解夏/さだまさし

解夏 (幻冬舎文庫)

解夏 (幻冬舎文庫)

読みたい小説があまりなかったので、無難にベストセラーを選んでみました。
映画化されたから、一編の長編かと思っていたら短編集でした。


さすがに売れているだけあって、どの作品もそれなりに面白くて、感動もできます。
ただ、表題作以外は、俗に言う「家族モノ」にあたるジャンルで、このジャンルに弱い人にとっては感動できて当たり前(しかも弱い人が多い)みたいなところはあるので、数年経ったら埋没してしまう、息の短い感動にも思えました。まあ、好みの問題、と。僕なんかよりも、僕の親くらいの世代の人が読むとすごく面白い作品なんだろうなぁ。


ところで、この作品を読んでいて一番印象に残ったのは、「ハチミツで年間50万円儲ける」という部分と「山葵と漬けた野沢菜をお茶請けにするのが美味しそう」という部分でした。
作者が伝えたい部分を完全に無視している自分は小説を読む人としてどうかと思います。