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森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

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2017-10-05 (木) 微笑 横光利一 文豪が書いた空想科学探偵心理文芸小説

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 微笑 微笑


 天声人語で少し触れられていたのが興味深くて読んでみました。

 大東亜戦争中の物語です。この戦争舞台ということは、殺伐としていたり戦時中の窮乏生活を描いているのかと思いきや、語り手の梶やその友人の高田は著名な作家浮世離れした生活をしており、主人公の栖方は若き天才特権的待遇なので、戦時中にもかかわらずレトロのんびりした雰囲気。それでも最後の方では空襲が激しくなってきて疎開したりしています


 栖方は不利な戦況を逆転させるほどの秘密兵器を開発しているということです。それほどの重要人物なのに、憲兵監視されたり刑務所に入れられたりと、なぜか扱いが悪い。


「あれは僕の同僚ですよ。やはり海軍詰めですがね。」

「あッ、黙っているな。敵愾心てきがいしんを感じたかな。」

「もう僕は、憎まれる憎まれる。誰も分ってくれやしない。」

日本で最も優秀な実験室の中核が割れているのだ。」


  

 総力戦のはずの戦争で内部が派閥争いしているようだ。

 まるでファーストガンダムジオン軍のようです。

 それでは戦争に勝てるはずがない。


 

 本作品では栖方が特殊天才だということは分かりますが、語り手の梶も有能で感性豊かのようです。

 作家俳人ながら数学にも強いようで、栖方に数学論を挑んだりしています

 また、訪問者の足音から訪問者を推理する習慣があるようです。


「僕はこれから数学小説のようにして書いてみたいんです。あなたの書かれた旅愁というの、四度読みましたが、あそこに出て来る数学のことは面白かったなア。」(栖方の言葉


 

 栖方と梶、繊細な天才二人のぶつかり合いです。


  

 本作品最初から終わりまで非常に面白く読ませて頂きました。

 栖方が本当の天才なのか狂人なのか、栖方が研究していた兵器はどこまで実現していたのか、最期までよく分かりませんでした。

 本作品文体も繊細で、皆まで言わないというか、何かほのめかされているというか、行間を読むことが必要で、本当のところ梶がどう思っているのか、私にはよく読み取れないところがありました。

 しかし、横光利一文体は心地良いと感じました。

 横光利一はよく川端康成と並べて名前が出てきます

 私は川端康成文体は苦手なのですが、横光利一文体は好きになれそうです。

 アンソロジー文豪探偵小説』で、川端康成死体紹介人』の代わりに本作品が入っていれば良かったのに、と思いました。


天声人語

正気を失っているのか、それとも本当の天才か。横光利一短編小説「微笑」に出てくる青年数学者自称し、海軍殺人光線を開発中だという」

 http://www.asahi.com/articles/DA3S13116359.html


■[名作文学]『文豪探偵小説

  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20161030/p1


図書カード:No.2149 微笑 横光利一

 http://www.aozora.gr.jp/cards/000168/card2149.html

  http://www.aozora.gr.jp/cards/000168/files/2149_11036.html


 wikipedia:微笑 (横光利一の小説)

 wikipedia:横光利一


蟹亭奇譚

■[日本文学] 横光利一 『微笑』

  http://d.hatena.ne.jp/kanimaster/20091105/1257429630

明かりの本 微笑 横光利一

  http://center.akarinohon.com/?p=19853


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2017-09-22 (金) 運命論者/画の悲み 国木田独歩

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 運命論者 運命論者


 晩秋海岸で遭遇した奇妙な男が語る数奇な運命

 ミステリー小説や「あなたの知らない世界」を思わせる語り口。

 江戸川乱歩ならぬ、国木田独歩世界です。

 昔見た「あなたの知らない世界」の再現ドラマで、霊に復讐される男が

「よりによって何でこんな所に来たんだ」

と言う場面がありました。

 解説新倉イワオさんが

「これは偶然ではないんです。霊が引き寄せているんですね」

解説されていました。

 高橋信造も馬場金之助の霊に引き寄せられたのでしょうか。

 しか馬場金之助も罪です。罪のない信造の人生も滅茶苦茶にしてしまったのだから

 信造もなすがままになってるんではなく、霊の世界に通じた人に相談して金之助を正しく供養して成仏させてあげれば良いのに。


青空文庫 図書カード:No.336 運命論者 国木田独歩

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広岡威吹の作家ブログ

 国木田独歩運命論者小説感想

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 画の悲み 画の悲み


 20の年に帰郷してみれば、かつての親友病死自分も最早以前の少年ではないという。

 20歳といえば今ではまだ子どもみたいなもんですが、当時は今よりも人間の成長も早く、当時の20歳は今の30歳くらいに当たるのではないでしょうか。だから今の感覚では、30歳になってから中学時代を思い出していると思えばいいのではないでしょうか。

 岡本某が語った話ということですが、この岡本某とは『牛肉と馬鈴薯』『岡本手帳』に登場する岡本なのでしょうか。

 国木田独歩短編には、いわゆる立身出世成功者のような立場の人が昔の物悲しい出来事を語る趣向のものが多いと思います


青空文庫 図書カード:No.1410 画の悲み(旧字旧仮名) 国木田独歩

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青空文庫 図書カード:No.1411 画の悲み(新字新仮名) 国木田独歩

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ラバン船長のブックセイリング

対抗意識友情へと昇華する 「画の悲しみ」(国木田独歩岩波文庫

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BOOKRIUM 本のある生活  霜降――『画の悲み』

  http://bookrium.exblog.jp/12714610/

バカじゃないの 国木田独歩「画の悲み」

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 wikipedia:国木田独歩


国木田独歩 アンサイクロペディア

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■[速読読書]「牛肉と馬鈴薯」「春の鳥」国木田独歩

  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20170724/p1

■[速読読書]「あの時分」「少年の悲哀」国木田独歩

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■[速読読書]「武蔵野」「詩想」国木田独歩

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■[速読読書]非凡なる凡人 国木田独歩

  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20150331/p1

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2017-08-10 (木) わが青春・思索者の日記 三木清

[]わが青春・思索者の日記 三木清 わが青春・思索者の日記 三木清 - OLDIES 三丁目のブログ を含むブックマーク わが青春・思索者の日記 三木清 - OLDIES 三丁目のブログ のブックマークコメント

 わが青春 わが青春  


  

 三木清の大学時代の回想記。短い文章ですが、色々な人名が登場します。一流の人間は学生時代から一流の交友関係を持っているのですね。


「大学時代、私は一年ほどかなり熱心に詩を作ったことがある。できるといつも谷川徹三に見せて批評してもらった」


 

 谷川徹三と詩を論じるとはすごい。三木清には詩の心得もあったのです。確かに、『私の果樹園』は見事な詩ですね。


 wikipedia:谷川徹三


 

 他、一燈園や大本といった歴史的用語も登場します


 

 wikipedia:西田幾多郎

 wikipedia:西田天香

 wikipedia:一燈園

 wikipedia:大本


「変り者といえば、私の高等学校の同級生で、遅れて京都に来た小田秀人などその随一で、大学時代には熱心に詩を作っていたけれども、しばらく会わないうちに心霊術に凝こり、やがて大本教になったりしたが、なかなか秀才であった」


  

 小田秀人さんは詩人であり霊現象の研究者でもあり、著書も出されています。やはり一流の人は一流の交流関係があるのですね。


  超心霊学―三次元から四次元へ、四次元から五次元へ (1983年)


「大学時代、私は書物からよりも人間から多く影響を受けた。もしくは受けることができた。そしてそれを私ははなはだ幸福なことに思っている」


  

「当時の京都の文科大学は、日本文化史上における一つの壮観であるといっても過言ではないであろう。哲学の西田幾多郎、哲学史の朝永三十郎、美学の深田康算、西洋史の坂口昴、支那学の内藤湖南、日本史の内田銀蔵、等々、全国から集まった錚々たる学者たちがその活動の最盛期にあった。それに私が京都へ行った年に波多野精一先生が東京から、またその翌年には田辺元先生が東北から、京都へ来られた。この時代に私は学生であったことを、誇りと感謝なしに回想することができない」


↑このような記述を読むと私は本当にうらやましく思う。私もこのような学生生活を送りたかった。

 しかし現実には、中学3年から精神を病んで高校大学と、交友関係を結べないことは当然のこと、一人で完結できるはずの読書や学問や創作活動も何もかもできなくなってしまった。ただ生ける恥さらしとして他人に迷惑をかけながら生き、時間だけ空しく過ぎて人生から脱落していったのである。

 私には青春なんてものはなかった。ただ精神的に病んでいただけだった。


青空文庫 図書カード:No.46222 わが青春 三木清 

 http://www.aozora.gr.jp/cards/000218/card46222.html

  http://www.aozora.gr.jp/cards/000218/files/46222_25710.html


ブクログ

 http://booklog.jp/item/7/046222

 http://booklog.jp/item/1/B009B1FWQ6

読書メーター https://bookmeter.com/books/5628672



 思索者の日記 思索者の日記


 1939(昭和14)年1月5日の三木清の一日。1945年に獄死する6年前の正月です。


「私の咳はかなり有名で、近所の子供はコンコンのおじさんと呼んでいる」

「私が外出先から帰って来るときには、家に入らない前に咳でわかる、と亡妻はいっていたし、私が在宅か否かは咳が聞えるかどうかで判断することができる、と隣の人たちはいっている」

↑ちょっと近所迷惑的。当時は結核になる人も多かったはずですが、結核の心配はしなかったのでしょうか。


「正月は田舎がなつかしい。東京には「正月」がない」

↑現在も季節感が薄れる傾向ありますが、この当時にもこんなこと書かれています

 これは、戦争で正月らしさがないということを暗に示唆しているのでしょうか。


「帰ってみると、机の上に子供が私の誕生日のために祝いの手紙と贈物のバットとを載せている。今日は私の誕生日」

↑野球のバットかと思いきや、煙草の銘柄のようです。当時は子どもも煙草を買えたのでしょうか。というより、禁煙した方がいいですよ。


 

 wikipedia:ゴールデンバット


「自然の死、極めて日常的に死ぬることが日本人の願望なのである」

しかし三木清は日常的な死を迎えることはできず、悲劇的死を迎えたのだった。


「私はかつて日本人には悲劇的精神がないからナチス流の政治は日本には適しないと書いたことがある。今日支那事変について「東洋の悲劇」などということを述べている日本主義者もあるが、日本主義者が悲劇的精神を説くのは日本主義の変質ではなかろうか」

↑当時も日本主義の変質について論じられている。今また論じることが必要な時流ではないのか。


青空文庫 図書カード:No.46215 思索者の日記 三木清 

 http://www.aozora.gr.jp/cards/000218/card46215.html

  http://www.aozora.gr.jp/cards/000218/files/46215_25709.html


ブクログ

 http://booklog.jp/item/7/046215

 http://booklog.jp/item/1/B009B1FT3M

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■[速読読書]私の果樹園・軽蔑された翻訳 三木清

   http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20170619/p1

■[速読読書]如何に読書すべきか 三木清

   http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20170506/p1

■[速読読書]書物の倫理 三木清

   http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20170202/p1

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