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森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

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2007-12-29 (土) 『姿三四郎』を見て格差社会と戦いについて考える!?

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◆◇【少年少女世界の名作文学ブログ・完全版】◇◆

第15回配本 『姿三四郎』を見て格差社会と戦いについて考える!?

メルマガ 少年少女世界の名作文学ブログ速読み版 の完全版です。)

  http://nazede.gozaru.jp/mmm.html

(その前にお知らせ)

 新しくメルマガを創刊します。

三四郎』な人生  http://www.mag2.com/m/0000254139.html

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 前回を発行してから3か月以上たちました。気が付けば今年も終わろうとしています。こんな忙しくて慌ただしい時期にいつもと変わらないメルマガを発行してすみません。私自身は盆も正月季節感も関係ない単調な生活を送っているもので。

 というわけで、本年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします。良いお年を。

 

 ということで、今回のメルマガは『姿三四郎』をテーマにします。

 というのは、先日12月6日(木)にテレビ東京系で2時間スペシャルドラマとして放映されたからです。テレビ東京では柔道大会を放送していたので、それとタイアップしての企画でしょうか。

愛と青春のドラマスペシャル 姿三四郎 [DVD]

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 このメルマガで読んでいる小学館文学全集にも『姿三四郎』が収録されていたので、これを機会に読んでメルマガで取り上げてみることにしてみました。

 

==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==* 書誌的事項 *==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*

  

少年少女世界の名作51(名作55巻版)日本編7(1974年

  ◇姿三四郎  富田常雄原作) 柳柊二(絵)

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 テレビ東京ドラマでは、姿三四郎役に加藤成亮、その一番の友人・左文字大三郎(本ドラマオリジナル)役に風間俊介という、ジャニーズ所属の役者が配されていました。こう配役を書くと、検索から来られるファンの皆様がいらっしゃるかもしれません。芸能関係に疎い私なので、この記事では役者に関してはほとんど触れることはできないので、申し訳ありません。あらかじめお断り・謝っておきます。

 

 さて、今回あえて『姿三四郎』をドラマ化したテレビ東京の蛮勇は、素晴らしいものだと賞賛に値すると思います。黒澤明映画を筆頭に、過去何度も映画化ドラマ化された本作品は、日本人の必読書一般教養ともいえる名作文学国民文学大衆小説・娯楽小説の名作ともいえるものです。ところが最近、忘れられているような感がありました。この空白期間が長過ぎると、本当に忘れ去られる恐れがありました。

 今ここでテレビ東京がこの名作を再発見したことは、とりあえずこの名作を次世代に継承するための種が蒔かれたということなのです。

 とりあえず私などはこのドラマ化を機に、名前だけ知っていたこの作品を読み(一部分だけですが)、こうやってブログメルマガに書きました。

姿三四郎』の名前すら知らなかった若い女性も、これを機会にこの小説の存在や大まかなあらすじを知ることになりました。

 古くからのファンも若い世代も、世代を超えてこの作品を語る機会を得たわけです。

 だからこの作品に自分なりの思い入れを持っている古くからのファンの皆様も、今回のドラマのあらを指摘するのではなく、温かく見守ってほしいところですね。

 そして今後も、こういった忘れられている名作の再発見が試みられることを期待します。

   

hongming漫筆 「姿三四郎」 【テレビ東京2007年12月6日放送】

 http://plaza.rakuten.co.jp/hongming/diary/200712090000/

 色々検索し、やっと同意できるブログ記事を見つけました。

愛と青春のドラマスペシャル 姿三四郎 [DVD]

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姿三四郎 [DVD]

 ↑私の子ども時代にアニメ化されていたようです。これは気付かなかった。

  フイルムコミック版もあり、復刊リクエストされています。

  

(あらすじ)

 文明開化の世、柔術時代遅れとなり、廃れていた。一方、古い柔術を捨て新たに「柔道」を掲げた矢野正五郎が登場、紘道館を設立する。

 柔術家の闇討ちを撃退した矢野に感服し、弟子入りした三四郎。やがて四天王の一人として数えられる存在となり、紘道館の台頭を快く思わない柔術諸派からの刺客アメリカボクサーなどの強敵との戦いの日々が続く。

 一方、柔術家の娘である乙美と華族の令嬢・南小路高子の間でも、三四郎を廻っての争いが始まっていた。

 

姿三四郎<普及版> [DVD] ←マシンガンではありません。有名な冒頭のシーン、蓮の花です。

 

感想

 三四郎の最初のライバルともいうべき存在は、良移心当流の免許皆伝・檜垣源之助。師匠である良移心当流の当主・村井半助(橋本さとし)よりも強く、態度が大きい不遜な男です。村井師範の娘・乙美を狙う、三四郎とは恋敵でもあります。

 警視庁で行われた武術試合で村井半助に勝利した三四郎の前に檜垣が登場、因縁が勃発します。

 

「頭がすぐれ、学問もあり、皇宮警手であった。」

「その実力は専門家の間でも(乙美の)父の村井半助をはるかにしのぐとされていた」

「維新以来、全面的に傾きかけた柔術の唯一の挽回者とし、麒麟児とみなしていた」

 

と、原作でも描写されている檜垣。

 

「全流派が団結して、大道場を作って国民を吸収すれば、日本柔術は新しい国民の魅力になる。」

先生、ぼくは柔術を統一しようと思いたちました。できないことはないと思います。」

 

と理想と野望を師匠に熱く語る檜垣。なかなかの人物です。柔術という旧体制内での改革を目指す檜垣。彼にしてみれば、柔術を捨てて新しく「柔道」というものを始めた紘道館というのは柔術界の裏切り者であり、矢野一派を敵視し、のけ者にして消滅させる、と息巻きます。

 紘道館を柔術という幕府を倒そうとする新興の倒幕勢力とすると、檜垣は幕府を守ろうと立ち上がった新選組というところか。

 

 ドラマでは檜垣(波岡一喜)は、警視庁の道場や師匠葬式でも無精ひげを生やして黒いコートで身を包んで三四郎に突っかかるという、いかにも敵役といった登場で盛り上げてくれます。

 私が読んだ本では物語はこの檜垣との戦いがメインとなっており、檜垣との決闘ラストの盛り上がりとなっていました。

 だからこのドラマでも檜垣との戦いをたっぷりと描くのかと思っていました。しかし淡々物語が進み、1時間ほどで檜垣との戦いにあっけなく決着がついてしまいました。

 とすると、残りはこのドラマオリジナルかと思いましたが、色々検索してみると、どうやら私が読んだのは、原作を抜粋したものでした。

 原作は、文庫本講談社新潮社)で3冊にも及ぶという大長編のようです。子ども向けの名作アンソロジーに全部収録できるはずないわな。

 原作では檜垣に勝った後も次々と強敵が現れ事件は続いていくという、少年ジャンプロールプレイングゲームを思わせる展開です。

 

姿三四郎 (1) (講談社漫画文庫) ←本宮ひろ志マンガ化しています。

 

 ドラマでは次に、アメリカボクサーと賞金1000円を懸けての異種格闘技戦を行います。こんなハチャメチャなこと、原作にはないだろう、このドラマオリジナル脚本に違いない、と思いながら見ていたのですが、どうやら原作にも描かれているようです。この原作が出版されたのは1942年から1944年にかけて。何と戦時中です。戦時中にもこのような柔道ボクシング異種格闘技戦を描いた小説が描かれ、出版されていたとは驚きです。

 そもそも出版当時はこの敵役のボクサーの出身国であるアメリカ戦争しているのだから。物語舞台明治時代だから、アメリカからボクサーが来日してもおかしくはないのですが。出版当時の読者は、敵国アメリカボクサーに勝つ三四郎に自分を重ねて快哉を叫んだのでしょう。

 

 幾つかの事件を通じてお互い愛し合っていることを知った三四郎と乙美(本仮屋ユイカ)。しかしここに華族令嬢・南小路高子(中越典子)が登場し、波乱を起こします。

 実は乙美は、新旧柔術の威信をかけて三四郎と試合をし、敗北した良移心当流の当主・村井半助の一人娘です。村井師範は三四郎との試合の後寝込み、やがて死んでしまうのだから乙美にとっては三四郎は親の敵ともいえる人物です。

 ところが村井師範も乙美も三四郎尊敬し、家族のような付き合いが始まります。

 村井師範の一番弟子である檜垣源之助が村井師範からも乙美からも嫌われていることと大違いです。こういった人望のなさが檜垣の決定的弱点だったのでしょう。

 

 相思相愛三四郎と乙美の間に立ちはだかった華族令嬢・高子。

 南小路光康子爵小日向文世)の娘さんです。

 村井師範が三四郎に密かに告げたことによると、乙美は実は村井師範の実の娘ではなく、南小路子爵の娘だった!だから乙美と高子は腹違いの姉妹ということになります。

 そしてこの姉妹の間で、三四郎を廻っての静かな・しかし熱い戦いが始まるわけです。

 おてんば娘の高子は父親不在をいいことに、好き勝手やっています。父親の権威が絶対だった時代、しかも華族の家庭で、こんなことがありうるのでしょうか。

 まるで現在の昼のメロドラマのようなハチャメチャな展開。これこそ原作にはない、今回のドラマオリジナル脚本ではないかと思って見ていましたが、検索してみると、やはり原作に描かれているようです。

 この原作、すごすぎます。そのまま現代のドラマとして使えるんではないでしょうか。しかもこれが描かれ、出版されたのは戦時中アメリカとの戦いも始まって戦時体制が厳しくなってきた時期です。そんな時期に出版されていたとは奇跡のような話であります。

 姿三四郎 (2) (講談社漫画文庫)

  

 三四郎は高子ではなく乙美を選びます。身分より愛を選んだわけです。

 階級差が歴然としている時代、立身出世を求める者であれば、玉の輿を狙ったかもしれません。しかし三四郎立身出世玉の輿より武道の道、そして初恋の人を選びました。

 今でこそ納得できる選択ですが、当時すなわち、物語舞台である明治時代や、この小説が発表された戦時中の一般的見解として、この選択はどのようなものだったのでしょうか。

 

 物語では華族階級の高子が身を引き、その後嫉妬に駆られて異常な行動に走ります。

 華族階級の人物をこんな悪く描いてしまって、大丈夫なんでしょうか。

 戦時中軍人が力を持っていて軍部批判は重罪になりました。華族はどんな位置づけだったのでしょうか。まあ検閲の末出版されたのだから、特に問題なかったのでしょうが。

(同じ頃映画化された映画版黒澤明監督藤田進主演)は、情報局国民映画参加作品に選ばれたそうです。)

  

 それにしても、華族の令嬢が平民の男を好きになるというのは、あり得る話でしょうか。

 現代でこそ、身分だとか階級だとかの差はあまり意識されていませんが、身分制度が固定されていた江戸時代では全くあり得ないことです。明治時代になって四民平等ということで階級制はなくなりましたが、人の意識はそう簡単に変わるものでしょうか。

 

 日本では戦後高度成長期を経て総中流化とも言われる社会となり、大きな格差のない時代が続きました。

 しかし現在非正規雇用や不安定雇用ワーキングプアなどのため、格差は拡大化の傾向にあります。身分制・階級制の時代に逆戻りしています。

 そのような時、この『姿三四郎』を読んで

「俺も上流階級女性と付き合えるかもしれない」

などと虫のいい妄想に浸る奴はおらんだろうな。

 姿三四郎は、あれだけ柔道に打ち込み、突出して強かったからこそ、子爵令嬢に見初められたのである。玉の輿に乗るには、それだけの努力能力が必要なのです。

 だから芸は身を助く。ワーキングプアになっても、何か一つのことに熱中し、極めることができればそれが何らかのきっかけになるのではないか……。これは私自身が自戒を込めて思ったことです。

姿三四郎 (3) (講談社漫画文庫)

 

 嫉妬に狂った高子嬢は、九州在住の柔術家・津久井譲介(要潤)を騙して、三四郎への刺客として送り出します。

 津久井からの決闘の誘いに、重い肺病で倒れた乙美を看病している三四郎は応じようとしません。しかし果たし状のことを知った乙美は、三四郎に戦いに向かうよううながし、三四郎決闘の場に向かいます。

 

 ここら辺の心理状況は、どうなのでしょうか。もし自分が重病で闘病中の時、恋人に果たし状が来た場合、何を思い、どのような行動を取るか。

 もちろん本音は恋人にはずっと見守って欲しいであろうし、また恋人危険な目にあわせたくない、という心理もあるでしょう。

 家庭を持ってしまうと、女性は家を守ろうという心理が強くなるでしょう。

 例えば、快傑ゾロのその後を描いた映画マスク・オブ・ゾロ』では、ゾロに変身して危険な行為をしているディエゴベガ氏の身を案じ、ベガ夫人は危険な行為はやめてくれ、と頼んでいます。

 ■『マスク・オブ・ゾロ』(映画版

   http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20060226

 マスク・オブ・ゾロ (ハヤカワ文庫NV) マスク・オブ・ゾロ(二枚組)DCE [DVD]

  

 これらはいわば生存本能と感情と本音を司る右脳が考えること。

 建て前・体面など色々な理屈を司る左脳を優先させると、それと相反する行動を取ったりします。

 乙美は、戦っている三四郎が好きだったし、今回は私も一緒に病気と闘うから行ってくれ、と頼み、戦いに意味を見つけることができずに迷っていた三四郎は迷いから覚め、戦いに向かいます。

 

決闘」「戦い」を「仕事」に置き換えると、現代に生きる我々にも切実な問題となってきます。

 家族恋人が生死をさ迷う病状の時、果たして我々は、仕事を取るか、看病を取るか。逆に自分が闘病中の時、家族恋人仕事に送り出すことができるのか。

 

 実は檜垣源之助との決闘の際、負けた檜垣が三四郎に、今回はお前が勝ったが、今後もお前には次々と敵が現れるだろう、と予言します。

 

「勝ち続ける限り、お前は何一つ守ることなどできないのだ!」

 

 確かにその後三四郎の前には、強敵が次々と現れます。その後の展開を予言するかのような言葉です。この言葉三四郎の心の奥底に引っかかります。

 私が読んだ本では檜垣はこのような恨みの言葉を発していません。それどころか檜垣は改心して三四郎和解しています。これこそこのドラマオリジナルの台詞でしょう。

 決闘しても乙美を守ることができるのか。三四郎は乙美を守るため、津久井との決闘に躊躇します。

 実は乙美は、過去三四郎が檜垣との決闘に向かうのを止めようとしています。危ない決闘なんかやめて私を守って、ということでしょうか。しかし自分が重病に倒れた今回、私を守るためにも一緒に戦って、と頼みます。この心理的変化、分かるような気もします。置かれた状況や流れによって人間の心理は変わるわけです。

 また、物語としては、これでこそ盛り上がる展開といえます。戦いによる成長を描いた物語として、こうでなくてはいけません。この小説が発表された時代が戦時中だということも考慮すると、この流れは必然的と言えます。

 

 しかし、物語ドラマ映画ではなく、現実社会生活を考えてみるとどうでしょうか。

 私にはなぜか、このドラマで檜垣が三四郎に言い放った負け犬の遠吠えのような恨み言が、意外と真理を突いているように思えるのです。

 

 実は私は少林寺拳法を習っています。少林寺拳法は守主攻従・不殺活人の護身術であり、勝ち負けを重視するものではありません。

 少林寺拳法の開祖・宗道臣は言いました。

 

トーナメント方式で勝ち負けを決めるとなると、結局はチャンピオンは一人じゃないか。たった一人のチャンピオンをつくるために少林寺拳法を作ったわけじゃない。少林寺拳法は自分の身を護れればいいんだ。俺が強い弱いとか、勝ち負けなんて、知れているんだ」

「われわれは釈尊の教えと達磨の教えをもとに自己確立と自他共楽を説いておる。だから乱捕りも自分のためにやる。人と競ってどうこうではない」

 

 戦いを続ける限り、敵は現れる。勝ちにこだわる限り、いつまでも安楽な境地に達することができない。私にはこのドラマオリジナルの檜垣の言葉が、いささか乱暴ながら、少林寺拳法の考えに通じるのでは、と思えるのです。

 

少林寺拳法

 http://www.shorinjikempo.or.jp/about/impress.html

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%91%E6%9E%97%E5%AF%BA%E6%8B%B3%E6%B3%95

 

少林寺拳法 [DVD]  少林寺拳法~究極の護身術~ [DVD]  少林寺拳法のススメ  図解コーチ 少林寺拳法 (スポーツシリーズ)

   

 原作では決闘の後三四郎和解して気持ちよく別れた檜垣源之助でしたが、このドラマでは負けを認めずに負け犬の遠吠えのような恨み言を投げつけるし、その後、三四郎と戦う予定のボクシングの王者に簡単に負けてしまうなど、一体どうしちゃったのかというくらいに気の毒な扱いを受けていましたが、最後にいい場面で再登場し、活躍してくれました。何でここで唐突に現れるのかという疑問もありましたが、最後にその謎が明らかになります。しかし実際のところ、三四郎と津久井が本気で決闘している最中では檜垣が二人の決闘を止めるのは難しかったのではと思われます。

 

姿三四郎 (アニメ日本の名作) 続・姿三四郎<普及版> [DVD] 姿三四郎と富田常雄

   

史伝西郷四郎―姿三四郎の実像 (1983年)

姿三四郎の手帖 (1965年) (双葉新書)

良移心頭流中村半助手帖―姿三四郎の好敵手 (1980年)

 

 さて、『姿三四郎』の原作ですが、柔道成立の史実に基づいた小説です。講談社新潮社から文庫で全3巻として出ていたようですが、現在絶版となっているようで、復刊ドットコムで復刊リクエストされています。

 本作品の評判が良かったので、後に少年時代三四郎を描いた『少年姿三四郎』という作品も書かれたようです。

 そういえばドラマでは乙美と夜店を歩いているとき、「三四郎さんの子ども時代はどんな感じだったの?」「普通……だったな」というような会話がありました。

 

 映画化ドラマ化は、何度もされているようです。私が読んだ本の解説では、

姿三四郎』といえば、いままでにもテレビ映画、まんが、読み物などで、みなさんはよく知っていますね。

と書かれているくらいです。

 しかし私が子どもの頃はもう、名前だけはかろうじて知られている程度で、学校公民館図書館にも本は影も形も姿もない状態で、忘れられた存在になっていました。一度スペシャルアニメが放映されたようですが、気が付かなかったですね。

 

姿三四郎』のマンガ化やドラマ化についてのまとめサイトのようなページを作成してみました。非常に時間がかかり、映画の項目は書けずにギブアップ。いずれ追記するかもしれません。

 http://healthy.g.hatena.ne.jp/keyword/%e5%a7%bf%e4%b8%89%e5%9b%9b%e9%83%8e

 

 私が生まれる前、アニメで『紅三四郎』というのもあったようですが、再放送も見たことありません。

 

紅三四郎 出典: フリー百科事典ウィキペディアWikipedia)』

  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%85%E4%B8%89%E5%9B%9B%E9%83%8E

 

紅三四郎【完全版】 (マンガショップシリーズ 182)

紅三四郎【完全版】 (マンガショップシリーズ 182)

紅三四郎 DVD-BOX

紅三四郎 DVD-BOX

 

 あと、セガサターンのCMで藤岡弘、が演じた「せがた三四郎」というのがあるようです。このCMが放映されていた時期は浪人中か何かでテレビをほとんど見なかった時期なので、このCMは見たことありません。

 

せがた三四郎 出典: フリー百科事典ウィキペディアWikipedia)』

  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%9B%E3%81%8C%E3%81%9F%E4%B8%89%E5%9B%9B%E9%83%8E

 

お宝・名作マンガ制作・復刊◆マンガショップ

  http://www.mangashop.co.jp/

様からの12月7日メルマガで、テレビ東京の『姿三四郎ドラマに触れ、

昭和30年代、40年代漫画主人公の名前は“三四郎”が多い」

ということが書かれており、マンガショップが復刊させたマンガの中でも

 

紅三四郎[完全版]』吉田竜夫/九里一平

『大空三四郎[完全版]』高森朝雄/吉田竜夫

マッハ三四郎[完全版]』久米みのる/九里一平/吉田竜夫

『おれとカネやん[完全版]』梶原一騎/古城武司

『カワリ大いに笑う!』牛次郎/桑田次郎

主人公三四郎だそうです。

これは『姿三四郎』の人気の影響でしょうか?

ちょっと皆さんにもご意見を聞いてみたいと思います。

「いやただの偶然」「三四郎は『姿三四郎』の三四郎からじゃない」

「他にもこんな三四郎がいるよ」などご意見をお聞かせください。

ということですが、どうなんでしょうか。

 確かに私の子ども時代も、

『1・2の三四郎小林まこと

プラレス三四郎原作/牛 次郎 絵/神矢みのる

という作品がありました(読んだことはありませんが)。

 

 しかし、何と言っても一番有名な“三四郎”は、夏目漱石の『三四郎』の主人公小川三四郎でしょう。

 

 ということで、今度夏目漱石の『三四郎』を読んで思ったことを書いていくメルマガ“『三四郎』な人生論”を始めることにしました。

三四郎』な人生

  http://www.mag2.com/m/0000254139.html

夏目漱石の『三四郎』を読むと、何だか自分のことを書かれているようで恥ずかしくていたたまれない気分になってくるのです。『三四郎』を初めから読んでいき、思ったことなどをつらつらと書いていきます。人生至るところ三四郎あり。私も三四郎、あなたも三四郎

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姿三四郎テレビ東京) http://www.tv-tokyo.co.jp/sugata/

姿三四郎 出典: フリー百科事典ウィキペディアWikipedia)』

  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A7%BF%E4%B8%89%E5%9B%9B%E9%83%8E

富田常雄 出典: フリー百科事典ウィキペディアWikipedia)』

  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%8C%E7%94%B0%E5%B8%B8%E9%9B%84

富田常雄薔薇の紘道館」の姿三四郎モデルとしての西郷四郎

 http://www.iscb.net/mikio/9709/25/index.htm

二人散脚 姿三四郎

 http://www18.ocn.ne.jp/~bell103/mokuzi.html

ドラママーケット 姿三四郎 http://dramarket.whimpackage.com/2007/11/post_335.html

教えて!goo姿三四郎』のラスト30分のネタバレ御願いします。

  http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3580905.html

横澤彪チャンネルGメン69】NEWS加藤成亮、目に夢がなかったな

  http://news.livedoor.com/article/detail/3428833/

 

復刊ドットコム 復刊リクエスト投票No.34838 姿三四郎

 http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=34838

復刊ドットコム 復刊リクエスト投票No.6120 姿三四郎<全2巻>

 http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=6120 

 【http://meloh.net/e/rvwfg.html

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2007-12-18 (火) メルマガ“『三四郎』な人生論”始めます!

[]メルマガ“『三四郎』な人生論”始めます! メルマガ“『三四郎』な人生論”始めます!を含むブックマーク メルマガ“『三四郎』な人生論”始めます!のブックマークコメント

 このたび、新しくメルマガを発行することにしました。

 

三四郎』な人生

  http://www.mag2.com/m/0000254139.html

夏目漱石の『三四郎』を読むと、何だか自分のことを書かれているようで恥ずかしくていたたまれない気分になってくるのです。『三四郎』を初めから読んでいき、思ったことなどをつらつらと書いていきます。人生至るところ三四郎あり。私も三四郎、あなたも三四郎

 

 メルマガは、このようなものとなります。

 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

 

 今回は、『三四郎』その1

http://www.servicemall.jp/sokudoku/BN/l/0041001.html

についての感想の1回目です。

 

(あらすじ)

 東京帝国大学に入学が決まった三四郎郷里九州から汽車に乗って東京に向かう。途中、京都から乗ってきた女性と相席になる。三四郎が居眠りしている間に女性はやはり同席している老人と仲良くなり、会話をしていた。

  

(今回の感想

三四郎』が朝日新聞に連載されたのは、明治41年9月1日から12月29日の間。

 今でいうと「2学期」に当たります。夏休みが終わってから冬休みが始まるまで。

 残暑厳しい時期から年末の慌ただしい寒い時期に至る、変化の激しい時期であります。

 

 三四郎主人公としたこの物語も、連載時とリアルタイムで進行しています。

 この当時は大学は9月から始まっていたのでしょうか。三四郎が入学のため上京する場面から物語は始まります。

 当時の大学進学率の詳しい数値は分かりませんが、とにかく非常に低い水準だったに違いありません。

 大学に進学するのは、一部のエリートに限られていたのでしょう。

 

 そのような時代に東京帝国大学に進学する三四郎は、エリートと言われる立場にあります。

 九州代表として九州をを背負って立つ、という意気込みもあったでしょう。

 しかし、その上京の道中から早速運命のいたずらに遭遇する羽目になってしまうのです。

 

「うとうととして目がさめると女はいつのまにか、隣のじいさんと話を始めている。」

 

 これが『三四郎』の書き出しです。

 なかなか印象的な、示唆に富む書き出しです。

 物語は、三四郎が寝ている間にすでに始まっていたのです。

 目が覚めた後、三四郎傍観者的立場で二人の会話を伺います。

 今後も三四郎運命物語を主体的にコントロールするのではなく、傍観者的立場であり、そして運命に巻き込まれていくことになります。

 

「女とは京都からの相乗りである。」

 

 どうやらこの汽車の座席は、横一列の長いシートではなく、4人が向き合って座るタイプの座席のようです。

 私はこのタイプの座席が苦手です。先に誰かが座っていると後から座りにくいし、先に自分が座っている時は、後から誰が座りに来るのか気になります。

 それでも一応できるだけ多くの人が座れるように、窓際の方に座って荷物は膝の上に置いて、後から来る人が座りやすいようにしています。

 

 ところが意地悪い人もいるもので、荷物を座席に置いたり、靴を脱いで足を向かい側に乗せたりしている人もいます。そうすると後から座りに行きにくくなり、その結果、うまくいけば4人分座れるはずのスペースなのに、それ以下の人数しか座れなくなり、うまくいけば座っていられるはずの人が立つ羽目になったりします。

 こんな理不尽なことがありますか!

  

 以前、著名な作家が時間術だか仕事術だかの本で書いていました。

 座席では窓際でなく通路側に座る。後で来た人が座りたければ自分に声をかけてから窓際に座ればいい。これは先に座った人の権利である、と。

 まあ一応荷物は置かずにスペースは空けて座れるようにしているので問題はないとも言えるが、でもマナーとしてはどうかな、と違和感を感じたので、他の部分は忘れてもこの部分だけはしっかりと覚えています。

 

 ということで、私は4人がけ座席は苦手なのです。しかし例えば『鏡の国のアリス』や『オリエント急行殺人事件』など読むと、欧州列車は、コンパートメント式というか、部屋のようになっているのもあるようです。

 見知らぬ人がいる部屋に入っていったり、自分がいる部屋に見知らぬ人物が入ってきたりするわけです。

 人見知りの激しい私にとってはちょっと耐えられないことであります。

 また、安全管理上どうなんだという疑問点もあります。

 だからこのような場合、一人旅ではなく二人以上で行った方が安全だということでしょうか。

 

コンパートメント席 出典: フリー百科事典ウィキペディアWikipedia)』

  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%BC%E3%

83%88%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88

 

 ともかく、三四郎が一人で占拠していた座席に、京都から乗ってきた女性が闖入し、運命が動き出すわけです。(続く)

  

 ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑

 

 こんな風に、少しづつ読んで感想文を書いていくつもりです。

 発行頻度は不定期ですが、週に2〜3回出せればいいかと思っています。

 

 このメルマガに関しては、専用のブログを作成しました。

 以後、バックナンバーはそちらのブログに収録していくつもりです。

 コメントトラックバック歓迎します。

 

ブログ・『三四郎』な人生論 http://sanshirou.seesaa.net/

はじめに http://sanshirou.seesaa.net/article/73495747.html

 第1号 http://sanshirou.seesaa.net/article/73499776.html

 

 単調で平凡なものですが、興味を覚えた方、ひとつお付き合いよろしくお願いします。

 

 このようなことを書いている私は何と名乗りましょうか。

 とりあえず私はこのメルマガでは“三四郎”と名乗らせて頂くことにします。

 

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2007-12-09 (日) 今、話題の!?らーめん缶 堺にもあった!

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 堺東ジョルノビルエスカレーターに乗って上に上がっていると、3階のところで気になる看板発見した。

  

f:id:nazegaku:20071209215224j:image

  

「今、話題の らーめん缶」!?

 ラーメンの缶詰が話題になっているとは、流行の話題に疎い浦島太郎状態の私には全く知らないことであった。

 何だか面白そうなのでその辺りに近寄って発見ラーメン缶の自動販売機であった。

  

f:id:nazegaku:20071209215223j:image

  

 写真撮り方がまずくて指が入ってしまった。商品は3段に渡って陳列されており、写真に写っているのは下の2段。この2段は冷たい商品が中心であり、1番上の段がホット商品である。12月にもなって寒くなっているというのに、まだ冷麺などのコールド商品を多く陳列しているというのもどうかと。

 温かい商品は、博多とんこつラーメンやしょうゆラーメン味噌ラーメンカレーうどんおでんなど、一応魅力的なラインナップ。どれにしようか迷ってしまった。

 缶を取り出してみると、熱々ではなかった。

 私は手の皮膚が薄いのか、熱い物を持つのが苦手で、自販機コンビニなどで売っているホット缶を持つことができないのであるが、このラーメン缶は楽々と持てる程度の温度である。ラーメンなのだから、心情的には生ぬるいのより熱々で出てきてほしい。品質管理上、あまり熱くすると変性するからだろうか。あまり熱くないのも衛生上、気持ち良いものではない。

  

f:id:nazegaku:20071209215222j:image

  

 家に帰って食してみれば、確かにスープは美味い。

 麺の方は、こんにゃく麺だそうである。これにより、のびるのを防いでいるとか。しかし何だか糸こんにゃくを食べているようだった。

 しかし糸こんにゃくの麺というのもまたヘルシーでいいのではないか。

「糸こんにゃく」と「しらたき」論争

  http://home.tokyo-gas.co.jp/shoku110/shokuzai/045.html

「しらたき」なんて知らなかった。わが家では「糸ごん」と言っていた。

 しかし300円でこの分量というのは少々物足りない。これならカップラーメンの方ができたて熱々で食べられるし腹持ちも良さそうだ。

 ラーメンについては初めから製造したものを缶に入れて販売するより、カップヌードル自販機のように、お湯を入れて自分で作るという方式の方が合理的のように思える。

 糸こんにゃくというヘルシーフードを再発見したという点では収穫だった。

 ただ、看板のセンスはいい。今回はこの看板の出来がいいので、わざわざエスカレーター途中下車して探し、購入するところまでいってしまった。このセンスを商品の向上に向けて欲しい。そしてもっと安くて腹持ちが良くて満足感を得られるよう商品改善していってほしい。

  

 検索してみると、やはり話題になっていたようである。

 

らーめん缶 出典: フリー百科事典ウィキペディアWikipedia)』

  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%89%E3%83%BC%E3%82%81%E3%82%93%E7%BC%B6

All About 話題沸騰!らーめん缶の登場!

  http://allabout.co.jp/gourmet/ramen/closeup/CU20070426A/

「らーめん缶」が発売に、自販機にも近日登場予定

  http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20070414/etc_ramen.html

アキバ物欲】らーめん缶はおでん缶を越えるか!チチブデンキ 小菅社長がらーめん缶を語る

  http://news.livedoor.com/article/detail/3142821/

 

[rakuten:omiyage-takuhai:10000232:detail] 

 

 しかし秋葉原の名物なるものが堺にもあるとは、堺もなかなか捨てたものでない。写真にも写っているが、ジョルノビルのこの3階の一角は、フィギアなどを販売している店が占めている。

 以前紹介した、雑誌を安く読む店もこの3階にあった。

 

■[日々の哲学][堺]雑誌を安く読む方法―マガジンチェンジ Magazine・Change

  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20070305

 

 こういった新たな試みが継続して成り立っていけるような活力があればいいのであるが。

   

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2007-12-02 (日) 彼は誰を殺したか〜嫌味な探偵(ネタばらし注意!)

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『彼は誰を殺したか』浜尾四郎・作

 15も年下の妻をもらった喜びも今は昔、中条直一の夫婦仲には隙間風が吹いていた。そして妻・綾子には虫が付いた。今年大学にはいったばかりという綾子の従弟の吉田豊である。

 綾子はピアノを弾き、吉田ヴァイオリンを弾く。楽器を弾けない中条を尻目に二人は仲良く合奏したりなんかしている。

 

 これは厳しいシチュエーションである。中条の気持ちがよく分かる。私は結婚はしたことないが、このようなことになるのなら、最初から結婚なんかしないほうがましだ、と思えるくらいである。

 しかし吉田という男も嫌味である。ちょっとは考えんか。慎みとかマナーとかいうものがないのか。

 もし私が吉田のような立場ならば、夫婦仲を裂いてはいけないと考慮して訪ねるのを自粛するであろう。

 しかし、むきになってというか、かさにかかってあえて意地悪に訪ねたりして。人間、勝ち誇った時には残酷になるものだからなあ。

 だから私はこのような人間心理の修羅場の根源たる恋愛というものを避けたくなるのである。

  

 二人は特にベートーヴェンの「春のソナタ」を好み、頻繁に演奏した。

 彼は、「春のソナタ」を書斎の中でききながら幾度歯を食いしばったことだろう。

 彼は舌打をしながら、ベートホーヴェンを呪った。それ程、二人のすきな曲は、この奏鳴曲だったのである。

“ベートホーヴェン”とはすごい表記だ。

  

ゴエテとはわしのことかとゲーテいい」

この川柳、私がまだ幼い頃、毎日新聞一面のコラムで初めて知った。出典はどこだろうか。

 それはともかく、ベートーベンの表記は“Beethoven”。“h”の綴りを重視して表記すると“ベートホーヴェン”となるので、このような表記もありだろう。

 しかし、ネット上でこの表記は少数派のようで、本日「ベートホーヴェン」を検索したところ、グーグルでは「約 96 件」しかないようである。*1

 しかしその中で健闘しているのが、この表記をタイトルに入れた以下の本である。

 

ベートホーヴェンの思い出

ベートホーヴェンの思い出

 

 

 何と、1995年発行の本である。今時このような古風な表記をタイトルに入れて発行するとはすごい。著者はドイツ語専門家のようで、ドイツ語専門家としての意地を示したというところだろうか。

 しかし、語学音楽関係人名はこのような古風な感じのする表記の方が味が出る。

日本においては、クラシック界の作曲家は“バッハ”“モーツァルト”のように原語の発音で表記されることも多いが、ベートーヴェンの場合だけなぜか英語読みが一般的になってしまっている。ドイツ語では“Beethoven”は「ベートホーフェン」、一般的には「ベートーフェン」と読まれる。日本でも明治時代の書物の中には「ベートホーフェンビートホーフェン)」と記したものが若干あるが、程なく「ベートーヴェン(「ビートーヴェン」など異なった表記も含める)」が浸透していき、リヒャルト・ワーグナーのように複数の表記が残る(ワーグナーヴァーグナー、ワグネル)こともなかった(唯一の例外は、NHKおよび教科書における表記の「ベートーベン」である)。

  

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン

出典: フリー百科事典ウィキペディアWikipedia)』 より

  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%92%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3#.E5.90.8D.E5.89.8D

 

 さて物語は、我慢の限界に達した中条吉田を殺害する決心をし、吉田死体発見される。

 そしてその1年後、今度は中条吉田の実兄である法学伯爵細山宏氏の自動車に飛び込んで自殺するのである。

 

 事件を担当した大谷検事は、当時所謂バリバリ検事であった。

 取り調べの後、大谷検事は細山伯爵に対して言う。

 

「私としては今は何も云う必要はないと思いますが、一応あなたの御身分に対して好意的に申しましょう。問題は、あなたの云う通りだとして、果して法律上過失があるかないかということなんですよ。あなたのいうことがほんとかどうか不幸にして立証すべき何物もない。死人に口なしで相手は死んで居る。又第三者で見た者が一人もないのです。従って少くもあなたの云われることを嘘だと立証すべき事実がないのです。そこであなたの今までの供述に従えば御安心なさい、この事件は不起訴になります。私はこの事件を不起訴にすることにきめました」

 

 安心して帰ろうとする伯爵を呼び止め、さらに続ける。

 

「細山さん、事件は之ですんだのです。然し私は検事としてでなく、個人としてあなたと少しお話したいのですがね」

伯爵、之は私が個人として云うことですよ。検事としていうべきことは終りました。だからもはや安心なさってよろしい。ただ私大谷一個人としてお話したいことがあるのです。」

 

 大谷検事は、昔の同僚で、今は探偵小説作家となっているという人物と話し合った仮説について話し始める。

 ある男が偶然に見せかけてある男を殺したこと。

 そして殺された男の兄がその復讐のため、やはり偶然に見せかけて犯人を殺すこと。

 大谷検事はうす気味悪い笑をたたえてドアを開け、伯爵細山宏は青ざめ、よろめきながら出て行く。

 

 ここまで読んだ読者は、大谷検事が話した空想話がこの事件の真相を明らかにしたものだと思う。まるで『刑事コロンボ』ですな。

 しかし私は思うのである。

 この大谷検事の態度、検事という職権を利用して細山伯爵をいたぶっているかの感がして、非常に嫌味に感じられるのである。

 ここまで推理を嫌味に語る探偵がいようか。嫌味な探偵ベスト10に入るのではないだろうか。

 その態度があまりに嫌味なので、もしかすると実は大谷検事中条とつながりのある人物であった、という結末があるのでは、と予想したくらいである。

 

 しかしそれ以前に、この大谷検事のしていることは許されるものであろうか。検事としての立場を離れて、個人としての立場として前置きし、あなたが犯人である、と示唆するような話をするとは。

 しかも、友人であるという探偵小説作家と、事件について色々話し合い、不届きな空想をしている。職権乱用・公私混同守秘義務違反も甚だしい。名誉毀損ものである。細山伯爵はこのような妄言には付き合わず、席を立てばよかったのではないか。

 

 例え心の中では怪しいと思っていても、大谷検事自身も言っているように、不起訴になったのならば心の中に閉まっておくべきではないか。個人的見解としてあなたが殺したのではないですか、と示唆するようなことをわざわざ付け加えるとは、検事モラルとしていかがなものか。

 

 さて物語はその後、最後のどんでん返しが控えている。

 人間心理の不思議さが描かれている。

 この不思議な心理については、何とも言えない。実際に経験してみないと分からないものだろうが、経験したくないものである。

 ただ、自殺するにしても、他人の自動車に飛び込んで自殺するというのは迷惑な話である。飛び込まれた人の迷惑や罪悪感も考えよ、ということである。まあそこまで考えられないほど神経が衰弱するのだろうが。

 最後に疑問点を。殺害を決意した日にわざわざ新車に代えるのも不思議な気がする。普通なら殺害を意図しているのなら、殺害が終わるまで新車を買うのを控えると思うが。まあこの珠玉の名作に私ごときがケチつけるのは畏れ多いことではある。

 

 浜尾四郎探偵小説選 (論創ミステリ叢書) 君らの魂を悪魔に売りつけよ―新青年傑作選 (角川文庫)

 日本探偵小説全集〈5〉浜尾四郎集 (創元推理文庫)

 博士邸の怪事件 (春陽文庫)

 殺人鬼 (Hayakawa pocket mystery books (195))

 

 前回甲賀三郎の『血液型殺人事件』の時、戦前探偵小説の作者には理系の人が多いと書いたが、今回の浜尾四郎法律関係の方である。

 法律関係の方が探偵小説を書くというのは、まさに専門家である。

 今回の作品でも大谷検事は、元同僚の探偵小説作家という人物を持ち出している。これは作者自身がモデルとなっているのだろう。

  

  

『彼は誰を殺したか』浜尾四郎・作

第1回 http://www.servicemall.jp/sokudoku/BN/l/0117001.html から

 第16回 http://www.servicemall.jp/sokudoku/BN/l/0117016.html

 

青空文庫 図書カード:No.1797 彼は誰を殺したか

  http://www.aozora.gr.jp/cards/000289/card1797.html

Bun!Bun!STATION 彼は誰を殺したか

  http://bunbunstation.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/blog1_68d3.html

ナレーションしま専科 「彼は誰を殺したか」

  http://babyforest.cocolog-nifty.com/narration/2007/01/post_b32b.html

奈落の井戸 > 浜尾四郎研究所

  http://homepage1.nifty.com/mole-uni/menu/hamao_menu.html

ぐうたら雑記館 > 青空文庫ミステリツアー

  http://www.aurora.dti.ne.jp/~takuma/essay/zassi_05.html

夢野久作をめぐる人々 浜尾四郎(はまお・しろう)

  http://www1.kcn.ne.jp/~orio/main/hamao.html

濱尾四郎 出典: フリー百科事典ウィキペディアWikipedia)』

  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%9C%E5%B0%BE%E5%9B%9B%E9%83%8E

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