DELL Perc H310 をファーム書き換えでHBAにしてしまう

社内Windows用のドメインサーバをWindows2012R2に更新することにしました。

この際なので、一部SSDも導入してスピードアップを図ろうとしたのですがここで問題が発生。

ちなみに、SSDIntelのDC S3500 240Gです。
耐久性が売りのサーバ向けSSDです。スピードはほどほど。


まず、内蔵のPerc H710p RAIDカードにSSDをセットすると認識して使えるのですが、システムレベルでエラー警告を出します。
運用上は特に問題が無いのですが、再起動する度にエラーの警告ランプがピカピカするので精神衛生上よくない。


また、RAID経由にするとWindowsではRAIDとしてHDDともSSDとも認識しなくなる。当然ながらIntelSSDメンテナンスツールなども使えない。


そこで内蔵のSATAポートに接続してみたのですが、全6ポート分すべて3Gb接続です。ベンチをとっても当然のように3Gb頭打ち状態です。何となくもったいない。


販売されている6Gb接続のSATA増設カードを探したのですが、安いものは転送速度に難があるのと、サーバなのでトラブルがコワイ。
高いものは2万円程度で購入できるのですがひたすらオーバースペックで本末転倒。

検討したHBA
 Adaptec 6405H


結果として、Dell純正のPerc H310 RAIDカードを中古で安く入手しました。
これにSSDを繋いだ上で、Non Raid設定で接続するとそれなりに使えます。
しかし、Smart情報はOSで取れないようでDiskInfoが取れません。
スピードはCrystalDiskMarkのSeqReadで395MB程度出ていましたので許容範囲です。


ここで、やっとタイトルのH310をHBAにしてしまおうという話です。(前置き長い)

PercH310やH200とか、他にも各社RAIDカードは、LSI社のOEM製品であることはよく知られています。ファームウェアも互換性があるのでいろいろ書き換え可能なのです。当然ながら保証外・自己責任です。

PercH310の場合は、同じくDELLが発売している「6Gbps SAS HBA」カード(外付け用)がハード的に同じものですので、このファームをH310に書き込んでしまおうという事をした方がいます。同カードの内蔵用を売ってくれよといいたいところですが無いのです。


ファーム書き換え、くわしくは下記サイト(英語)
http://www.vladan.fr/flash-dell-perc-h310-with-it-firmware/
2018/03/25(補足)記事の内容が大幅に変更・追記されているので下記の内容と合わないと思います。

※いろいろ調べた結果、ITファームというのがHBA用で、IRファームというのがRAID用のファームらしいです。


詳しくは、上記サイト通りでよいのですが、簡単に要約を。

01.
まずは、FreeDOS起動用のUSBメディアを作ります。
Rufusというのがお勧めです。http://rufus.akeo.ie/

次に、書き換え用ファームウェアと書き換えツールをUSBメディアに書き込みます。
mediafire: LSI-9211-8i.zipのlinkにまとめてくれているようです。
現状でDELLファームウェアと同バージョンでしたのでDELLサイトは不要でした。
※LOCALEフォルダは重複するのでコピーしませんでした。

02.
カード上のファームウェアを消します。
間違って消すといけないのでH310以外のカードは外しました。

03.
消し終わったら再起動します。

04.
再起動後にファームウェアを書き込みます。

05.(オプション)
基本的に、単純なHBAとして使うならこの操作は不要です。私もやっていません。
この作業をやらないとBIOS等で設定画面が出ません。特に設定することもないし起動時間もかかるので不要でした。
必要であれば、BIOSUEFI用のファームを書き込みましょう。


再起動後に環境も戻してOSを起動したところ、HBAとして認識をしてSmart情報もばっちりとれました。CrystalDiskInfoで情報も取れます。
DiskMarkは405MB程度で気持ち速くなりました。


ベンチ設定が甘いのはツッコミなしで・・・。


Smart情報が取れるので寿命とか判ります。


コントローラの認識が変わっています。