猫轍守衛の偽業務日報

訳あって暇人やってる、その昔似非鉄道趣味者だったクズの毒吐きブログ。虎もライオンもデカい猫だけど、文句ある?

名古屋の南生協病院での開催予定の小野俊一医師講演会について

先月Twitter経由で知った話なのだが、東電福島第一原発事故の影響を心配し事故を起こした東電や事故の遠因を作り事故対応もグダグダだった倭人の国への怒りをあらわにするも医学的な知識が非常に微妙過ぎる事を自ら晒しまい非常に残念な意味で有名になってしまったオノデキタこと熊本の開業医小野俊一医師であるが、彼の講演会が近々名古屋であるとの事。
まあ講演会を行う事自体は正直好きにしたらな話であるが、場所がどうよ過ぎて何だかなあな話。何処かというと、名古屋市にある南生協病院だそうで。
7月21日 小野俊一先生講演会 in 名古屋(愛知県)
まあ南生協病院はそれこそガチで反核平和、そして福島第一原発事故後は脱原発を掲げる民医連所属の病院なので、まあ脱原発繋がりで講演会が行われるのは解らなくもない。
が、小野医師はTwitter上で『はだしのゲン』の一場面をソースに余りにも醜い見解を示すような御仁なので*1、いくらなんでも彼の講演会を病院内で開くのは医療機関としてのレベルを疑われるような話だし、ましてや各地の医療生協どころか民医連そのものの見解、果ては深い関係にある日本共産党のそれすら疑いをかけられるばかりか、結局日頃から倭人の国の左派を快く思わない者達に格好の揚げ足取りの材料を提供してしまっている格好になるがいかがなものかと。
で、この件を知った方がやはりいくらなんでもそれはちょっと……という事で何とかなりませんかという由の要望を南生協病院と愛知民医連に送っていた。
7月21日のonodekitaの講演会について、中止を検討する旨のお願いを、南生協病院と愛知民医連に送りました。- Togetter
詳しくは上記リンク先のTogetherまとめを見てほしいが、現時点で南生協病院及び愛知民医連側からの返答はないものの、今月に入ってから民医連の本部から何も小野医師を強く推している訳ではない由の返答があった件をまとめ主の方がコメント欄に書き込まれている。

病院や関連組織からはアナウンスなしの講演会

ところでこの小野医師による講演会、南生協病院での開催が決まっている割に、南生協病院と病院の運営元である南医療生協及び愛知民医連の公式サイトには何の情報もない。関連施設外の何処かの貸ホールなり貸会議室なりを借りて開催するというのであるのならともかく、病院内でやるというのなら下記のリンク先のページに何らかのお知らせがあってもおかしくない筈である。
名古屋市緑区の救急病院 | 総合病院 南生協病院 | 病院からのお知らせ
南医療生活協同組合 | 新着情報
南医療生活協同組合 | 組合員活動 | トピックス
愛知民医連:行事案内
愛知民医連:東日本大震災 支援活動のページ
なのでこの講演会に関しては、上記Togetherまとめの本文中にて南生協病院及び南医療生協の関係者に急進的脱原発派の人がいて病院は場所を貸しているだけではという由のまとめ主の方のツイートがあるのだが、自分もその可能性が高いと憶測する。もしかしたら企画したのは関係者の知人かもしれないし、病院や医療生協の公式サイトでのお知らせがなくても有志によって印刷された講演会の宣伝チラシが待合室に置かれていたり関係者に配布されているのかもしれないが、所詮外野の人間でしかない自分にはそこまでどうかは知る由もない。
但し、Twitterには以下のようなアカウントが存在していた。
[twitter:@mamorouinochi]
この「小野俊一先生講演会(名古屋)実行委員会」のTwitterアカウントのツイートを見る限り、やはり予定通り小野医師の講演会を行う予定の模様。まあ病院側にも医療生協にも民医連にも小野医師の見解が非常にアレな事を理由に講演会を止めろなんて言う権限も筋合いもないし今更中止と言う話になれば小野医師や彼の取り巻きが原子力ムラの圧力が云々と言い出すだけだったりするだろうし、大体このアカウントの中の人が何者であるかも自分には知る術も知らなければ知ったところで仕方ないのだが、しかしまあある意味嘆かわしい事態と言うべきか。

福島第一原発事故による健康への影響についての民医連の医師の見解

福島第一原発事故後に民医連所属・医療生協系の医療機関が善意から行ったはいいが内容が余りにも微妙過ぎた話としては桑野協立病院のホールボディーカウンターかと思いきや以外な測定機材導入の件*2があるが、これに関しては何だかんだ言ったところで小野医師の見解に比べればまだそんなに理解に苦しむような話ではないようにも思う。それでもある意味酷い話ではあるが。
とは言え、民医連公式サイトに掲載されている福島第一原発事故によって飛散した放射性物質による健康への影響に関しての見解は、小野医師を始めとするウェブ上で「放射脳」呼ばわりされている人達のそれに比べたら遥かにまともなものである。因みに説明しているのはわたり病院id:watari1975の斎藤紀医師。以下にその一部を抜粋する。
放射線障害とは何か/現段階では心配ない急性障害 冷静さ取り戻し復興に全力を/齋藤紀(おさむ)医師(わたり病院・福島市)

(前略)
被曝による放射線障害には「急性障害」と「晩(ばん)発(ぱつ)性障害」の二種類 があります。急性障害は強い放射線で細胞が大量に死滅することによって生じるもので、白血球減少や脱毛などさまざまな症状が数日から数週間で発症します。現在の放射線量では、一般住民にとって急性障害の心配はまったくないと言い切っていいでしょう。 原爆被爆の場合、初期放射線ガンマ線中性子線)は一キロメートル離れると一〇〇〇分の一、一・五キロメートルで一万分の一、二・五キロメートルで一〇万分の一に減りました。原発事故に比べ放射線量が桁違いに大きい広島の原爆でも、三・五キロ以遠には届きませんでした。 今回の原発事故で問題になるのは、風で運ばれる放射性物質の汚染による内部被曝、 そして晩発性障害です。晩発性障害は数年後から数十年後に発症するがんなどの症状で、急性障害と違い、低線量でも発症する可能性があります。ただ、広島・長崎の被爆者調査の経験からは、現段階ではそのリスクも低いと思います。 外部被曝の原爆被爆者の場合、一〇〇〇ミリシーベルトの被曝でがん発症率が四七%増加したことがわかっています。内部被曝の場合と異なりますが、一つの参考として考えることができます。このデータに当てはめると、福島県内で総線量一ミリシーベルト (一〇〇〇マイクロシーベルト)を浴びた場合、〇・〇四七%の増加となります。 したがって、晩発性障害のリスクはまったくないわけではありません。ただ、現在はがん検診などで早期発見が可能で、こうした障害にも対処することができます。
(後略)

因みにこれが掲載されたのは2011年4月4日の事で事故から1ヶ月も経過していない時期だ。が、この後は肥田舜太郎医師の見解が知られるようになり反原発脱原発派が肥田医師の見解を持て囃すようになったのは御存知の通りである。まあ肥田医師による見解に関してはここでは敢えて触れないし、事故後に民医連が行った甲状腺検診の件に関してもやらないよりマシな話なのでどうこういう気はないが、それでも組織の政治的な思想・信条に引き摺られ過ぎなきらいはあるとはいえ小野医師よりは遥かにマシである事は確かだ。
それにも関わらず、近々南生協病院では小野医師の講演会が開かれるという。病院側や医療生協側が直接関わってないとしても、これが組織のレベルを疑問視されてしまう話になるのは仕方ないだろう。まあ講演会を開催された暁には、南生協病院始めとする南医療生協の医療機関の先生方から小野医師への痛烈なツッコミを期待したいものである。