一進一退 - Festina Lente2

神無月２日目は痛みがぶり返し、一日中寝たり起きたりで過ごした。
一進一退とは当にこのことと諦め、体を横にする。
幾らでも眠れる不思議。
そして、夢の中は人に会ったり出掛けたり、
活動的に忙しく過ごしている。（内容はすぐに忘れてしまうが）
脳の代償行為なんだろうなあ。

休むと参加できなくなる合唱の練習に体を引きずり、
パート部分の音程と雰囲気だけでも何とかうろ覚えで、
再びヨロヨロと帰宅する21時過ぎ。
娘の塾のお迎えに会わせてスーパーの投げ売り特売品を買い込み、
手抜きだが贅沢な食事、夕餉を囲む。

動けない分、本を読む気力も無し、
らじるらじるで講演やドラマを聞きながら過ごす。
こういうオーディオ生活は初めてなので新鮮。
リアルタイムのラジオ視聴と異なり、何度でも繰り返し聞ける。
保存版とまでは執着していないが、
読書と同じで想像や思索の世界に羽ばたける。

これはこれで、病人の生活というか、
一歩引いた生活というか、
アグレッシブ名環境ではない部分に花を添えてくれるな。
人の声も会話も無い生活。
気遣いもなければ、やりとりの機微もわからないまま、
家に居るということは、こんな風に老いていくのだなと
しみじみ感じる。

退職後の予行演習じみた病気休暇の日々は、一進一退ではなく、
もっと後ろにずり下がって、ずり落ちて、後退しているのだろうけれど。
三歩進んで二歩下がるなら前進しているが、
一進一退は現状維持ではなくて、ジリ貧だなと苦笑いしてしまう。
神無月3日目。