Hatena::ブログ(Diary)

Festina Lente(ゆっくりいそげ) このページをアンテナに追加 RSSフィード

2008-11-13 追いつかれるのも、やや嬉しくて

[][]レッド・クリフ(part1)より『三国志

とりあえず痛みの治まった抜歯跡に一本義歯を入れるために、型取り。

前回傷口が塞がっていない為、上のみ。今回は下のみ。

かみ合わせも取るので、型取りだけでちょっとした時間。

その時は何でもなかったけれど、やはりドライソケットで傷の直りが遅い分、

刺激があったのか、(型を取って外す時引っ張るのは歯肉がはがれる感じ)

鈍痛が増してきた。昼食も取っていないが、それほど食べる元気もない。

夕べ寝ていないし、とりあえず休憩する場所を探そう。


座れる場所=映画館。今から始まるのは『レッド・クリフ』

観ようとは思っていたけれど、過大な期待もしていない映画。

なぜならあの長い『三国志』の物語のごくごく一部だけを、

ハイライトとして取り上げている作品だから、ある意味邪道。

というか、『三国志』の話を全く知らないで、この映画だけ観たら、

各人物像に誤解が生じるような気もする。

まあ、難しいこと考えずに娯楽映画と言われればそれまでだが。


世界史」で授業。「東洋史」という名前で受けることはなかった世代。

されど、古代中国史の場面で小学生の時に読んだ『三国志』が、

どれほど役に立ったか。人物名も地理もばっちり。

小学生用の読書と侮るなかれ。

「少年少女世界の名作文学50」の『三国志』のお陰で、

難しい漢字も人名も、各エピソードも人物関係も、

大まかな所はしっかり頭の中に半世紀近く残っている。


私は横山光輝の漫画の『三国志』は読んではいない。

ストーリー的には長い分、詳しいのかも知れないけれど、

あの漫画漫画した画風が劇画調の話のイメージとギャップが大きく、

あまりにもそぐわないので読む気がしなかったのだ。

小学館の世界の名作文学の挿絵のほうが、遥かにリアルで格調高く、

その場面を印象付けるのにふさわしかったと今でも信じている。


劉備関羽張飛3人の英雄を印象付ける桃園での誓い、

雪の中、孔明を訪ねる劉備関羽の愛馬となる赤兎馬、

レッド・クリフなどと英語で言ってしまうと感動が薄れる、「赤壁の戦い」。

華陀膏で有名な華陀が毒矢の刺さった関羽のうでの骨を削る図、

あの挿絵も凄かった。青く錆を吹いたような変色した骨を削る様子、

麻酔代わりに酒盃を傾けながら碁を打ちつつ、名医に腕と命を預ける

猛将関羽の肝の据わりように感動した。


劉備が草鞋売りと蔑まれていた事も、張飛が肉屋風情と侮られていたのも、

孔明の人徳と聡明さに周愈が静かに嫉妬し、ライバル意識が高じ、

映画の中での矢傷が結局命取りになるのも、

ストーリーの中の様々な複線を知っていて画面を見れば、

一粒で二度美味しいの構図だが、何も知らずに映画だけ見ても・・・。

まあ、若い観客世代は、ゲームの三国志で鍛えた世代が多いのかも。

RED CLIFF~心・戦~

RED CLIFF~心・戦~

文庫版三国志完結記念セット(全14巻)

文庫版三国志完結記念セット(全14巻)



映画そのものはまあまあ。戦闘シーンには緊迫感もあるし、

中国映画特有の人海戦術的迫力、中国語の会話の響き、

例えば馬を駆るシーンの掛け声、琴を弾じる場面、

音の掛け合いに戦に通じる響きを隠し持つ演出、

それはそれでなかなかいいのだが・・・、戦闘場面以外もかなり冗長。

特に笛の場面、牛盗人の場面で周瑜の人徳を強調したかったのだろうが。

赤壁の戦いに焦点を合わせて、かっこよく描きすぎたかなあ。


若手の二人、孔明周瑜に焦点を当てたために、

三国志の他の武将は随分おっさんおっさんした風情で描かれ、

ちょっとかわいそうな気がしないでもない。

劉備も情けなければ、張飛コメディアンみたいで、

関羽のみがややいかめしく強面(こわもて)であったものの、

人物描写が漫画風、ステレオタイプ過ぎた。


講談だから、演義だからそういう人物描写で構わないと言われたら、

少々身も蓋もないような気がするのだが、ストーリーを知らない人に取れば、

こういう演出の方が人物像を把握し易くていいのだろう。

曹操を助平で強欲な権力者に描くのも右に倣えで、

雄大な景色やリアルな戦闘風景の対極に、軍師二人をクローズアップすべく、

他の英雄達を省略した感があって、残念だった。


映画を見ながら、自分の過去の記憶の中に刷り込まれている

三国志』の場面場面のエピソードの力に驚かされた。

そして、漢文の世界で学んだつたない知識が蘇った。

戦いの場面での陣形も、亀の姿を見ると八卦を、

陣立ての中にも雁や鶴を、太鼓には鼓腹撃壌の世界を、

討ち死にする兵士に、「万骨枯れて一将功成る」の有様を見せ付けられた。


中国映画には制限が掛かるからスプラッタにならぬよう、

残酷なシーンが入らぬよう極力セーブした戦闘場面で、

様々な平気が出てきたこと、合図に用いていた太鼓、

北斗の拳』ではないけれど、急所・秘孔を突く場面等、

西洋映画に無い中国らしさが随所に見られた。

ちょっとばかり昨年の映画『300』を意識した映像も。


とにかくそういう今まで見たものとの関連が、

映画を見ながら走馬灯のように光る。

心の中でやり取りしながら映画を見るので忙しい。

ある意味、映画の間延びした部分、省略されえいる部分、

それをイメージで補って観ているといってもいい。

しみじみそれを思わされた、本日。


映画の出来は・・・、まあ、続編が来年春公開。

そちらを観るためには、順当にpart1を観ておけば。

その程度ではないでしょうか・・・。

超大作の肝心要はCGが作り出す迫力なので、

それ以外の所、どの場面で楽しめるかは人それぞれ。

長い映画の割りに、寝ずに見られるのが良い所でしょうか。


もう一度、読み返したくなった。『三国志

やっぱり関羽の生首に悩まされて、華陀を殺して、

狂い死にして行く悪役敵役の曹操の末路まで見ないと、

気が済まなくなって来たかも・・・。(笑)

赤壁の戦い」だけじゃね、歴史ものの「原因と結果」の

楽しみが半減するというもの。


ちなみに娘にとっては三国志は、『ちりとてちん』の中で出てきた

徒然亭の草々兄さんを初めとする落語家の面々。

『上方落語三国志』の残りの二人は、 万葉亭柳眉 土佐屋尊健。

そのルーツはむろん、『三国志』の劉備孫権曹操

ルーツに関しては、まだ娘に追いつかれていない。(笑)

本家本元では悪役だった曹操が、『ちりとてちん』の世界では、

美味しい役どころ、落語ブームの盛り上げ役となったことは、

まだまだ記憶に新しい。


何といっても草々の兄弟子、徒然亭草原( そうげん)

草原兄さんはこと 桂吉弥は、今も高座にあがる時に、

又の名を徒然亭草原でございますと付け加えると、観客に大うけ。

去年の今頃は、『ちりとてちん』に染まっていたなあと、

『レッド・クリフ』から『三国志』『ちりとてちん』と懐かしく思い出した。

秋の夜長の物思いがこれならば、罪は無いなあ。

横山光輝三国志大百科 永久保存版

横山光輝三国志大百科 永久保存版

[][]楽しさを共有出来る時期

朝娘を起こしに行くと、「おかーさん、一緒に布団入ってぇー」

こんなふうに甘えたの駄々っ子に変身していることが、よくある。

特に寒くなってくると、「一緒にお布団に入ろう」が増える。

まあ、こんなことを子供に言ってもらっている内が、「花」ですが。

人肌恋しい季節とはいえ、もう二人でお布団に入るには、

娘は平均よりもすくすく大きくなり過ぎた、小学校3年生。

4年生に間違えられるくらい大きい。

だから、いっちょ前に大人の大きさの布団で寝ている。

なのに、「おかあさん、お布団の中あったかいよ、ちょっとおいで」


仕事モードに切り替わろうとしている私に、里心付かせるような、

「悪魔の誘惑」(笑)にも似た「一緒にお布団」のお誘い。

とうとう根負けして、ちょっとだけね。

娘はほんのしばらく抱きついた後で、満足したのかようよう起きる気に。

毎朝こんなことはしないけれど、きっと何かあったんだろうな。

寂しいことや叱られたこと、落ち込んだこと等など、色々。


でも、時々疲れて帰宅し、朝もなかなか起きられない私を労りがてら、

「一緒に寝よう」「お布団に入っておいで」のお誘いをかけてくれるのかも。

食事中、「お母さんのストレートヘア」ってどんな感じかなあ。

いきなり、かーちゃんの頭をなでなでしに来たりする。

ど直毛の私は扱い易いように就職後パーマをかけた。

学生時代の私、『恋人よ』の五輪真弓風のストレートヘアスタイル

仕事に差しさわりがあるかとばっさり切り落とした。

ショートヘアというのは、意外に扱いにくい。

癖でもないと束ねられないし、さらさらヘアははねると目立つ。


パーマをかけて扱い易くし、手櫛でもOKのずぼらヘアにして幾星霜。

仕事にはいいが、昔のロングヘアを懐かしく思わないではない。

で、娘の髪は長く長く伸ばしている。幸いほんの少し癖があり、

まとめるのも編むのも楽なロングヘアだ。

この髪を編んでやる朝のひと時、ささやかながら親らしいことをしている時間。

もう、自分で束ねるぐらいは出来る年齢だけれど、

まだ、髪を触らせてくれる。

本当は、もうそろそろ自分でいじりたいのでは?


朝のひと時、娘に追いつかれて来ている自分を感じる。

髪を結うにも、キッチンの椅子の高さでは結いにくくなってきた。

背も高くなり、一日ごとに少女を、娘らしさを感じさせる。

やることなすこと、まだまだお子様めいているけれど、

ふとしたはずみに、娘の成長と同時に自分の老いを感じる。

まとめにくかった髪も片手で余るほど、毛が痩せて来た自分と、

ふさふさとした娘の髪を比べたりもして。

恋人よ

恋人よ

「脳力」をのばす!快適睡眠術 (PHP新書)

「脳力」をのばす!快適睡眠術 (PHP新書)



そんな娘が、木曜日楽しみにしているのは、あの筒井康隆の名作、

七瀬ふたたび』・・・リアルタイムで読んて、観た人間には、

リメイクされると聞いた時の気持ちは今一つだったが、

実際に観てみると面白い。・・・というか、私の世代には懐かしい、

少年ドラマシリーズ」を髣髴とさせる造りだから。

あのシリーズの最初を飾ったのも、筒井康隆の『時をかける少女』だった。


私もあの作品に熱中し、家庭にビデオなぞない時代のこと、

再放送をオープンリールのテープに録音し、音だけを楽しんだ。

余りの人気にNHK側は『続・時をかける少女』も作ったが、

これはちょいと駄作だった。まあ、それでも健闘したSF作品だった。

それからかなりしばらくして作られたSFドラマ、

原作の人気にあやかって作られた『11人いる!』は

往年の萩尾望都ファンを怒らせ、NHKにはかつての、

少年ドラマシリーズ』を作った頃の制作力は失ったと実感させた、

その苦い経緯があっただけに、今回は期待していなかった。


ドラマ力が上がったは思えない。登場人物も原作とはかなり変わっている。

でも、主人公の愛らしさ・切なさが、ドラマの緊迫感を盛り上げている。

六番目の小夜子』ほどの影響力が持てるかどうか、

それはさておき、同じ恩田陸の作品、「常世物語シリーズ」を

レベルダウンさせた雰囲気よりも、許せる感じ。

ドラマの面白さは、ドラマを見慣れた大人もこれから観客となる子供も、

両方を惹きつける魅力があるかどうかということ。


ジュブナイルとしての魅力がある原作も、下手な映像化でレベルダウン。

大阪弁で言うところの「わや」になってしまうものが少なくない。

娘が楽しみにしているものでも、親としてお付き合いするのは苦しいものがある。

年の差が離れているだけに、ご遠慮したいものが横行する世の中。

それだけに、ある意味娘が図書館から『七瀬ふたたび』を借りてきて、

原作を読んだり、更に、『家族八景』を予約・借り出して来たことが嬉しい。

もっとも、この七瀬シリーズの最終作『エディプスの恋人』を読むのは、

もう少し先にして欲しいものだが・・・。

七瀬ふたたび (新潮文庫)

七瀬ふたたび (新潮文庫)

家族八景 (新潮文庫)

家族八景 (新潮文庫)

エディプスの恋人 (新潮文庫)

エディプスの恋人 (新潮文庫)

子供子供している、自分の娘だからと思っているのに、

子供は子供らしく着実に成長している。

私が幼い頃やってみたことをなぞるように、また、

全く知らなかった世界を親に示すが如く、

日々、娘は自分の世界を広げていく。

親が『時をかける少女』前後、小学生の中ごろからのめりこんだ、

ジュブナイルの世界。


少しずつ少しずつ追いつかれて来ているのが嬉しくて、

読書の楽しさ・話題を共有できるを、原作とTVドラマの違いを語り合える、

こんな時間が持てる様になってきたのは楽しい。

親が子供の目線まで降りていくのではなくて、

子供が成長して、ぐっとこちらに近付いてくる迫力に驚かされる。

共有できる楽しさ、楽しみを共有できる時間短い。

一緒に布団に入ろうと誘いに来る今の時期と同じ、

やがて私を追い抜き、ずっと先に、親の知らない、

全く異なる世界に走り去っていくだろうから。


だからこそ、まだまだ幼年期の親子一体感が残っていて、

それでいて、親から遠ざかるための助走を始めている、

そんな娘の存在を感じることができる今日が、

うれしゅうてやがて哀しき・・・秋の一日。

11人いる! 萩尾望都Perfect Selection 3 (フラワーコミックススペシャル)

11人いる! 萩尾望都Perfect Selection 3 (フラワーコミックススペシャル)

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

六番目の小夜子 (新潮文庫)

六番目の小夜子 (新潮文庫)

Connection: close