「三国志〈11の巻〉鬼宿の星」まで来て、ついに劉備も死んでしまった。1巻から生き残っているのは、もう誰もいないんではないか。ああ、成玄固がいるか。でももう完全に世代交代で、もはや「宇治十帖」だな。
- 作者: 北方謙三
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2002/04
- メディア: 文庫
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関羽・張飛の弔い合戦で「孫権をブッ殺す!」と無謀にも荊州に攻めこんだ劉備だが、肝心なところで勢い込みすぎた陳礼が陸遜にやられてしまい、結局大敗を喫してしまったというところだ。それをきっかけにすっかり腑抜けになって寝込んでしまうぐらいだから、まあ相当なショックだったのだが、やはりもう60歳を超えてるわけだから、そもそも無理があるわな。
そこに突然、王平が「山で見つけてきました」と、もと曹操のかかりつけ医・爰京を登場させるのがすごい。できすぎにもほどがある。師である華陀が曹操の治療をしていたことを知っているか、という劉備の質問に対して「師に、聞いたことがあるような気がいたします」とぬけぬけと答えるのが面白い。「お前も治療しとったやないか!」と誰かが突っ込むべきところだが、もう誰もそれを知ってる者はおらん、というわけだな。
それにしても、曹操の死因は脳梗塞っぽいが、劉備は胃癌だろうか。ストレス強そうだもんなあ。戦死しなくても長生きはできそうにないよな。