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森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

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2006-12-26 (火) 《水滸伝》水滸伝1973年日テレ版(中村敦夫主演)鑑賞記第11回

[]《水滸伝水滸伝1973年日テレ版(中村敦夫主演)鑑賞記第11回 《水滸伝》水滸伝1973年日テレ版(中村敦夫主演)鑑賞記第11回を含むブックマーク 《水滸伝》水滸伝1973年日テレ版(中村敦夫主演)鑑賞記第11回のブックマークコメント

弟21話 巨星・荒野に墜つ  脚本舛田利雄  監督小沢啓一

 金の国との国境近くの豪族・曹氏が虐殺殺戮を繰り返しながら南下してきた。

 曹氏の当主・曹狼(安倍徹)には5人の息子がおり、恐れられていた。

 

長男・曹塗(千波丈太郎) 冷徹・策謀に富んでその性は陰湿

次男・曹魁(伊吹新) 性饂飩ではあるが恐るべき大力

三男・曹索(亀石征一郎) 武技に秀で実戦の指揮者

四男・曹密(柳瀬志朗) 皮肉屋。物事に熱中できず、理屈をもて遊ぶ。

五男・曹昇(剛達人) くちばしは黄色いが本人はいっぱし大人のつもりである

 

 そしてついに梁山泊の頭領・晁蓋山形勲)が以前治めていた東渓村に到着、村を荒らし始める。

 偶然諸国放浪の旅から帰る途中の鉄牛(大前均)が居合わせ、次男・曹魁と戦うが、後から他の兄弟に殴られ、捕まる。

 曹氏は、村人や鉄牛の前で、この村をかつて治めていた晁蓋挑発し、晁蓋率いる梁山泊軍と正々堂々と雌雄を決することを宣言する。

 梁山泊にこのことを伝える鉄牛。

 

 報告を受けた晁蓋は、出陣を希望するが、他のメンバーから制止され、まず林冲花栄・鉄牛が東渓村に行って様子を見ることにする。

 

 東渓村では曹魁と曹昇が若い夫婦をなぶり殺して乱暴狼藉を働くが、林冲達が現れるとすぐに逃げ去る。

 

 翌朝、曹5兄弟率いる曹軍が東渓村に攻めて来るが、林冲の作戦により迎撃、五男・曹昇は林冲に斬られて死に、曹軍は退却する。

 やられてそのまま逃げ帰るとは何事か、やられたらやり返せ、と怒る曹狼に長男・曹塗は策を提案する。

 

 その夜、見回りの鉄牛にしびれ薬を飲ませた曹兄弟は、待避所に隠れていた村の女達を連れ去る。

 翌朝、軍使として現れた曹塗は、女達を帰す代わりに林冲人質になることを要求、林冲はそれを飲む。

 人質交換の場で曹塗は、晁蓋率いる梁山泊軍と雌雄を決することを要求、花栄と鉄牛は梁山泊に伝え、梁山泊軍が出動する。

 

 梁山泊軍が東渓村の城壁に到着すると、曹狼は、和睦交渉のために晁蓋が一人で入ってくることを要求。

 宋江公孫勝の制止を振り切って晁蓋が一人で進んで行くと、曹索の放った矢が刺さって落馬

 梁山泊軍は晁蓋を抱えて一旦退く。

  

  

 ついに曹家の登場である。祝家荘には3人兄弟がいたが、今回は5人も兄弟がいて賑やかである

 曹家の当主・曹狼や長男や三男は結構まともそうに見える。

 特に三男はクンフーも得意で、兵士を相手にした練習では圧倒的な強さを見せつける。

 しかし、次男が荒くれもので、四男と五男は二枚目だがチンピラ不良風である

 

 鉄牛と曹家の次男の一騎打ち。次男の方も時々優位に立ったりしていたが、最後に鉄牛が優位になったところを他の兄弟が後から殴って決着が付いた。

 

 曹狼は、晁蓋は村を見捨てて一人安楽に過ごしている、と挑発するが、村人達は今でも晁蓋を慕っているようである

 

 梁山泊会議。久々に晁蓋が登場。思えば第6話で梁山泊首領になってから回想シーンに一・二度しか出ていない。何で登場しなかったんだろう。

 

 会議のメンバーは、晁蓋宋江林冲公孫勝・扈三娘・花栄・鉄牛。

 史進柴進・戴宗・武松魯智深らは不参加。

 弟18話では史進柴進は傷の療養中ということだったが、まだ回復していないのだろうか。

 

 高求は、曹家と梁山泊の戦いを「狼が虎に挑戦している」と形容。

 もちろん曹家が狼だろうが、曹家の旗印は虎であり、曹家の五兄弟を“曹家の五虎”と言う。曹家を虎と例えることもできるのである

 また、高求の側には唐義(小笠原弘)という護衛官が着いていた。これは武官のようである。19・20話で活躍した寥(宮口二郎)はお役御免になったのだろうか。

 

 最初の戦いであっけなく五男・曹昇が死亡。早々に5兄弟が4兄弟になってしまった。残念。

  

 鉄牛にしびれ薬入りの酒を飲ませたのは、曹兄弟の四男か?女装して顔を隠して声は女性吹き替えしていた。現実では余程の美形でない限り、あり得ない話である

 

 林冲救出のため、晁蓋率いる梁山泊軍が出動。このドラマ始まってようやく初めて、大規模な梁山泊軍の遠征である

 しかし、オープニングの映像のような梁山泊オールスターズの総登場というわけにはいかなかった。

 行軍に映った主力メンバーは、会議に参加していた晁蓋宋江林冲公孫勝・扈三娘・花栄・鉄牛だけである

 他のメンバーはどうしていたのだろう。

 

 行軍の途中、晁蓋軍旗が風に煽られて折れる。

 不吉だと思った宋江公孫勝出直しを進言するが、晁蓋は「形あるものは壊れるものだ」と取り合わない。

 確かこんなシーン、『三国志』でもあったな。(孫堅が出陣の時)

 

 和睦を口実に一人で来ることを要求しながら、卑怯にもだまし討ち。やはり汚い曹一家。林冲が言うように

「この連中には義は通じない」

である

 

 晁蓋に刺さった矢には、「曹索」の名が。どうやら史文恭は登場しないようである

 

 晁蓋が息を引き取ると、鉄牛と花栄が立ち上がり、弔い合戦を主張、兵士達も賛同の声を上げる。それを制止する宋江

「今動けば奴らの思う壺。ここは一旦引き揚げて晁蓋殿を弔おう。」

 おおっと原作とは違ってこのドラマでは目立たなかった宋江であるが、立派にリーダーシップを発揮しているではないか

 しかしやはり軽く見られているのか、すかさず扈三娘が反論。

「そんなことをしている間に、林冲がどうなるの」

 これには公孫勝宋江フォロー

「曹狼ほどのずる賢さ、林冲どのを簡単に殺すとは思われぬ」

 梁山泊軍は晁蓋を弔うため、一旦梁山泊に戻ることにする。

  

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弟22話 壮絶!救出大作戦  脚本舛田利雄  監督小沢啓一

 

 曹狼は高求に取り入るため、長男・曹塗を都に遣わせる。高求は喜び、自ら近衛軍を率いて出陣を宣言。

 

 一方、梁山泊晁蓋を葬った梁山泊の面々は、公孫勝の指示のもと、各々が担当場所で工作を開始した。

 鉄牛や阮小二らは山中落石工作を行う。

 扈三娘と阮小五は歌姫と助手変装し、扈三娘は次男・曹魁と四男・曹密を誘惑し、仲違いさせる。

 公孫勝と阮小七は占い師変装、曹狼に近づき、ニセの鑑定を言って林冲監禁場所の変更と都からの高求軍の進路を変更させることに成功

 

 林冲、外に作られたおりの中に入れられる。阮小五が曹魁に、扈三娘が曹密に連れ去られた、と報告に来る。

 曹魁が見張りを離れて曹密の部屋に走って行った後、梁山泊軍勢林冲救出に登場。一同、曹一族の本拠地になだれ込む。

  

 

 晁蓋林冲もいない梁山泊では、宋江リーダーとなって演説したりしていた。

 今回、前回登場しなかった阮三兄弟が登場。活躍していた。

 一方、前回登場していた花栄は今回は登場せず。登場人物が多いので、誰かが出ると誰かが出られなくなってしまう。

 

 公孫勝占い工作にまんまとひっかかってしまう父・曹狼と次男・四男。頭の弱そうな次男と四男はともかく、しかめっつらで威厳を放っている曹狼がコロッと引っかかってしまったのは意外だった。変な占いを信じてしまったところからほころびが出てくる。

 私も占いは好きで、信じている方であるしか占いを信じ過ぎるとひどいことになる、という事例である

 曹狼の息子でいえば、長男・曹塗や三男・曹索は簡単に占いを信じるとは思えないが、曹塗は高求を迎えに行って不在であり、曹索は持ち場が違うので居合わせなかった。もし曹索が父親から占い師について相談を受けていれば、どうなっていたであろうか。 

 

 次男・曹魁と四男・曹密の兄弟喧嘩。鉄牛をも苦しめる曹魁であるから、本来ならば曹密など簡単にのしてしまうのだろうが、やはり弟だから手加減していたのだろうか。結構いい勝負の取っ組み合いであった。

 結局三男・曹索が仲裁して終わった。

 

 最後の曹一家と梁山泊軍の戦い。

 次男・曹魁の相手をしたのは何と公孫勝。曹魁相手にかなり長く切り結んでいた。公孫勝もなかなかやるでないの。最後は鉄牛が救出に入り、曹魁を押さえつけたところを公孫勝が致命傷を負わす。

 

 事態の急変を予感して急いで駆けつけた長男・曹塗に対しては、阮三兄弟がかかる。さすがの曹塗も三人が相手ではかなわず、敗北。

 四男・曹密は奥の手の手裏剣を使うが全て外れ、扈三娘に敗北。

 一番の使い手・曹索は林冲に破れる。

 最後に曹狼は、阮小二に破れた。林冲ではなく阮小二というのがポイント。阮小二、思わぬ金星である

 

 翌朝ようやく到着した高求軍は、曹一族全滅の報を受け、そのまま都に帰る。

 

  

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2006-12-24 (日) くるみ割り人形 本当に恐ろしいクリスマス童話

[]くるみ割り人形 本当に恐ろしいクリスマス童話 くるみ割り人形 本当に恐ろしいクリスマス童話を含むブックマーク くるみ割り人形 本当に恐ろしいクリスマス童話のブックマークコメント

◆◇【少年少女世界の名作文学ブログ・完全版】◇◆

第11回配本 くるみ割り人形 本当に恐ろしいクリスマス童話

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 毎月1回を目標にしているこのコーナー、12月号はクリスマスにちなんで『くるみ割り人形』です。

 実は私は『くるみ割り人形』は読んだことなくて、クリスマスに関するお話、という印象はありませんでしたが、何かを検索していると偶然以下のページに辿り着き、これもクリスマスにちなむお話だ、と認識したわけであります。

 

昭和30年代生まれに贈るオンラインマガジン EMIT

 めもあある図書館 くるみ割り人形

  http://www.emitefil.com/column/books/kurumiwari.html

 懐かしい時代をテーマにしたサイト。私にも共通の記憶が沢山あります。プロ編集者が作成しているようで、サイトの作りもうまい。要チェックのサイトです。

 

 そういえば昔、私が幼なかった子どもの頃、クリスマスが近い時期にスペシャルアニメとして『くるみ割り人形』が放送されたことがあります。それをもとにしたアニメ絵本も出て、妹が買っていました。

 このアニメアニメ絵本についても内容については全然記憶には残っていないのですが、アニメ絵本の表紙だけは鮮明に覚えていて、アマゾンなどで色々と検索したのですが、見つけることができません。アマゾンで表紙が出ている本の中にはありませんでした。表紙は鮮明に覚えているのだから、アマゾン図書館などで『くるみ割り人形』の絵本を片っ端から調べていけば分かるのでしょうが……。

 また、スペシャルアニメについても調べてみたのですが、分かりませんでした。時期的にはサンリオ映画が合っているのですが、これとは違います。

 

くるみ割り人形

くるみ割り人形

 また、「まんが世界昔ばなし」で放映された分とも違います。特別枠で放送されたスペシャルアニメです。お心当たりのある方、情報お待ちしております。

 

 さて、小説の『くるみ割り人形』についてですが、作者は幻想的・怪奇趣味作家E.T.A.ホフマンです。

 ホフマンについては私は子ども向けの『黄金の壷』を読んだことがあり、詳細なストーリーは忘れましたが、あの不気味で不思議感覚は強烈に記憶に残っています。

 このホフマン作品『ファルーン鉱山』が、前回読んだ『愛の一家』と同じ巻に収録されていたので返却する前についでに読んでみました。これもやはり不気味で不思議作品で、これについてはブログに書いてみました。

 

■[名作文学]ホフマン『ファルーン鉱山』のトルベルソン

  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20061207

 

『黄金の壷』『ファルーン鉱山』のホフマンが描く美しいクリスマスファンタジー……と予想していたのですが、やはりあのホフマンです。一筋縄ではいかない作品です。

 

 クリスマス・イブの夜、大変立派な衛生顧問官シュタールバウム家の子・マリーは、判事をしているドロッセルマイエルおじさんから、機械仕掛けのお城をプレゼントされます。兄のフリッツや姉のルイーゼ達と一緒にプレゼントおもちゃで遊んでいるうちに、不恰好なくるみ割り人形を見つけ、気に入りますが、兄のフリッツが乱暴に扱ったために壊れてしまいます。マリーはくるみ割り人形に包帯を巻いてベッドに寝かせ、大事に看病します。

 その夜、マリーが遅くまで人形遊びをしていると、七つの首を持つねずみの王様率いるねずみの軍隊に襲われ、左腕でガラスの戸棚にもたれたはずみでガラスを突き破り、左腕を傷付けます。

 

 そこにくるみ割り人形人形達を率いて救援に駆けつけ、ねずみの軍隊と激しい戦いを繰り返します。

 くるみ割り人形が危機に陥った時、マリーはくつを投げつけ、そのまま気を失います。

 

 実は、マリーが見た夢のお話でした。めでたし、めでたし……。

……と、ここで終わればめでたしめでたしなのですが、実はまだ続きがあるのだから複雑です。

 

 翌朝、マリーは医者のシュテルン先生の診察を受け、二三日の間、ベッドに寝たまま薬を飲んで養生することになります。

 そこにドロッセルマイエルおじさんが見舞いに来て、くるみ割り人形にちなむ昔話を三日に渡ってしてくれます。

 このお話も長くて複雑で不条理なお話なのです。

 

 あるお城に生まれた王女ピルパート姫が、ねずみのマウゼリンクス夫人の呪いのために不恰好なくるみ割り人形にされてしまいます。王様はその責任をお城の時計造り職人クリスチャンエリーアス・ドロッセルマイエルに押し付けドロッセルマイエルは15年に渡って治療法を捜し求めます。

 15年目に故郷が懐かしくなってニュルンベルクに帰ったドロッセルマイエルは、人形作りをしている弟のクリストフ・ツァハリーアス・ドロッセルマイエルとその息子(若いドロッセルマイエル)がそのカギを持っていることを発見し、若いドロッセルマイエルと共にお城に帰り、若いドロッセルマイエルはお姫様を元通りにしますが、今度は若いドロッセルマイエルが呪いにかかって不細工なくるみ割り人形に変えられてしまいます。

 ねずみのマウゼリンクス夫人は若いドロッセルマイエルに殺されますが、死ぬ間際に、7つの冠をかぶった息子がかたきを取るだろう、と予言します。

 醜くなった若いドロッセルマイエルはお城から追放されますが、その後、王子様になってニュルンベルクのお父さんの店に立っていたという話です。

 めでたし、めでたし……。

……と、ここで終わればめでたしめでたしなのですが、実はまだ続きがあるのだから複雑です。

 

 マリーの腕の傷の治癒は長引き、病気療養は続きます。

 その後、毎晩ねずみの王様が現れ、マリーに生け贄を要求していきます。

 マリーの両親やドロッセルマイエルおじさんはねずみ退治を始め、ドロッセルマイエルおじさんはネズミ捕りの罠を仕掛けますが、効果はありません。

 しばらくマリーは生け贄を捧げますがやがて要求はエスカレートしていき、マリーはくるみ割り人形に相談します。くるみ割り人形はマリーに武器を求め、マリーは兄のフリッツに相談し、フリッツは兵隊の人形の剣をくれます。

 

 その夜、マリーはくるみ割り人形に起こされます。くるみ割り人形はねずみの王様を倒したと言い、その証拠に王様がかぶっていた王冠を渡します。

 そしてくるみ割り人形はマリーをお菓子の国・マルチパン王国マルチパン城に招待してくれます。楽しい時間を過ごすマリー。次第に高く高く上へ上へと登っていき……。ドシンと転落します。

 実は、マリーが見た夢のお話でした。めでたし、めでたし……。

……と、ここで終わればめでたしめでたしなのですが、実はまだ続きがあるのだから複雑です。 

 

 夢から覚めたマリーは両親に夢の話をしますが、信じてもらえません。証拠にねずみの王様がかぶっていた七つの冠を出すと、どこから取ってきたと激しく追及されますが、ドロッセルマイエルおじさんは、これは古い時計の鎖についていた冠で、マリーの2つの誕生日の日にあげたものだ、ととりなします。

 マリーは、おじさんのおいの若いドロッセルマイエルがくるみ割り人形ではないかと問いますが、両親にそんなことを言うのは失礼だ、と叱られます。

 

 マリーは夢に見たお菓子の国のことが忘れられず、心の中はそのことで一杯になり、やがてマリーは、静かに考え込んで座っているのが好きになり、“小さな空想屋ちゃん”と呼ばれるようになりました。

 しばらくたったある日、ニュルンベルクからドロッセルマイエルおじさんの甥が訪ねて来て、マリーは一目で彼が好きになります。

 その夜、少年はマリーをガラス戸棚の前に呼び出し、片方のひざをかがめてお辞儀をして言います。

お嬢さま、わたくしは、あなたから命を助けていただきましたくるみ割りの若いドロッセルマイエルでございます。」

 

 彼は今、マルチパン城の王であり、マリーを城に誘います。

 うわさによると、それから一年たったある日、若いドロッセルマイエルは、銀の馬がひっぱる金の車にマリーを乗せてマルチパン城へつれていったということです。

 そしていまもマリーは、きらきら光る美しいクリスマスの森のマルチパン城のおきさきで、王さまと仲よく暮らしているということです。

 これで、くるみ割り人形お話は、ぜんぶおしまいです。

 

 不思議お話です。

 単純にめでたし、めでたしでは終わりそうにない複雑な構成です。

 いっそのこと夢オチで終わってくれた方がすっきりします。

 先にリンクした、この物語を知るきっかけとなったサイトでは

「夢と現実メビウスの帯のように繋がり、どちらの世界現実なのかわからなくなる。」

と書かれています。まさしくそんな感じであります。エッシャーの描く不思議な絵画を思わせる世界です。

  

 一番変なのは、判事をしているというドロッセルマイエルおじさんの存在でしょう。

 やせて背が低く、顔はしわだらけで右の目に黒い膏薬をぺったりと貼っています。

 しかし手先が器用で、時計カラクリ仕掛けのお城などの設計・修理が得意であり、また子ども好きで心が優しくて色々なおみやげを持ってきてくれるため、子ども達からは人気がある、と書かれています。

 奇妙なことにこのドロッセルマイエルおじさん、マリーが見つけたお気に入りのくるみ割り人形にそっくりなのです。いや、くるみ割り人形ドロッセルマイエルおじさんにそっくりだ、というべきか。

 そして物語の中では、ドロッセルマイエルおじさんとくるみ割り人形関係があるような記述が続きます。

 そこら辺の不思議な雰囲気、ホフマン話法の真骨頂でしょう。

 

 そしてドロッセルマイエルおじさんは、くるみ割り人形に関するねずみの呪いの話をしてくれます。

 このお話、何だかドロッセルマイエルおじさん自身に関係がありそうです。

 ドロッセルマイエルおじさん自身が、お城で時計職人をしていて責任押し付けられて追放されたクリスチャンエリーアス・ドロッセルマイエルであって、マリーお気に入りのくるみ割り人形が若いドロッセルマイエルのように思えてきます。

 しかし、そうだとしても昔話では、若いドロッセルマイエルは人間に戻って王子様になったということだから、説明がつきません。この辺りから現実と夢の境界がぼやけてきています。

 

 それにしてもドロッセルマイエルおじさんには謎の部分が多すぎます。

 マリーが人形達とねずみ達の戦争を見た夜、その始まりを告げるかのように現れて掛け時計の上に座っています。

 マリーが回復して目を覚ました後、ベッドの枕元で変な行動を取りながら変な歌を歌って、マリーのみならず兄のフリッツやお母さんをも驚かせます。

病人の枕元で歌う時計造りの歌の文句」

だと誤魔化しますが、やはり変です。ホフマン効果です。

 

 ドロッセルマイエルおじさんは、手先の器用さを生かして、壊れたくるみ割り人形を直してくれます。

 フリッツが剣がない、と指摘すると、「剣が欲しかったら自分で探せばいい」と不機嫌になります。

 後にくるみ割り人形は剣がないためにネズミ達の乱暴をしばらく見過ごすことになり、マリーに剣を要求します。

 また、ねずみの王様がかぶっていた王冠が、実は以前ドロッセルマイエルおじさんがマリーにあげたというものであり、何やらねずみの王様関係がありそうです。

 ううむ、こうなるとドロッセルマイエルおじさんがねずみ達の味方に属しているのではないかという疑惑も出てきます。

 物語に描かれているドロッセルマイエルおじさんは、冒頭に説明されているように優しいという感じではなく、ぶっきらぼうで何を考えているか分からない人、というイメージがあります。

 とはいえ、くるみ割り人形に剣を持たせなかったのは単に忘れたからであり(そもそも最初に人形が剣を持っていたという記述はない)、人形とねずみの戦争の前に時計の上に座っていたというのは、単にマリーが一方的に見た夢だ、という解釈もできます。

 

 となるとやはりドロッセルマイエルおじさんは、マリーやくるみ割り人形の味方に属する人物でしょうか。

 しかしマリーが見た夢の話をすると、おじさんは即座に馬鹿にします。そんなことはあるか、とあくまで夢の話と思っています。自分くるみ割り人形に関する不思議な話をしてマリーに呪いの話を信じ込ませたくせに、マリーがそれを信じると否定するのです。

 マリーがねずみの王様をやっつけたくるみ割り人形に連れられてお菓子の国に行った話をした後、

「そんな、ばかなことってあるものか。」

と否定します。

 その後、マリーが

「ねえ、くるみ割りさん、生きかえってちょうだい。」

と言うのを聞くと、

やれやれ、まだあんなばかなことをいってる!」

と大声で言います。

 ここがもし、

「いやあ……(ゴニョゴニョ)」

と、思わせぶりな言動を取って、くるみ割り人形との関連がありそうな仕草をしてくれた方が、まだ納得できるでしょう。このドロッセルマイエルおじさんの否定的な態度こそが、この物語の夢と現実の境界をあいまいにしている要因といえます。夢と現実あいまいにするホフマン話法、恐るべし。

 

 実は作者のホフマン自身が判事をしていたようです。つまりこのドロッセルマイエルおじさんは、作者のホフマンの分身というわけです。この人物が疑惑の根源というのも当然のことでしょう。

 

 最後に登場する、ドロッセルマイエルおじさんのおいの言動も変です。

 夜にマリーを呼び出して、あなたに人間に戻してもらって今では王様となっている、と言うのです。

 しかしドロッセルマイエルおじさんのお話では、若いドロッセルマイエルは既に人間に戻って王子になっているはずであるし、マリーが人間に戻す文句を言ったその日のうちに訪ねて来て、その時点で既に王様になっているとは、時系列的におかしい。

 それに、こんな大事なことを皆の前で言わず、夜中にマリーだけにこっそりと言うのもおかしい。

 人間に戻るまでの間、父親やおじのドロッセルマイエルとの関係はどうだったのでしょうか。

 それに、1年後に若いドロッセルマイエルがマリーを連れて行ったって、どう考えてもマリーは幼すぎないか。

 やはりこの物語は、夢と現実が混然としています。

 

 所詮この物語は夢と現実が混然とした物語だ、そんな風に書かれているのだ、それがホフマンの作風だ、と言われればそうかもしれません。

 しかし、あえてこの作品を、一つの完璧世界観を持った作品と見て、マニアックに裏読みして無理やり解釈してみると、恐ろしい解釈が思いつきました。

 そこまで考えるのはやりすぎだ、邪推に過ぎない、と言われるかもしれませんが、私が思った少し残酷で恐ろしい解釈について書いてみます。

 

 実は、クリスマスの夜にマリーがくるみ割り人形とねずみ達の戦争を見てから、マリーの健康状態は優れません。マリーは寝たり起きたりの生活になります。

 しかも、毎夜7つの首を持った不気味なねずみの王様が現れて、生け贄を要求して脅迫します。

 また、両親との意思疎通もうまくいかないようです。

 ねずみの王様の王冠を見せた時の両親の追及は激しすぎるものでした。

 

「もう一度そんなことをいったら、くるみ割りも、それからおまえのほかの人形たちも、みんなこの窓からほうり投げてしまうよ。」

 

 そしてマリーは空想の世界に逃避し、“小さな空想屋ちゃん”と呼ばれるようになります。

 今の言葉で言うと、引きこもり状態となってしまうわけです。

 クリスマスの夜からここまで、少しづつ悪くなっているようです。まるで覚めない悪夢を見ているようです。

 

 そしてドロッセルマイエルおじさんに

やれやれ、まだあんなばかなことをいってる!」

と大声で言われ、驚いて椅子から落ち、目を回してしまいます。

 この時点で、悪夢が良い方に転機するようです。

 目を覚ますと、若いドロッセルマイエルが訪ねて来ています。

 しかしその後の展開も、現実的とは言えず、夢の中の世界のようです。

 

 ちょっと残酷でかわいそうな解釈なのですが、私には、この物語全体が、マリーがクリスマスの夜から見続けている、覚めない夢の物語なのではないか、と思えてなりません。

 そして椅子から落ちたのが転機となり、マリーはついに悪夢から解放されて現実世界から旅立っていった……。

 クリスマス物語として、あまりにも残酷で悲し過ぎる解釈でしょうか。

 

 実は私自身が負け組・下流・経済弱者ワーキングプアという現実の厳しさに直面しており、悲観的で逃避的になっております。

 こういった現実世界の厳しさに直面している私には、いい夢を見ながらこの世を旅立って行くということは、辛いものだとは思えず、むしろいっそのことそうなってしまいたいという憧れがあるのです。

 

 折角のクリスマスに、寂しくて逃避的な私の思考をさらけ出してしまいました。

 気分が沈んでしまった方には申し訳ありません。

 しかし、これは思考の過程がマイナス方向に行ってしまっている私が解釈してしまったから悪いのであって、作品自体は素晴らしい作品ですから、ぜひ一度読んでみてください。

 そして、私の解釈なんか邪推で問題にならない、と笑い飛ばし、もっと前向きな解釈を与えてやって下さい。

 

クルミわりとネズミの王さま (岩波少年文庫)

クルミわりとネズミの王さま (岩波少年文庫)

 

  

 では、気を取り直して

 

 メリークリスマス

 そしてよいお年を!

 

 チャイコフスキーバレエくるみ割り人形』は、この作品をもとに作られています。

 

  

 組曲くるみ割り人形 全曲版』

 

 ↑注文したCDレビューでテンポが早いと書かれていたので。

 ↓ジャケットだけで選ぶとすれば、こんなのが好きです。

 チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」(全曲) チャイコフスキー : バレエ「くるみ割り人形」作品71 (全曲) 

 

 チャイコフスキーバレエは、デュマのフランス語訳版が元になっているようです。

 デュマ版が復刊ドットコムで復刊リクエストされています。

 

くるみ割り人形現在23票)

  http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=7476

 

∽∽∽☆∽∽∽★ ◇◇◇アカデミア 読書調査◇◇◇ ★∽∽∽☆∽∽∽8

  日本人の読書体験を徹底調査!!……とは大袈裟な。 

  この作品読書体験を問う!

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E.T.A.ホフマンの『くるみ割り人形』を読んだことありますか。

◆全訳で読んだことある

http://clickenquete.com/a/a.php?M0000291Q0018737A17ce2

◆抄訳や絵本で読んだことある

http://clickenquete.com/a/a.php?M0000291Q0018737A20f02

◆読んだことはないが、TVで見たことはある

http://clickenquete.com/a/a.php?M0000291Q0018737A357d0

◆ない

http://clickenquete.com/a/a.php?M0000291Q0018737A4bb10

◆その他

http://clickenquete.com/a/a.php?M0000291Q0018737A56a4f

○結果を見る

http://clickenquete.com/a/r.php?Q0018737Ceb18

コメントボード

http://clickenquete.com/a/cb.php?Q0018737P00C7e6e

締切:2007年01月01日18時00分

協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/

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∽∽∽∽☆∽∽∽∽★ ◇◇◇  書誌的事項  ◇◇◇ ★∽∽∽∽☆∽∽∽∽8

1◆少年少女世界の名作文学27(名作文学50巻版)ドイツ編1(1965年

  ◇くるみ割り人形  ホフマン原作 野島良治(訳) 大平よし子(文) 若菜珪(絵)

2◆カラー名作 少年少女世界文学文学30巻版)

 (収録はありません)

3◆少年少女世界の名作28(名作55巻版)ドイツ編1

くるみ割り人形』の記載が目録にあるのですが、図書館にはこの巻の所蔵はなく、詳細不明です。

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   ★彡★ コメント・TBお待ちしております。 ★彡★
  
◆◇ メルマガ版も発行しています。 ◇◆
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2006-12-21 (木) 水滸伝1973年日テレ版(中村敦夫主演)鑑賞記第10回

[]《水滸伝水滸伝1973年日テレ版(中村敦夫主演)鑑賞記第10回 《水滸伝》水滸伝1973年日テレ版(中村敦夫主演)鑑賞記第10回を含むブックマーク 《水滸伝》水滸伝1973年日テレ版(中村敦夫主演)鑑賞記第10回のブックマークコメント

弟19話 帰らざる将軍  脚本:宮川一郎・村野鐵太郎  監督:村野鐵太郎

 かつての近衛軍総司令官・呼延灼(丹波哲郎)は、高求が近衛軍総司令官となって以後、辺境の地に追いやられていた。

 しかし宋と国境を接す隣国・遼の国が国境を侵し、近衛軍総司令官・黄龍(夏木章)の軍を破り、宋の国は危機を迎えた。そのため高求は呼延灼を呼び戻し、遼の国との対決に向かわせる。

 

 呼延灼はかつて林冲の上司でもあり、林冲は都に向かう途中の呼延灼を出迎え、見送る。

 その後林冲と扈三娘は、都に残った呼延灼の息子・呼延儀(酒井修)とも偶然出会い、手合わせする。

 呼延儀は扈三娘には勝ち、林冲には負けて一勝一敗。友好的に別れる。

  

 呼延灼は連戦連勝、朝廷内での評価も上がり、帝も大層喜ぶ。

 そこで、呼延儀の結婚話が持ち上がり、高求が寥(宮口二郎)に呼延儀の身元を調べさせたところ、かつて呼延灼が成敗した山賊の頭目夫婦・おうせん と そんごじょう が残した赤ん坊を引き取って育てられたのが呼延儀だと判明。

 高求は、そのような出自の者を近衛軍として置いて置くわけにはいかない、しかし梁山泊を追討して手柄を立てればこのことは不問にする、と命じる。

 

 呼延灼が遼の国を追い払って都に凱旋すると、呼延儀は梁山泊に出陣した後だった。

 呼延儀邸に入ると、お目付け役として残しておいた片腕の劉(本郷淳)が、高求の罠にはまって口を滑らせてしまった、死んでお詫びする、と言い残して絶命。

 

 呼延儀はやみくもに梁山泊を攻めるが、上から矢が雨あられのように降ってきて、部下達と共に死ぬ。

 林冲達梁山泊の主だった者は、呼延儀の亡骸を到着した呼延灼に渡す。

 呼延灼は感謝した後、林冲と一騎打ちを始める。

 

 

 近衛軍は黄色いマフラーを巻いているが、近衛軍ではない呼延灼の軍は赤いマフラーを巻いていた。そして改めて官軍に認定されると、黄色いマフラーになった。

 

 林冲に呼延灼の出陣を伝えに来た扈三娘。今回はネイティブインディアン風の髪型・服装である。

 登場時には白いターバンを巻いてインド風だったが、17・18話では毛糸帽子を被ってコサック兵風だったし、色々なコスプレをしてくれる。

 このドラマ水滸伝登場人物の多彩なコスプレも見所である。

 

 高求の傍に控えていた人物、いつもは用心棒的な腹心の部下を連れているが、今までことごとく林冲達に討たれてしまったため、今回はひょろひょろした文官であった。ドラマの中での発音とエンディングの配役表を照らし合わせると、多分寥(宮口二郎)でいいと思われる。

 この寥、高求に直々の出陣を促す発言をしたり、帝が呼延灼を高く評価していると言ったり、高求の嫌がることをずけずけと言ってしぶい顔をさせている。一方、高求の命に従って呼延儀の身元を調べてきたり、なかなかのやり手のようである。高求と寥の関係はどのようなものなのだろうか。

 

 梁山泊は高求と戦っているのであって、遼の国の侵略を許すわけにはいかない、と宣言する林冲。ここら辺、原作の宋江の思想をなぞっている。

 呼延灼に、いざとなれば梁山泊が助けに行きます、と申し出るが、呼延灼は梁山泊を軽視し、あまり認めていないようである。

 

 高求の陰謀により窮地に陥る呼延灼親子。トップに高求のような悪い奴がいると、他にいくら有能な人物がいてもつぶされていく。地位の力とは強いものである。

 

 呼延儀率いる官軍梁山泊襲来を林冲達に知らせたのは、登竜(林道紀)。このドラマ、主要な配役はオープニングで配役表示され、番組中でも字幕で紹介される。

 今まで梁山泊の人物としてちょい役で登場していた登竜であるが、今回初めてオープニングと番組中の字幕で紹介されていた。

 

 名将・呼延灼の子として育てられていながら、呼延儀の戦法は単純すぎる。

 

 

 林冲と一騎打ちを始めた呼延灼。しかし数合手合わせした後、林冲に問う。

「林冲と山賊の徒と一線を画するものは?」

「国と民を愛する心」

 この答えを聞くと呼延灼は戦いをやめ、高求いる限り近衛軍の軍服を着ないと誓って引き揚げていく。

 今回のタイトルはこのことを意味していたのか。

 しかし、高求から命じられた梁山泊追討の命に従わないのだから、その後の処遇が心配である。

 その後呼延灼は宋国の中でどのような立場でやっていくのだろうか。

 今後呼延灼は再び梁山泊とかかわって仲間入りするのだろうか。

 オープニングの映像では梁山泊軍の一員となって進軍しているのであるが。

   

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弟20話 親子砲の最後  脚本:宮川一郎・村野鐵太郎  監督:村野鐵太郎

 梁山泊に悩んでいる高求に、寥(宮口二郎)が耳寄りな情報を持って来る。

 イスラム世界に火薬技術を学びに行っていた轟天雷(根上淳)が中国に帰国したという。

 早速、都に呼び寄せる高求。

 しかし道中、轟天雷親子は盗賊に有り金全部と馬を奪われ、立ち往生。阮三兄弟が通りがかり、二人を梁山泊に連れて行って轟天雷を療養させる。

 息子・轟思文(根岸一正) は、ここが噂に聞く梁山泊ではないかと探り、石落としの仕掛けを誤作動させて石に足を挟まれる。轟天雷は火薬の技術を使って石を破壊、息子を救う。

 火薬の知識を少しは持つ張順(長谷川明男)は、見よう見まねで火薬を製造しようとするができない。

 

 梁山泊が空になった隙に轟親子は脱出しようとするが戻って来た一同に発見され、轟天雷は無理がたたって寝込む。

 阮三兄弟が城内の役所倉庫から奪って来た特効薬・けいしんたんのおかげで轟天雷は回復。

 轟天雷は林冲の義に報い、火薬の製造法を教えることを決意する。

 

 轟天雷の指導の下、梁山泊の面々は火薬と爆裂弾の製造に成功。さらに大砲製造に取り掛かる。しかし苦労の末完成した第1号は弱くて粉々になってしまう。

 林冲は思案の末、1本の矢は折れても3本まとめると折れにくくなることを発見。砲身の周りを別の砲身で囲って強化する方式を考案。そうやって完成された大砲は“親子砲”と名付けられた。

 完成の喜びに浸る間もなく、登竜が、官軍の攻撃を伝えに来る。

 早速親子砲は実戦に使用され、官軍をなぎ倒して敗走させる。

 

  

 高求に耳寄りな情報を持って来る寥(宮口二郎)。しかもその時点で既に高求の名で轟親子を呼んでいるという。高求の意図を汲んで手を回す寥。なかなかのやり手である。

 

 捕らわれた村長を救出するために出動する梁山泊軍。なぜか馬を使わず、走っている。その中に宋江(大林丈史)も混じっているが、少し腹が出てドタバタしたイメージ。他に扈三娘や登竜や阮三兄弟もいるが、史進(あおい輝彦)や他の主力メンバーは登場せず。この一団が下山した後は、火薬作りに熱中している張順以外は梁山泊空っぽになり、轟親子の脱出を見逃す。ちょっと無用心ではないか。それにこんなに梁山泊住人は少ないのか。頭領の晁蓋(山形勲)など、他のメンバーは?それともここは梁山泊そのものではなく、ふもとにある出先機関なのだろうか。

 

 村長が捕らわれたという情報を持ってきたのは、前回から露出が多くなってきた登竜。今回もセリフこそなかったが、画面の端々に目立って露出していた。しかし今までならこういった情報は戴宗(黒沢年男)が持ってきたのだが。そういえば戴宗も、燕麗(中山麻理)と死に別れた祝家荘との戦い以降は登場していない。

 

 轟天雷の息子・轟思文は、科挙試験合格を目指す若者。始めは梁山泊盗賊の集団と見て敵視していたが、父親の看病をしてもらったり、村長父娘から梁山泊や高求の本当の評判を聞いたりして科挙をあきらめ、父親に火薬の作り方を伝授するよう進言する。

 

 石炭鉄鉱石を熱して鉄分を溶かして得、鋳型にはめて鉄を作る。

 大変な技術である。

 このようなことができる技術を持つだけでもすごいことであるし、さらに、そこから得られる鉄も非常に役に立つ。古代、鉄を利用する技術を得た部族が文明的にも戦力的にも強大になったということが納得できる。

 

 

 親子砲の効果に驚く梁山泊勢。

 しかし林冲は、親子砲の破壊を提案する。

「人が作った兵器が簡単に人を大量に殺戮することが許されることなのか」

 宋江も言う。

「城に頼るものは城に裏切られ、武器に頼るものは武器裏切られるといいます」

 扈三娘も同意する。

「戦いの規模が大きくなれば犠牲も多くなる」

 林冲は、武器に頼ることなく、今までのように正しい義と人の和と地の利で戦っていくことを宣言。

 親子砲は破壊され、谷に落とされる。

 

 轟天雷が故郷に帰る時、せめて息子だけでも梁山泊に置いてくれ、と頼むが、林冲はいずれ高求の支配も終わり、平和な世になりましょう、我々は別れていても仲間だ、と断る。

 その後故郷に戻ってから轟天雷は火薬作りをやめ、轟思文は学問に励み、朝野に名を知らしめたという。

 

 原作では轟天雷は梁山泊入りしましたが、このドラマ版では仲間入りしなかったようだ。

 今でも沢山居過ぎて全員出すことができないのに、これ以上仲間が増えても出番確保に困るということだろうか。

 轟天雷の脚には梁山泊の気候は良くないというし、轟思文は学究肌だから梁山泊の生活には向いていないだろうから順当な判断だろうか。

 そういえば今回も晁蓋親分は登場しなかった。

 というか、明らかに梁山泊の地形が変わっている。

  

 王倫がいた頃は川に囲まれた島であり、行き来するのに船が必要だったのに、前回にしろ今回にしろ、他の土地と地続きの山のような感じである。官軍は簡単に登ってくるし。

 住居も、王倫時代には中国風の建物の中に住んでいたのに、今回は山の中の洞穴になっていた。

 やはりここは梁山泊本拠地ではなく、別の場所にある出先機関なのだろうか。

 しかし林冲はこの場所を「梁山泊」と言っているし、官軍梁山泊を攻めるといってこの場所を攻撃してくるし。

 弟15話 二人の魯達 で悪法師・如海(小林昭二)に見取り図を描かれたので、本拠地を引っ越したのだろうか?まさか。

 

 ともかく、梁山泊の描写がもっと知りたいし、それに梁山泊オールスターズの登場をもっと増やして欲しい。  

  

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2006-12-16 (土) 水滸伝1973年日テレ版(中村敦夫主演)鑑賞記第9回

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弟17話 林冲・宿敵に挑む  脚本 池上金男  監督 降旗康男

 林冲が一人放浪していることは、高求の知るところとなり、高求は全国に林冲の手配をする。

 この日高求の皇帝への面会には先客があり、待たされることになった。

 先客は、高唐州の知事であり、今度新たに皇帝直々に宮中顧問を任命した柴皇城(北沢彪)とそのおい・柴進(田村高廣)であった。

 高求は柴進の懐柔のため、禁軍総司令の副長官のポストをエサにするが、柴進は断る。

 

 一方林冲は都に近いところで、高求の護衛官・高廉(草薙二郎)に食事代を踏み倒された食堂の夫婦を助けようとするが、危機に陥る。そこに史進(あおい輝彦)が登場、救出される。史進は宋江が林冲にどうしても会いたいと言うため、扈三娘と共に捜しに来ているという。

 史進は宋江(大林丈史)の待つ宿所に林冲を連れて行く。宋江は林冲に梁山泊に帰ってほしい、さらに梁山泊の頭領になってほしい、それは晁蓋(山形勲)も同じ意見だ、と言うが、林冲は断る。

 梁山泊は悪政を批判して理想政治を行う組織であるから、武のみの私が頭領になってはいけない、人格のある人が頭領にならないといけない、と言う。

 別行動を取っていた扈三娘が帰って来た時には、林冲は既にいなかった。史進は宋江に一人で帰ってもらい、扈三娘と共に林冲を陰から見守ることにする。

 

 林冲は、もはや梁山泊が一本立ちした今、自分は高求を狙うのみ、と思っていた。

 都に入った林冲は都を進軍している高求を襲おうとするが、柴進に止められる。

 柴進は今高求を殺しても第二第三の高求が出るだけだと言う。

 

 高求は柴皇城邸を訪れ、柴進の禁軍副司令官就任か柴皇城の娘・麗華(志摩みずえ)と高廉との結婚のどちらか一方を迫る。

 柴進が麗華を林冲に預けに行っている間に、柴皇城は高廉に捕らえられ、屋敷は焼かれる。

 

 高求は柴皇城に、皇帝から贈られた毒酒を渡し、柴皇城はそれを飲んで死ぬ。

 そこに少し遅れて柴進が来るが、捕らえられ、拷問にかけられる。

 

 高廉が行う城門での検問で林冲は発見され、再び戦うが、またもや危機に陥ったところ、またもや史進と扈三娘に救出される。

 扈三娘が麗華を連れて行き、史進は林冲を追って都に戻る。

 二人は高求邸に侵入、林冲は高求をあと少しのところまで追い詰めるが、高廉の妖しげな術のため取り逃がしてしまう。

 

 

 一人旅をしている林冲にどうしても会いたいと宋江が言い、史進と扈三娘をお供にわざわざ訪ねて来た用件は、梁山泊に帰ってほしい、ということ。それが断られると一人で帰って行く宋江。一体何のための訪問だったのだ。

 それにしても宋江もお尋ね者のはず。帰り道が危なくないだろうか。

 

 高求の護衛官・高廉は、匈奴出身だが高求のお気に入りとなり、わざわざ“高”の姓を与えて護衛官に取り立てたという。横山版では高求のいとこであり高唐州の知事でもある。やはり柴皇城や柴進との争いに因縁があり、妖術を使って梁山泊軍を苦しめた強敵でもある。 

  

 高求のやりたい放題に翻弄される柴皇城達。昔からこのようなことが繰り返されていたのだろう。それは今でも続いているだろう。何にしても必ずしも正しい方が勝つわけではないというのが残念なところ。

 

 高廉が行っている検問にそのまま歩いて行って見つかる林冲。いくら何でもこれでは余りにも芸がない。

 しかも再び危機に陥って史進に助けてもらっているし。

 林冲は高廉に分が悪いのではないか。高廉は柴進を捕らえているし、史進も傷つけている。なかなか手ごわい相手である。

 

 

 史進に柴進を任せ、梁山泊で療養させるように命じた林冲は、麗華を追って高唐州へ。

 高唐州で高廉と決着をつけるのか!?

 

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弟18話 風雲・高唐州! 脚本池上金男  監督降旗康男

 

 林冲が一人で北の方に行ったという報告を受けた高求は、高唐州に向かうと推理し、高廉率いる官軍を向かわせる。

 高唐州では、知事の柴皇城が殺害され官軍がやって来るということで、多くの住民が逃げ出していた。一方、徹底抗戦を主張する人々もいた。林冲はそんな連中を麗華と共に梁山泊に誘い、出発する。しかしその後を高廉の一軍が追っていた。

 

 一方、梁山泊軍も林冲の援軍のために出動したが、先手を打って高求がほっけい(北京?)の軍を待ち伏せさせていた。梁山泊軍は進めず、宋江が急きょ引き返し、前回負傷した史進と柴進の看病役として残っていた扈三娘に、行方不明の公孫勝を捜して林冲救出に向かえ、という使命を与える。

 

 林冲達は追跡軍の斥候隊を倒すが、生き残りが本体に報告し、先回りされて待ち伏せされる。

 

 扈三娘達は山中で仙人修行をしていた公孫勝を発見、助けてくれるよう頼むが、師匠の羅真人伊藤雄之助)の許しが必要ということで、三人で頼みに行く。

 扈三娘が服を脱ぐ試練を与えられたり、鉄牛が夜中に羅真人を叩き殺そうとして失敗したりした末に、梁山泊目標を達するまで公孫勝が下山することを許すという許可が出、三人で林冲救出に向かう。

 

 林冲達が玉砕戦の覚悟を決めた所に公孫勝達が到着。公孫勝の妖術で兵士達は混乱。

 怒った高廉が林冲に妖術をかけ、襲い掛かるが公孫勝の援護もあり、ついに林冲が高廉を倒す。

 

 

 徹底抗戦を叫んでいる連中を梁山泊に誘う林冲。しかしこんなに大量に移民を受け入れて大丈夫だろうか。土地や食糧は足りるのか?王倫でなくても心配になってくる。

 

 林冲を助けるという名目で、梁山泊軍が出動しているとか。晁蓋や宋江も出陣しているということだから、主力メンバーが多数参加しているはずである。但し、宋江の話で触れられているだけで、映像としては出てこなかった。オープニングの映像のような出陣シーンが見たい。

 

 第12話で、病気母親を見舞うために梁山泊を出て行った公孫勝が出て行ったまま行方不明なので扈三娘が捜しに行く。ついでに鉄牛(大前均)もお伴する。扈三娘が看病のため残っていたというのは分かるが、鉄牛が残っていたのはなぜ?それにしても鉄牛の登場は久しぶりである。原作とは違ってこのドラマでは非常に影が薄い鉄牛である。

 

 横山版では高廉率いる軍と梁山泊軍が正面から激突し、高廉が妖術を使って梁山泊軍を多いに苦しめた。

 しかしこドラマでは少々スケールが小さく、林冲率いる難民の一団と高廉率いる官軍の追跡戦という形になっていた。

 しかも高廉の妖術も、横山版のように敵の軍隊全部にかけるという大掛かりなものではなく、せいぜい数十人の集団にかけられる程度のものである。まあ軍隊合戦シーンは撮るのが大変だから、このスケールダウンは仕方ないところか。

 

 母親の見舞いに行ったはずの公孫勝がなぜか仙人修行をしている。どのような心境の変化があったのだ?

 しかし俗世間を離れて仙人になってみたいものだ。私もこんな生活にあこがれる。

 

 羅真人の別の姿という童子を演じたのは、内海敏彦。なかなか利発そうな感じの子役だった。検索すると、連続ドラマ少年探偵団』(1975年)で羽柴荘二(愛称オウム)を演じ、アニメあらいぐまラスカル』で主人公スターリング・ノースの声をしていたとか。

 羽柴荘二といえば、少年探偵団のメンバーの第1号か2号の、重要メンバーです。

 また、この1975年少年探偵団、レンタルビデオになっていて、途中までレンタルして見たことあります。

 第1回で少年探偵団と怪人20面相と謎のUFO宇宙人が3つ巴の戦いをやったり、なかなか奇想天外で面白いドラマでした。何とDVD化はされているようです。これは必見!

 

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 妖術なしでも林冲を2度敗走させ、史進を負傷させた高廉。今度は妖術を使って林冲を危機に追い詰める。

 公孫勝の援護がなければどうなっていたか。武力においては林冲の最大の好敵手だったろう。

 

 

 実は羅真人仙人が陰から力添えしていた!全てが終わった後に登場して

弟子を助けるためとはいえ、こう俗世間のことにかかずらわっていては長生きできねえ。

 それにしてもあれ(扈三娘)はいい女だったな」

と嘆息。

 かくして林冲達一行は梁山泊に到着。

 ところで、晁蓋率いる梁山泊軍はどうなったのだろうか。

   

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2006-12-10 (日) 詐欺師が「武士道」を言う滑稽さ

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新渡戸「武士道」人気 教育基本法改正・反対両派の論拠

 http://www.asahi.com/edu/news/TKY200612070203.html

 

 こちらの方が転載されています。

→タカマサのきまぐれ時評

 新渡戸「武士道」人気 教育基本法改正・反対両派の論拠(朝日) 

  http://blog.drecom.jp/tactac/archive/1265

 

 私がメモするのは以下の部分。

 一方、新渡戸が初代学長を務めた東京女子大の教職員有志は、10月27日付で改正に反対のアピールを発表。新渡戸が常に強調した「精神の自由」と「等しく尊重される個の価値」は「現行基本法が掲げてきた理念」として改正の動きに反対している。

 

 同大の湊晶子学長は、現行教育基本法の制定にかかわった南原繁や河井道らが新渡戸の教えを受けたことを指摘する。新渡戸はキリスト教徒。湊学長は『武士道』でも、最後の章でキリスト教を根底に置いた個人の大切さが説かれていることを挙げる。

 

「改正案第1条では『個人の価値をたつとび』が消え、前文に『公共の精神』が入る。だが新渡戸は、まず『私』である『個』を確立し、その個が集まって共同体の『公』が確立されると考えた。個すなわち人格確立教育の最大の目的のはず」という。

「だが、100年前の本。そのまま復活したとすれば、とんでもない」(田原総一朗

日本でも西洋とは違う形のキリスト教が徳目を担ってほしいというのが新渡戸の結論。きちんと理解しないと、封建道徳に後戻りする主張が生まれる」(佐藤全弘・大阪市立大名誉教授

「新渡戸の『武士道』は、江戸期までに実在した武士道とは違う。近代になってつくられたものだ。それを教育現場で回復せよと言うのは、実はとても非歴史的だ」(東京大・小島助教授

「あらゆる思想は後の解釈で、どちらにもなる。それが教育基本法の改正論議ではシンボリックに出ていますね」(東京大・小島助教授

 

 新渡戸稲造がどのような人物でどのような考え方をしているのか、

 新渡戸が思い描いている『武士道』とはどのようなものか、

 新渡戸が思い描いていない『武士道』も当然あるだろうし、『武士道』にも色々あるとは思う。

 しかし、これだけは確実に言える。

 

 タウンミーティングでやらせするのが「武士道」なのか。

 タウンミーティングでやらせするのが「美しい国」なのか。

 タウンミーティングでやらせして強引に改正する方が武士道の恥さらしであり、美しくない方ではないのか。

 

はてなリング > 教育基本法改悪反対 http://xxxkaiakuxxx.ring.hatena.ne.jp/

  当ブログでは生臭い政治のことは書かないつもりですが、立場の表明だけはしておきます。

  

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2006-12-09 (土) 水滸伝1973年日テレ版(中村敦夫主演)鑑賞記第8回

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弟15話 二人の魯達 脚本 宮川一郎 監督 富本壮吉

 

 祝家荘での戦いも林冲に屈し、いらついている高求に、光州でまたもや税金梁山泊横取りされたという知らせが入る。高求は、光州の大庄屋で、最近高求に近付いてきている関史文(上野山功一)を呼び出す。

 何か梁山泊を倒す方法はないかと訪ねると、関史文は、光州はじめ3州での塩の専売を条件に梁山泊を倒すと宣言する。

 

 林冲らが剣術の訓練をしていると、宋江が「また病人が出た。これで8人目だ」と告げに来る。

 病気になった連中は、

「これは王倫のたたりだ」

と言い出す。

 そのような時、魯達(長門勇)は酒場で、江州ほうおん寺の僧・如海(小林昭二)に、「あなたやお仲間に死相が出ている」と言われ、うらみを残して死んだ人物の怒りを鎮めなければならない、と言われる。

 魯達は如海を梁山泊に連れて行き、お経をあげさせるが、如海はその合間に梁山泊の詳細な地図や各種データを作成していた。

 やがて如海は、魯達の母親が危ない、と魯達を驚かせ、魯達は如海と共に梁山泊を出て母親の所に行くことにする。

 

 山の中で魯達は自分の偽者(高原駿雄)に出会い、懲らしめるが、偽者が魯達の母親を引き取って面倒を見ている、と言い出したため、偽者の家に行くことにする。

 偽者は家に魯達を留め置きしておく隙に妻を役所に走らせ、魯達がいることを通報させる。

 しかし役所から捕り手が到着する前に、縛られて口止めされていた魯達の母親本間文子)が声を上げ、魯達が気付く。

 偽者が魯達の母親人質に取って魯達とやり合っているところに、林冲・扈三娘・花栄が到着。花栄が偽者を弓で倒したところに、役所の捕り手達が現れ、乱戦となる。

 梁山泊トリオの活躍により捕り手達は撃退されるが、魯達の母親は亡くなる。

 

 

 今度の舞台は光州。音を聞くと、以前登場した江州(黄文柄(川合伸旺)や江州知事・蔡九(清川新吾)らと宋江を巡る争いの回)かと思っていたが、エンディングに「光州守備隊員」の文字があったので光州であろう。

  

 林冲と扈三娘が、花栄(原田二郎)の放つ矢を刀で落とすという荒業で特訓。何とも滅茶苦茶な特訓である。

 前回祝家荘との戦いの時にすら登場しなかった花栄がようやく登場。

 しかし花栄は弓の名人なのでは?こんな特訓のために弓の名人・花栄を使うとはもったいない使い方である。

 そこに、これまた久々の登場である宋江が、病人が出たことを知らせに来る。総髪というのか、頭に何もかぶらず、長く真直ぐに伸ばした髪形である。時代劇などで、何とか斎とかいう名前の剣術師範なんかがよくやっている髪型である(例:武田観柳斎八嶋智人))。この長い髪に、ひげを伸ばしているので、最初私は雷横(長谷川弘)かと思いました。

 林冲・扈三娘・花栄・宋江という珍しい組み合わせで病気対策会議。今回の梁山泊チームはこの4人か?

 

 関史文と結びついて梁山泊を偵察する悪い僧・如海を演じるのは小林昭二ウルトラマンの村松キャップ怪奇大作戦町田警部仮面ライダーの立花藤兵衛のイメージが強く、正義の味方というイメージがあるのですが、今回は悪徳商人と結び付いた悪僧の役です。 

 

 魯達が母親に会いに行く際に酒を飲まないなどの戒めを受けたり、山中で偽者に会ったりするのは、原作の鉄牛のエピソードである。そういえば鉄牛(大前均)も、梁山泊入りした次の回(弟8話)で出てきたきりです。

  

 関史文と如海は密接に結びついているようである。以前魯達の偽者が現れた時、如海は関史文に対して放置しておけ、と進言したそうである。この偽者を使って何やら魯達を陥れ、梁山泊を揺さぶる計画らしい。

 

 ニセの魯達の夫人は、金連(林春枝)だろうか。いきなり本物を連れて来た夫とアドリブで話を合わせて息の合ったところを見せていた。しかし、顔に変な殴り傷のようなものがあり、気になった。ドメスティック・バイオレンス連想したのだが、そうでもなさそうである。

 

 魯達の母親は、この男は私の息子ではない、と言って偽者を混乱させる。なかなか心理にも通じた知恵者のようである。

 

 魯達を助けに来たのは、林冲・扈三娘・花栄の三人。久しぶりに出てきた宋江は梁山泊で留守を守る役らしい。

 

 

 故郷の寺に母親の遺髪を届けに行く魯達やそれに同行する扈三娘と別れて、林冲と花栄は諸国偵察に出発する。

「しばらく全土を歩いてみたいと思う」

「日の当たらぬ所に光を当て、悪政のために落ちこぼれた人々を救うために歩いてみたいと思う」

ということである。

 林冲が言っている政治状況は、現代の日本の状況を予言するかのような描写となっています。現代日本にも林冲そして梁山泊は必要!?

 原作では武松はじめ色々な豪傑が梁山泊に入る前に各地を放浪していましたが、このドラマではこれから林冲の放浪編が始まるのか。何で花栄がお供に選ばれたのだろう。

 なお、「歩いてみたい」と言ってはいましたが二人は馬で出発していました。

 

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弟16話 必殺の矢 脚本 宮川一郎  監督 富本壮吉

  

 弟15話で、花栄の弓に殺されたニセの魯達(高原駿雄)の妻・金連(林春枝)は、弓を関史文(上野山功一)の所に持って行く。このような重い矢を射るのは花栄に違いない、と結論する関兄弟。二人は、花栄は弓の師匠・李雲を訪ねるに違いない、と推理して李雲のいる県の県知事に会いに行く。

 県知事・とう永(伊藤豪)*1は、「高求宰相と相談する」と、高求を紹介。高求は秘密の用件で偶然訪ねて来ていたのである。

 

 花栄の弓の師匠・李雲(睦五郎)は、子どもの李少(生方中)の頭に的を載せ、それを射るという大道芸を披露して糧を得ていた。役人に呼ばれて役所に行くと、仕官させる代わりに弟子の花栄が訪ねてきたら捕まえろ、と言われるが、断る。家に戻ると、李少は連れ去られ、「子どもを助けたければ花栄を捕まえろ」という書き置きが残っていた。

 

 高求がこの県に来ていたのは、皇帝に贈る玉(高価な宝石)がこの県を通るため。その玉を横取りし、梁山泊汚名を着せようという計画である。

 この計画について高求と県知事が話していることを関史揚が聞きつけ、兄の関史文に伝える。

 二人はこの計画に仲間入りして分け前に預かろうとするが、秘密漏洩を恐れる県知事に殺され、乗って来た馬にくくりつけられて追放される。

 

 李雲を訪ねてきた花栄と林冲。二人は李雲を梁山泊に誘うが、李雲は二人を追い返そうとする。なおも説得する花栄。林冲は燃えきれずに残った脅迫状を見つけ、李少が誘拐されたことを知る。

 

 一方、魯達の母親の遺髪を寺に届けた魯達と扈三娘も林冲達を追いかけてこの辺りに来ていた。偶然、馬にくくりつけられて瀕死状態となっている関史文を見つけ、高求の玉強奪計画を知る。

 魯達達も李雲の家で林冲達と合流。今後の計画を話していると役人達が来て、李雲を連れ出す。

 役人は李雲に、玉の輸送隊の輸送隊長を射殺させようとするが、林冲達の活躍により未然に防ぐ。

 さらに林冲達は県城に行き、李少を奪い返す。

 

 

 秘密の用件で来ていたという高求。宰相がこんな軽々しく他の県に出てきていいものか。

 李雲とは、横山版では朱貴の弟・朱富の武芸の先生ということになっており、この李雲と朱富が梁山泊に行く途中、祝家荘の梁山泊攻撃計画を知るということになっております。

 

 李雲や花栄が弓の名手だということは分かりますが、扈三娘の弓の腕前もなかなかのものです。花栄と役割分担して標的を狙い、命中させています。

 

 

 花栄の説得により、李雲も子どもの李少と共に梁山泊入りします。梁山泊子どもの住人も登場か。

 そして林冲は一人で放浪を続けることに。

   

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*1:放送では“せつえい”と言っているように聞こえたが、エンディングクレジットでは“とうえい”と振り仮名を振っていた。そして“とう”の字は画数が多くて読み取れなかった。

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2006-12-07 (木) ホフマン『ファルーン鉱山』のトルベルソン

nazegaku2006-12-07

[]ホフマン『ファルーン鉱山』のトルベルソン ホフマン『ファルーン鉱山』のトルベルソンを含むブックマーク ホフマン『ファルーン鉱山』のトルベルソンのブックマークコメント

 E.T.A.ホフマン短編『ファルーン鉱山』について。

『愛の一家』を読んだ時( http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20061126 )

同じ巻にこの短編が収録されていたので図書館に返却する前に読んでみたのである。

 

 ホフマンといえば『黄金の壷』『砂男』が有名である。

 昔、『ドラえもん』で、不眠の時に眠らせてくれる“砂男”という四次元道具が出てきたことがあり、*1これと同じじゃないか、元ネタはこれだろうか、と思ったものである。しかしその後ホフマンの『砂男』は読む機会がなく、確認していない。

 就職浪人中に児童図書館で児童向け怪奇・恐怖小説シリーズというのがあり、そのシリーズで『黄金の壷』を読んだ。(金の星社/世界こわい話ふしぎな話傑作集11)

児童向け翻訳においても、その小説不思議さ・不気味さを味わうことができた。挿絵が沢山入っていたので、それがかえって良かったのかもしれない。この『黄金の壷』で、ホフマン小説の独特な世界というのが強く印象に残った。

 それで今回、ホフマン短編が載っていたので読んでみる気になったのである。

   登場人物

エーリス・フレーボム……船乗りだったが鉱山で働くようになる

ウラ・ダールスイエ……ペールソンの娘。エーリスと愛し合う

ペールソン・ダールスイエ……鉱山の経営者監督

ルベルソン……100年前に死んだ鉱夫

 船乗りのエーリスは母親と2人暮らしだったが、航海中に母親が死んでしまう。船乗りの祭りでも楽しめず、暗く沈んでいると、ある老人から何処何処の鉱山で働け、と言われる。始めはその気もなかったが成り行きで働くことになり、熱心さが認められて鉱山の経営者親子とも仲良くなり、ウラと結婚することになるが……。

 

 主人公エーリスを鉱山に導き、その運命を翻弄するトルベルソンなる鉱夫の幽霊が不気味であり、圧倒的な迫力で迫ってくる。

 エーリスはトルベルソンの暗示に導かれるまま、場所も道筋も知らない鉱山に向かう。この時、トルベルソンが前方に現れたり消えたりして道案内を行うのである。『黄金の壷』で味わった不思議な描写を思わせる描写である。

 その後しばらく現れなかったのであるが、ある時エーリスが鉱山の中で鉱石を掘っている時、人がいるはずのない所から鉱石を掘る音がする。誰だと確かめると、再びエーリスの前に現れるトルベルソン。

「この付近にはいい鉱脈があるが、お前には見つけることはできない」

「お前とウラは愛し合っているが結婚することはできない」

という2つの予言を残して消える。

 顔面蒼白で地上に戻ったエーリスに先輩達が驚き、話を聞いてそれはトルベルソンの幽霊だ、と説明する。

 昔この鉱山で鉱脈を掘り当てるのがうまいルベルソンという鉱夫がいたが、ある日から鉱脈を言わなくなった。これ以上掘ると危険だからと言う。無理に聞き出して掘ったところ、大事故が起こってトルベルソン始め多くの鉱夫が死亡した。年に1回の鉱山の祭りはこの日を記念して始まり、それから100年続いているという。

 

 やがてエーリスは鉱山の経営者親子と親しくなり、鉱山の祭りの日に娘のウラと結婚式を挙げることになる。そのような時、トルベルソンの声が聞こえてくる。

「お前達は結婚できない」

 エーリスは鉱山に行き、トルベルソンと対決するために呼び出す。出現したトルベルソンの幽霊に向かって、これ以上付きまとうな、と命令すると、意外と素直に従い、祝福のために素晴らしい宝石を進呈する、と言う。結婚式の直前にこの場所に来ると見つけることができる、と言って消える。

 果たして結婚式直前にエーリスがやって来ると、素晴らしいざくろ石が輝いている。それを掘り出そうとすると、落盤が起こってエーリスが下敷きになってしまうのである。

 

 その後、鉱山の所有者は変わったが、鉱山の祭りは続けられた。

 数十年後の鉱山の祭りの日、埋まって化石化していた死体が発見される。

 この死体を見て、ここ数年来、鉱山の祭りの日に現れていた不思議な老婆が駆け寄る。

 この老婆はウラのその後の姿であり、ウラはトルベルソンの幽霊に、鉱山の祭りに行けばいつかエーリスを見つけることができる、と言われていたのである。

 ようやくエーリスの遺体を見つけたウラはその場で急死し、エーリスの遺体は灰になり、ウラの遺体はその灰とともに葬られる。

 

 結婚式の直前に騙されて殺されるエーリスに、その相手のウラ。ウラはその後の人生も暗転し、死ぬ数年前からは鉱山の祭りをさ迷うことになります。この2人の運命は悲劇的です。

 一体トルベルソンは何でこのような仕打ちを行ったのであろうか。

 

 冒頭で母親を失ったエーリスは生きる希望もなくなっていた。そのエーリスの運命を気まぐれでちょっとばかり変えてやろうと思ったのだろうか。

 生きる希望もなくなっていたエーリスに打ち込める仕事を紹介し、ウラという生きがいを与えることになったのだから、それまではいい。

 しかし、結婚が決まって幸福感が絶頂となった時点で最後に足をすくうのである。

 かなりひどくて残酷な仕打ちである。どういうつもりなんだろうか。

 

 しかし、つきまとうトルベルンに対決を挑もうとするエーリスの行動は、ヨーロッパ的というのだろうか。

 日本では古くから、敵を祀るという考えがある。

 敵として滅ぼした相手を神として祭り、怒りを鎮めようとするのである。

 この日本的な考えかたをもってすれば、悪霊となってつきまとうトルベルンを祀り、安らかに成仏させることはできなかったのか、と思うのである。生前のトルベルンは不本意な事故死をし、それゆえに今もこの世でさ迷っているのである。日本的な考え方からすれば、成仏させてほしくて出てきたと考えられなくもない。

 そもそもウラと導き合わせてくれたのはトルベルンなのだから、縁結びの神なのである。

 エーリスが対決を挑まず、トルベルンの成仏を試みていればどうだったのだろうか。

 

 また、以前『宝のひょうたん』を読んだ時、一人で悩まず人に相談することで解決を見出すことができるかもしれない、と書いたことがある。

  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20061015

 エーリスも結婚式を前にして一人深刻に悩んでいぶかしがられることが度々。この時、しかるべき人に相談して解決法を見つけることはできなかっただろうか。

 文中には、相談しようとするとどうしても口が開かず、話せなくなったと書いていたので無理だったのだろうか。

 

 私の職場に、近々結婚する人がいて、もしこんなことが起これば気の毒だと余計に実感します。しかしやはりあくまでも他人事で、自分では当分そんなことはなさそうなので、普通よりは現実感はありますが自分で切実に実感するという程度でもないという、微妙な感情でありますが。

 

 エーリスもウラもその父親のペールソンも、そしてトルベルンも、皆運命に翻弄されて、最後は悲劇的に終わります。ホフマンの作品はこんな悲しい終わり方をする作品が多いのだろうか。もしこの作品の結末が、

「二人はめでたく結婚して幸せ暮らしました」

というものだったら、ダメなのだろうか。そんな風に終わればおとぎ話になってしまい、文学作品ではない、ということなのだろうか。

 

 思えば、昔話・童話・おとぎ話といわれるものはめでたしめでたし、で終わるものが多いと思います。

 一方、文学作品は悲しい終わり方をする作品が多いというイメージがあります。

 荒っぽい分類ですが、めでたしめでたしで終わるのが昔話・童話・おとぎ話であり、悲しい終わり方をするのが文学作品だ、と言うこともできる?

 このテーマについては、今後も考えていきたい。

 

 そういえば手塚治虫の『ブラック・ジャック』に、鉱山で50年間生き埋めになって、生き埋めになった時そのままの若い肉体のまま眠っていた若者が、ブラック・ジャックに起こされた時、「何で起こしたのだ」と言ってみるみるうちに衰えて死んでしまう、というエピソードがあった。このエピソードはこの『ファルーン鉱山』を下敷きにしているのだろうか。

 

 ホフマン判事というお堅い仕事をしながら文学音楽にも才能を発揮した、ということです。なかなか面白い人物のようです。

 

黄金の壺 (岩波文庫)

黄金の壺 (岩波文庫)

 

ホフマン短篇集 (岩波文庫)

ホフマン短篇集 (岩波文庫)

 ホフマンの時代、ドイツでは“ロマン主義”といって、こういった不思議短編が色々と書かれたようです。

 ホフマン始めこのようなロマン主義短編も面白そうで、今後も読んでいきたい。

 

 

 

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*1:検索すると、出てきました。正式名称は“砂男式さいみん機”だそうです。

2006-12-03 (日) 水滸伝1973年日テレ版(中村敦夫主演)鑑賞記第7回

[]《水滸伝水滸伝1973年日テレ版(中村敦夫主演)鑑賞記第7回 《水滸伝》水滸伝1973年日テレ版(中村敦夫主演)鑑賞記第7回 を含むブックマーク 《水滸伝》水滸伝1973年日テレ版(中村敦夫主演)鑑賞記第7回 のブックマークコメント

弟13話 荒野の三兄弟 脚本 池上金男 監督 降旗康男

 

 近衛軍総司令・高求は部下である3人の司令官を引き連れ、宰相・蔡京に面談に行く途中、

「よくぞここまできたものだ」

と感慨にふける。

 それはまだ彼が科挙試験に落ちて扈家村(こかそん)でならず者として暴れ回っていた時のこと。村の領主・扈大公小栗一也)から呼び出される。

 高求は扈大公の娘を誘拐する計画を立てており、その仲間が後のことを考えて恐ろしくなり、扈大公に白状したのであった。

 扈大公は高求を痛めつけて村を追い出す。

 その後高求は都に出て、当時大臣だった蔡京(金田龍之介)に取り入り、頭角を現して出世し、今では近衛軍総司令となったのである。

 

 蔡京は高求が帝に離宮を造るよう進言したことを非難。飢饉で税収が減り、今はそのような余裕がないという。

 高求は

「金が必要なら税金を上げて取り立てればいい」

と反論。

 蔡京は政府に反抗的な梁山泊の中心人物が元近衛軍の林冲であることを指摘し、梁山泊の反乱は高求の責任だと批判。

 高求は蔡京を追い出して自分が後釜になる決心をする。

 

 高求と別れた後、蔡京は護衛官・欒廷玉(中庸介)に、高求と一緒にいた3人の将校について調べることを命じる。

 調査の結果、3人は兄弟だと分かった。

 

祝竜(五味竜太郎) 腕も達者だが思慮深く慎重

祝虎(佐藤京一) 陰険で策謀好き

祝彪(黒部進) 気短かな上に乱暴者

 

 高求が司令官に取り立てたときにこのように改名させたといい、それ以前は祝奉先・祝奉中・祝奉後という名だったという。

 そして3人は祝家荘の長・祝朝奉(下條正己)の息子であった。

 それを聞くと蔡京は驚く。

 実は蔡京は宰相となる際、祝朝奉と争った過去があり、その時は蔡京の護衛官として付いていた高求の策略により祝朝奉を失脚させ、蔡京が宰相となったのである。

 高求が今度は祝朝奉と組み、何をやるつもりだろうかといぶかしむ蔡京。

 

 一方高求は、祝家の3兄弟とともに祝家荘を訪れ、自分は宰相になるから、祝家荘は自分の宿敵・梁山泊を討ってほしい、ともちかける。その暁には祝家荘は税金免除とし、3兄弟も出世させる、と条件を出す。

 

 農民・市民達に重税が課され、都に運搬されるが、各地で梁山泊の襲撃があり、税は奪われ、運搬していた役人達が殺されるという事件が相次ぐ。

 この日も税金運搬隊が梁山泊と名乗る一団から襲われるが、そこに林冲・扈三娘・戴宗・史進(あおい輝彦)が登場、賊達と交戦。史進が「梁山泊」の旗を持つメンバーを捕らえ、身元を調べようとすると、矢が飛んできて賊を刺殺する。

 戴宗が賊の後をつけていくと、祝家荘に辿り着く。祝竜達三兄弟が、梁山泊の林冲達に邪魔された、その中には扈三娘もいた。(扈三娘は扈家村の長の娘のため)梁山泊に仲間がいる扈家村を取り潰して領地を奪うチャンスだ、といった話をしているのを聞くが、発見されてしまう。

 戴宗は何とか祝家荘の追っ手を振り切るが、足に毒付きの矢が刺さり、毒が回って倒れてしまう。

 

 その戴宗を助けたのは、扈家村の長の娘であり扈三娘の妹でもある燕麗(中山麻理)であった。

 燕麗は父親の村長と相談し、戴宗を扈家村の山小屋にかくまう。

 

 史進の聞き込みにより、戴宗が祝家荘から逃げて行方不明だと判明。林冲達は、祝家荘を見張って盗賊行為の決定的証拠を掴むことにする。

 一方祝家荘は、扈家村が戴宗をかくまっていることを知り、戴宗ともども扈家村を全滅させることを決定する。

 翌朝、三兄弟が軍勢を引き連れて扈家村に進入、虐殺を始める。

 林冲・扈三娘・史進がこかそんの救出に到着、さらに戴宗と燕麗も山小屋から到着。

 しかし多勢に無勢、圧倒的な祝家荘の軍勢に取り囲まれて危機に陥る。

 

  

 高求の若かりし頃のエピソードとは珍しい。このドラマオリジナルであろうか。

 離宮造営の費用がないと渋る宰相・蔡京に高求は

「金が必要なら税金を上げて取り立てればいい」と。

 今の日本の政治も似たようなものですな。

 この税金論議を見る限り、宰相・蔡京はマトモな人だと思えるのだが、ウィキペディアを見ると、現実の彼はひどい奴だったようで。

  ウィキペディア 蔡京

 

「荒野の三兄弟」なんて格好いいサブタイトルの今回。梁山泊方のことだと思っていたら、梁山泊の敵方の三兄弟のことだったのか。

 しかもその三兄弟が祝家荘の長の息子だとは。

 高求が頼りにしているようだが、今まで登場したことなかったぞ。

 今まで高求が部下として命令を出してきたのは楊志・黄信・何濤・黄文柄・唐亮らであった。

 黄文柄が頼りないと言って直々に乗り出した時も三兄弟を伴なってはいなかったし、花栄捜索の際も、裏切りの疑いがある黄信を使わずに三兄弟を使ったら良かったのである。

 今回いきなり出てきたな。

 

 かつての宿敵と高求が結び、今度は自分が狙われていると知った蔡京。先手必勝であるからして、この時点ですかさず高求を罷免させるべきではないか。うかうかしているとやられますぞ。

 

 しかし祝朝奉と高求が何で結びついたのであろうか。普通なら自分を失脚させた憎い相手と仲良くなったり、息子を預けようとは思わない。やはりこれは高求の方から頭を下げて近付かなければここまで親しくならないと思うがどうか。

……と書いたが、林冲が「最近、扈家村の長の息子達が高求に取り入って登用されたらしい」という噂話をしていたので、最近祝家荘の方から高求に取り入ったようである。

 

 金がないのなら税金を上げて取り立てればいい、という高求の意見に反対していたかのような蔡京だったが、何だやっぱり税金を取り立てているじゃないか。

 

 史進が賊の一人を捕まえて調べていたところ、祝彪の矢が賊を殺して口封じをする。ドラマなどでよくあるパターンだが、それだけの矢の腕前があるのなら、捕まえている敵方(この場合は史進)を狙う方が得ではないだろうか。まあそれを言ってはおしまいなわけですが。

 

 扈三娘は扈家村の村長の娘だったのか。この村長というのは高求と因縁のある人である。

 扈三娘は高求の近衛総帥就任祝いに扈家荘から献上されたそうである。高求を村から追い出した村長が恭順の意味差し出したのだろうか。第1回を見ていないのでその辺の事情は分からない。

 

 第4話で登場してそれっきりになっていた燕麗だが、村に帰っていたのか。前回とは違っておしとやかな服を着ておしとやかなお嬢様していました。

 

 うなされて水を欲しがる戴宗に口移しで水を飲ませる燕麗。どうやら戴宗を好きになったようです。

 燕麗の看護のおかげか、意外と早く回復した戴宗。燕麗は一緒に梁山泊に連れて行ってくれと頼むが、梁山泊に連れて行って幸せにする自信がない、と断る。

 

 扈家村を全滅させる気で乗り込んだ祝家荘軍。非現実的な作戦だ。原作では良好な関係だったというこの2つの村なのに、悲劇的な関係です。

 そしていつもならば林冲達が助けてめでたく終わるはずの結末なのに、今回はてこずり、囲まれてピンチに陥っています。

 結末はどうなるのか?

 

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弟14話 決戦・祝家荘  脚本 池上金男  監督 降旗康男

 

 戴宗は梁山泊に知らせるように言って燕麗を逃がす。

 林冲達は崖の下に追い詰められ、弓の一斉攻撃で止めをさされる直前、崖の上に現れた阮小二(品川隆二)・阮小五(常田富士男)・阮小七(渡辺篤史三兄弟に救われ、救出される。

 一同、船着場で待っていた燕麗と合流し、後日に期して一旦梁山泊に退く。

 

 戴宗は捕まり、祝家荘の梁山泊攻撃の道案内を要求されるが断り、祝家荘の批判をする。怒った三兄弟が殺そうとするが、祝朝奉が止め、逃げられないように閉じ込められる。

 

 一方都の朝廷では、宰相である蔡京が、高求と祝家荘が税金運搬隊を襲って税金横取りしていることを知り、高求を呼び出し、逮捕しようとする。しかし先手を打った高求が兵士を腹心の部下に入れ替えており、さらに蔡京の護衛官・欒廷玉(中庸介)までが高求側に寝返っていた。蔡京は欒廷玉に殺害され、高求が宰相となり、欒廷玉が近衛軍総司令官となる。

 

 扈家村は滅ぼしたが、肝心の林冲を逃がしてしまった祝家荘は、高求に指示を仰ぐ。高求は、何としても梁山泊とりわけ林冲を倒すように、と指示し、欒廷玉を祝家荘に派遣する。

 

 林冲・史進・扈三娘・燕麗らは扈大公を葬るため、扈家村に向かう。梁山泊軍が棺を持って運んでいると、待ち伏せしていた祝家荘軍が出現、人質の戴宗を見せつける。

 しかし、さらに外側の城壁から史進率いる梁山泊軍が出現。

 欒廷玉が屁理屈を言って時間稼ぎをしている間に、祝彪が陰から弓で林冲を狙って撃つが、飛び出した燕麗に刺さる。慌てる祝彪狙って林冲が剣を飛ばし、祝彪も死ぬ。

「今回は引き分けだ」と欒廷玉が宣言し、双方引き揚げる。

 

 梁山泊軍が祝家荘の城壁を包囲し、攻撃するが、らちが明かないため、林冲は一計を案じる。

 阮三兄弟梁山泊の敵に扮し、史進を捕らえて祝家荘の城の中に入る。

 祝家荘陣営は、史進や戴宗をおとりに使って林冲をおびき寄せる作戦を取り、大いに浮かれる。

 しかしその夜、祝家荘の城内に入り込んだ阮三兄弟が見張りを眠らしたり色々と工作をする。

 翌朝、のろしの合図と共に城門が開かれ、梁山泊軍が場内になだれ込む。

 祝竜・祝虎は史進や戴宗に倒され、欒廷玉と祝朝奉も舟ごと爆薬で爆死する。

 

 

 祝家荘の兵士に囲まれた林冲達。三兄弟の一人が放った矢が扈三娘の背中に刺さる。扈三娘は足を引きずりながらも自分で歩けていたので、今回は毒が塗ってなかったようだ。

 崖の下に追い詰められた林冲達を救ったのは、崖の上に現れた阮三兄弟。肩を組んで足を上げて変なダンスをしていたのが面白かった。

 さらに、「お年玉だ〜!」

と言って火薬に火をつけて落とす。

 調べると、この回(弟14話 決戦・祝家荘)が放送されたのは1974年元日である。まさに落とし玉である。

 今なら元日特別番組が放送されてレギュラードラマは休むと思い勝ちであるが、当時は普通に放送されていたのか。

 

 阮三兄弟は晁蓋(山形勲)の命令で、帰還の遅い林冲達を助けに来たのである。梁山泊の首領になってから一度も登場していない晁蓋ではあるが、これはグッジョブである。

 

 ついに高求が蔡京を殺害して宰相の座を奪う。蔡京の護衛官だった欒廷玉をも配下に加えていたのである。何で欒廷玉は蔡京を裏切ったのだろうか。高求の方がやり手だと思ったのだろうか。原作では祝家荘の武術師範だから仕方ないか。それにしても原作登場人物が変幻自在に配置転換されているな。

 

 人質となった戴宗を追おうとして、燕麗が林冲の身代わりとなって死ぬことになる。燕麗の死は早すぎでもったいない。もっと見たかった。

 

 燕麗と祝彪の犠牲により、双方雌雄を決するという時に、欒廷玉が割って入って止める。

 何で止めたんだろう。戦略的には、城壁から祝家荘軍を包囲している梁山泊軍が有利だから引き分けに持ち込んだのだろうか。

 

 ついに梁山泊軍が祝家荘を包囲して攻撃。横山版では、それまで梁山泊入りしていた豪傑達が一挙に登場する豪華なエピソードである。

 しかしこドラマ版では、いつもの林冲+扈三娘+史進に阮三兄弟しか出てこない。

 横山版では弓の腕前を発揮していた花栄も、勝利をもたらした呉学人(の代わりの公孫勝)や彼が連れて来た連中も登場しない。

 さらに、既に梁山泊に入っている宋江も武松も魯智深も鉄牛も朱仝も雷横も登場しないとは。

 あまり多くの人が出すぎれば視聴者が混乱するということで、出演者を絞ったのだろうか。水滸伝は多くの豪傑が登場するというところが面白いのに、もったいない

 

 阮三兄弟が名乗った仮の人物像は、梁中書の使いで都に文書を運ぶ途中の李小三、李小六、李小八。阮小二、阮小五、阮小七の数字に1つづつ加えた数字を使っている。

 祝家荘の三兄弟に対して、梁山泊の阮三兄弟の大活躍の巻である。

 

 原作ではかなりの使い手という設定の欒廷玉であったが、今回はあっけなく爆死してしまった。

 蔡京を殺害した時、鎖の先にオモチャUFOのような丸っこいものをつけたものを振り回して武器にしていた。この変な武器を使ってもう一度戦うところを見たかった。

 

 

 扈大公と燕麗を手厚く葬り、林冲達は梁山泊へ引き上げる。

 林冲は「天に替わって道を行う」という旗を作成し、今後掲げることにする。 

  

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