夏休みもそろそろおしまい

今年の夏はうまく予定が合わず、いくつかの会で毎年開催されている本の集いに軒並み参加出来なかった。
それと、行こうかどうしようか悩みながら、結局飯田市での人形劇フェスタも断念した。
だから、何か忘れ物をしたままのような、ちょっと残念なところもある夏だった。
来年は、やっぱり学校図書館の集いに参加しよう。
条件があったら、なんて考えずに、そこに行けるには他をどうするのか考えよう。

ああ、それには、みんなが来年も健康ですように。
…といろいろ思い惑う夏でもあった。


でも、そんななかでも、今年も。


恒例の古本市。連日の猛暑にもかかわらず、下鴨神社に何百年?前から繁っている木々のおかげで正午までは快適に過ごせる、この不思議さ。
糺(ただす)の森の大きな道の左右の樹木から枝が伸びてきて、葉が重なりあい、日陰をつくっている。
自然の恵みだなあ、とあらためて思った。

もちろん、地面は土だし。



お昼は、住宅街に入ったところの「のらくろ」に行くつもりだったのだが、生憎お盆休みで残念だった。ここの洋食はおいしい。ふつうのおばちゃんがやっている。ポテトサラダまでおいしい。また、来年ね。
帰りは、出町商店街まで歩いて、これまた恒例のふたばの豆餅をお土産に買った。



「星のひとみ」の違う本を見つけた。
トペリウスの再話になっている、フィンランドに伝わる不思議なひとみをもつ女の子の物語。
これは挿し絵も親しみやすく、小学生低学年にもいい。
でも、もう出版されてないだろうなあ。(ちなみに購入したのは1979年版)

字ばかりの文庫サイズじゃなくて、こんな大きさがいいんだけどなあ。




それと、これこれ!
これも重版未定で、学校では購入出来なくて図書館で借りるしかなかった。
「どうしてかなしいの?/どこにいるの?」(マイケル・グレイニエツ/作・絵 ほそのあやこ/訳 ポプラ社
表からと裏からとで2つのお話になっている。
そして、真ん中でちょうどお話がつながってるという、聞くだけだと「どうやってつながるの?」とわからないと思うんだけど、うまく出来てるんだよね。
私は、「どうしてかなしいの?」のお話が特に好きだ。
くまちゃんの悲しい顔と喜ばせようと一生懸命になる男の子が、どちらもいじらしい。
前の学校でこの本が大好きな子がいて、低学年の時だったけれど、ほぼ1年中ずっとこの絵本のことを言っていた。
そんなにひとつの絵本のことが好きになるなんて幸せなことだなあと、その子を見ていつも思っていた。

この絵本を開くたびに、まだ幼さの残るその子の顔を思い出すんだろうな。
そんな本との、うれしい再会だった。


そして、今年初めて行った広沢の池。
五山の送り火の最後を飾るのは「鳥居」だが、この広沢の池から見ると灯篭流しも同時に鑑賞出来るのだ。
家族3人で出かけて、池のほとりまで近づき五色の灯篭がゆらゆらと流れているのを楽しんだ。
それで、びっくりしたんだけど、その暗がりのなかでボートに乗ってる人たちが何組かいた。
それは当然、乗ってもよいと言われて観光で乗ってるんだろうけど、なんだかな…。
送り火の灯篭流しとボートが同居するなんて、どうなんだろう。



暗がりにゆらめく灯篭はいろんな思いを抱かせる。
帰ってくんだなあ…。どこかにお父さんもいるのかなあ…と思ったり。


また、これで夏が終わる。
来週からは、2学期が始まる。

まだ隠れていたいような、違うような。