大哺乳類展 陸のなかまたち
国立科学博物館で6/13まで開催中の
「大哺乳類展 陸のなかまたち」を主人とここも一緒に見てきました。
まずはいろんな動物の骨がお出迎え。
こういうの、小さいこどもは意外と怖がらないもんです。
既に絶滅した哺乳類の頭蓋骨を見て、「この子はこんな顔だったんじゃない?」と
親子でヘンな顔の見せ合いっこしたり、
写真撮影OKなので、気に入った動物を各自撮ってみたり。
これはエジプトにいるネコの一種(名前は忘れましたが…)。
古代エジプト絵画にいますよね、こういう姿勢のいいネコ。
触れることのできる展示もたくさんあり、こどもはもちろん、大人も楽しいです。
毛皮の触り比べコーナーには人だかりができてました。
トナカイの角に毛が生えてるなんて知ってましたか?私は全然知らなかった。
子連れで美術館はちょっと自信ない…という方は、
まずは子連れ博物館に挑戦!というのがいいように思います。
これは象の鼻だけの標本。こんな間近で象の鼻見る機会は普通ありません。
ちゃんと鼻の穴が奥まで貫通してるのが見えた!
最後のほうに動物のフンの実物がいろいろ置いてあるコーナーがあるのですが、
サルのフンのにおいには、ものすごいダメージを受けました…
これからお出かけの方は覚悟を決めてニオイかいでくださいね!
生誕120年 小野竹喬展
東京国立近代美術館で4/11まで開催の
「生誕120年 小野竹喬展」を見てきました。
小野竹喬は、作品は見たことあるけどよく知らなかった画家です。
新日曜美術館で紹介されたのを見て、色の美しさに目を奪われ、
それ以来どうしても行きたい展覧会でした。
展示は大きく分けて、40歳ごろまでの作品と、それ以降のものとなっています。
画業の前半は、新しい日本画の表現について随分悩み、試行錯誤していたようです。
なかにはセザンヌのような作風のものもありました。
30代前半には渡欧し、フランスやイタリアを巡ったとのこと。
同行した土田麦僊のスケッチも合わせて展示されていましたが、
竹喬の方がスケッチは上手いかな?と思いました。
繊細な線で描かれた「冬日帖」は画業前半の代表作だそうです。
淡い色で着色された、それほど大きくない、一見地味にも見える作品。
でもしばらく目を離せなくなりました。
しかし40歳ごろを境にして、ものの形を面でとらえ、
単純化したシルエットと独特の明るい色彩で自然を表現する、という方法に行き着いたようです。
「冬日帖」のようにあれだけ線で表現できる人が、「線」という手段を捨てる、
どうしてこんな大きな決断ができたんだろう。
私自身、40という歳に少しずつ近づいていることもあり、
この歳でそれまでの自分のやり方を大きく変える難しさは、なんとなくわかる気がします。
今日はひさしぶりに絵はがきをたくさん買いました。
この人の絵って、送る側も受け取った人も一緒にうれしい気持ちになれそうな、
やさしいオーラがあるような気がします。
会期末がせまっているとはいえ、平日とは思えない混雑で驚きました。
お客さんの年齢層は高かったので、春休みとか関係ないはずなんだけどな。。
近代美術館の目の前の桜は、残念ながらまだ3分咲きくらいでした。
けれど東御苑内の早咲きの品種はみごとな満開!
今週末はお花見の人も多そうです。
水滸伝<岩波少年文庫版>
面白い :☆☆☆☆
感動した:☆☆
役に立つ:☆☆☆☆
薦めたい:☆☆☆☆☆
北方謙三版の水滸伝を読んで、
これはどうしても元の話を知っておきたい!と思いました。
しかし岩波やちくまから出ている全訳にかかるのは骨が折れそうなので、
岩波少年文庫の抄訳版全3巻に手を出すことに。
これが思いがけずいい選択でした。
物語が元々持っている(と思われる)無頼な雰囲気がちゃんと生きてる。
しかもこども向けのはずなのに、残虐シーン手加減なしでびっくりです。
<とりあえず、えー!!!と思ったところ>
・何かとお酒を飲みすぎてると思う。
・賄賂は当たり前らしい。捕まっても牢屋番に銀握らせれば個室付きの優雅な生活。
・秦明将軍は同志というより被害者じゃないだろうか。
・いくさに道術使うのはズルイだろう。
・酒屋に人肉料理場があるよ…少年文庫版なのに…人肉饅頭もちろん登場。
・朱仝勧誘の手口はあんまりだ(涙)
・聞煥章が梁山泊に捕まってる!!(北方版の「仕事のできる変態」イメージ引きずってるので驚愕)
北方版はストーリーを全く変えているのかと思えば、
史進と少華山の関係、生辰綱を奪う件、楊志と魯智深が二竜山をとるくだり、
魯智深や宋江が梁山泊に入るまでうろうろしてること、
などはほぼそのままなんですね。祝家荘戦も。
でも印象は全然違う。
元の水滸伝は行き場所をなくした「はみだし者」が結果的に集まった、という感じで、
何かを目的として集まってるわけじゃない。最終的には国に取り込まれる。
北方版だと、梁山泊と宋側が和解するなんて絶対考えられないもの。
さて、下巻末についてる解説文が、また良いです。
物語の成立過程や現存するテキストの種類、日本への伝播と影響など、
このままWikipediaに載せたらどうだろう?というくらい詳しい上にわかりやすく、
この部分だけでも立ち読み推奨です。
今回読んで一番強く感じたのは、これは「元ネタ」としてすごく使い勝手がよさそうだということ。
キャラクターがはっきりしてる上に、それぞれがちょっと暗い過去背負ってたりして。
そもそも各地の講釈師がそれぞれ話を膨らませて、長く雑多なストーリになった、という
物語の発生からして二次創作的じゃないですか。
日本に渡ってからも江戸時代の里見八犬伝から現代の北方謙三まで、
長年元ネタとして使われ続けているわけで、
これからも「こんなの水滸伝じゃない!」というような派生作品が出てこないかなー、
5人選んで戦隊モノとか、女の子化してプリキュアとか、なんか色々作れそうな気がします。
<おまけ>
いつも美術展紹介を楽しみに読ませていただいてる、とらさんのブログに、
こんなのがありました。
なぜか燕清だけ二枚あります。男前はやっぱり人気?
(3/31追記:とらさんご指摘のとおり三枚ある人もいます!探してみて!)
府中市美術館で開催中(5/9まで)の歌川国芳展でも、一部展示されているようです。
フィギュアスケートを海外ストリーミングで見た
フィギュアスケートの世界選手権が昨日閉幕しました。
日本での放送権を持っていたのはフジテレビ。
生放送は男子フリーのみ、あとは編集された録画が、1日近く遅れで放送されました。
男女とも日本人選手が1位という快挙なのに、しかし表彰式はカット、という不思議な放送でした。
しかし実際には、私を含め多くの日本人がLiveで観戦していました。
インターネットでのストリーミング生中継を、
Radio Canadaという、カナダの放送局が流していたからです。
Radio CanadaのURLは、Twitterで瞬時に情報が流れてきて
あっという間にTwitterのタイムライン上に波及していきました。
(状況を知りたければ、#figureskate で3/27-28日頃のツイートを検索してみてください。)
私も含めて多くの人が、カナダの放送局の名前なんて一つも知らなかっただろうに。
フランス語の実況解説がつくのは自国(カナダ)選手と注目選手のみで、
滑走順や曲名などは表示されない。
でも全く問題なし。そういう情報が欲しければ、それこそネットに落ちています。
スケートと関係ない芸能人のコメントや、選手の過去VTRなどに時間を割かれず、
日本ではまだ知名度の低い選手もしっかり見られ、無論CMもなし。
競技観戦に集中できるし、フランス語実況でも雰囲気は伝わるからおもしろい。
(実況解説のおじさん2人が「parfait! parfait!」と大興奮してたのが微笑ましい!)
先日のバンクーバー五輪で実力を出し切れなかった選手たちが、
いい演技を見せてくれたのが本当によかった。
ただし、今回ワクワクしたのはそのせいだけじゃなくて、、、
おそらくかなりの金額を払って一国内の放送権を獲得し、
視聴率見込める=スポンサー料の取れる女子シングルは
土日のゴールデンタイムに放送、というテレビ局にとって当たり前の方法が
まさにこの夜、崩れ始めている。その現場に居合わせた、という興奮がすごく大きかった。
放送局のあり方は、とうとう本当に転換期に入ったのだと思います。
折しも昨日の日曜日、ソフトバンクの孫社長が、渋谷のカラオケボックスを
Ustream(誰でもストリーミング配信できるサービス)のスタジオにするという発表を、
実際にユーストリームで生中継しました。もう誰でも、放送する側にまわれます。
放送と、Twitterのような時間共有系サービスとの相性の良さは、
毎週日曜の「龍馬伝」ハッシュタグ#ryomadenの盛り上がりや
ジブリ映画放送時の祭り状態で証明済みです。
けれど、その放送は大きな放送局がテレビで流すものでなくても、もういいのかもしれない。
この風向きの変化はまだ局地的なものだけど、これからどんな嵐になるのか、ならないのか、
楽しみでしかたありません。
<おまけ>お気に入りのフィギュアスケートネタ動画
「フィギュアスケーターでホットペッパー」佐藤信夫コーチ大活躍!
くるまくん、さよなら
13年乗ったクルマを、今日廃車屋さんに引渡してきました。
院生時代は毎日の通学の足として、
ゼミ旅行では友達を乗せて毎回かなりの長距離を走りました。
卒業してからも友達のとの旅行でスキー行ったり大渋滞にまきこまれたり。
一番楽しかったのは、高知のよさこい祭りと徳島の阿波踊りをハシゴしたときかな。
あんなちょっとムチャな旅行は、子持ちの今ではちょっとできない。
東京に来てからは、
主人がロングドライブ苦手なこともあってあまり遠出はしなかったけど、
ここが生まれて4ヶ月の頃、主人が盲腸で入院した時は
ちいさいここを買ったばかりのチャイルドシートに乗せて、
ピーピー泣かれながら毎日病院へ通いました。
そういえばここが喘息で入院した時も大活躍でした。
とはいえ、クルマには悪いけど、手間もお金も全然かけませんでした。
洗車は1年に1回?って程度で、カーステも壊れて直さないまま。
ホイールなんか傷だらけです。
「車は走ればそれでよし」と思ってます。
それなのに、いざ廃車となると寂しいもので、
廃車屋さんへの最後のドライブは
「まだ着かないでほしいな…」「あと1時間は運転したいな…」とぼんやり考えているうちに
あっけなく到着し、引渡しも想像してたよりずっと簡単に終わりました。
こんな気持ちになるなんて、思ってもみなかったので戸惑いました。
ハンコを押した後に、クルマと私のツーショット写真を撮ってもらいました。
部品になっても活躍してくれたらいいな。
私が行ったことのない国なんかで働いてくれたら、なんかいいな。
来週には、実家からお下がりクルマが来ることになっています。
メーカーは違えど、今度も偶然、緑色の、小さめクルマです。
水滸伝<北方版>
面白い :☆☆☆☆☆
感動した:☆☆☆☆
役に立つ:☆☆☆
薦めたい:☆☆☆☆☆(ただし試験前等なら絶対手を出しちゃダメ!)
全19巻です。
一気に19冊というのは、自分でもよく読んだな〜と思います。
去年あたりから複数の方に薦められてましたが、さすがにこの長さなので躊躇してました。
しかし読み始めたらもう止まらない。
好漢が108人揃わないうちに次々命を落としていき、
ラスト2巻はほんとにバタバタ倒れていくので、読み進むのが嫌になるくらい。
人々が梁山泊に集まるのは、家族を権力に殺された憎しみ、強烈な反国家思想、
国の有り様への疑問、信頼する人への忠誠など、理由は様々です。
元官軍&賊徒が多いので武人が多数派なのは当然として、
職人としての腕を買われた人、事務能力の高い人、走れる人、泳げる人等々、
今風に言えば「キャラ立ち」が見事。全員に活躍の場が与えられてるところがすごい。
人間関係良好ってわけでもなく、いい奴ばかりでもないのがまたリアルです。
対する宋側の実力者たちもすこぶる魅力的。
宦官というコンプレックスをもちながら、最強の軍人として最高の戦をしたいと望む人、
自分の能力を仕事に活かしきることに快感を覚える人、
都のとある寺の片隅で、国のすべてを密かに把握している人、
自分が好きになった人物しか殺さない刺客、などなど。
敵が強くないとやっぱり盛り上がりませんから。
終盤になると、梁山泊側は政情を混乱させるために評判のよい役人をあえて暗殺し、
逆に宋側は、戦費調達のために腐敗した地方官を取り締まって税の流れを正常化させる、など
どちらが善とか悪とか色分けできなくなってきます。
「革命」という甘い響きの言葉の裏に隠れた、暗い部分を見せるところが
この物語の魅力を増していると思います。
また、「梁山泊」「宋」とは全く別の空気を持った第三の世界として、
「子午山」という場所が設定されています。
「性格に多少難有り」な梁山泊の若者たちはここに送りこまれ、
晴耕雨読、家畜の世話をし焼き物をつくり、数日に1回武術の稽古をつけてもらう、
という静かな山の生活を送り人間的に成長して、また梁山泊に帰っていきます。
緊張感の続く戦いのさなか、
子午山の場面になると、ホッと一息つけるのがうれしいです。
私個人のお気に入り人物は呉用と李富、
ある意味梁山泊側・宋側のそれぞれ一番しんどい立場の2人かも。
けれど一番格好いいのはこれを書ききった北方謙三さん自身じゃないでしょうか。
書ききった、とはいえ今現在も続編が雑誌に連載中なんですから。
こちらも完結したら、一気に読みたいと思っています。
ところで北方謙三が原典のどこを採用し、どこを切って捨てたのか知りたくなって、
いま岩波少年文庫版の水滸伝を読んでいます。
こっちは108人そろうまで誰も死なないぞ、という安心感がうれしい。
新書サイズで3冊というコンパクトさながら、
「金離れよく腕っぷしの強い奴最高!!」というムチャな雰囲気はしっかり伝えていて
子供用と侮れません。
読み終わったら、あらためて紹介&北方版との比較をしたいと思います。
いちど狩りと九十九里
去年もお世話になった茂原市本庄の牧野いちご園さんに、
今日はいちご狩りへ出かけてきました。
(そして今年もブログに写真を掲載していただきました!)
ビニールハウスの中は半袖でもいいくらいの陽気。
ここはそれこそ「汗水たらして」いちごをほおばっていました。
制限時間30分だけど、うちの家族はそれ以上いた気がする、多分…
大きいいちごが、必ずしも甘いとは限らないのが楽しいところで、
小さくてものすごく甘いいちごが、稀にあるんです。
口に入れて「当たり」のいちごだと、おもわず「キターーー!!!」と言ってしまいます。
いちごの後は、白子町へ移動。
去年来たとき(2月末)は河津桜が咲いていましたが、今年はもうすっかり葉桜に。
そして太平洋!
ただ海を見てるのって、好きなんだよな…
昔、土佐の桂浜行った時も、ただただ海を見てました。
山も好きだけど、ひとりで行くなら海かな。
潮のにおいとか、波が浜によせて砂の上で泡になって消えるのとか、
いつまでも見てられる気がします。
ここは、去年の夏、海でビーサンを流されかけたのがよっぽど応えているのか、
「うみこわい」と全然水に近寄ろうとしませんでしたが…
近くの鮮魚料理屋でお昼を食べて、のんびり帰宅しました。
いい休日でしたよ。