Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

ホタルの光とルミノール反応

ということで、遅ればせながら遡って一昨日の出来事、
3月10日は大阪大学総合学術博物館にてサイエンスカフェ
娘も興味を持ってくれそうな「ホタルの光のひみつ」に参加。
豊田二郎先生の講義(お話)は、大変わかりやすく、
娘が今よりももっともっと「試して学ぶ」ことに興味を持ってくれれば嬉しい。
根っから文系のかーちゃんではあるが、高1までは理系を目指していた。
高校でのハードな理数系科目の進度について行けなくなり、
敢えなく挫折してしまった苦い過去があるものの・・・。
(写真のジュースは実験とは関係なし。サイエンスカフェですから、
待ち時間がティータイムなのです)


     

    

  


そして、予算と準備が大変だからか滅多に実験など無かった学校の授業、
今、目の前に少しばかり試験管が並んでいるだけでもわくわく。
実験1)ホタルの光の秘密。 
電灯とは違う光(化学発光)の正室酵素反応について。
使う薬品 ?ホタルルシフェラーゼ水溶液(試験管には黄色のラベル)
ホタルが光を出す化学反応が進むのを助ける酵素と呼ばれるタンパク質。
ゲンジボタルからルシフェラーゼの遺伝子を取り出し大腸菌に導入することで、
工業的に生産したもの。ほぇー。


    

    


?青いラベルの試験管にはホタルルシフェリン(光を出すもとの物質)と、
アデノシン三リン酸(光のエネルギーのもと)が含まれている水溶液。
この二つを混ぜ合わせるとどうなるのか、
次に混ぜ合わせたものを氷水につけるとどうなるのか。
試験管は2本あるので比較して観察。次にお湯につけてどうなるか。
光はどうなるか・・・。また氷水につけてさましてから、
手で触って室温まで暖めるとどうなるか。なあるほど。
実験中は保護メガネを外さないこと。至れり尽くせり。


  

  


実験2)ルミノール反応で犯罪捜査? 保護メガネに保護手袋。
赤ラベル試験管:ルミノール溶液に過酸化水素水を加えたもの。
緑ラベル試験管:2%ヘキサシアノ鉄(?)酸カリウム水溶液。
シャーレ:赤ラベル試験管と同じルミノール液。
ビーカー:ヘモグロビン水溶液。


  


これで何をするのかと思っていたら、あぶり出しならぬ水出し?
筆に含ませたヘモグロビン水溶液でろ紙に字を書く。
電灯を消してろ紙をシャーレのルミノール液に漬ける。
一瞬光って字が見えるので見逃さないようにする。
同じく電灯を消して、赤ラベルと青ラベルの溶液を混ぜるとどうなるか?



電気を消した状態だと、うーむ、綺麗にお見せできません。
でも、短い時間実験器具に触れるだなんて何十年ぶりか・・・。
娘より興奮のかーちゃん。
ルミノールは過酸化水素を反応する時に光を出す。
ヘモグロビンやヘキサシアノ鉄(?)酸カリウムはその反応が進むのを助ける。
触媒・・・懐かしい響きだな。


阪大サイエンスカフェに久しぶりに参加。
こうして親子3人で出掛けるのも久しぶり。
それにしても、ベビーカーの赤ちゃん連れの参加者には少々閉口。
本当のホタルが見られると思ってきたのだろうか、この季節に。
残念ながらお膝元の阪大の学生には、余り存在を知られていない
総合学術博物館の一連の催し。地元の楽しみの場ではあるが。
(私たちのように遠路はるばる組は珍しいと思う)


   


それはともかく、事前申し込み制とはいえ、僅か1時間余りの講義と実験のために、
多くのビーカー、薬液、防護眼鏡に手袋等、用意されていたことに感謝。
受身で講義や勉強をする人は、準備をする側の苦労や気遣いに疎い。
常に研修等用意する側、準備する側、企画する側に立たされたり、
その後の成果の発表を必要とする立場に多々されない限り、
この手の企画に対して「時間つぶし」的な思いしか抱かない場合が多いから、
「作り手」の側に立って、あれこれ考えてしまう。


    

  


蛍の光が同期的に明滅すること、海外の蛍と日本の蛍の違い、
東北の田舎、バリ島、徳島、至る所で蛍の想い出は尽きないが、
その光を化学薬品で再現して見ることが出来るとは・・・。
現代の遺伝子工学の末端を少しばかり覗き見しながら、
実験を楽しむことが出来るのが嬉しかった。


    

    

  


学生時代を遠く離れた上、文系の人間は実験器具に触れることもない生活。
試験管バサミってこんな形だったろうか、
試薬を間違えないようにいちいちいろシールを貼っているなんて、
準備た大変だなあ。丸いろ紙や、牛のヘモグロビン、
血液成分でルミノール反応の実験、なるほど。
でも、現在はDNA鑑定の邪魔になるから血液に試薬を掛けず、
特殊なライトで照らしてOKなど、推理サスペンスの王道も、
最近の科学事情から見ると、昔の手法なんだとか。
そんな雑談も楽しい。


  


さて、サイエンスカフェとは全く関係ない本日の笑えるエピソード。
(娘は少々本気で怒っていたが)
駅から歩いて大学へ向かう途中、沢山の学生に声を掛けられた。
私も家人も、娘本人も。女子学生からも多かったが、
中でも男子学生の「○○部のマネージャーになってくれませんか」という
勧誘には少々びっくり。娘は真顔で「私はまだ小学校6年です」と答え、
学生たちに「ええ!」「新入生じゃないの?」
「下宿探しに来たんじゃないの!?」と驚かれていた。
将来この大学に入れるならば、かーちゃんとしては万歳三唱ですが。(^_^;)



それにしても我が娘、そんなに老けて見えるのでしょうか。
確かに小学生にしては158㎝、背は高い方かも知れないけれど・・・。
着ていた服が地味だったせいか? のべ10回以上は間違えられた今日でした。
親が付き添って箱入り娘の住む場所を探しに来たと思われたのでしょうかねえ。
そんな日が将来来るといいなあ・・・。

サイエンスカフェにようこそ!―科学と社会が出会う場所

サイエンスカフェにようこそ!―科学と社会が出会う場所

サイエンスカフェにようこそ!〈2〉科学と社会が出会う場所

サイエンスカフェにようこそ!〈2〉科学と社会が出会う場所

サイエンスカフェにようこそ! 3: 科学と社会が出会う場所

サイエンスカフェにようこそ! 3: 科学と社会が出会う場所