L.A.コンフィデンシャル

DVDで鑑賞。
反発し合っていた三人の刑事が殺人事件解明のために協力していく。
マフィアのボス、ミッキー・コーエンが逮捕された後、ロサンゼルスではヤクザの抗争が続いていた。そんな中、ナイト・アウル殺人事件が起き、被害者の中には元刑事が含まれていた。野心家のエド(ピアース)、武骨なバド(クロウ)、派手好みのジャック(スペイシー)は、同じLAPDの刑事でありながらぎくしゃくした関係にあったが、ナイト・アウル殺人事件の捜査を通じて協力し合うようになる。……
この映画は何度か見返していて、以前に「時代劇」という題で感想を書いている。http://d.hatena.ne.jp/nessko/20111203/p2
丹念に仕上げられた豪華時代劇で、安心して楽しめるが、見る人によってはそこで評価が分かれるかもしれない。カーティス・ハンソン監督の作品は1940-50年代の上出来なアメリカ娯楽映画を現代の撮影技法で再現させたようなものが多く、だから安心して見られるのだけれども、「だから、何?」と言いたくなる人も出てきそうだ。
見返して思ったのは、脚色のうまさ。エルロイ小説の読みどころは一見タフガイのような主要男性登場人物が抱える情緒不安定でリストカットを繰り返す女の子もかくやと思われるような内面描写なのだが、そのへんは役者の演技にまかせ、事件解決の過程をすっきりわかりやすく見せたところがよい。アカデミー賞脚色賞受賞。
また、キム・ベイジンガーがこの映画の役でオスカーを獲れたのはよかったと思った。なんというか、美女の役でぎりぎり間に合った、そんな気がしましたね。ベイジンガーにとってもこれはベストの演技ではないでしょうか。
この映画、発端がクリスマスなのです。それで、取り上げてみました。メリー・クリスマス!