某A新聞では日曜日に読書欄があり、3ページないし4ページに渡って本の紹介が掲載されている。
これはと思う本の紹介記事は切り取ることにしている。整理や保存が大変なので、切り抜く記事はできるだけ少なくなるように精選しているつもりだ。
特に多く切り抜いていることはないのに、なぜか数少ない切り抜きたい記事が裏表で重なってしまうことが多い。何でよりによってこの記事がこの位置に来ているのだ、と思うことがしばしばある。
2007年7月8日付の記事でも、以下の2冊が裏表でバッティングしてしまった。
VS
前者は、「売れてる本」コーナーでの紹介。この記事の裏面には2つの書評コラムがバッティングしているが、丁度香山リカさんが書評している「成果主義とメンタルヘルス」がバッティングしてしまった。
この日の読書コーナーで切り抜いたのはこの2冊の記事のみ。それが偶然裏表でバッティングしてしまったのである。そのようなこと、結構あるのだ。今後もそうなのか、もし今後もあれば記録していくことにする。
【2007年8月5日の裏表バッティング】
VS
切り抜きたい記事が裏表重なることが多い、と書いた割には、その直後からそのようなことがなくなったが、今回久しぶりに出た。
前者は、「ビジネス」コラムでの紹介。迂闊にも、私のアマゾンウィッシュリストに入れていた
『いかにして問題をとくか』
と間違えてしまった。新刊でなくロングセラーでもこの欄で紹介するのか、と思って切り抜いたのだが、違っていた。似たようなタイプの内容かとは思うが、読んでみないと分からない。
【2007年8月26日の裏表バッティング】
VS
【2007年10月28日の裏表バッティング】
長靴の三銃士 (1970年) VS
連載コラム「たいせつな本」の米倉斉加年の回と裏の書評がバッティングした。
米倉さんのコラムを読むと、猛烈に読みたくなってくる本である。1970年に復刻版がでたそうである。
近くの公立図書館で検索したが、入っていなかった。残念。
■焚書に遭う運命の本 異端のにほひがした
http://book.asahi.com/mybook/TKY200711010107.html
【2007年12月16日の裏表バッティング】
= VS &
前者は、「売れてる本」という連載コラムでの紹介。ある書店のある書店員が気に入り、店頭でPRしていたところ、それがクチコミで広がって増刷まで決まったという。「新奇想小説」というのだとか。
前者の裏には書評が2冊分。共に切り抜き。
『不安定雇用という虚像』の内容紹介を読むと、皮相的というか浅いというか牽強付会というか我田引水というか。
書評誌の寸評
確かに、残業や転勤を拒否できない正社員よりも、「自分のライフスタイルにあった」働き方を選択できる非正社員のほうが給与は低くても望ましいと思う人は多いかもしれない。しかし、不安定雇用だから非正社員は望ましくないという通念が「虚像」なら、正社員は雇用が安定しているから望ましいという見方も「虚像」である。そこには給与差以上に過大なノルマを課して正社員の働き方を魅力ないものに貶(おとし)め、非正社員へと誘導する企業の深慮遠謀が見え隠れしているからだ。
人々は自由か安定かと問われて非正社員を選んだのか、安定の代償に厳しい労働を迫られ正社員を諦(あきら)めたのか、「実像」の炙(あぶ)り出しにはもう一歩踏み込んだ調査と分析が必要なようだ。
本より書評の方が深い。
100円ショップじゃないんだから、生活水準の低価格化をどんどん押し進めていいというわけではない。結局それは格差を拡大し、経済や社会のひずみを非正社員や経済弱者・負け組に押し付けるだけではないのか。
2007年7月にこの企画を思いついて、それから年末まで結局5回だけであった。
来年分からはエントリーを変えて記録していきたい。
■何で重なるのだ!〜2008年上半期版
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20080106
(追記)
はてなキーワードの「成果主義」の説明が面白い。あまり中立的な記述ではないと思うが、しかし現実に即した解釈である。この説明文にある通り、「成果主義」は確かに
「成果を上げるだけの権限をもった人材に適用してはじめて効果があるもの」
「効率的な人件費削減ができる」
「業績不振になった場合、社員の怠慢にあると責任転嫁できる」
という面がある。
「参考になる」「リンク可」に1票ずつクリックしておいた。
書き換えられる可能性があるので、この説明文をこちらにコピペして保存しておく。
【成果主義】
成果を重視する考え方。単に結果だけでなく、そのプロセスを重視する考えも含む。
社員の士気をそぐ 最も効率的な方法
成果を上げるだけの権限をもった人材に適用してはじめて効果があるもの
一般社員に適用すると、ただのいじめになるだけ
モチベーションのダウンにしかならない。
効率的な人件費削減ができる
業績不振になった場合、社員の怠慢にあると責任転嫁できる
業績をあげれば上げるほど失敗や足元をすくわれるリスクは高まり、出世は危うくなる。
能力主義と混同されるが、能力主義は潜在能力をも評価する点で成果主義とは異なる。
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