Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

引っ越し2日目 

ホテルで見る曇った朝の景色。ここはもう、関東。
再び帰ってきたというか戻ってきたというか、関東。
またまた初めての土地。高校時代の同級生が住む県。
慌ただしさの前の、嵐の前の静けさ。
上げ膳据え膳の朝食を食べて、スタミナ付けなくちゃー。


    

    

  


引っ越し先の社宅アパートが新婚当初の住まいとと
ほぼ同じ建て方、広さなので笑ってしまう。
よくよくこういう建物、間取りに縁があるものと見える。
それにしても両親が住んでいた、私の幼い頃のアパートとそっくり。
鉄筋とはいえ、この団地としか言いようのない不便な作り。


天袋はあれど、旧式の押し入れは柱で邪魔され大物が入らない。
かろうじて水洗トイレ、それにしても狭いこと。換気扇無し。
風呂に関しては追い炊き機能が付いているだけ、
前の家よりもましかも知れない。しかし、洗濯機を置く所がない。
カーテンを付けたとしても結局、玄関で着替えて入浴準備に洗濯・・・。
まるでビフォーアフターに出てくる欠陥住宅のような間取り。
昔の団地そのもの。疲れ果てているので、
笑える以前に、笑う気力も湧かない。


しかし、荷物はどんどん運ばれてくる。
部屋の中は段ボールが散乱する魔境。
コンクリートジャングルならぬ段ボールジャングルをかき分け、
体力と根気で荷解き・箱の解体となると大変。
アドレナリンとブドウ糖、両方使ってもまだ足りない。
もっとも足りない体力・・・、この数日間の無理が祟ったのか、
急性ヘルニア状態・・・? 右足の膨ら脛が攣って腰まで痛い。
というか、はっきり言って歩けません。足が出ない。


立ったり座ったり、重いものを運んだり、押し入れにしまったり、
単純作業にも見えるけれど、ただならぬ繰り返し。
気疲れ、しなくてもいいはずの家人との喧嘩、
近くにコンビニもない、何もない。
(空腹時に腹の足しにもならない物をあてがわれて余計に逆上)
エアコン、ガス、水道とインフラが整備されても、
食事を作ることさえままならない。


家族を総動員させたくせに、肝心の、
細々とした色んなものを詰め込む作業は、
私がいない間に勝手に引っ越し作業員にさせた上、
箱に正確に詰め込んだ品物を記入しなかったので、
どこに何があるのかわからない状態、怒りと疲れで血圧上がる上がる。
疲れに効く甘い物も、気休めになる美味しい物も、
買い揃えるコンビニさえ近所にない。
少々足の不自由な者には陸の孤島にも思える高台のアパートに、
はや辟易としている引っ越し初日。


痛みを抑える術もなく、
22時を過ぎた夜中とも言える時間に歩いて下り、
昼食とも夕食ともわからぬ食事をファミレスで取り、
歩けないほど疲れているといってもタクシーさえない。
さんざん道に迷って歩かされ、フリーズするほどの痛みに耐えかね
涙する悲惨な1日の最後。
引っ越しなんて、引っ越しなんて、大嫌いだ。


結局細かい作業は全て私。物の出し入れ、動線を考えた配置、
そういう物を考えずに取りあえず置こう、出してしまおうとする家人に、
改めて生活能力を疑ったこの日。怒り心頭で血圧も上がり、
思わずここまで何かしてくれたことあったっけ? と反問。
掛けた迷惑よりも掛けられた苦労の方が圧倒的に大き過ぎると、
骨髄までも凍る程苛立つ。眠ろうにも眠れぬ真夜中。


結局2時間寝たか、3時間寝たか。
貧乏性な人間は、朝5時には目が醒める。
何故、世の人は寝ていられるのか。不思議。

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