大沼ねこひ日記

三月の羊の製造以外(企画、営業、広報、売り子 +マイフィールドの喫茶、絵本、gallery)を担当。高崎→東京→大沼へ

「大沼さんぽ」見どころ


夕方散歩から戻り、ランバーハウスさん側から家に近づいてきた時、木立の中に見えてきたうちの佇まいが、自画自賛で恥ずかしいのだけど「あれ、…なんかすごくいい!」と思った。

きっとゆかりさんの「大沼さんぽ」展で、「すてきな建物」としての目を養ってもらったからだと思う。


「大沼さんぽ」の展示は、2022年に四季の杜公園で初めて開催された。地元の多くの方が既に行かれていると思うので、ここではその時なかったものをご案内。

三月の羊での展示は、基本「静かな森のなか」であることに価値があると思う。店内は、なるべく内と外の境がない、森の続きみたいな感じで、無に近い状態を目指している。

静けさが苦手な人にはちょっとあれかな。でも、アーティストや文人など風流を好む人には好評。あと、疲れた時とか?迷った時やもやもやした時、穏やかな自然に身を置いて、インスピレーションを得て晴れた顔で去ってゆく人も。

上の大作が、今回の展示で初めて公開される作品。湖畔の雰囲気が良く出ていて、写真にはない魅力があるのでぜひご覧いただきたい。

それから、こちらの手作り絵本もゆっくり。


右2つはゆかりさんが小学生の時に作ったもので、ルーツとなる作品。特に『三つのリボン』は小学5年生にしてすごいクオリティ。昨年「世界に一冊だけの本・展」に出品された左端の『大沼さんぽ』は、蛇腹式の裏表になっている。


何も知らずに見ていても楽しいけれど、先日地元のKさんがゆかりさんとこの絵本について話しているところに立ち合ったら、「犬を散歩しているのは〇〇さんだね」とか、着色していない背景の小さな家も、「あ、これは駅前のあの家だ」と細かいところまで大沼愛に包まれた仕上がりなのだとわかって、味わいが増した。

辿っていくとほんとに大沼を散歩しているみたいな気分になり、そのひとつに私たちの家と店も加えてもらえることが改めて嬉しいな、と思った。ゆかりさん、すてきな展示をありがとうございます!!

 

 

 

次から次へ、春


ぐんぐん春がやってくる。水芭蕉が満開。庭ではスノードロップ。湖畔のコブシも咲き始め、賑やかな春の気配がいっぱいに満ちている。

先日店を閉じた後、3人で水芭蕉スポットまで散策。いっときもじっとしていない息子2、ぼっこを振り回し、2度注意されたのに3度目が私に当たり、厳しく言われてようやくやめる。石をける。むやみにくるくる回る。

帰り道は夫と「お父さん、あの矢印まで競争だよ!」と走りだす。夫が本気で走ってアキレスけんを切ったら困るので、ハラハラしながら見守るが、途中から手をつないでゴール。寒いよ、と言っているのにコートを着ないで再び家の周りをうろうろ。

夜、冷えてお腹いたい、としゃがみ込む。

昨日は校門のあたりで自転車で派手にこけたらしい。なのになぜか私が帰ると、リビングの模様替えをひとりでやっている。ソファー、結構大きなテーブル、幾つかの椅子、全てひとりで持ち上げたんだよ!と得意そう。

私の為、とのことだけど、テレビゲームやる気満々のレイアウト。友達や、帰ってきた兄はどこに座るの?と思うけど、あまりに意気揚々としているので言い出せない。

1階、2階、階段全部掃除機をかけたと得意そう。漢字の練習帳も〇〇個やった、あれとあれと……受け止めきれなくて、よくわからなかったが、夕食後落ち着いてけがの話を聞くと、結構強くコンクリートに打ち付けてしばらく動けなかったらしい。

寝る直前になって、あちこちが痛い、と言い出す。翌日、ひねるとこことここが痛い、と言い出す。疲れた。

息子1がいなくなって、息子2からの話しかけが20倍くらいになっている。長男の受け止めてくれていた量におののく。

最初は会話が多くなっていいかな、次男とは今までじっくり向き合えずにいたんだな、と少し反省しつつ受け止めようとがんばっていたけど、兄の代わりに一緒に見たyoutube、一緒にやってみたSwitchのゲーム、どれも次から次に知らない単語が出てくる上に、早い。全部早すぎ。

ふーはや、あまぐり、るざく、youtubeは数本見ると展開の想像がつくようになったけど、めっちゃ早い~と嘆くと、「お母さんが長いから最後の方早回しにしようっていうから、最初から1.2倍速にしといた、とのこと。スパルタ。


そんなこんなで、目を休めていたらあっという間に数日経過。宣伝も追いついていません。

4/18午後着で、江別蔦屋書店・食の棟「ハレルツナガルマーケット」さんにひつじパンDX・限定5台と缶入菓子50個を納品しました!

 

 

 

たかだゆかりさんの「大沼さんぽ」展開催中♪


大沼の建物を1つ1つ丁寧に描くたかだゆかりさんの「大沼さんぽ」展開催しています。ユニークで鋭い観察眼と自由な表現がすばらしいです。

気に入った方はポストカードをどうぞ。1枚110円。
ご購入の方にはたかださんオリジナルの「大沼おさんぽマップ」を差し上げています。マップを片手に、春の大沼をいつもと違った視点で歩いてみませんか?



今日も大沼の森でお待ちしています!

 

春の夕暮れ


息子1が発って1週間。書類関係がようやく落ち着き、ほっと一息。…と思ったとたんに「○○がないので届けてほしい」、とメールが入る。書類提出で学校まで行った当日だったので、がっくりして1行目にあった「Happy Birthday!」さえ読み飛ばしちゃった。

規則が厳しめの寮、それも学校はまた別の規則があるので、両方を兼ねると色々制限が強まる。大学生とかならお金で自分で買って、と言えるところだけれど、寮の規則で常に所持金が1000円までと決まっているし、洗濯も自分の管理下ではないので放っておくのが難しい。

基本、生きてて他人に迷惑かけなきゃいいよ、とほっときたいところだけれど、寮は集団生活なので、ちょっとのことではみ出すと迷惑が掛かってしまう。衣類全部に付けるタグも位置まで決まっているので私には気が遠くなりそうで、出発前は夫や息子本人、Yさんや入学式に実家から長旅をして来た母にまで手を貸してもらいようやく終了したところだった。

入学式後に最後の別れを惜しむ間もなく、もう友達と連れ立ってどこかへ行くところだった息子1に、車の窓から「じゃあ後は自分でつけてね」と裁縫セットを渡しておいて良かった!!!


学校へ履いていくことを許されるタイプの服を届けるついでに、行商人のようにいりそうなものをたらいに詰めると、夫が過保護だと笑う。

でも、ほんとはそうじゃなくて、せめて1か月くらいは二度と呼び出されたくない気持ちが半分。あとは、そんなのいらないよ、と息子に笑って欲しいというギャグ的な気持ちもある。

必要と言われた1群、ひょっとしたらいるかな、と思われる2群、たぶんいらないだろうけど一応持ってきてみた3群で、3群がたらい組だ。これ、実家のお母さんじゃん!と自分に笑ってツッコミを入れながら準備した。

風呂や夕食の時間があるだろうから、会えるはずの限られた時間に事務的な話が全て終わるよう、段階的に渡すものを整理してメモし、待ち合わせの時間に近くのコンビニに15分前に着くが、時間になっても現れない。息子より私が間違う可能性の方が高いので「今日何曜日だっけ?時間間違えた?」と目が踊るが、たぶん合ってる。

息子が間違うことはほぼないので、きっと学校の用事が伸びてるんだろう。すれ違わないように15分その場で待ってから寮へ向かうと、急ぎ足で出てくる息子の姿発見。近くに他の生徒さんがいるので大声をださないよう車で近づいて捕獲。

案の定、委員会のミーティングが伸びていたよう。テンポよく持ってきたものを見せる。本人が必要だと言っていた衣服2点と生活用品1点以外は突き返されるだろうと予測していたが、予想外のもの3つがヒット。パン・フリース・新聞。3群から2つも。

旅や入院の経験から、新聞はあらゆることに役立つ(読み物だけでなく物質として)からおススメだよと初日に軽く声を掛けたけど、もちろん不要と言われて持ち帰っていたもの。なぜ気持ちが変わったのかまでは聞く時間がなかったけど、「助かる」と持って行った。


「学校はどう?」「長い」
「寮は?」「楽しい」
「食事は?」「おいしい」

じゃあもういいね。何も心配いらない。コンビニでは同室の子たちとすでに馴染んだ様子で話している姿も見られたし、ひとまずこれでしばらくOKかな。

しっかり目を合わせ、またG.W.に、と明るい表情で手を降る息子。一度も振り返らずに、寮の方へ駆け足で消えていった。

1時間にも満たない面会だったけど、学生時代の春のワクワク感を分けてもらったようで楽しい気持ちが私の心にも灯る。帰り道は高速ではなく、いつもと違う道をゆっくり走ってみた。春の夕焼け空が、とてもきれいだった。

はじまりました!

おかげさまで、今シーズンの店舗営業も順調にスタートを切りました。初日に来てくださった皆様、心を寄せて下さった皆様、ありがとうございました。
土日は季節の野菜の豆乳キッシュを焼いています。今はかぶ。

雪が解け、暖かい春の日差しでぼんやりできる幸せな季節です。今朝は白鳥が次々に空を渡ってゆきました。帰る日なのかな。

息子1に代わって、急成長を見せている息子2が、昨日は大活躍。電子化したレジにあたふたしている夫のサポート役をしたり、まだ店に運ばれてなかったものを取ってきてくれたり、お客さんにサーブをしたりと頼れる存在として輝いていました。

以前から、私とふたりで過ごしている時はわりと大人しかったり優しい思いやりのある態度なので、「知ってるよ。ふだんはお兄ちゃんと違うキャラが強く出てるけど、こっちが本来のKだよね?」と言うとにやり、と笑って去る弟。

「お父さんにもやって」と夫が肩もみを要求すると「つよものは知らん」。「よわもの」である私は助けてくれる息子2。昨日は俺がいなきゃダメだ、と感じたのか、本当によく気が付き機転を利かせ動いてくれました。

体力があってきめ細やかなお世話ができる息子2なので、「お世話が上手だね。Kは体力あるし介護のお仕事にも向いているかもね」と時々声を掛けていたのですが、最近では自分でもお世話が上手かも、と自信をつけていているようです。

何でも器用にこなす兄という存在が近くにいた為に、繊細な息子2は自分をだめだと思いがちで、私と夫はそんなことないよ、年齢も違うし、別々の子なんだしさ、とKのすばらしいところも列挙していたのですが、キャラ的に怒られる回数が多く、兄がいると「自分は無理」とすぐに引っ込んでいました。

ほめ言葉だけでは信じてもらえなかったけど、こうして体験として「自分が役立つんだ」という実感が、どんどん自信になって良い循環を生んでくれるのでしょう。底力があるので、私たちの想像もつかないような未来を切り開いてゆくのかな、と思っています。

 


一番上の写真はカシスのリンツァー。こちらはカシスジャム(自家栽培・自家製)が少量の為、基本は店舗限定ですが、ねこひ日記をご覧になっている方には少量お分けできますので、ショッピングカートの備考欄にお書きください。カラメルタルトと同じお値段です。

それでは、今年もよろしくお願いします!
今日も春の大沼でお待ちしています。

 

打ち上げ成功☆彡

息子1の打ち上げ成功☆彡
皆様お見守りありがとうございました!

朝晩は、あぁもういないんだなぁ、どうしてるかなぁと思う寂しさはあるものの、私以上に寂しがっている息子2といたわり合いながら、店舗の開店準備がいくらでもあるので、嘆いている暇はありません。

書類の問い合わせで、非常に連絡が取りにくい場所にいる息子1にコンタクトすると、ひとまず順調に生活がスタートした様子なので、ほっとして気持ちは4/6(土)へ。


……といきたいところですが、日中はいつになく神妙だった息子2が、夜から情緒不安定になり、なかなか思うように進まず。なるべく話を聞いたり、夕方には一緒に遊ぶ時間を作ったのですが、夕飯どき夫との些細なやりとりに暴発。生まれてから母親より兄と過ごす時間の方がずっと多かった息子2ですから、大変な喪失感なのでしょう。

昼は縁側で猫のように転がっていましたが、背中に「あーあ。N(兄)どうしてるかなー」と書いてありました。必死で耐えているのが伝わってきて、こちらも切なくなります。

夜遅く、指定の時間に電話すれば話せるかもということで、紅白歌合戦以来の夜更かしで眠い目がとろんとしている息子2。

「2分だけね」と念を押した通話では、一切無駄なく「元気か?」「昼は何食べた?」「疲れてるか?」「友達できたか?」「今日一番楽しかったことは?」など、一門一答を投げかけ、隣で聞いていた私にも兄がいい感じでスタートした様子が伝わってくる見事なインタビューを繰り広げました。


最初に抽象的な質問を投げて兄が答えにくそうにしているのを見て取るや、すぐに具体的な質問に切り替える様子には感銘を受けました。まるで保護者みたいでちょっと面白いのですが、私が入院していた頃は、兄弟お互いが学校では互いを見守りながら暮らしていたのでしょう。

お店のことでいつも頭がいっぱいの両親にダメだこりゃと思いながら、ふたりで助け合ったり、群馬までの大冒険もしたり、私には想像の付かない絆があるに違いありません。愛情深さを感じました。

さて、お店が始まります。ちょっとだけ葉々屋さんの紅茶も入荷しました。店舗で出しているディンブラの缶入です。お菓子と組み合わせてのギフトにも♡ 数個限定。店舗・通販で出していてなくなり次第終了です。


店舗営業は今年も 木曜~日曜の10:00~16:00です。
(*G.W.期間も祝日に関係なく同じ曜日で営業予定)

キャッシュレス決済導入とPOSレジ導入で、ちょっと戸惑うこともあるかもしれませんが、私も息子1と同じく、新しい生活とシステムにチャレンジして春に乗り出します。どうぞよろしくお願いいたします。

皆様にお会いできることを楽しみにしています!

 

はるかぜ


お菓子やパンについて、「もっとこうだといいんだけどな~」と時々小学生の息子2がやんわり食卓で教えてくれる。

一般的にはそうだよね、と私も少し加勢することが多いけど、
「お父さんはこういうのが好きなんだよ。」
と姿勢を崩さない夫。

もう高学年になるので、息子も負けてない。先日は速攻真顔で
「自分の好みばっかじゃなく、みんなのニーズに応えて作らないと」と正論を言うので笑ってしまった。

あまりに真っ当で立派な態度なので、夫も私もははーっと頭を下げたくなる。
本当にそう、だけど、やっぱり多数派に転ばないのが夫。
「社長になってください」と笑って受け流している。

ま、本当はそうなんだけど、そこがお父さんのいいところだからね。と今度は一応夫の肩を持つ。

多数派のニーズにばかり合わせていたら、ちょっと変わった面白いお店は消えてしまう。少数派の私は、そんなお店をそっと見守りたいし、そういうのも生き残れる社会であって欲しい。

多数派ニーズには迎合しないかもしれないけれど、人を喜ばせたいという気持ちはちゃんと持っているし、自分の好みというだけでなく、もう少し広い視野で世の中への願いのようなものを考えた末の決断でもあるのだと思う。

でも、頼もしい息子2。君の代にもし三月の羊があったら、また全く違う形で進化していくんだろうな。まもなくみんな、ひとつ進級して新しい生活が始まる。

4/6(土)のオープンに向け、コーヒー豆入荷しました↓

有機マヤビニックコーヒー - 三月の羊オンラインショップ