NHK「あいのて」放送くりあげ事件(事件?)
NHK「あいのて」の第2回「テーブルでダッドッダッ!」の回ていうのは、テーブルの上に例えばティーカップや薬瓶、ラムネ瓶を置いてテーブルを叩くとすごく楽しい音楽になるね、っていう番組だったのですけど、ユーザの苦情でこれ以上放送されなくなったみたい。こーゆこと自体はありそうな話なのでしょうがないのですけど、この件に対する番組監修野村誠さんの言葉がアツくてすばらしい。
なんとなく、河合克敏の柔道漫画を思い出した。得意技の内股を内股すかしで返された柔道選手の言葉。
「内股すかしを返す技をしりたいか?」
「いえ」
「ほう。では何をしりたい?」
「誰にもすかすことのできない鋭さを持った内股を」*1
「あいのて」マジ見逃せない。
*1:言葉のやりとり詳細はうろおぼえーです。
真説・昭和新山
ブラック・ジャックは山に遭難している男を救出しようとして転落事故にあった医者に話を聞く。
「先生。その男、手がはさまっているそうですが」
「ああ。小さな穴につっこんだまま、どうしても抜けないんだ」
* * *
ブラック・ジャックは男の手を穴から抜くことができない。
「お前は助かりたいか。死にたいか」
「助けて」
「だったら腕一本なくすぞ」
「かまわねえ」
「ここに署名するんだ。腕切断料300万円。大サービスだ」
そしてブラック・ジャックは男の腕を切断する。すると切断した腕は穴から抜ける。そこからぬいぐるみが。
「アハ。出た!」
「馬鹿野郎。それを穴ん中で握っていたから抜けなかったのか!」
* * *
怒り狂うブラック・ジャック。
「間抜けな猿をつかまえる話を知っているか。ひょうたんに米を入れて穴をあけておくと、猿がそこから手をつっこんで米を握るんで、抜けなくなるんだ。てめえは猿以下だ」
「なんで手を切った? だいじな手を! 抜けたのに」
「手の一本ぐらいなくしたほうがいいんだ。それともあと300万円出すかね。またつけなおしてやるぜ。クソが。そんなもんさっさと捨てやがれ!」
「そ、そんなもんだと! おまえには価値がないかもしれないが、これはおれにとっては大事なものなんだ!」
男の声は怒りに震えていたが、ブラック・ジャックにはその表情が読めなかった。男の表情を代弁するかのように足元におちたぬいぐるみの目が哀しく光る。ブラック・ジャックはぬいぐるみを手にとる。
「ちっ。いいか。おまえのためじゃない。このぬいぐるみがこんな目でみやがるから、しょうがなくだぞ。下山したらくっつけてやる」
「ありがてぇ! 先生、この手、もう一度ちゃんとうごくようになりますかい?」
「…なるさ。なるとも」
* * *
半年後、完全復活を遂げたパペットマペットが、お茶の間で大ブレイクすることになるのだが、それはまた別の話である。
アンパンマンにサンタを助けるお話があります。
アンパンマンにサンタを助けるお話があります。
雪山で遭難したサンタとトナカイに頭を全部くわせ、パン工場までそりを引いていくとき、二人は「頭がなくって大丈夫?」と問います。「大丈夫です。ジャムおじさんがまた焼いてくれますから」。あきらかに二人が心配しているのは「前が見えないまま飛んでいること」なのだけれど、アンパンマンは素でわかっていない。会話としてすれ違っているにも関わらず、彼の天然さ、素朴さがにじみ出た発言だから、だから、ああ話は通じてないけど少なくとも悪いヤツではないんだなと安心し、アンパンマンにその身を委ねたのだと思う。二人は。
でも現実はちがう。ビジネスの現場で、お客様の問いかけにズレた回答をすることは命取りだ。こいつわかってない。信用できない。一生懸命に話した甲斐がない。そんな風にお客様は思うだろう。そうなってからでは遅いのである。
「言いたいことはわかりますけど、なんでアンパンマンの話を引き合いに出すんですか?」
「おまえがアンパンマンに似てるから」
「おまえがアンパンマンに似てるから」
「おまえがアンパンマンに似てるから」
近くにいた同僚3人があきらかに同じ考えに至っているのが見て取れた。バカ、おまえらそういう顔するなよ。彼が不審な目でおれを見るだろ? だいたいおまえらアンパンマンの顔ちゃんとわかってるのかよ? 彼の顔、どっこもアンパンマンに似てない。
むしろ、バタ子さんだ。