帰ってきません。

 一体申請のメールや問い合わせのメールが届いているのかいないのかも分からない状態です。

 思い入れのあったスタンドなのに、完全な片思いではないか。

 しかしここで取り乱せば台無しになります。

 今後もねばり強く新規発行手続きを続けていくつもりです。

 来月発行する頃には、まぐびーからも発行できればいいのですが。

    

 それでは、今後もよろしくお願い申し上げます。

   

 あなたは

     まぐまぐより 94人(−2)

   E−マガジンより  2人(+1)

   メルマガ天国より 30人(+3)

    めろんぱんより 11人

  マガジンライフより 255人(−9)

 の名作文学について考える少年少女感性を忘れないヒトのうちの一人です。

2004-04-04 (日) 少年少女世界の名作文学ブログ(index)

[]少年少女世界の名作文学ブログブログ版(完全版)について  少年少女世界の名作文学ブログ・ブログ版(完全版)について を含むブックマーク 少年少女世界の名作文学ブログ・ブログ版(完全版)について のブックマークコメント

 毎月1回を目標に、小学館少年少女向け名作文学全集から1作品を選び、読んでいます。

 その読書報告のようなものです。

  

 コメントトラックバックお待ちしております。

 。o○ .。o● .。o○ .。o○ .。o○ .。o○ .。o●.。o

【最新5号】

第18回配本 “1億総斜陽族時代”たる現代日本にて『斜陽』を読む

    http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20090329/p1

第17回配本 十五少年漂流記(検定も作っちゃいました)

    http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20080831/p1

第16回配本 いなか医者はあら皮に何を頼むか

 〜『ランジェ公爵夫人原作バルザックの作品

    http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20080420/p1

第15回配本 『姿三四郎』を見て格差社会と戦いについて考える!?

    http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20071229/p1

第14回配本  西遊記 悟空の凄さ、圧倒的!

    http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20070920

【目次】

第1号 『義経』がもっと面白くなる『平家物語』 (2004.12.12)

      http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20040403

       (旧編集方針版の第15号と同一内容です)

第2号 大人も子どもも楽しめる『ピーター・パン』(2005.02.20)

      http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20040405

第3号 成功哲学古典プルターク英雄

      http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20040407

第4号 児童名作文学全集冒険・ガルガンチュア物語

      http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20040409

第5号 SF古典宇宙戦争

      http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20050612

第6号 終戦60年特別ドラマ 二十四の瞳

      http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20051002

第7号 続編映画公開中!快傑ゾロ

      http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20060219

臨時発行号 当メルマガはしぶとく続けていくつもりです!(2006.08.31)

      http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20060831

第8号 水滸伝 梁山泊に集う108人の英雄物語(2006.09.26)

      http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20060920

弟9号 宝のひょうたん

    現代にも通じる心理サスペンスディズニー映画化決定!】(2006.10.15)

      http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20061015

第10号 愛の一家 優等生版 家庭・学園物語

    露悪趣味の現代の物語に疲れた時の一遍の清涼剤

      http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20061126

第11号 くるみ割り人形 本当に恐ろしいクリスマス童話

      http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20061224

第12回配本  秘密の花園 人々を幸せにする“読書療法”

    http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20070204

第13回配本  ビーチャの学校生活 リアル生活的現実性と社会主義リアリズムの間

    http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20070325

第14回配本  西遊記 悟空の凄さ、圧倒的!

    http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20070920

第15回配本 『姿三四郎』を見て格差社会と戦いについて考える!?

    http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20071229/p1

第16回配本 いなか医者はあら皮に何を頼むか

 〜『ランジェ公爵夫人原作バルザックの作品

    http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20080420/p1

第17回配本 十五少年漂流記(検定も作っちゃいました)

    http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20080831/p1

第18回配本 “1億総斜陽族時代”たる現代日本にて『斜陽』を読む

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2004-04-03 (土) 大河『義経』がもっと面白くなる『平家物語』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

◆◇◆◇◆◇◆ 「少年少女 世界の名作文学読書ノート ◇◆◇◆◇

     HP: http://www.nazegaku.com

バックナンバー: http://nazede.gozaru.jp/mmm00.html

  ウェブログ: http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/

   第15回配本  大河『義経』がもっと面白くなる『平家物語

                        2005.01.23

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 なぜ学です。

 今年もよろしくお願いします。

 少々の事情で、第4日曜に配信しております。

 今後も第2日曜配信を目標に、少なくとも月一度の配信を目標としていきます。

 さて、本年度のNHK大河ドラマは『義経』となりました。

 私は昨年の大河ドラマ新選組!』を応援しており、ブログにて視聴レポート

連載しておりました

 (『新選組!』をもっと楽しく観よう会

    http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20041115 )

が、その流れで今年も視聴レポートを連載することにしました。

 『義経』については、年末年始の慌ただしい中、まだ第1回しか見ていないので、

まだ本格的に各種ブログでの評価を見たりしていないのですが、まあ期待できるので

はないかというところです。

 ただ、チラッと目に入ってきた範囲では、『義経』に好意的な意見には、ついで

に『新選組!』の悪口を言っている意見が多いのです。

 これには『新選組!』を推してきた私もカチンときます。

 何で『義経』を誉める引き合いに『新選組!』がクササレなければならないのか!

 少々割り切れないところがありますが、批判の応酬は建設的ではない。

 ここはグッとこらえて、『義経』を見ていきます。

 “古典的大河至上主義”による『義経』擁護論にはカチンときてますので、少々

シニカルになることもあるかとは思いますが、そこら辺、私の個性ということでお

許し下さい。

 ということで、このようなレポートを連載していきます。

NHK大河ドラマ義経』を脇役中心に観ていくレポート

   http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20050114

 さて、今回取り上げる名作は、『平家物語』であります。

 実は掲示板で次郎さんにお薦めされたものです。

   http://www.startingweb.com/bbs.cgi?job=viewthread&bbsid=5683&mid=68

 大河ドラマは見ているくせに、それと連動するというアイディアは思いつきませ

んでした。

 次郎さん、ありがとうございます。

 ところで、源平合戦を題材にした古典として、大きく以下のものがあります。


平家物語

 軍記物。作者は信濃前司行長はじめ諸説あるが未詳。

 平清盛を中心とする平氏一門の興亡に即して歴史の激動をとらえている。

 琵琶法師たちの語り(平曲)によって多くの人に享受され、和漢混交文の詞章も洗

練されていった。

 諸本により書名・巻数・文体・内容も多様。

源平盛衰記」(四八巻)はもっとも膨張した異本といえる。

 謡曲・浄瑠璃をはじめ後世の文芸に大きな影響を与えた。治承物語。平語。

源平盛衰記

 軍記物。四八巻。作者未詳。鎌倉後期以降に成立。「平家物語」の異本の一種。

 一般に流布した「平家物語」に比べて歴史を精密に再現しようとする傾向が強く、

そのため文体も、やや流麗さを欠く。

 謡曲・浄瑠璃など後世の文芸への影響は大きい。げんぺいせいすいき。盛衰記。

義経記

 軍記物語。八巻。作者未詳。室町前期に成立。源義経の悲劇的生涯を描いた一代記。

 義経伝説を多く含み、後世の文学演劇豊富な素材を与えた。

 判官物語(ほうがんものがたり)。牛若物語義経(よしつね)物語。よしつねき。

                    (以上、「infoseekマルチ辞書」より)

 また、源平合戦に先立つ保元・平治の乱を描いた『保元物語』『平治物語』もあ

ります。

 今回、どうせなら『源平盛衰記』『義経記』も読み比べてみよう、と企画してい

たのですが、昨夜読み始めた『平家物語』を読み終えるだけで精一杯でした。

 次回、『源平盛衰記』『義経記』を取り上げたいと思います。

 ◆◇◆  ◇◆◇ 書誌的事項 ◇◆◇  ◆◇◆

 少年少女世界の名作文学(名作文学50巻版)45 日本編1

   『平家物語

         (図書館になかったため、詳細不明です)

 少年少女世界の名作(名作55巻版)45 日本編1(1976年

   『平家物語』 筒井敏夫・文 武部本一郎・絵

         (次郎さん提供のデータです)

 少年少女世界の名作(偕成社)4(1979年重版

   『平家物語日本古典 北村謙二郎・文 羽石光志・絵 

 

 ◆◇◆  ◇◆◇  ◆◇◆  ◇◆◇  ◆◇◆  ◇◆◇

 さて、次郎さんの思い出深い口絵や一の谷の挿絵が入っている名作文学50巻版の

第45巻ですが、残念ながら図書館にはなく、読めませんでした。

 私が頼りにしている図書館には名作文学50巻版は、第41巻と第45巻が抜けていて、

48冊なのです。

 一方、名作55巻版は、34冊しかなく、目当ての第45巻はありませんでした。

 そのため、どの本を読もうかと思案に暮れていたところ、

 偕成社少年少女世界の名作 http://nazede.gozaru.jp/kaiseisha.html

の第4巻が存在していることを発見

(この全集は23冊所蔵されているようです。)

 このシリーズも100巻に及ぶ膨大な全集で、研究したい対象です。

 その後何度か縮小再編成され、50巻、40巻、30巻となった版を確認しております。

 今回はこの偕成社シリーズの正統的な100巻版のうちの第4巻『平家物語』を読

んでみます。

 また、名作文学50巻版の第47巻 日本編3には『義経記』が含まれており、

これは次回取り上げてみます。


 さて、今回読む『平家物語』に沿って見ていきます。

 実は私は『平家物語』は、高校の古典教科書で一部読んだ程度のもので、読む

のは初めてなのです。

 次郎さんによると、小学館の名作文学50巻版や名作55巻版は、原作の香りをよく

伝えているそうですが、今回の版は原作をどうまとめているかについては、分かり

ません。そこら辺、今後の研究が望まれます。

 ただ、冒頭の有名な書き出しをはじめ、随所に原文の読み下し文が挿入されてい

るのは好感が持てます。

 今回は、NHK大河ドラマ義経』を見ていくうえで、こういった人物やエピソ

ードについて知っておけばより面白く見られるのでは、というポイント中心に見て

いきます。

【前半の主役 平清盛

 前半の主役とも言えるのが、平家の頭領・平清盛です。

 独断即決で冷徹な決定を下す少々恐ろしい人物として描かれています。

 大河では渡哲也演じるこの人が出てくると、ピーンと画面が引き締まります。

 確かに『秀吉』で演じた織田信長ばりの恐ろしさも感じるのですが、一方で義母

池禅尼南風洋子)に頭が上がらなかったり、正室・時子(松坂慶子)にもかな

わなかったり、お徳(白石加代子)という謎の老婆を一目置いたり、敵の一族であ

常盤御前稲森いずみ)に母の面影を見て世継ぎ共々許したりと、今回の清盛は

人間的に甘い部分・弱い部分を持っているように描かれそうです。

 この複雑な心境、まさに前半の主役であります。

平家物語』では謎の熱病にかかって壮絶な最後を遂げますが、そこら辺どんな風

に描かれるでしょうか。

【意外と扱いが小さい源義経

 源義経については、源平合戦の終盤で源氏現場司令官として登場しています。

 牛若丸弁慶五条の橋の上での決闘など、幼少期のエピソードは描かれていま

せんでした。

平家物語』は清盛の死後、色々な人物やエピソードを描いた群像劇の様相を呈し

てきます。

 諸行無常盛者必衰の理ということで、滅びる者を中心に描いていると言えます。

 とはいえ、源義経も生き生きと鮮やかに描かれており、その後義経の人気が高ま

っていったというのも納得できます。

 また、『平家物語』では全くといっていいほど影の薄い武蔵坊弁慶ですが、松平

健には主役を乗っ取るくらいの演技を期待したいものです。

諸行無常の理 妓王・妓女・仏御前】

 平家物語の冒頭を飾る、華麗で典雅ながら悲しいエピソードの登場人物です。

 飛ぶ鳥を落とす勢いを持つ平清盛が抜擢して近くに置いた妓王。妹の妓女や母親

もその恩恵を受けて優雅に暮らします。

 そこに現れたのが仏御前。最初清盛は仏御前を追い返そうとしますが、情けをか

けたのが却って仇になり、妓王は清盛に追い返されてしまいます。

 妓王・妓女は母親と共に出家します。仏御前も、次は我が身かと世をはかなみ

共に出家します。

 美しさも舞いの技術も一級ながら権勢家・清盛のために人生を狂わされた人々。

 諸行無常、ひとえに風の前の塵に同じという『平家物語』のテーマをよく表して

いるエピソードです。

 大河では描かれなかったようなのが残念。

【最初の反乱者 鹿ケ谷一味】

 暴虐の限りを尽くす平家一門に最初に打倒の声を挙げた人々。

 俊寛僧都大納言成親・成経・平判官康頼・荒法師西光、そして彼らを裏切る多

田蔵人行綱など。

 西光法師や俊寛らは激しくもいいキャラクターです。

 鬼界カ島に流された俊寛・成経・康頼のその後や残された家族のことなども描か

れています。

 さて、大河ではどのような役者がどのように演じ、どのように描かれるのでしょ

うか。

黒幕 後白河法皇

 清盛が川の水やサイコロと並んで意のままにならない、と愚痴った方です。

 平家物語では頼朝とこの方が最後の勝者だとも言われています。

 鹿ケ谷事件から反平家黒幕でありながら、最後まで生き残ります。

 平幹二朗がどんな風に演じるのか、興味あるところです。

【諫言者 平重盛

 前半のもう一人の主人公とも言える人。

 父・清盛の苛烈な政策にことごとく異を唱え、諫言します。

 平家の中で唯一道理のわかる人格者、という風に描かれています。

 自分の死と引き換えに父が正気を取り戻すようにと願い、神仏に祈って死んでい

きます。

 彼が清盛より長らえ、清盛の死後世を治めていれば平家政権も長く続いたのでは

……?

 大河では勝村政信が演じております。清盛と重盛の父子関係に注目!

【次なる反乱 以仁王令旨

 以仁王平家追討の令旨を出し、全国の源氏が立ち上がります。

 以仁王も、最初に呼応した源頼政も失敗するわけですが、ここからいよいよ平家

の凋落は明らかとなっていきます。

 源頼政丹波哲郎)のヌエ退治のエピソードはやるのだろうか。

【豪僧 文覚】

 伊豆源頼朝に決起を促した荒僧。荒行に耐えるシーンは壮絶。

 いいキャラですが、大河では登場するのだろうか。

朝日将軍 木曽義仲

 平家福原京から追い払い、都に入った。源氏の一族だが、頼朝とは系統が違う。

 公家社会のしきたりやマナーに疎く、乱暴者でもあったため、公家や都の住人か

ら嫌われ、頼朝も討伐の軍勢を向ける。

 義経の軍勢と源氏同士の争いを始め、敗北する義仲。

 義経頼朝のライバルとして十分な存在です。物語中盤の山場とも言えます。

新選組!』では山南敬助堺雅人)の死が大きな山場となりましたが、それに負

けないインパクトを与えてほしいものです。

 小澤征悦には木曽義仲の演技が後の世に記憶されるくらいの演技を期待したいも

のです。

 腹心・今井四郎兼平にも期待したい。

平維盛と滝口入道のエピソード】

 維盛は平重盛の嫡男。源氏との戦いでは、亡き父に代わり、度々総大将を務める

が、成果を上げることができない。

 頼朝との内通を疑われ、かつて父に仕えていて出家した滝口入道に弟子入りして

出家し、修業の後入水します。

 偉大な父を超えることのできない重圧がもたらす悲劇。

 演じる賀集利樹は「仮面ライダーアギト」だとか。

 なら『新選組!』で斎藤一を演じた“仮面ライダークウガオダギリジョーに劣

らない演技と人気が望まれます。

 

【二代目 平宗盛

 清盛の後を継いだ二代目だが……。義経とは兄弟同然に育てられたという設定。

 しかし、目的意識の差が大きな違いをもたらした……。

 ちなみに、演じる鶴見辰吾は私が一番好きな大河ドラマ毛利元就』で、桂広澄

草刈正雄)の子を演じていた。

 渡辺勝榎木孝明)の子・渡辺通を演じたのは平重盛を演じる勝村政信です。

【勇猛果敢 平知盛

 兄宗盛とは違い、豪勇な武将として描かれています。

 実は清盛・重盛亡き後、一門の中で最も大将としてふさわしい人物ではなかった

かと……。

 阿部寛がどのような知盛の演技を見せてくれるか、期待しましょう。

【大物 梶原景時

 石橋山の戦いで敵方の頼朝を助け、後に頼朝の臣下となる。

 頼朝の信任あつく、頼朝の名代として義経を監視する。

 戦の方針ではしばしば義経と対立。

 ううむ。これが後に頼朝義経の対立を招くのか。

 演じるのは中尾彬。やはり、タダでは終わりそうにない雰囲気である。

 

【ほとんど出てこない源頼朝

 今回読んだ本では、源頼朝はほとんど出てきません。カットされたのだろうか。

 最後に義経と戦うことになる頼朝こそ、今回の大河のポイントでしょう。

 この頼朝義経以上の支持を集め、人気を得ることが、『義経』の作品としての

幅の広がり、作品としての成功と言えるでしょう。

 中井貴一義経を上回る演技を期待したいところです。

 他にも那須与一の扇討ちのエピソードや熊谷次郎直実と敦盛のエピソード、義経

の八艘飛びなどのエピソードなど、見どころが満載です。

 さあ、NHK大河ドラマ義経』がますます楽しみになってきました。


コメントトラックバック歓迎します!】

NHK大河ドラマ義経』を脇役中心に観ていくレポート

   http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20050114

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   ◇◇◇なぜ学 読書調査◇◇◇

  日本人の読書体験を徹底調査!!……とは大袈裟な。

  日本人に広く膾炙する今回の作品。

  この作品の読書体験を問う!

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問)『平家物語』を読んだことありますか。

古文の原文で完読した                (5票) 11%

完訳版で読んだことある               (4票) 9%

縮訳版やマンガ版絵本で読んだことある       (7票) 15%

古文のテキストや古文の試験問題として読んだことある (19票) 40%

ない・その他(コメントお願いします)        (12票) 26%

 開始:2005年01月23日/締切:2005年01月31日18時

 投票数:47票/コメント数:1件

コメント

2005年01月23日21時39分08秒 お名前:なぜ学

コメント

 メルマガ最新号では、NHK大河ドラマ義経』にちなんで、『平家物語』を読んでみました。

 古典の授業やテスト問題としてメジャーな教材なので、あえて「読んだことない」を「その他」とまとめました。

 私は授業やテスト問題を除いて、読んだのは今回読んだ子ども向けの縮訳版が初めてです。

 縮訳版でもいいから、『平家物語』を読んでおくと、より一層『義経』を面白く見ることができるでしょう。

 ●縮訳版やマンガ版絵本で読んだことある

考察

 大河ドラマで話題の『平家物語』がテーマの割には、意外と投票数が伸びなかったですね。

 最近投票数が少なくて寂しい。

 今回は日本の古文がテキストなので、「古文で完読」という選択肢を入れましたが、

やはり投票される方がおられました。次回からは外国文学も「原書で完読」を入れるべきか?

 一番多かったのが古文のテキスト試験問題として。『平家物語』は、入試に頻出のようです。

 それに並ぶのは、『源氏物語』『徒然草』『枕草子』あたりか?

 私、『源氏物語』も、古典の授業で読んだだけです。

源氏物語』の少年少女向け翻訳はあるのでしょうか?いつかはメルマガで特別編としてでも取り上げたいですね。

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======編集後記================================================================

 またもや時間配分の失敗から、準備不足により、読み出したのは昨夜深夜から。

 日曜の朝から必死に読み、書いてようやく発行にこぎつけました。

 書いても書いても終わらないような気分でしたが、ようやく一息つけます。

 メルマガコンパクト化は、そんな忙しい私が思いついたアイディアです。

 このアイディア、どうでしょうか。

 ご意見感想お待ちしております。

==========================================================================

 あなたは

     まぐまぐより 96人(+2)

   メルマガ天国より 27人(+4)

    めろんぱんより 11人(−1)

 の名作文学について考える少年少女感性を忘れないヒトのうちの一人です。

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 私のメルマガ 「少年少女 世界の名作文学読書ノート

バックナンバーです。

 このメルマガでは、現代の情報過多の社会に生きる読者の皆様の利便を図って、

メルマガコンパクト化を行っております。

 即ち、メルマガでは、物語に直接関係ある部分・より重要な部分のみを配信した簡略版を配信しています。

 そして、前ふりとか書誌的事項とかマニアックな周辺的な事項や編集後記などはバックナンバー

として公開します。

 興味のある場合はバックナンバーコーナーでより深く読み、

 忙しい時などはメルマガの簡略版を読むのみでもいいという、

 忙しい皆様の利便を考えた編集方針でいきます。

 ということで、「少年少女 世界の名作文学読書ノートの購読をお願いします。

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2004-04-02 (金) 第14回配本  クリスマス・カロル このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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     第14回配本  チャールズ・ディケンズが創始“クリスマス・カロル療法”

                        2004.12.12

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 USO SAKAI(ゆーえすおー さかい)です。

 突然ですが、本日いよいよ、大河ドラマ新選組!』が最終回を迎えます。

 私はこの番組が好きで、一年ブログ感想レポートを書いてまいりました。

 最後まで見届けます!

 同好の士がおられましたら、ぜひともブログの方に感想トラックバックなどお寄せ下さい。

  

 今回の読書会は、ディケンズの『クリスマス・カロル』です。

 最近は『クリスマス・キャロル』と表記されることの方が多いのでしょうか。

 時期柄を考えての選択です。

 クリスマスの定番中の定番とも言える作品です。

 私が子どもの頃、新潮文庫が毎年この頃に、この『クリスマス・カロル』と、

賢者の贈り物』が収録された『O・ヘンリー短編集2』に

クリスマスに読む本」という帯をつけて売り出しておりました。

 昨年私は、変化球狙いでこの時期の本メルマガケストナーの『飛ぶ教室』を選

んでみましたが、今年はストレートに『クリスマス・カロル』を読んでみます。

  

 ◆◇◆  ◇◆◇ 書誌的事項 ◇◆◇  ◆◇◆

 少年少女世界の名作文学(名作文学50巻版)4 イギリス編2(1966年

   『クリスマス=カロル』 チャールズ・ディケンズ 原作

                  平井芳夫 訳・文

                  山中冬児 絵

 少年少女世界の名作(名作55巻版)8 イギリス編6

   『クリスマス・カロル』 チャールズ・ディケンズ 原作

       (図書館になかったため、詳細は不明です)

 ◆◇◆  ◇◆◇  ◆◇◆  ◇◆◇  ◆◇◆  ◇◆◇

 名作文学50巻版と名作55巻版を読み比べたいところですが、残念ながら図書

館には名作55巻版は部分的にしか保存されていないので、今回は名作文学50巻

版だけを読んでみました。

 

 集英社文庫クリスマス・キャロル (集英社文庫) 岩波少年文庫クリスマス・キャロル (岩波少年文庫)

  

 1年中で一番楽しいクリスマスイブの昼下がり。

 けちで頑固なスクルージじいさんは、世間とは関係なく事務所で忙しそうに働い

ているのだった。

 彼が働いているのは、スクルージ・マーレイ会社。マーレイは彼のただ一人の友

人で、彼もまたスクルージと同じく、けちで頑固というので有名だった。

 会社の共同経営者であるマーレイも、7年前のクリスマスイブに死んでいたのだった。

 スクルージは、ただ一人の従業員のボッブには辛く当たり、親切に訪ねてきた甥

のフレッド寄付金を集めに来た紳士クリスマスの歌を歌いに来た若者らを冷た

く追い返し、仕事に没頭。

 クリスマスイブというのに、遅くまで働いてようやく家に帰って来ます。

 家のドアの真鍮の大きなノッカーを見ると、何だかマーレイの顔のように見えて

くる。さすがのスクルージも怖くはなったが、その度合いは普通の人より少なかっ

た、と書かれています。

  

 さあ、それからマーレイ幽霊が登場します。

 この登場までの描写、怖いですね〜。

 暖炉の周りに描かれた絵にマーレイの顔が浮かぶ。家中の鐘が鳴る。

 そして、地下の方から鎖を引きずった足音が登ってきて、部屋の前で止まります。

 扉を抜けて現れたのは、7年前に死んだはずのマーレイであります。

 マーレイは、死んでから7年の間、生前したことの反省のために長い旅をしてき

た、と言います。

「わしが、今晩ここへ来たのは、おまえがわしのような運命におちいらないように、

まだ立ちなおる機会があることを、教えるためなのだ」

 マーレイは、わしと同じめにあいたくなかったら、後にやって来る3人の幽霊

色々教えてもらうんだな、と忠告して消えていきます。

  

 果たして、マーレイ予言通り、幽霊はやって来ます。

 最初に来たのは、過去幽霊であります。スクルージ過去幽霊に、彼の過去

に連れて行かれます。

 最初に行ったのは、彼が少年時代を送った町。

「おまえは、このへんの道を知っているかい?」

「知っていますとも、目隠しされたって、歩いていけますよ」

「長い年月のあいだ、それを忘れていたのはおかしいね」

  

 子ども時代に住んでいた町、というのは、私にとっても遠い世界のようで、不思

議な感じがします。

 私が高校時代まで住んでいた家はもうなく、実家引っ越しているのですが、今

でも時々この頃住んでいた家を夢に見ます。

 そして、あの頃歩いた近所の景色もそのまま思い出すことができるのです。

 

 幽霊スクルージ学校に連れて行きます。放課後の教室では、スクルージ

がたった一人で本を読んでいます。

 この場面、非常に印象的であります。一人で本を読んでいる、というシチュエー

ションが私の感性に訴えてくるのでしょうか。

 私は公文式英語教室に通っていました。そこでは、ある程度文法を習うと、

物語の読解に入ります。

 その教材で『クリスマス・カロル』を読んだのが、私とこの作品の最初の出会い

です。他のシーンは忘れても、その時に読んだこのシーンだけはずっと覚えておりました。

 

 本を読むシチュエーションだけでなく、この場面は、自分を見ている、という点

でも印象深いものです。

 自分を見る、というのは、臨死体験を思い出すシーンです。

 このメルマガの前回(第13号)、「トムとハックの冒険」でも、家出中のトムが夜

に家に帰り、家族が悲しんでいる場面を覗くシーンがあります。

 これなんかも、臨死体験的なシーンであります。

 

 その後スクルージは、妹に再会し、その息子のフレッドに辛くあたったことを反

省します。

「あれの母―つまり、じぶんの妹にあたるファンには、昔ずいぶん親切にしてもらった。

 そのファンの子だというのに、年がいもなく、なんてことをいったり、したりし

てしまったのだろう」

  

 次に現れたのは、現在幽霊でした。現在幽霊は、スクルージを、現在の色々

な場所に連れて行きます。

 スクルージ薄給でこき使っている事務員のボッブは、貧乏の子沢山ながら、家

族仲良くつつましく暮らしておりました。

 そして、スクルージのために乾杯を捧げるのです。

  

 また、甥のフレッドの家のパーティーでは、フレッドが、

「いじわるで、いちばんこまるのは、あの人自身なんだ」

と言って、スクルージのために乾杯します。

  

 その後、スクルージ幽霊に色々遠くへ連れて行かれ、色々なものを見せられます。

 幽霊は、どこへ行っても、そこにいる人々を幸せにします。

   

 そして、最後に現れたのは、未来幽霊でした。

 この幽霊は、まっ黒な衣に包まれて頭も顔も見えず、腕だけが外に出ていて、し

かも一言も話さないという異様な存在であります。

 まだ見ぬ不安な未来を象徴的に表しているのでしょうか。

  

 未来幽霊は、未来クリスマスの日の朝にスクルージを連れて行きます。

 そこでは人々は、昨晩死んだ男について話しております。

 金持ちのようだったが、ほとんど同情されていない男。財産をかっぱらわれて怪

し気な古物商に売られる男。

  

「わかりました。よくわかりました。その男と同じようなことを、わたしはいまま

でやってきたんです。ですから、わたしもその不幸な男と同じことになるかもしれ

ないんです……」

 

 やがてスクルージは、その死んだ男というのは、他ならぬ自分だということに気付きます。

 

「あなたが、わたしに見せてくださったいろいろな姿は、いまにきっとそうなると

いうのでしょうか?

 それとも、もしかすると、そうなるかもしれないという程度のものなのでしょうか?」

 

 未来幽霊スクルージを彼の墓に案内し、彼を指差します。

 

「お聞きください。わたしは、もうこれまでのような人間ではありません。あなた

がたとお会いして、生まれかわったのです。どうか、そのことを認めてください。

そして、『わたしの努力しだいで、これからの生活を変えることができるのだ。』

と、おっしゃってください!」

「わたしは、あなたがた三人のお教えくださったことを、けっして忘れません。こ

れからは、クリスマスを祝います。だれにも、かれにも親切にします。そしてえが

おでつきあいます。ですから、どうかこれまでのことは、ないことにしてくださいまし」

「お願いします!お願いします!」

 

……そして気がつくと、朝になっておりました。

 スクルージは今まで、夢を見ていたのです。

 

『とすると、あの幽霊は死んだマーレイの手びきで、わたしに正しい生き方を教え

てくれたんだ。』

 

 スクルージはその日から、新しく生まれ変わりました。

 クリスマスを祝い、ボッブの待遇改善し、フレッドとも仲直りします。

 何年かさき、死んであの世へ行ったら、

「どうだ、マーレイ、変わったろう?」

と、マーレイをびっくりさせてやるんだと、スクルージは、近ごろ口ぐせのように

いっている。

 光文社文庫版 クリスマス・キャロル (光文社古典新訳文庫)  お風呂で読める版 クリスマス・キャロル (お風呂で読む文庫 24) 

 

 いや〜いいお話ですね。

 お話としてもめでたしめでたしで終わって、いいお話なのですが、この短いお話

の中から色々な教訓を導くことができるでしょう。

 まずこの物語が、友情の物語であるということであります。

 スクルージの唯一の友人だったというマーレイが、生前どんな奴だったかは間接

的にしか描かれておりません。

 しかしやはり、スクルージと同じくけちで冷酷だったのでしょう。

 その彼が死んでから後悔し、かつての友人に反省を促しに来ます。

 やはり持つべきものは友ですね。何とマーレイはいい奴なんでしょうか。

  

 そしてこの物語は、「自分を変える」「未来を変える」ということがテーマでも

あります。

 私なども催眠療法自己啓発成功哲学といったものに興味がありますので、そ

ういった観点から読むのも興味深いものであります。

 上でスクルージ未来幽霊に問うたセリフ引用しました。

 スクルージは、自分を変えることをしつこく宣言します。そのことによって未来

を変えることができるのか、と尋ねております。

 現在の自分を変えることで未来を変えることができる、という命題は、成功哲学

では繰り返し語られるものであります。

 過去を思い出し、現在を考え、未来イメージする……。

 催眠療法のアプローチとしても、有効な方法かと思われます。

 催眠療法に応用できそうです。

 チャールズ・ディケンズが創始してスクルージ著効があった“クリスマス・カロル療法”とでもいったところであります。

 

 ということで皆様、時あたかもクリスマスシーズンであります。まだ読んだこと

ない方はこの機会に、読んだことある方も再読してみればいかかでしょうか。

 映画も何種類か出ているようです。

  

クリスマス・カロル (新潮文庫)』 

 私の過去クリスマス:毎年クリスマスに「クリスマスに読む本」

 という帯をつけて売られていた新潮文庫版 村岡花子訳の定番です。

 ディズニーミッキーのクリスマスキャロル (「国際版」ディズニーおはなし絵本館)

 

 何度も映像化されたと言われるこの作品。

 ビデオDVDも沢山出ております。

 

 BBCが忠実に映像クリスマス・キャロル (トールケース仕様) [DVD]  マペットマペットのクリスマス・キャロル [DVD]

 『3人のゴースト』の原作クリスマス・カロル。3人のゴースト [DVD]

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   ◇◇◇なぜ学 読書調査◇◇◇

  日本人の読書体験を徹底調査!!……とは大袈裟な。

  原作映像あまりにも有名すぎる今回の作品。

  この作品の読書体験を問う!

ディケンズの『クリスマス・キャロル』を読んだことありますか。

完訳版で読んだことある (11票) 18%

縮訳版で読んだことある (7票) 11%

絵本で読んだことある  (8票) 13%

ない          (32票) 52%

その他         (3票) 5%

 開始:2004年12月12日/締切:2004年12月20日18時

※自分では転載したつもりでしたが、思い違いで転載していなくて、

そのため、コメントボードがなくなってしまいました。

 クリックアンケートマガジンコメントボードは1か月持たないようです。

 以後、アンケート締め切り後できるだけ早く結果を転載したいと思います。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  

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☆“コナン”といえば……?アンケート結果発表

    http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20041205

☆郵送宅配レンタルコミックというのがあったのか

    http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20041207

☆アクビちゃんの母親ハクション大魔王の嫁さんについて

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☆ [『新選組!』をもっと楽しく観よう会]

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    〜生き延び、あきらめず、オンリーワンを目指すこと

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   第48回「流山」(12/5)〜有馬藤太個人として

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 現在、毎週木曜19時25分からNHK教育テレビで、

未来少年コナン』の再放送をやっています。

 毎回感想レポートを書いているので、コナンファンの皆様、

コメントトラックバックお願いします。

未来少年コナン 第3話 はじめての仲間

  http://blog.livedoor.jp/sfclub/archives/9626559.html

未来少年コナン 第4話 バラクーダ号

  http://blog.livedoor.jp/sfclub/archives/9935760.html

未来少年コナン 第5話 インダストリア(その1)

  http://blog.livedoor.jp/sfclub/archives/10219284.html

未来少年コナン 第6話 ダイスの反逆

  http://blog.livedoor.jp/sfclub/archives/10590362.html

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2004-04-01 (木) 第13回配本  トム&ハックの冒険

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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 USO SAKAI(ゆーえすおー さかい)です。

 先月は時間配分ミスのため、結局配信できませんでした。

 無理せず、細く長く続けていくことをモットーに細々と継続していくつもりです。

 どうか細く長い付き合いをよろしくお願い申し上げます。

   ◇ ◆ ◇

今回は、トム&ハックの冒険であります。

というのは、少し前、書店で『ハックルベリー・フィンの冒険』に「劇場化」とかいった帯が付いて並んでいたからです。その後、新聞の文化面にも紹介記事が出ておりましたが、どうやら『ハックルベリー・フィンの冒険』を劇場化したミュージカル

ビッグ・リバー」〜ハックルベリー・フィンの冒険〜

が上映されていたようなのです。それに合わせて読んでみようという意図でしたが、発行をもたついている間にミュージカルの公開は終了し、公式サイトもたたんでしまったようです。

   ◇ ◆ ◇

ハックルベリー・フィンの冒険』は言うまでもなく『トム・ソーヤーの冒険』の続編なのだから、どうせならトム・ソーヤーと両方読んでみたい、と思います。しかしいつも読んでいる小学館全集には、トム・ソーヤーの方だけ収録されているようであります。

 少年少女世界の名作文学12 アメリカ編3 『トム=ソーヤーの冒険』

 少年少女世界の名作11 アメリカ編1 『トム・ソーヤーの冒険

共に打木村治の訳です。一部に小さな手直しがありますが、ほぼ同じものと見てよいでしょう。

ただ、今回はハックのミュージカルに因んでいるのだから、続編の方も読みたいと思い、図書館で調べたところ、河出書房の全集に、両方収録されていることが分かりました。

ということで、今回は特別編として、河出書房新社の“少年少女世界の文学シリーズを読んでみます。

 

 ◆◇◆  ◇◆◇ 書誌的事項 ◇◆◇  ◆◇◆

 少年少女世界の文学河出書房新社版)10 (1966年

   『トム・ソーヤーの冒険』 マーク・トウェイン 原作

                光吉夏弥 訳  池田龍雄 絵

   『ハックルベリイ・フィンの冒険』 マーク・トウェイン 原作

                小島信夫 訳  桜井誠 絵         

 ◆◇◆  ◇◆◇  ◆◇◆  ◇◆◇  ◆◇◆  ◇◆◇

今回読んでみる河出書房の少年少女世界の文学、全24巻・別巻2巻ということですが、これもまたなかなかの大型シリーズであります。300ページを超える大型の本で、字も小さく、2段組であります。もう、大人向けの本といっていいくらい充実した内容です。訳も、一部省略した部分もあるようですが、ほぼ完訳に近い形になっているようです。ただ、カラー挿絵が随所に入っているので、その点読みやすい。

わらし仙人様が、最近売れる本の特徴として、字が大きい、ということを挙げておられました。しかしこの本が刊行された当時の子ども達は、こんな小さい字がぎっしり詰まった分厚い充実した本を読んでいたのですね。下手したら現在の大人の読書能力はあの当時の子ども達に負けるのでは?これはぜひとも速読術をマスターせねば。

 わらし仙人の30倍速読術―往復の通勤時間で、年間600冊読めたら、人生が変わります! 非常識な速読術―一度能力が身についたら、二度と消えない!

 

 『トム・ソーヤーの冒険』については、この夏に行った企画「共同ブックトーク:夏休み 親子で読みたい本」において、このメルマガでは1位として挙げさせていただきました。

 その時行ったアンケートでも、1位の得票を頂きました。

(参照) http://nazede.gozaru.jp/mmm011.html

   ◇ ◆ ◇

 また、『トム・ソーヤーの冒険』は1980年には日曜19時半からの世界名作劇場として1年間放映されております。以前も書きましたが、このアニメについては私は再放送で見ております。なかなか面白く描かれておりました。

   ◇ ◆ ◇

しかし意外と知られておりませんが、『ハックルベリー・フィンの冒険』も、実は連続アニメ化されていたのであります。原作では続編ですが、日本でのアニメ化はハックの方が早く、1976年に全26話で放映されています。私は、物心つくかつかないかの時に見ておりました。私の記憶に残る、一番古い部類のアニメであります。

「ねえ ハックの 大事なもの知ってるよ」

で始まるオープニングソング(始めの歌)をまだ覚えておりますが、内容その他については全く覚えておりません。(はてなダイアリーキーワードに「ハックルベリィの冒険」「ほらハックルベリィ・フィン」がありました。)

ハックルベリィの冒険」「ほらハックルベリィ・フィン

(追記)

94.08.26〜95.03.03に、『衛星アニメ劇場』枠内で『ハックルベリー・フィン物語』が放映されていたようです。私は元来同時代のアニメについてあまり関心がないし、TVも地上波だけしか見られないので全然気付かなかった。

テレビアニメ放映資料】『ハックルベリー・フィン物語

 http://home-aki.cool.ne.jp/anime-list/hakkuru.htm

   ◇ ◆ ◇

世界名作劇場は知名度も大きく、ファンも多いのですが、その枠外で放映された、世界の名作を原作としたアニメシリーズもたくさんあります。『宝島』『シンドバットの冒険』『小さなバイキングビッケ』『燃えろアーサー』や『ハックルベリィの冒険』など、今一つ知名度の低いこれらもう一つの名作アニメシリーズの復権が望まれます。

 

 宝島DVD-BOX アラビアンナイト シンドバットの冒険 DVD-BOX1 小さなバイキング ビッケ DVD-BOX1 ANIMEX 1200シリーズ 76 組曲 円卓の騎士物語 燃えろアーサー

   ◇ ◆ ◇

『トム』も『ハック』も、私は中学1年か2年生の頃、完訳版で読みました。『トム』の方はハラハラドキドキで面白かったのですが、『ハック』の方は少し難しく、あまり面白さが理解できなかった。解説で、作者のトウェインは、『ハック〜』の方に愛着があり、一般的な文学的評価も『ハック〜』の方が高い、と書かれていて、『トム〜』の方が面白いと思った私としては、意外に思ったものです。今思うと、当時の私にはまだ『ハック〜』を理解することができなかったのだと思います。

   ◇ ◆ ◇

 さて、まず『トム・ソーヤーの冒険』について。

 親がいないトムは、ポリーおばさんの家で育てられています。ポリーおばさんは、トムのお母さんの姉ということです。トムにはシッドという弟がいて、本書では「腹ちがいの弟」と書かれているのだから、多分ポリーおばさんの実子なんでしょう。

 世界名作劇場を取り上げる上でいつも参照する

 『名作アニメもうひとつ物語

には、トムとシッドは実の兄弟だという記述がありますが、アニメ版ではそんな設定となっていたのかもしれません。そして印象が薄いのですが、ポリー家には、メリーという、トムより少し年上らしいお姉さんがいます。メリーこそ、ポリーおばさんの実子なんでしょうか。この3人一緒で日曜学校に行ったりしています。そして、どうやらポリーおばさんは未亡人らしいようで、1人で3人の子どもを育てています。

   ◇ ◆ ◇

 こんな家族構成の中、トムは色々なエピソードを提供してくれます。話の核になるストーリーの間にも、小さなエピソードが幾つか挿入され、トムの活躍を描いております。トムは色々ないたずらをやり、事件を起こし、大人達を怒らせます。

 初めてこの話を読んだ頃、私はトムの活躍を楽しみ、あこがれもしました。しかし今読んでみると、どうやら私はトムのようなタイプではなく、どちらかというとシッドのようなタイプの子どもでした。

 不良のトム、優等生のシッド。

 シッドは優等生で、大人達を困らせたりしません。

 しかし、頭の中は自由です。私は、行動するタイプではなく、頭の中で冒険するタイプでありました。

 小説を書くのが好きだったので、面白い小説を書くためのアイディアを考えたり、本を読んだり、小説を書くのが好きでありました。

 それで、頭の中でトムの冒険をわくわくしながら読んでいたのでありました。

 好きだったのは、無人島に家出する話です。ジャクソン島という名前のようです。

   ◇ ◆ ◇

 ベッキーサッチャーに振られて気落ちしたトムは、ジャクソン島にジョー・ハーパーやハックと共に乗り込み、無人島生活を始めます。

 無人島生活を始めた数日後のある夜、トムは島を抜け出し、家に戻ってポリーおばさんやジョー・ハーパーのお母さんらが、トムやハーパーが死んだと思い込んで悲しんでいるのを見物します。臨死体験を思わせるこのシーンが印象的でした。

   ◇ ◆ ◇

 そしてトム達は、自分たちの葬式が開かれている時に帰ってきます。驚いた町の人達は喜んで許し、トム達はちょっとした英雄扱いを受けます。しかしちょっとこれは悪趣味というか、悪乗りというか、やりすぎな感がするいたずらであります。私がトムのようなタイプではなく、シッド的なタイプだと自覚するのは、こんな時であります。

   ◇ ◆ ◇

 ベッキーサッチャーもトムと仲直りしようとしますが、トムは根に持って許しません。ベッキーは怒り、本当に仲違いしてしまいます。

 その仲直りのきっかけとなったのが、ドビンズ先生であります。

 このドビンズ先生アニメ版では、トムを目の敵にしており、こっぴどい仕返しを受けたりする、永井一郎演じるちょっとした重要人物でありますが、原作ではこのエピソードのみの登場であります。

 

先生のドビンズ氏は、若いときのこころざしをとげないままに、中年になった人

だった。先生のぞみ医者になることだったが、貧しいために、町の校長先生

じょうになれないでいるのだった。」

 

 ということで、毎日、解剖学の本を見ることを楽しみにしている人物であります。

 子ども時代には全然気にも止めなかった記述でありますが、運命のいたずらで思いもよらない生活に流れ着いた成れの果て、読んだり書いたりすることを毎日のささやかな楽しみとしている今、身につまされる記述であります。ドビンズ先生の境遇に非常に共感するのであります。

 こういった視点の変化を感じるのが、子ども時代に読んだ名作を大人になってから再読する意義の一つであります。

 ともかく、ドビンズ先生の大切な解剖学の本を破いたベッキーの罪をトムがかぶってやったことで、二人は仲直りします。ドビンズ先生はトムとベッキーの結びの神となったわけです。

   ◇ ◆ ◇

 そして物語はこの後、息もつかせぬサスペンス編に突入し、インジャン・ジョーとの対決、洞穴での冒険、宝物の発見……と続いていくのであります。

 いや〜やはり、子どもにとっても大人にとっても名作であります。

 子ども時代の感想と大人になってからの感想を比べてみるともっと面白いのであります。

 

 ハックルベリーの冒険については、CMの後でお送りします。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 え〜、ここでありゃま商会からのコマーシャルです。

 もう一度読み返したいトムとハックの冒険。

 読んだことない方は、今こそ読んで下さい。

 こんな名作、読まないのは勿体無い。

 

 トム・ソーヤーの冒険―トウェイン完訳コレクション (角川文庫) ハックルベリ・フィンの冒険―トウェイン完訳コレクション (角川文庫) ←角川文庫トウェイン完訳コレクション(大久保博訳)

 トム・ソーヤーの冒険 マーク・トウェインコレクション (6) ハックルベリィ・フィンの冒険 マーク・トウェインコレクション(7) ← 彩流社マーク・トウェインコレクション

 完訳 ハックルベリ・フィンの冒険―マーク・トウェイン・コレクション〈1〉 (ちくま文庫) ← ちくま文庫マーク・トウェイン・コレクションはこれ1冊か?

  トム・ソーヤーの冒険 ハックルベリ・フィンの冒険―附翻訳小史 ←「ハック〜」には他の邦訳を概観した小史も併録とか。

 

『トム=ソーヤーの探偵』トムとハックが探偵に?!これは私も未読であります。

 三作品まとめて読めるのは講談社青い鳥文庫

 トム=ソーヤーの冒険 (講談社青い鳥文庫) ハックルベリー=フィンの冒険(上) (講談社青い鳥文庫) トム=ソーヤーの探偵 (講談社青い鳥文庫)

 新潮文庫からも出ています。

 トム・ソーヤーの冒険 (新潮文庫) ハックルベリイ・フィンの冒険 (新潮文庫) トム・ソーヤーの探偵・探検 (新潮文庫)

 

 

 

 ↑ハックがコレラ菌になって細菌世界を冒険!?こんなのも書かれていたのか。

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 さて、『ハックルベリー・フィンの冒険』について。中学生の頃読んだ時は、少々難しいと感じたのですが、今回非常に面白く読むことができました。

原作は、『トム〜』より長い大著であります。今回の訳は

「まい数の関係で、一部はかんたんにしましたが、だいたいは原文にしたがって訳しました」

とのことです。

   ◇ ◆ ◇

 前作品での冒険により、金持ちとなったハック。しかし、飲んだくれの父親が帰ってきて捕まります。この父親、今の言葉で言うと家庭内暴力を繰り返す悪い奴です。ハックは小屋に閉じ込められますがノコギリを使って脱出、ミシシッピ川を下っていって例のジャクソン島に逃げ出し、そこで逃亡奴隷ジムに会い、一緒に行動することになります。

   ◇ ◆ ◇

 数日後ハックは、自分に関する世間の噂話を知るために変装して対岸に行き、ある老婆の家に行って様子を聞き出します。老婆は、ジムがハックを殺して逃亡したのではないかという噂話を話してくれ、ジムに賞金がかかっている、と言います。そして、私はジャクソン島に火が上がっているのを見たから、多分ジムはあそこにいるんだろう、今夜私の亭主はジャクソン島に探しに行くため、今手伝いを呼びに言っている所だ、と。

 その時の老婆というのがいいですね〜。注意力や推理力が鋭く、まるで安楽椅子探偵ミス・マープルのようであります。この老探偵の捕物計画に驚いたハックは慌てて逃げ出しますが、果たしてこの少年の正体がハックだと老婆はどこまで気付いていたのでしょうか。

   ◇ ◆ ◇

 そしてハックとジムは、いかだを使ってミシシッピ川を下っていきます。いかだには小屋もついており、雨露をしのぐことができます。また、小屋の中には土をもり、火をおこすこともできます。いいですね。私は子ども時代からこんな閉じた自給自足的な空間が好きでありました。

   ◇ ◆ ◇

 川を下りる道中、色々な事件に巻き込まれながら、やがてハックはグレンジャーフォード家に厄介になることになります。 グレンジャーフォード家は、シェファードソン家と長い宿敵関係にあり、対立しております。そもそもの始まりは、どちらかの家が裁判に勝ち、負けた方が勝った方を撃ち殺したことらしいが、そんなことは誰も覚えてはいない。ともかく、両家は生まれた時から仲が悪いのであります。

 グレンジャーフォード家には、バックという、ハックとほぼ同じ年代の子どももいて、仲良くなりますが、彼もまたシェファードソン家を憎んでおります。

 この両家の争いのエピソード、最後は悲劇に終わります。トウェインは、争いの連鎖の悲しさを、このエピソードを通じて訴えているようです。

 本書を中学生の頃読んだ時、『トム・ソーヤー』ほど印象には残らず、大部分を忘れてしまいましたが、この二家の争いのエピソードについては、悲しいイメージとともに深く記憶に刻まれました。このエピソードは特にそうですが、『ハック〜』の方は、『トム・ソーヤー』と比べて、考えさせられる部分が多くなっていて、単なる冒険活劇物語では終わっていません。その点、読者対象年齢が『トム・ソーヤー』より上になるでしょう。

   ◇ ◆ ◇

 またミシシッピ川を下っていくと、今度は2人の詐欺師に会い、同行する羽目になってしまいます。

職業は、わたりの印刷職人だが、特許薬品もいささかあきなうし、役者もやる。

―こりゃ、まあ、悲劇のだがね。催眠術や骨相学も、いざとなりゃ手がけるし」

「わしゃ、これでも、むかしはちょっとした医術のこころえがあってな。掌圧療法

てのが、わしのおはこだったよ。―ガンとか中風とかいったものにきくんだがね。

それから、運勢占いもできる。」

……むむむ、アヤシイ。何だか私の行く末を見ているようだ。

 そして、ずる賢い若い方の詐欺師が、私は実は公爵だった、と言い出し、やがて年とった方も実は私は王様だった、と言い出し、公爵王様のアヤシイ詐欺師コンビは、行く先々でインチキ商売をやっていくのであります。やがて、大金持ちの遺族になりすまして莫大な遺産を横取りしようとして……。

   ◇ ◆ ◇

 またまた下流で詐欺師コンビジム奴隷として売り払ってしまいます。ハックはジムを救出しようと試みますが、何とジムが売られたサイラスフェルプス家は、実はトム・ソーヤーのサリーおばさんの家。やがてトム・ソーヤーも到着し、トムとハックのコンビが復活!ジムの救出作戦を開始します。

   ◇ ◆ ◇

 いや〜なかなか、少年時代とはまた違った楽しみ方があるんですねえ。今読み直して、改めてこの作品の面白さが理解できました。黒人奴隷の問題や、争いの連鎖の問題など、社会的な問題も描いており、そういった問題提起もあったんですね。公爵王様のアヤシイ詐欺師コンビも、非常に身近で親近感を感じます。何だか自分もこんな風に落ちぶれかねなくて恐ろしい。そういった感じ方に楽しみ方、少年時代にはそこまで味わうにはまだ幼すぎたのでしょう。

 改めて、少年少女時代に読んだ名作を大人になってから読み返すことの意義を実感します。皆様方も少年少女時代に読んだあの物語を読み返してみてはどうでしょうか、

……と提案させて頂き、この項を終わりといたします。さよならさよならさよなら

 

 

 

 

 

 

 

   ◇◇◇なぜ学 読書調査◇◇◇

  日本人の読書体験を徹底調査!!……とは大袈裟な。

  原作アニメあまりにも有名すぎる今回の作品。

  この作品の読書体験を問う!

☆M・トウェインの『トム・ソーヤーの冒険』を読んだことありますか。

 完訳版で読んだことある  (18票) 23%

 縮訳版で読んだことある  (15票) 19%

 絵本で読んだことある   (14票) 18%

 ない           (32票) 40%

 その他          (1票) 1%

 開始:2004年11月14日/締切:2004年11月22日18時

 投票数:80票/コメント数:6件

   (協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/ )

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

コメント

2004年11月14日22時11分31秒 お名前:なぜ学

コメント

 今回、メルマガではトム・ソーヤーとハックルベリー・フィンの冒険について書いてみました。

 大人が読んでも面白い本だと思います。

●完訳版で読んだことある

2004年11月15日01時03分00秒 お名前:ピロ

コメント

 英語教科書や教材によく載ってますよね。

 それ以外は知らない。●

2004年11月15日07時40分46秒 お名前:コマンダーインチーズ

コメント

 学生の時文庫で読んだ。すごく感動して影響を受けた、ということはなかったが

本としては面白かった。●

2004年11月15日23時59分06秒 お名前:Mylene

コメント

 1960年代の終りか1970年代の始め頃にNHKでやっていたのを見ていた。

●その他

2004年11月16日00時50分27秒 お名前:R/メールアドレス

コメント

 アニメと違って、人種差別に正面から取り組んだ作品だったのがとても印象に残っている。トムと周囲の黒人たちが心でつながりあう様子を描くことで、差別の乗り越え方も学んだ。同じく、ハックルベリー・フィンも、当時アメリカの白人社会の最下層の人間生き様と、そういう人間からも黒人というだけで差別されるアメリカ社会の一片をさらっと書いていて、感慨深かった。●完訳版で読んだことある

2004年11月16日22時22分10秒 

お名前:ひろき(H.O.)

コメント

アニメなんかは面白そうかなと思います。●ない

(皆様、投票コメントありがとうございました。)

☆M・トウェインの『ハックルベリー・フィンの冒険』を読んだことありますか。

 完訳版で読んだことある   (8票) 11%

 縮訳版で読んだことある   (9票) 13%

 絵本で読んだことある    (4票) 6%

 ない            (48票) 67%

 その他           (3票) 4%

 開始:2004年11月14日/締切:2004年11月22日18時

 投票数:72票/コメント数:5件

   (協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/ )

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

コメント

2004年11月14日22時16分19秒 お名前:なぜ学

コメント

 中学生の頃、完訳で読みましたが、『トム・ソーヤーの冒険』より難しく、分かりにくかった。

 今読んでみると、ようやく面白さが分かったような気がします。

 なお、あまり知られていませんが、この作品は『トム・ソーヤー』より早く、連続アニメ化されております。

●完訳版で読んだことある

2004年11月15日07時41分27秒 お名前:コマンダーインチーズ

コメント

 トムに続いて直後に読んだが、こちらはあまり覚えていない。●

2004年11月16日00時00分49秒 お名前:Mylene

コメント

 漫画の本でなら読んだ事が有る。●その他

2004年11月16日00時53分21秒 お名前:R/メールアドレス

コメント

トム・ソーヤの冒険』ではかなりのいたずらっ子に描かれていたトムが、『ハックルベリー・フィン〜』では、いいとこのおぼっちゃんに描かれていて、なるほど、当時の“自由の国”にこういった社会階層があったのだなと感心した。

●完訳版で読んだことある

2004年11月16日22時24分56秒 お名前:ひろき(H.O.)

コメント

 あらすじも知りませんが、きっとスリルに満ちているのかなと思います。

●ない

(皆様、投票コメントありがとうございました。)

 ☆【??? 市井ディレッタント 冒険記 ?!∞】☆

 ――日々の冒険を記録するウェブログより紹介――

☆[日常の哲学]縄文文化と日本文化

    http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20041028

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【相互紹介】 SF KidなWeblog

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 ◆ジョー・マクモニーグル透視したケネディ暗殺犯・3億円犯人

   http://blog.livedoor.jp/sfclub/archives/9272160.html

 ◇未来少年コナン 第1話 のこされ島

   http://blog.livedoor.jp/sfclub/archives/8943621.html

未来少年コナン』の再放送が始まりましたね〜。

 毎週木曜、19時25分〜。

……ということで、アンケートであります。

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☆“コナン”といえば、何を思い出しますか。

未来少年コナン       (33票) 30%

名探偵コナン        (66票) 60%

コナン・ザ・グレート    (5票) 5%

コナン・ドイル       (6票) 5%

■その他(コメントお願いします) (0票) 0%

 こちらの結果につきましては、以下のページを御覧下さい。

    http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20041205

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 あなた

     まぐまぐより 92人(−2)

   メルマガ天国より 23人(+1)

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