孔子が詩の効用を説いたくだり、という紹介ですが、こういう「鳥獣草木の名まえもたくさん覚えられるl部分もあったっけ!?
「論語」陽貨篇
子曰く、小子、何ぞ夫の詩を学ぶこと莫きや。詩は以て興すべく、以て観るべく、以て群すべく、以て怨むべし。
邇く(ちかく)は父に事え(つかえ)、遠くは君に事え、多く鳥獣草木の名を識る(しる)。
先生がいわれた、「お前たち、どうしてあの詩というものを学ばないのだ。
詩は心をふるいたたせるし、ものごとを観察させるし、人々といっしょに仲よく居らせるし、怨みごともうまくいわせるものだ。
近いところでは父にお仕えし、遠いところでは君にお仕
えする[こともできるそのうえに]、鳥獣草木の名まえもたくさん覚えられる。」
(金谷治訳、岩波文庫)
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要するに詩は、感情の表現であるがゆえに、論理の叙述である他の文献とは異なってもつ効用を、四つの面から指摘したのである。
感情の表現であるゆえにもつ特殊な自由さとしての比喩、あるいは感情の興奮、それいうのが「興」であり、感情の表現
であるがゆえにもつ広汎な観察の可能が「観」である。
以上二者は詩という存在の、第一義的な性質についての指摘といえる。
つぎに集団の生活における効用をいうのが「群」であり、それに対し「怨」は、やり場のない個人的な感情の発散をいうように思われる。
(吉川幸次郎の『論語』朝日選書)
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