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2013年-06月-16日

【憲法メモ】6月10日〜16日:東本願寺「『日本国憲法第九十六条「改正」反対決議』を参議会において全会一致で可決」ほか

 憲法に関連した論考やニュースで目に留まったものをまとめた【憲法メモ】です。


▽HUNTER「『改憲』煽る読売新聞 お粗末検証橋下徹の共通性」(2013年6月10日)

 http://hunter-investigate.jp/news/2013/06/96-96.html

 HUNTERがどのようなサイトかは、以下に紹介があります。福岡県が拠点とのことで、九州をテーマにした記事が多いのですが、新聞・テレビのマスメディアとは異なった切り口、書きっぷりで参考になることも少なくなく、時折目を通しています。

 http://hunter-investigate.jp/group.html

 6月10日の記事は、読売新聞が6月7日に掲載した憲法96条改変へ向けたキャンペーン記事への批判です。相当に激しい筆致です。中でも96条改変への批判に対し、読売が5点にわたって、他紙の記事やコラムを取り上げて批判していることについて、妥当性を一つ一つ検証。読売の批判が的を得ていないさまが、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長に通じていると指摘しています。特に、毎日新聞のコラムが「私も、私たちメディアも、そして国民も往々にして判断を間違えるのである。批判を受けるのを覚悟して言えば、国民を信じ過ぎてもいけないのだと私は思う」と書いたことについて、読売が「検証5」として、橋下氏の「手続きを極端に厳格化させて無理やり変えさせないようにするというのは、あまりにも国民をばかにした、国民を信用していないやり方だと思います」との言葉を引用して批判していることに対し、毎日のコラムの原文を紹介しながら厳しく批判しています。

 HUNTERの筆者は橋下氏の人物評も相当に厳しく書いています。その点まで同意するかはともかくとして、96条改変をめぐって安倍晋三首相が口にしているような、発議要件のハードルを下げることで「憲法を国民の手に取り戻す」というような考え方や、橋下氏が言うように、改憲発議のハードルを高く設定することが「国民をばかにした、信用していないやり方」ととらえる発想に対しては、わたしは違和感があります。この点に関連しては、このブログでも敗戦直後に伊丹万作が書き残した「だまされる罪」のことを紹介しました。

 また、橋下氏の従軍慰安婦・風俗業発言問題では、読売新聞(大阪本社版)が紙面では一貫して1面に掲載せず、朝日や毎日とは際立って異なった報道姿勢を見せていたことも、このブログで報告しました。「改憲」「読売新聞」「橋下徹氏」の3つのキーワードの関連性に留意していたところでもあったので、今回のHUNTERの記事は興味深く読みました。

※参考過去記事

▼「伊丹万作『戦争責任者の問題』と憲法96条〜『だまされる罪』と立憲主義」2013年5月7日

 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20130507/1367881891

▼「橋下氏『従軍慰安婦』『風俗』発言の報じ方と96条改憲へのスタンス」2013年5月20日

 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20130520/1369004833


▽毎日新聞「特集ワイド:育休3年、女性手帳…評判イマイチ 安倍さん、女心分かってるの」(2013年6月10日夕刊掲載=大阪本社版)

 http://mainichi.jp/feature/news/20130604dde012010008000c.html

 「女心が分からない」は男性が最も言われたくない批判の一つだろう。いわんや“人気稼業”の政治家、しかも一国のトップにおいてをや。安倍晋三首相が打ち出す女性政策の評判が今一つだ。アベノミクスにおける成長戦略の柱に掲げた「育休3年」は育児の押しつけ、妊娠・出産に関する情報を盛り込んだ政府の「女性手帳」は余計なお世話、と。この「つまずき」の背後にちらつく首相の女性観を探った。【瀬尾忠義】

 「普通の家庭のだんらんはありませんでした」。政治ジャーナリスト野上忠興さんの取材に安倍首相がそう語ったのは9年前、安倍氏が自民党幹事長の時だった。

 元共同通信政治部記者で安倍家を30年にわたり取材してきた野上さんはまた、安倍首相の小学生時代の恩師から見せられた作文に強い印象を受けたことを覚えている。「拾ってきた雌犬の話なのですが、コロと名付けたその犬が我が子に示す愛情や、子犬がもらわれていった後に我が子を捜すコロの姿が克明に描かれていました」。そこに野上さんは家族、とりわけ母親との触れ合いに飢えていた晋三少年の心象を読み取る。「父親の晋太郎さん(元外相)は晋三さんの幼少期に落選し選挙区に入り浸りの日々を送ったこともあり、ほとんど家にいなかった。母親の洋子さんも夫の活動を支えるために留守がちで、晋三さんは知人の家に預けられたりもしました。久保ウメさんという住み込みの女性が母親代わりなどを務めたのですが、久保さんは『晋三さんは中学生になっても、寒い冬の日には私の布団に潜り込むことがあった』と話していましたね」

 一国の首相の世界観、歴史観、社会観、人生観等々は広く社会に知られていい情報です。人格や思考、志向の形成に出自や生い立ちが深くかかわっているのだとしたら、それらもまた社会にとって有益な情報だと思います。そんなことを考えながら、とても興味深く読んだリポートです。


半田滋さん:「『国防軍』をつくる」の愚かさ(法学館憲法研究所「今週の一言」=2013年6月10日)

 半田滋さんは東京新聞記者として長らく防衛問題を取材してきた方です。

 振り返れば、丸腰の派遣にあたる国際緊急援助隊を含め、22回で延べ4万人の自衛官が海外へ派遣された。1発の銃弾を撃つことなく、1人の地元民を殺傷することもなかったのは憲法の制約があったからだ。PKOでは道路・橋の補修、宿舎の建設、輸送といった後方支援活動に徹し、国連や派遣先国から「礼儀正しい」「技術力が高い」と評価されている。

 国会議員の中には、PKOでもより危険度の高い「平和維持軍(PKF)に参加すべきだ」との声があり、政府は凍結されていたPKFの参加を2001年に解除した。それでもPKF参加が1度もないのは、どの活動に参加するか決めているのが事実上、制服組だからだ。彼らが危険な活動を慎重に避けている。日本の「シビリアンコントロール」とは、制服組の意向に政治家が従うことであり、実体は「逆シビリアンコントロール」となっている。

 PKFに参加しているのは、バングラデシュパキスタンなど発展途上国ばかりで、国連から支払われる兵士への日当を外貨獲得の手段にしている国々である。その列に割り込めというのだから、日本の政治家はどうかしている。

 勇ましいことを主張する政治家ほど自衛隊の実態を知ろうとしない。5月にあったイベントで迷彩服を着て戦車に乗り、ポーズをとった安倍首相も例外ではない。

 「国防軍」をつくると主張する前に自分の立ち位置を確認したほうがいい。2月の訪米で、勇んで「集団的自衛権の行使容認の検討を始めた」と伝えたものの、オバマ大統領からそっけなく扱われたのはなぜか考えた方がいい。歴史認識を見直し、「国防軍」つくるでは戦前への回帰そのものだ。そんな日本は危険極まりないと警戒されるのは自明である。

 軍の暴走を防ぐために、政治を軍の上位に置くのがシビリアンコントロールのはずですが、日本の場合は政治家に任せておくと、自衛隊がどんどん海外に派遣され、より危険な任務につかされかねません。暴走するのは自衛隊ではなくて政治の方です。この小論考だけでなく、現場の具体的なファクトを踏まえた半田さんの記事や著作からはそのことがよく分かります。

 私自身はこの数年来、政治に翻弄される自衛隊を考えつつ、「自衛官」という職業を働き方の問題としてとらえ直してみることも必要ではないかと考えています。個々の自衛官の人権が守られているか、という憲法上の問題もまた存在していると思います。

※参考過去エントリー 読書:「『戦地』派遣 変わる自衛隊」(半田滋 岩波新書)=2009年5月6日

 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20090506/1241596087


水島朝穂さん「国防軍でなかったからこそ―イラクで死者ゼロの理由 」(今週の直言=2013年6月10日)

 憲法9条の歯止めがあったからこそ、イラクで自衛隊員犠牲者を出さなかった、との指摘は、先の半田滋さんの論考とも通じるものがあると感じました。

 それとは別に、以下の指摘も重要だと思います。特に、マスメディアの内側にいる1人として「排外主義的な空気が国民のなかに充満し、メディアがそれを焚き付けたことも起動力となった」との指摘は忘れてはならないと思います。

 政治家や軍人だけが暴走して戦争が起きたのではない。排外主義的な空気が国民のなかに充満し、メディアがそれを焚き付けたことも起動力となった。いま、この国は、中国台湾韓国北朝鮮ロシア、米国と「全周トラブル状態」にある。中国や韓国・北朝鮮の人々に対して暴言を吐く「運動」まである。日本の政治指導者の語る言葉は、「味方にできなくてもいいから、敵にしない」の逆をいく、「味方にできる人までも敵にしてしまう」類のものである。政治家たちの甘言に、国民の冷めた眼が必要な所以である。


▽共同通信「橋下氏訪問に文書で『拒絶』通告 米サンフランシスコ市」(47news、2013年6月11日)

 http://www.47news.jp/CN/201306/CN2013061001002180.html

 旧日本軍の従軍慰安婦発言をめぐり、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が訪問予定だった米サンフランシスコ市が5月、「公式訪問としては扱わない。表敬訪問も受けない」と拒絶する内容の文書を大阪市に送っていたことが10日、大阪市関係者への取材で分かった。

 文書を送ったのは、訪問計画の交渉窓口となっていたサンフランシスコ市幹部。大阪市は5月22日に受け取り、翻訳を同日中に橋下氏に示したが、公表していない。

 橋下氏の発言が海外でどう受け止められているか、きわめて明快で分かりやすい報道でした。橋下氏の訪米断念の正式表明は5月28日でしたが、この文書が大阪市に届く前日の5月21日の時点では、訪米に意欲を見せていました。訪米を強行すればどんなことになるのか、自分がいかに招かざる客であるのか、この文書で橋下氏はようやく察するに至ったのではないかと思います。ふだん「国際化」や「グローバルな都市間競争」をしばしば口にしている橋下氏の国際感覚が、この程度のものであることは、大阪にとって幸せなことではないと思います。


▽澤藤統一郎さん「自民党改憲草案21条2項の『目的』の恐ろしさ」(ブログ「澤藤統一郎の憲法日記」=2013年6月11日)

 http://article9.jp/wordpress/?p=546

 護憲の立場から、弁護士として憲法問題を論じているブログです。この記事では、かつて治安維持法に盛り込まれていた「目的遂行罪」と自民党改憲案の類似性について指摘しており、とても参考になりました。もっと広く知られなければならない論点だと思います。とりわけマスメディアにとっては、自らの取材報道活動に直接かかわることであり、社会的な存在意義も問われてしかるべきです。繰り返し報じていかなければならない問題だと思います。

 自民党日本国憲法改正草案の恐ろしさは、9条を改悪して外征可能な国防軍をつくろうということだけではない。国旗国歌元号の強制によって「天皇を戴く国家となりかねない。また、「公益・公序」というマジックワードによって、あらゆる人権が制約可能となり国民の基本的人権を根こそぎ否定しかねない。このようなことは、既に多くの人に知られてきた。

 私は、自民党憲法改正草案の恐ろしさの象徴として、草案21条2項を挙げたい。なかんずく、その条文の中の「目的」という言葉の恐ろしさを語りたい。まだあまり注目されていないことであるから。

 現行の憲法21条は「表現の自由」の規定で、以下のような条文です。

第二十一条  集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

2  検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

 自民党案はこの第1項の後に、新しい第2項として「前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない」との一文を入れ、現行の第2項は第3項とする内容になっています。「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動」や「それを目的として結社をする」と、だれがどんな基準で判断、認定するのか。その一事だけでも問題の多い案です。


▽東本願寺:「日本国憲法第九十六条『改正』反対決議」を参議会において全会一致で可決(2013年6月12日)

 http://www.higashihonganji.or.jp/news/important-info/2862/

 真宗大谷派(東本願寺)の参議会が6月12日、憲法96条改変に反対する決議を全会一致で可決しました。前日の11日には、宗議会もやはり全会一致で同文の決議を可決しています。東本願寺のサイトによると、宗議会は僧侶議員、参議会は門徒議員で構成され、ともに真宗大谷派の最高議決機関とのことです。

 「国豊かに民安し。兵戈(ひょうが)用いることなし」と説く『仏説無量寿経』を正依の経典とする私たち真宗大谷派宗門は、宗祖親鸞聖人の開顕せられた念仏の教えと、そこに流れる御同朋・御同行の精神のもとに歩んでまいりました。しかし、私たちは、過去の戦争においてその教えを歪め、無数のかけがえのない命を戦場に送り込むという痛恨の過ちを犯してしまいました。その慙愧に立って、1995年宗会において「不戦決議」を行った私たちは、今こそ念仏者として、恒久平和を願う現日本国憲法を守らねばなりません。

 よって真宗大谷派参議会は、日本国憲法第九十六条「改正」反対をここに決議いたします。

 この決議の特徴は、宗教者が過去の自らの過ちを直視していることです。観念的に平和を唱えているのではありません。「憲法が現実に合わなくなっている」と言って改変を主張する政治家よりも、はるかに現実的でリアリズムに満ちていると思います。


北海道新聞(2013年6月16日)

 「矢臼別訓練 米軍、夜間も砲撃 高橋知事、週内にも防衛省へ」

 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/473827.html

 「矢臼別訓練再開 不安よそに砲撃200回 住民『誤射、反省しているのか』」

 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/473839.html

 沖縄駐留米海兵隊陸上自衛隊矢臼別演習場(根室管内別海町釧路管内厚岸、浜中両町)での砲弾誤射事故後、15日午後に再開した実弾射撃訓練を同日午後9時半ごろまで続行した。演習場内の私有地にある現地監視本部で訓練を監視した海兵隊移転反対別海町連絡会によると、この日は155ミリりゅう弾砲の砲弾とみられる射撃音は計199回確認された。

 米海兵隊の実弾射撃訓練は、11日に誤射事故が発生して以来、4日ぶり。21日まで実施される予定。

 北海道防衛局によると、射撃訓練は15日午後1時18分に再開後、同4時19分でいったん中断。同7時47分にまた再開し、同9時29分で終了した。

 一方、高橋はるみ知事は15日夕、札幌市内で記者会見し、訓練再開について「遺憾だ」と不快感を表明。週明けにも知事自ら防衛省へ出向き、誤射事故の重大性などを訴える意向を明らかにした。

 垂れ込める曇り空の下、砲撃音が何度も響き渡った―。矢臼別演習場(根室管内別海町など3町)で発生した155ミリりゅう弾砲の砲弾誤射事故を受け、4日にわたって中断していた沖縄駐留米海兵隊の実弾射撃訓練が15日午後、再び始まった。夜間にまで及んだこの日の訓練。砲撃音の確認回数は200回近くに達した。住民らの間には怒りや失望感が広がる一方、消極的ながら訓練再開を容認する声も聞かれた。

 この米海兵隊の実弾射撃訓練は、沖縄から本土の自衛隊演習場に移転したものです。11日午前に155ミリ榴弾が演習場外に着弾する事故があり、12〜14日は演習が中断されていましたが、15日に再開されました。北海道新聞は15日には、道と地元自治体が、米海兵隊による一方的な訓練再開の意向表明に対する抗議文を、北海道防衛局現地対策本部に提出したと伝えています。沖縄に限らず、米軍はどこにいても米軍、自分たちの都合で動きます。私の住む大阪では、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長や日本維新の会幹事長の松井一郎大阪府知事が、自治体首長政党代表・幹事長の立場を都合よく使い分けながら、米軍輸送機オスプレイの訓練を大阪府八尾市八尾空港に誘致すると表明しています。今北海道で起きていることは、大阪でも知られるべきだと思います。


しんぶん赤旗「改憲報道 危うい JCJなどシンポ開く 現役記者ら討論」(2013年6月16日)

 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-06-16/2013061614_01_1.html

 「アブナイ改憲騒動、あやうい改憲報道」と題するシンポジウムが15日、東京都内で開かれました。現役の新聞記者と憲法学者の奥平康弘東京大名誉教授(九条の会呼びかけ人、96条の会発起人)が改憲をめぐるマスメディアの現状を討論しました。

 奥平氏は基調講演で、自民維新みんなの党が狙う96条改憲を批判し、「憲法の性格をがらりと変える」と危険性を指摘。96条は安易な改憲を防ぐことで立憲主義を支え、国家権力をしばってきたと解説しました。

 討論で奥平氏は、改憲報道の不足を「もうちょっと書けないのかねと思う」と指摘する一方、市民は読者欄などマスメディアを使って積極的に発信していると評価しました。

 このブログでもお知らせしていた憲法メディアフォーラムの第8回シンポジウム「アブナイ”改憲騒動” あやうい改憲報道」のリポートです。

2013年-06月-09日

【憲法メモ】6月3日〜9日:琉球新報社説「大阪訓練移転案 本質から目を背けるな」ほか

 憲法に関連した論考やニュースで目に留まったものをまとめた【憲法メモ】です。

水島朝穂さん「『あたらしい憲法のはなし』からの卒業―立憲主義の定着に向けて(2)」(今週の直言=2013年6月3日)

 http://www.asaho.com/jpn/bkno/2013/0603.html

 水島さん自身が書いているように「挑発的な問題提起」です。

 さて、「直言」ではこの間、「憲法96条先行改正」問題を何度も取り上げてきた。ここにきて微妙な変化も生まれている。「日本維新の会綱領」の冒頭にある、日本国憲法を罵倒する表現を借りれば、「日本を孤立と軽蔑の対象に貶め」ているのは、安倍晋三橋下徹という二人の政治家だが、彼らが主張する「96条先行改正」の主張は、このところトーンダウンした感がある。

 しかし、油断は禁物である。安倍首相には「私の任期のうちに憲法改正を」という異様な思い入れと思い込みがあり、祖父(岸信介首相)と叔父(佐藤栄作元首相)ができなかった改憲をやって「新しい時代を切り開きたい」というパワフルな思い違いをしたまま、参院選に突入してくる可能性はまだある。「まず96条から」という壮大なる勘違いに、しばらく付き合わねばならない。「アベノミクス」なる「催眠政治」の賞味期限もそろそろ切れるし、TPPをめぐる公約違反総選挙で当選した自民党衆院議員のうち205人がTPP反対だった!)も、交渉の実態が明らかになるにつれてボデイブローのように効いてくると思うので、今後3カ月が一番危ない。限られた政治的寿命のなかで、「何でもいいから、憲法改正の実績を作りたい」と盲進するおそれがある。

 この日本政治史上、最も危険な「壊憲の鉄砲玉」をいかに止めるか。一研究者として微力ながら、この間、全国をまわって、「護憲か、改憲か」ではなく、「立憲か、壊憲か」を軸に訴えてきた。5月3日前後は、札幌岡山水戸の3都市を48時間で講演したほか、18日の盛岡講演では、東北6県から集まった「9条の会」の人々に講演し、討論にも参加した。

 参加者すべてが「護憲派」だったので、議論が活発になることを願って、あえて挑発的な問題提起をいくつか仕掛けてみた。その一つが、「戦後日本に立憲主義が定着しなかった要因の一つは、『あたらしい憲法のはなし』に過度に依拠する憲法教育が行われたからではないか」という論点である。これを口にすると、会場は一瞬凍りついた。

(中略)

 『あたらしい憲法のはなし』の限界を最もよく示す記述は、普通選挙の説明の下りにある。「気がくるった人まで選挙権をもつというわけではありませんが…」。現代ではあり得ない表記であるだけでない。先週5月27日、改正公職選挙法参議院で可決・成立して、精神疾患知的障害成年後見人を付けた人にも、選挙権が回復することになった。7月の参議院選挙から13万6000人が一票を投じることができるようになる。

 この66年前の小冊子に過度に依存し、「護憲のバイブル」のような扱いを続けることはもうやめるべきである。『あたらしい憲法のはなし』からの卒業である。尾崎豊『卒業』1985年)の一節に「仕組まれた自由にだれも気づかずに この支配からの卒業」というのがあるが、言葉を借りれば、「憲法は国民が守るきまり」という思考の「支配からの卒業」である。卒業のあとにくるのは「立憲主義」という思考でなければならない。

 わたしが「あたらしい憲法のはなし」を知ったのは、新聞労連委員長を務めていた当時です。古い話ではなく、むしろ最近のことと言っていいと思います。

 「立憲主義の定着」の観点からどうとらえるか、という発想はわたしにはなかったので、この水島さんの論考には正直なところ、少なからず驚きました。「なるほど」と思う部分も、「いや、しかし」と思う部分もあります。現在の憲法をめぐる情勢の中で、わたしなりに「あたらしい憲法のはなし」には思うところがあります。まだ有用な部分が少なくない、と考えています。いずれこのブログで別に項を立てて書いてみようと思います。

あたらしい憲法のはなし (小さな学問の書 (2))

あたらしい憲法のはなし (小さな学問の書 (2))

※ネットでも無料で読めます

青空文庫「あたらしい憲法のはなし」

http://www.aozora.gr.jp/cards/001128/card43037.html


▽琉球新報社説「大阪訓練移転案 本質から目を背けるな」(2013年6月5日)

 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-207574-storytopic-11.html

 日本維新の会共同代表の橋下徹・大阪市長や同党幹事長松井一郎大阪府知事の「オスプレイの訓練を大阪・八尾空港に誘致」構想が表面化したのは6月2日(日)でした。週明け3日には地元八尾市田中誠太市長が反対を表明。しかし橋下氏と松井氏は6日、首相官邸で安倍晋三首相、菅義偉官房長官と会い、八尾空港への訓練誘致の検討を申し入れました。これに応えて安倍首相は防衛大臣に検討を指示しました。報道によると、官邸での会談で、橋下氏と安倍首相は沖縄の基地負担の軽減をともに口にしたとのことです。

 日本維新の会と橋下氏の構想に対して、琉球新報は5日の社説で「自らの政治基盤強化のために、沖縄の基地問題を利用しているのではないかという疑念がくすぶる」「参院選挙をにらみ、沖縄の基地問題に取り組む姿勢を見せることで、維新の党勢衰退の窮地を抜け出す足掛かりにしたいという政治的思惑が色濃い」と批判しています。

 維新の会の勢力が最も強い本拠地大阪での提起だが、唐突感と違和感を禁じ得ない。自らの政治基盤強化のために、沖縄の基地問題を利用しているのではないかという疑念がくすぶるからだ。

(中略)

 橋下氏は「沖縄の基地負担軽減のため、オスプレイの訓練くらい本州で受けないといけない。大阪の話を出さないのは無責任だ」と強調したが、「できるかどうかは分からない。政府にボールを投げる」と実現可能性には自ら疑問符を付けた。

 橋下氏は、在沖米海兵隊の風俗業活用を奨励する発言や、旧日本軍の「従軍慰安婦」を容認した発言に対する国内外の厳しい批判にさらされ、政治家としての資質が厳しく問われている。

 今回の提案は、参院選挙をにらみ、沖縄の基地問題に取り組む姿勢を見せることで、維新の党勢衰退の窮地を抜け出す足掛かりにしたいという政治的思惑が色濃い。沖縄の負担軽減とは別次元の狙いがあり、成算も見えない。腰が据わっていないように映る。

(中略)

 本土への訓練移転といっても数日にとどまることは目に見えている。一年中、オスプレイが飛び交う沖縄にとって、配備中止ではない訓練移転は根本的解決には程遠い。問題の本質から目を背けないでほしい。

 橋下氏は大阪府知事時代、米軍機訓練の関西空港への移転受け入れを探る発言をしていた。沖縄の痛みを引き受ける姿勢に打算がないというなら、オスプレイ部隊ごと普天間飛行場を県外・国外に移すと主張するのが筋だろう。

 この誘致構想にはいくつもの論点があると思います。「沖縄の基地負担の軽減」の観点から見た場合は、琉球新報の社説の通りだと思います。

 もう一つの大きな論点だとわたしが思うは、橋下氏や松井氏がいかなる立場で政府に要請をしたのかです。どうやら本人たちの意識は日本維新の会という国政政党の共同代表と幹事長として、ということのようです。7日に松井氏が八尾市の田中市長と会談した際には「政党の幹事長として」の立場を明らかにしていたことからも、そう推察できます。しかし一方で橋下氏は、大阪府大阪市を再編する大阪都構想を推進したいという大阪市長ですし、松井氏は大阪府知事です。大阪府民、大阪市民、つまりは大阪の住民を代表する立場です。大阪の住民の意志から離れて、政党の代表、幹事長として、現に地元市長には一切、事前の通告、打診、相談もなく政府に要請を行ったことは、あまりに都合よく立場を使い分けていないでしょうか。琉球新報の社説にならうなら、橋下氏や松井氏の立場も「本質」です。本質から目を背けず、大阪のマスメディアはこの点にも多様な観点からの意見、考え方を紹介していくべきだと思います。

 日本維新の会と橋下氏らのオスプレイ訓練誘致構想に対しては、沖縄県名護市在住の作家目取真俊さんもブログで批判を加えています。この誘致構想には沖縄の地域政党「そうぞう」も同一歩調を取っているのですが、その点をどう読み解くのかを含めて、とても参考になります。

 ※目取真俊さん「参院選に向け沖縄を政治利用する橋下市長と下地代表」=「海鳴りの島から」2013年6月6日

 http://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/36982312104b35f3b971c118e0b92889


▽琉球新報社説「維新訓練移転案 県外移設こそ国民議論を」(2013年6月8日)

 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-207716-storytopic-11.html

 日本維新の会の橋下徹共同代表が安倍晋三首相に対し、米海兵隊MV22オスプレイの訓練の一部を大阪府の八尾空港で受け入れる構想を伝えた。沖縄の負担軽減というより、「慰安婦」に対する自身の暴言への批判をかわす小手先の案に見える。沖縄を政治利用するつもりなら、やめてもらいたい。

(中略)

 風俗活用発言について、橋下氏は「『性犯罪を抑えるために本気になってください』と伝えるため」と述べ、沖縄での犯罪抑止が理由だったと自己正当化した。八尾空港利用についても沖縄の負担軽減が目的だという。沖縄に寄り添っているかのように見えるが、これは明らかに理不尽だ。なぜ、沖縄への基地固定化が前提なのか。

 オスプレイ配備撤回の東京行動で県民代表が政府に渡した建白書にある「普天間基地を閉鎖・撤去し、県内移設を断念する」との沖縄側の要求はまるで考慮していない。橋下氏は、全機移駐もしくは普天間飛行場の県外・国外移設こそ提案し、国民的議論を促すのが筋だ。八尾移転案は大いに疑問だ。

 八尾空港への訓練移転構想の欺瞞がよく分かります。橋下氏が寄り添っているのは沖縄ではなく、基地の沖縄への固定化を図る安倍政権のように思えます。


▽「作家のなだいなださん死去」

 47news(共同通信)=2013年6月9日

 http://www.47news.jp/CN/201306/CN2013060901001599.html

 「パパのおくりもの」や「老人党宣言」などユーモアと風刺に富んだ著作で知られる作家で精神科医のなだいなだ(本名堀内秀=ほりうち・しげる)さんが6日死去していたことが9日、分かった。83歳。東京都出身

 1953年に慶応医学部を卒業。医師として病院に勤める傍ら、幅広い文筆活動を展開した。

 「海」や「トンネル」などで計6回芥川賞候補となったが受賞は逃す。65年のエッセー「パパのおくりもの」で注目を浴びた。独自の平和論を展開した「権威と権力」、専門医の立場でアルコール依存症の問題を扱った「アルコール中毒―社会的人間としての病気」など、多くの著書を残した。

 昨年末の衆院選のころ、老人党のことが毎日新聞のインタビュー記事で大きく取り上げられていました。当時、わたしはこのブログに新聞各紙の選挙報道の記録を掲載中で、毎日新聞の記事のことも書き留めています。

※参考過去記事 「9条護り平和へ攻める『老人党』」〜毎日新聞「今、平和を語る」なだいなださん(2012年12月11日)

 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20121211/1355159201

 なだいなださんはインタビューで、目指すべきは「強い国」ではなく「賢い国」の方がいいと指摘し「平和の大切さも失われたときに初めてわかる。老人党の僕は、戦前と戦後を知っているから、このことだけは断言できる。平和はいい。老人党は今後も常識の党であり続けたい」と語っていました。今の社会情勢をどんな風に見ているか、もっと聞いてみたかったと思います。ご冥福をお祈りいたします。

※老人党 http://6410.saloon.jp/

2013年-06月-05日

憲法メディアフォーラム 第8回シンポジウム「アブナイ”改憲騒動” あやうい改憲報道」6月15日に東京で

 イベントの紹介です。

 新聞労連民放労連出版労連、印刷や映画・演劇、音楽家、電算の産別労組でつくる日本マスコミ文化情報労組会議(略称MIC)と日本ジャーナリスト会議(JCJ)が共同で運営しているサイト「憲法メディアフォーラム」が、ことし4月で開設8周年を迎えました。毎年1回、時宜にかなったテーマでシンポジウムを開催しており、ことしは6月15日に東京で開催されます。

 ※憲法メディアフォーラム http://www.kenpou-media.jp/

主催:MIC×JCJ

憲法メディアフォーラム 第8回シンポジウム

アブナイ”改憲騒動”

あやうい改憲報道

「憲法96条改正」で、熱に浮かされているようにはしゃぐ政界。その”改憲騒動”に巻き込まれ、あるいはそれを煽っているようなメディア。危機にさらされている憲法の本質を見つめ直し、報道の現場の声も交えて検証します。


日時:6月15日(土)13:30〜16:30

会場:明治大学リバティタワー2階1021号室

JR御茶ノ水駅お茶の水橋口から徒歩3分

会費:1,000円(学生500円)


基調講演:「改憲問題がはらんでいるもの」

 奥平康弘・東大名誉教授(憲法学


パネルディスカッション

パネリスト

奥平康弘・東大名誉教授

倉重篤郎・毎日新聞専門編集委員(前論説委員長)

徃住嘉文・北海道新聞東京報道センター編集委員

コーディネーター

米倉外昭・MIC幹事(琉球新報労組)

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※チラシのPDFファイルダウンロードできます

20130615憲法メディアフォーラムシンポ.pdf 直

2013年-06月-04日

【憲法メモ】5月23日〜6月3日:桂敬一さん「だれが牧伸二を死なせたか―時代を映し出せなくなったメディア」ほか

 憲法に関連した論考やニュースで目に留まったものをまとめた【憲法メモ】です。


▽桂敬一さん「だれが牧伸二を死なせたか―時代を映し出せなくなったメディア」(NPJ通信=2013年5月23日)

 http://www.news-pj.net/npj/katsura-keiichi/20130523.html

 ウクレレ漫談で知られる牧伸二さんが4月29日死去しました。報道では、多摩川に身を投げたと伝えられています。享年78。1960(昭和35)年生まれの私にとって、子どものころによくテレビで見かけた、その限りで親しみのある存在でしたが、この桂敬一さんの論考で、ニュースとしてのウクレレ漫談、メディアとしての「牧伸二」という見方に気付かされました。マスメディアの現状への疑問の提示であり、問題提起です。

 相当の長文ですが、読み応えがあります。

 司会の牧伸二自身が、ウクレレを爪弾きながら登場、例の 「やんなっちゃった節」 の新作を、鼻歌の乗りでいくつか紹介、番組の気分を盛りあげるのが慣わしだったが、その多くが政治や社会の出来事を風刺するもので、それはニュース性豊かなものだった。「ビルが建つよ、道路ができる/高速道路のその裏側で/スピードアップは汚職です/オーショク(汚職?)人種じゃ無理もない/ああ、ああ、やんなっちゃった/ああ、ああ、驚いた」。最初の4つの区切りがそれぞれ1行で、4行詩(ソネット)だ。それにどの作にも 「ああ、ああ、やんなっちゃった」 のリフレインがつく。高度成長で会社が大いに潤い、その余滴が社員にも回り、マイカー、マイホームにありつける人も増えていった。ところが、安月給のわが家は、高度成長の余恵とは無縁だった。「公約すぐに忘れちゃう/政治家やはり呆けてるか/いえいえ呆けていませんよ/上に 「と」 の字がついてるよ」。列島改造計画といっても、こちらにはピンと来ない。政治家の汚職の大型化ばかりが鮮烈に思い出される。牧伸二は、時代に流される国民大衆の軽佻浮薄にも、遠慮のない裸の眼を向けた。「フランク永井は低音の魅力/神戸一郎も低音の魅力/水原弘も低音の魅力/牧伸二は低能の魅力」。だが大衆を、ただ冷たく突っ放すのでなく、自分をも茶化す眼差しがそこにはあり、それが優しさを保証していた。後のたけしのようには、シニシズムに陥らなかった。

(中略)

 今、なぜ牧伸二亡きあとの 「牧伸二」 がいないのか。そのことを牧伸二本人が、一番口惜しく思っていたであろう。亡きがらは川面の上に浮かんだが、魂魄はまだ川底にあり、浮かばれないのではないか。彼の死後、自殺の原因は経済的な行き詰まりか、自分が会長を務める演芸人の会の預かり金の使い込みか、といった話題がメディアの続報では飛び交った。だが、これも情けない。そんな詮索より、エンタテインメント番組が全部、巨大プロダクションの仕切るものとなり、タレントは金太郎飴の顔ぶれ、いつも似たようなおちゃらけばかりといった、報道機関の息吹とは無縁な状態に陥ったところに、本当の原因を探るべきではないのか。明治民権運動の時代、民衆のなかで川上音二郎らは 「オッペケペー歌」 など、壮士演歌を創った。大正の初め、桂陸軍大将内閣が出現すると、憲政擁護運動の勢いが強まり、演歌師添田唖蝉坊は 「マックロ節」 などで底辺大衆の怒りを表し、昭和の民衆に歌い継がれる演歌を定着させた。その流れのなかで戦後にもつづく石田一松の 「ノンキ節」 が生まれてラジオでも歌われ、さらにその遺伝子は、三木鶏郎によるNHK番組 「日曜娯楽版」 の数々の歌にも受け継がれていった。牧伸二も高度成長の中、そうした批評精神と風刺の技を、メディアのうえで発揮してきたのだ。メディアは、彼の冥福を祈ろうとするのなら、「3・11」 と安倍改憲政権出現という、かつてない大きい政変のただ中、この時代に相応しい批評性と、“悪役” の骨の髄まで突き通す鋭い風刺を、みずからの武器として取り戻す必要があるのではないか。

 あらためて牧伸二さんのご冥福をお祈りいたします。


沖縄タイムス「橋下氏の風俗業活用進言 謝罪・撤回で済まぬ」(2013年5月27日)

 http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-05-27_49737

 沖縄タイムスの平安名純代・米国特約記者の署名記事です。

 「まったくばかだと思うと私は何度も言ったんだ。車を借りるカネで女を得ることもできたのだから」

 1995年11月17日。同年9月に県北部で発生した3人の米兵による集団暴行事件について、クリントン大統領(当時)が予定していた謝罪会見のわずか数時間前、その問題発言は飛び出した。

 首都ワシントンで国防担当の記者団を前にした朝食記者会見も終わりに近づき、緊張から解放されたのだろう。リチャード・マッキー太平洋軍司令官(当時)がポロッと本音を漏らしたのだ。

(中略)

 マッキー氏が辞任に追い込まれたのは、軍を統率する指導者としての資質が欠如していただけではない。明らかに人権を侵害し、犯罪であるレイプと、性欲を満たす買春とを同一線上で捉えた発言は、公的な立場に立つ人間として、謝罪や撤回で許されないレベルのものだったからだ。

 日本維新の会橋下徹共同代表(大阪市長)は25日、在沖米軍に風俗業の活用を進めた自身の発言について、「米軍や米国民」に謝罪し、発言を撤回する意向を表明した。

 橋下氏がまず謝罪すべきは、在沖米軍の性犯罪の被害者や沖縄県民だ。われわれを愚弄(ぐろう)し、尊厳を傷つけた人間が公的立場に居続けることは、人権侵害を誘発・助長する可能性をも容認することにもつながる。断じて許してはならない。

 わたしも、橋下氏の発言を従軍慰安婦と風俗業の活用とに分けて考えるべきではないと思います。2つの発言の根はつながっていると感じます。

 橋下氏の政治手法の特徴の一つは「民意を代表しているのは自分」とことあるごとに強調することです。であるからこそ、この記事は「政治家橋下徹」を生み出した大阪有権者に読んでほしいと思います。


北海道新聞自民OB改憲を危惧 『赤旗』に登場し批判 講演『右へ右へ心配』」(2013年6月2日)

 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/470720.html

 ほかにも同種の記事を見かけますが、ここでは北海道新聞の記事を紹介します。

 3年前の自民党から民主党への政権交代を実現させた衆院選の当時、大敗した自民党の、その中で当選して残った政治家の顔ぶれをみながら、戦後保守の穏健層の流れを汲む人たちが本当に少なくなったとの印象があり、自民党が極右化するのでは、との危惧を持っていました。実際には自民党を上回って日本維新の会が極右志向を強めていますが、あの当時抱いていた危惧は消えていません。

 戦争を知らない後続世代は戦争そのものを同じように実体験することはできませんが、先行世代の経験談に耳を傾け、イメージを頭の中に描いて追体験を試み、教訓を継承することはできるはずです。そのためにマスメディアができることも少なくないと思います。

 「憲法改悪は許さない」。古賀誠幹事長野中広務官房長官ら自民党の大物国会議員OBが「護憲」で奮起している。講演やインタビューを通じ、安倍政権が意欲を示す憲法改正の発議要件を定めた96条や平和主義をうたう9条の改正論を批判。戦中時代を生き、かつて「ハト派」と呼ばれた重鎮たちは国会から去った今も、歯止め役がいない改憲論議に警鐘を鳴らす。

 「96条改正は絶対やるべきではない」。古賀氏は5月、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」のインタビューで、憲法改正の発議要件を緩和する96条改正を真っ向から批判した。

 インタビュー記事の掲載は6月2日付の日曜版。自民党元幹部が赤旗に登場するのは異例だ。過去にインタビューに答えたのはごく少数で、09年の野中氏、今年1月の加藤紘一元幹事長ら党内ハト派の論客たちが並ぶ。

(中略)

 自民党幹部が「もはや党内の『護憲派』はいない」とまで言い切る現実に、重鎮たちの危機感は募る。

 野中氏は現在、全国各地を講演に回り、「参院選が済んだら憲法改正、国防軍とかいう発言もあり、日本が右へ右へと行くのではないかと心配している」と訴える。


信濃毎日新聞社説表現の自由 過ち繰り返さぬために」(2013年6月2日)

 http://www.shinmai.co.jp/news/20130602/KT130601ETI090003000.php

 現憲法が保障している国民の諸権利の中でも、とりわけジャーナリズムに重要なのは21条の「表現の自由」です。「知る権利」も「取材の自由」も憲法の文言には直接記載がありませんが、この21条に根拠があります。新聞が何はさておいても「表現の自由」を守る、自らの取材報道だけでなく、社会に広く「表現の自由」が担保されている状態を守ることは、社会的な責務であるだろうと思います。この信濃毎日新聞の社説を読みながら、あらためてそんなことを考えました。

 前半部分を引用します。

 今の憲法の21条と明治憲法大日本帝国憲法)29条を読み比べてみる。言論や結社の自由について定めた条項である。

 まず、今の憲法。

 「集会、結社および言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」

 明治憲法ではこうなっていた。

 「日本臣民は法律の範囲内において言論著作印行集会および結社の自由を有す」

 違いはどこにあるか。気づくのは、明治憲法には「法律の範囲内」との制約があることだ。一見さしたる違いには見えない。

   <空洞化の歴史>

 しかし当時の政府はこの規定に基づき、新聞紙条例、出版法、映画法などメディア各分野を規制する規則や法律を定めていった。その内容は、例えば新聞紙条例はペンネームで記事を書くことを禁止、筆者の住所、氏名を明記することを原則とした。人を教唆、扇動する記事の掲載も禁じた。

 この規定により、政府は自分に都合の悪い記事の掲載を差し止めることができるようになった。言論の自由の空洞化である。

 1941年3月の治安維持法全面改正は言論弾圧の総仕上げとなった。表現の自由は最終的に息の根を止められた。

 向かった先が同年12月の日米開戦である。世界で何が起き、日本がどう見られているか知らされないまま、国民は破局へと駆り立てられていった。メディアはその一翼を担った。

 新聞やラジオ、映画がかつて戦争遂行に協力したことは、いまメディアで働く私たちにとって忘れてはならない歴史である。

 <規制色濃い自民案>

 現行憲法では、表現の自由は絶対の権利として保障されている。教育を受ける権利や居住の自由を定めた条項に付けられている「公共の福祉に反しない限り」「法律の定めるところにより」といった留保条件は一切ない。

 自民党の改憲草案ではどうか。

 「集会、結社および言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する」。ここまでは現行憲法と変わらない。問題はこのあとだ。

 「前項の規定にかかわらず、公益および公の秩序を害することを目的とした活動を行い、ならびにそれを目的として結社をすることは、認められない」

 見方によっては、言論規制の色彩は明治憲法以上に濃い。

 この後、憲法が表現の自由を手厚く保護している理由を、メディアの取材源の秘匿をめぐる最高裁判例を挙げながら解説し、自民党の改憲草案に国防軍創設が盛り込まれていることに対し、「政府が機密指定する情報は、国民の目の届かない場所で取り扱われることになるだろう。軍人の犯罪は裁判官検察、弁護側のすべてが軍人で構成される法廷(軍法会議)で裁かれる。国会には秘密会が設けられるかもしれない」「国防軍創設は国民の知る権利を掘り崩し、国民主権を危うくする可能性が高い。表現の自由の観点からも賛成できない」と結んでいます。


目取真俊さん「沈みゆく泥船」(ブログ「海鳴りの島から」2013年6月3日)

 http://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/ea7aaafea1622c9902240ad18c764e86

 日々の更新記事から学ぶところが多い、沖縄県名護市在住の作家目取真俊さんのブログです。目取真さんはわたしが新聞労連委員長当時、沖縄で開催した新聞研究集会に講師として参加いただきました。その際に目取真さんが発した「かつてそれでもヤマトマスコミには沖縄への負い目があった。それすら消えた」との言葉は今も耳に残っています。

※参考:新聞労連委員長だった当時に運営していたブログ記事です。目取真さんに参加いただいた集会のリポートも含んでいます。

 ニュース・ワーカー(旧ブログ)「沖縄で『在日米軍再編』報道を考えた」2006年2月13日

 http://newsworker.exblog.jp/3523538


日比野敏陽さん「憲法問題に『客観』『中立』はありえない」(法学館憲法研究所「今週の一言」2013年6月3日)

 http://www.jicl.jp/hitokoto/backnumber/20130603.html

 日比野さんは京都新聞記者で、現在は休職して新聞労連委員長、日本マスコミ文化情報労組会議議長。かつての私のポジションです。

 自民党改憲案は21条に第2項を新設し「公益及び公の秩序を害することを目的とした」活動や結社の自由を抹殺しようとしている。「公益及び公の秩序」は国が決め、それに反する表現や結社は取り締まるとなれば、政府や政権政党への批判が困難になることは確実だ。警察や防衛、外交などの分野で権力を告発するスクープも生まれなくなるだろう。新聞や雑誌には提灯記事ばかりがあふれかえることになる。そんなメディアに商品価値はないから私たちはたちまち読者を失ってしまう。

 自民党改憲案はメディア、ジャーナリズムと相容れる要素はまったくない。それでもこれまで通りの両論併記、客観報道に徹しようとするなら、それは自殺行為にほかならない。私はいま、新聞労連やマスコミ関係の労組でつくる「日本マスコミ文化情報労組会議」(MIC))などの集会では必ずこう呼びかけている。

 多様な意見、ものの見方を紹介することはマスメディアのジャーナリズムの基本的な役割であり、責任でもあるのですが、こと憲法21条の「表現の自由」に限っては、マスメディアは当事者としての責任を自覚するべきだと私も思います。

2013年-06月-03日

伝わったのは人権感覚や人間観〜毎日新聞大阪編集局長の橋下氏への反論

 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長従軍慰安婦・風俗業発言問題は動きが続いています。

 橋下氏は5月27日に東京日本外国特派員協会記者会見し、持論をあらためて述べるとともに、自らの発言の影響で、参院選で日本維新が敗北すれば、共同代表を辞任することもありうるとの考えを示しました。翌28日には、6月中旬に計画していた訪米を断念。米国では発言への反発が続き、面会調整も難航が伝えられていました。「議会の意見などを総合的に判断し、中止と決定した」と表明しました。

 大阪市議会では、自民民主共産の市政野党に、ふだんは維新と共同歩調を取る公明も加わり、29日から橋下市長に対する問責決議案提出の動きが進みましたが、30日午前になって日本維新の会幹事長松井一郎大阪府知事が「問責は不信任と同じ」として、問責決議案が可決された場合は橋下氏が市長を辞職して、参院選と同日に出直し市長選を行うことになるだろうと発言。市長選を避けたい公明の離脱で、問責決議案は否決されました。

 この間の大阪発行の新聞各紙(朝日、毎日、読売、産経、日経)と京都新聞神戸新聞の報じぶりを、備忘を兼ねてまとめておきます(後掲、全国紙は大阪本社発行の最終版)。

 目を引いたのは、従軍慰安婦についての発言をめぐり橋下氏がメディア誤報と主張していることに対し、朝日新聞が5月29日付朝刊で、毎日新聞も同30日付朝刊で反論を掲載したことです。

 朝日は大阪本社の井手雅春社会部長名で、5月13〜14日の報道の経緯を振り返った上で以下のように記しています。反論と言うよりは、説明かもしれません。記事の一部を引用します。

 橋下氏は「14日の見出し」を「誤報」とした。14日付朝刊(大阪本社最終版)の記事の見出しは「『慰安婦は必要』波紋 橋下氏発言」となっている。前日夕刊の報道を踏まえ、橋下氏の発言に市民団体やNGO関係者の反発が広がっていることや識者の見解などで構成されている。同時に、13日午前の橋下氏の発言の全体の文脈がわかるよう、約630字にわたって発言要旨を掲載した。

 橋下氏が「誤報」とした記事の見出しは、13日の発言が影響を広げている状況を客観的に表現したものだ。「誤報」の指摘はあたらない。

 毎日新聞の反論は大阪本社の若菜英晴・編集局長名で、全文が毎日新聞のサイトにアップされています。

 ※慰安婦発言「誤報」の主張:橋下氏に反論する=大阪本社編集局長 若菜英晴(2013年5月30日)

 http://mainichi.jp/select/news/20130530mog00m040001000c.html

 若菜編集局長は13日以降の経緯を振り返り、毎日新聞が14日付朝刊に掲載した13日のやり取りを橋下氏がツイッターで「かなりフェアに発言要旨を出している。毎日の一問一答がある意味全て」と評価しながら、17日になって「誤報」を言い出したことを指摘して以下のように書いています。少し長くなりますが、共感するところが多いので引用します。

 橋下氏は「メディアは一文だけ聞いてそこだけ取る」「文脈をきちっと取って報道すべきだ」と言う。では、14日の一問一答全体や文脈から何が伝わったのか。沖縄地方紙琉球新報の18日社説はこう書いている。

 「『海兵隊の猛者の性的エネルギーをコントロール』するはけ口として、生身の女性をあてがおうとする発想そのものがおぞましいのだ」「(戦時中)『慰安婦制度が必要なのは誰だって分かる』と述べたが、『分かる』はずがない」「沖縄の代弁者であるかのように装うのはやめてもらいたい」。同感である。

 橋下氏は後に「風俗業発言」は撤回したが、文脈から伝わったのは、従軍慰安婦問題の見解や歴史認識以前の、橋下氏の人権感覚、人間観ではないだろうか。国内外に批判が広がったのもこの点にある。「報道で正反対の人物像・政治家像が流布してしまった」と橋下氏は言う。しかし、流布した原因は橋下氏の発言、言葉そのものにある。報道批判は責任転嫁だ。ましてや、「日本人の読解力不足」との指摘はあたらないし、「他国も同じようなことをした」との主張は論点のすりかえと映る。

 「バカ」「頭が悪い」……。橋下氏はツイッターで毎日新聞や批判的なメディアに対してこのような言葉を繰り返しぶつける。これにはいちいち反論もしないが、政治家であるならば、冷静で吟味された言葉で語るべきだ。荒っぽい言葉を「本音」ともてはやすことは、人を傷つけるだけでなく、国益も損なうことを今回の問題は示している。.

 若菜編集局長が引用している琉球新報の18日社説は、このブログでも紹介しました。半月たった今、読み返しても、論点が整理された分かりやすい橋下氏発言批判だと感じます。

 ※【憲法メモ】5月13日〜21日:琉球新報:社説「橋下氏釈明 認識の根本が誤っている」ほか=2013年5月22日

  http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20130522/1369153201

 ただ、メディア側がどんなに反論しようが、橋下氏は慰安婦に関する発言はメディアの大誤報との主張を続けるでしょう。以前にも書きましたが、13日の発言は動画もネット上に残っています。今後は、橋下氏の一連の発言をトータルで社会の人たちがどう受け取り、どう解釈するか、どう評価するかの問題なのだと思います。

▽5月28日付朝刊=橋下氏が特派員協会で記者会見

【朝日】

1面「橋下氏 重ねて持論主張」「海外メディアに 慰安婦発言 撤回せず」

2面「橋下氏、慎重に釈明」「言葉選び2時間半」「外国特派員協会会見」/「各国メディア、冷静に分析」「謝罪 窮地だから・論点ずらし」/「与野党からも距離置く発言」/とはもの「河野談話」「在沖米軍と犯罪」/表・発言の変遷/橋下氏会見の要旨

社会面トップ「『橋下節』封印 真意は」「会見 やりとり無難」/「『細部は歴史学者に』貫く」現代史秦郁彦氏/「口先だけの反省 不誠実」中央大教授 吉見義明氏/「欧米は到底納得しない」元外交孫崎享氏/「日韓の対立と混迷深めた」世宗大教授 朴裕河

【毎日】

1面トップ「橋下氏強弁 2時間半」「『慰安婦 容認と誤報された』」「特派員協会で釈明」

3面クローズアップ「論点すり替え 矛盾露呈」「外相『悪印象が心配』」「友党・公明も批判 大阪府議会」/都構想を目指す市政運営も難航/表・発言の変遷、表・従軍慰安婦をめぐる経緯

5面「『慰安婦報道 真意と逆』」「『米英も女性利用 歴史的事実』」「橋下氏会見 一問一答」

社会面トップ「『責任逃れだ』『回答が不明瞭』」「特派員が批判」「『丁寧な答え』評価も」/「『米より沖縄に謝罪を』」/「『ずうずうしい』韓国与党が非難」/「『極めて不適切』大阪弁護士会

社説「橋下氏の説明 本質そらす責任転嫁だ」

【読売】

1面「参院選敗北なら辞任も」「慰安婦発言 橋下・維新代表が示唆」

4面(政治面)「『河野談話』逃げている」「橋下共同代表が強調」「慰安婦『日韓共同で事実確認を』」/橋下共同代表の記者会見要旨

社会面トップ「釈明2時間半 評価二分」「かみあわない議論」「丁寧対応は好印象」/「一連の発言 注目集める思惑も」/「『ざんげ』効果は疑問」現代史家の秦郁彦氏の話/「発言 守りの姿勢」ベストセラー「人は見た目が9割」の著者で、劇作家竹内一郎宝塚大学教授の話/表・橋下氏のこれまでの発言

【産経】

1面「参院選敗北なら代表辞任も」「河野談話『肝腎な論点曖昧』」

5面(政治面)「橋下氏発言 女性8割が嫌悪感」

7面(国際面)「韓国『協議に日本応じない』」「橋下氏の『慰安婦』国際司法提訴案」

第2社会面「『反省 評価する』」「『信用性あるか』」「橋下氏会見 特派員賛否割れる」

第3社会面・橋下氏会見要旨

社説(「主張」)「慰安婦問題 不当な日本非難に反論を」

【日経】

4面「維新、収まらぬ混乱」「共同代表 選挙次第で辞任示唆」「慰安婦発言、橋下氏撤回せず」

社会面「海外記者『パフォーマンスだ』」「『謝罪は評価』の声も」

京都

1面「参院選次第 代表辞任も」「慰安婦発言 影響認める」「橋下氏会見」

3面・表層深層「『真意』説明 冷たい視線」「進退も言及、窮地に」「維新地方議員 落胆『士気下がる』」/「釈明『ずうずうしい』」「韓国与党が非難の論評」/「日韓高官会談『難しい』韓国外相」/表・発言問題の経過

5面・橋下氏の会見要旨

神戸

1面「橋下氏 代表辞任に言及」「慰安婦発言響き 参院選 維新敗北なら」

7面「日韓高官会談『難しい』」「韓国外相 橋下氏発言を批判」/「中韓非難、米は肯定的」「橋下氏会見で各国メディア」/橋下氏記者会見要旨

社会面トップ「『批判回避』思惑狂う」「外国人記者『焦点ぼかした』」「進退言及で より窮地に」

 外国特派員協会での記者会見に対しては、各紙とも特派員の受け止め方を紹介しています。興味深かったのは、いいにつけ悪いにつけ、橋下氏がもともと弁護士であることを踏まえた評価が少なからずあったことです。「彼はいい弁護士かもしれないが、今日の話では国際的には誰も納得しない。政治家としては失格だ」(ドイツ紙フランクフルター・アルゲマイネ東アジア特派員カーステン・ゲアミス記者=朝日記事)、「論点をすり替えようとしている印象を受けた。まさに弁護士だなと思った」(韓国の日本情報サイト「JPニュース」リ・ジホ記者=毎日記事)、「もともと弁護士の橋下氏は、普通の政治家に比べて記者会見がすごく上手」(デンマーク紙のトーマス・ホイ・デイビッドソン記者=産経記事)などです。

▽5月29日付朝刊=橋下氏が訪米断念

【朝日】

1面「橋下市長、訪米を断念」「発言への批判受け」

4面「橋下氏、反転苦しく」「訪米断念 面会次々拒まれ」/「女性議員、橋下氏発言に抗議」「特派員向け会見」

第2社会面「『誤報』の主張『認識の違い』」「慰安婦発言めぐり橋下氏」/「『誤報』の指摘あたらない」大阪本社社会部長 井手雅春

【毎日】

1面「橋下市長 訪米断念」「慰安婦発言 批判かわせず」

5面「『外交力』発信 思惑外れ」「維新 泥沼化回避へ歓迎も」/在日米軍司令部 謝罪を受け入れ」/「『歴史に反省を』中国外務省」

社会面「『自らまいた種 なぜ』」「『公費でキャンセル料』明言」

【読売】

1面「橋下氏、訪米断念」「慰安婦発言」

【産経】

第2社会面「橋下氏『総合判断で決定』」「来月の米視察中止を表明」/「内外から批判“外堀”埋められ」

【日経】

4面「橋下氏、訪米を中止」「慰安婦問題 混乱回避を優先」

社会面「『判断遅い』『自費弁済を』」「市議から批判の声」

【京都】

1面「橋下氏、訪米を断念」「慰安婦発言 反発止まず」

第2社会面「橋下氏、事態収拾に失敗」「『面会が難しい状況なので』」

【神戸】

1面「橋下氏が訪米断念」「慰安婦発言反発受け」

社説「橋下氏の釈明 責任転嫁では解決しない」

▽5月30日付朝刊

【毎日】

社会面:慰安婦発言「誤報」の主張:橋下氏に反論する=大阪本社編集局長 若菜英晴

▽5月31日付朝刊=市議会で問責決議案否決

【朝日】

1面「橋下市長の問責否決」「大阪市議会 公明、反対に転じる」

社会面トップ「問責 党略の攻防」「局面打開を探る 維新」「市長選避けたい 公明」/「市政停滞 揺らぐ足元」/「6月中旬に訪米 松井知事が表明」

【毎日】

1面トップ「橋下市長の問責否決」「出直し選回避 公明が反対」「大阪市議会」

5面「公明 参院選への影響懸念」「同日選 維新票伸び恐れ」

6面「橋下氏発言を非難 撤回・謝罪求める」「ノーベル平和賞受賞の女性5人」

社会面トップ「市議会 乱れた歩調」「橋下市長『瀬戸際戦術』奏功」/「市政停滞 続く不信」/「党利党略だ・出直し選挙を・責任追及は不要 市民ら」/「米国へ予定通り 松井知事視察へ」

【読売】

1面トップ「橋下市長問責を否決」「公明が反対 出直し選は回避」「慰安婦発言 橋下氏、市民に陳謝」

社会面トップ「参院選控え 苦肉の策」「市議会 揺さぶられ」/「発言 国内外で波紋」

第2社会面「二足のわらじ 裏目」「橋下市長 求心力低下 市政停滞」/橋下市長に対する問責決議案全文

【産経】

1面トップ「出直し市長選 回避」「橋下氏の問責否決」「公明が一転 独自案」/「窮地脱出も改革の前途多難」

3面「橋下・松井氏 けんか上手」「『出直し選』カード効果」/「公明譲歩 同日選は想定外」/「松井知事 予定通り訪米」「『誤解を解きたい』」

社会面トップ「『脅し』に議会ドタバタ」「他会派、足並み乱れ軋轢」/「橋下氏『出直し選 公には言ってない』」/「発言せず逃げ道作る」「慰安婦で問責 筋違い」「識者こう見る」

【日経】

4面「橋下市長の問責否決」「出直し選 可能性否定 橋下氏」

社会面トップ「問責騒動 市民置き去り」「『出直し選』発言 野党を揺さぶる」/「橋下氏『重く受け止める』」「慰安婦発言は撤回せず」/「『問責』と『不信任』法的拘束力に違い」/「松井府知事は来月に訪米へ」

【京都】

1面トップ「橋下氏の問責案否決」「公明、一転して反対」「出直し市長選回避」

3面「維新『奇策』中央に波紋」「連携視野 自民は不信感」「問責決議案に反対 公明は同日選憂慮」/「続く苦境、切り札に温存」

社会面トップ「市民不在のドタバタ劇」「調整遅れ議会空転」「傍聴席『ばかにするな』」/「橋下氏、強気の姿勢」「『問責は対話を打ち切る最後通告』」

【神戸】

1面トップ「出直し大阪市長選回避」「橋下氏の問責否決」「公明が一転反対」「慰安婦発言 陳謝も撤回せず」

2面「維新『奇策』に与野党反発」「連携視野の自民も不信感」

社会面トップ「橋下流に大阪市会屈す」「切り札示され腰砕け」「市民ら『ばかにするな』」/「この話はもう終わり 橋下氏」