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2016年-04月-05日

電話世論調査、携帯も対象に―内閣支持率50%(読売)

 読売新聞が毎月実施している電話世論調査の方法を変更しました。4月4日付の紙面(東京本社発行最終版)に「おことわり」の記事を掲載しています。変更点の一つは、今までは固定電話だけに電話をかけていましたが、今後は携帯電話の番号にもかけること。もう一つは、18歳選挙権の導入を前に、対象者を今までの「20歳以上」から「18歳以上」に広げたことです。「おことわり」によると、ことし1月から2月にかけて実施した郵送調査では、自宅に固定電話がなく、携帯電話だけを持っている人が14%いたとのことです。固定電話利用者と携帯電話利用者で回答の傾向が異なる設問があるのかどうかは分かりませんが、携帯電話しか使わない人たちが無視できないくらい増えている、と判断したのだと思います。

 4月1日から3日にかけて実施した調査では、固定電話では891世帯の中から526人、携帯電話では応答のあった1346人の中から584人の計1110人から回答を得たことを明らかにしています。回答率は固定59%、携帯43%。固定電話、携帯電話のそれぞれの母数である「891世帯」「1346人」がそれぞれどのような考え方に基づく数値なのかは不明です。

 マスメディアの電話世論調査をめぐっては、固定電話だけを対象としていることに対して、携帯電話の普及の広がりから見て、世論を正確に反映しているのかとの疑問が少なからずあったようです。このブログの備忘記録から漏れていますが、先日は朝日新聞がそうした読者の疑問に答える形式の記事で、回数は少ないけれども訪問面接で行う世論調査の際に、携帯電話所有者の回答と固定電話世帯の回答を比較して、差がないことを確認している、との趣旨の見解を明らかにしていました。今回の読売新聞の変更に、朝日新聞をはじめとして、ほかのマスメディアも追随するのでしょうか。


 さて、今回の読売新聞の調査結果のうち、目に付いたものを書きとめておきます。内閣支持率は50%、不支持は38%。3月4〜6日の前回は調査方法が異なりますが、支持率49%、不支持40%でした。

安倍内閣経済政策を、評価しますか、評価しませんか。

 ・評価する 39%

 ・評価しない 49%

 ・答えない 12%

▼安倍内閣のもとで、景気の回復を、実感していますか、実感していませんか。

 ・実感している 18%

 ・実感していない 77%

 ・答えない 5%

▼あなたは、集団的自衛権の限定的な行使を含む、安全保障関連法を、評価しますか、評価しませんか。

 ・評価する 38%

 ・評価しない 49%

 ・答えない13%

民主党と維新の党が合流して発足した民進党に、期待しますか、期待しませんか。

 ・期待する 31%

 ・期待しない 60%

 ・答えない 9%

2016年-03月-27日

「改憲必要」多くても半数ちょっと? 民意は憲法と冷静に向き合っている

 一つ前の記事で、共同通信社と加盟社の日本世論調査会が2月に面接方式で実施した世論調査結果を一部紹介しましたが、その後、読売新聞社が郵送で実施した「憲法」についての世論調査結果を3月17日付の朝刊で報じました。日本世論調査会の調査でも憲法改正についていくつか質問がありました。この機会に、この二つの調査で共通の質問を中心に、結果から憲法をめぐる世論についてどういうことが読み取れるか考えてみました。

憲法改正の必要性―少なめに見ても「改憲」志向は半数を占める? 多くても半数ちょっと?

 憲法改正について日本世論調査会の調査では、「どちらかといえば」を含めて「改正する必要がある」が54・5%で「改正する必要はない」の40・0%を上回り過半数に達しています。対して読売新聞社の調査では「改正する方がよい」49%に対し「改正しない方がよい」50%と拮抗しています。そもそも質問自体が漠然としていますが、調査によって回答に幅がある、結果に差があるようです。「改憲」意見は少な目に見ても半数を占める、とも言えそうですし、多くても半数ちょっと、とも言えるかもしれません。

憲法改正が必要な理由―6割超が「時代の変化」

 日本世論調査会の調査では「憲法の条文や内容が時代に合わなくなっているから」が最多、読売新聞社では「時代の変化に憲法の解釈や運用だけで対応すると混乱するから」が最多でした。ともに60%を超えています。

改正しない方がいい理由―平和憲法軍事大国化を防いでいる

 日本世論調査会の調査では「戦争放棄を掲げ平和が保たれているから」が最多、次いで「改正すれば『軍備拡張』につながる恐れがあるから」で合計で67%に上ります 。読売新聞社は複数回答可で最多は「世界に誇る平和憲法だから」60%、「改正すると軍事大国への道を開くおそれがあるから」45%の順です。憲法改正は必要ないと考えている人たちのうち多数は、平和憲法が軍事大国化を防いでいると考えているとみていいと思います。

9条改正―必要と考える人は4割弱だが、第2項に限れば「改正が必要」「必要ない」は拮抗

 戦争放棄と戦力不保持を定めた憲法9条に対しては、日本世論調査会の調査では「改正する必要があると思う」38・0%に対し、「必要はないと思う」は56・7%に上り、差が付きました。読売新聞社の調査では、解釈や運用を含めた三つの選択肢から選ぶ方式で、「解釈や運用で対応するのは限界なので、第9条を改正する」は35%でした。9条の改正を必要と考える人は4割弱とみていいかと思います。読売新聞社の調査はさらに戦争放棄の第1項と戦力不保持の第2項に分けて尋ねています。第1項は「改正の必要はない」が82%で圧倒。第2項は「必要がある」「ない」が48%で拮抗しています。

緊急事態条項―世論は「改憲」が最善と考えているとは必ずしも言えない

 安倍晋三首相が憲法改正の最初のテーマとして意欲を見せていると伝えられるのが、災害時や有事の際の政府や首相の権限などを定めた緊急事態条項です。日本世論調査会の調査では「改憲の優先項目」としていることに賛成51・0%、反対37・4%と、半数は好意的でした。読売新聞社の調査では、緊急事態の際のありようをどういう形で決めるのがよいかという質問です。回答は「憲法は改正しないで、政府の責務や権限を明記した新たな法律を作る」が52%を占めました。緊急事態への備えは改憲が最善とは必ずしも考えてはいない、ということが言えるのではないかと思います。


 安倍晋三首相が現行の日本国憲法米国による押し付けとの憲法観を持ち、中でも9条の改正に強い意欲を持っていることはよく知られています。しかし、世論調査の結果からは、民意は憲法改正を強く求めているとまでは言えないように思えます。首相は「憲法を国民の手に取り戻す」と口にしますが、わたしは個人的には、民意は憲法に対しては安倍首相よりもよほど冷静に向き合っているという印象を持っています。

 安倍晋三首相はひところ、国会答弁などでも盛んに憲法改正を口にし、3月2日の参院予算委員会では、首相在任期間中に憲法改正を成し遂げたい、とまで口にしました。その後、あまり口にしなくなった観があります。翻って2014年末の衆院選を想い起こすと、衆院解散の大義名分は消費増税の実施先送りであり、安倍首相は選挙戦でも最大争点は経済政策アベノミクス」としながら、選挙で圧勝した後は、選挙戦で公約の前面に掲げていたとは決して言えず、世論も支持していない安全保障法制をひた押しに押して、国会の議席の数を頼んで通しました。

 現在、7月に参院選が実施されるのが確定的な状況で、衆院選との同日選挙の可能性が浮上していると報じられています。大義名分はまたもや消費増税の先送りかもしれません。安倍首相は憲法についても、ひところの饒舌を納めたままで選挙に臨むかもしれません。しかし、安全保障法制の先例からみても、また首相在任期間中にと一度は明言したことからみても、同日選挙であろうとなかろうと、仮に衆参両院で改憲勢力の議席数が、憲法改正を発議できる「3分の2」を確保することになれば、以後は安倍首相は憲法改正にひた走ることが十分に予想されます。ですから、どのような展開であれ、次の選挙の最大の争点は「憲法」です。その意味で、憲法やその改正の是非に対して、民意はどのように考えているのかは社会にとって重要な情報だと思います。各マスメディアの世論調査結果などを丁寧に見ていこうと思います。


 以下に、日本世論調査会と読売新聞社の今回の調査のうち憲法に関するものを備忘を兼ねて書きとめておきます。

▼日本世論調査会(共同通信社と加盟社)

2月27、28日実施。3000人を対象に面接で実施し1744人から回答。報道は3月13日付朝刊

▼読売新聞社

 3000人を対象に1月20日に調査票を郵送し2月29日までに1939返送。有効回答は1893。報道は3月17日付朝刊


【憲法改正の必要性】

▼日本世論調査会

・「あなたは憲法を改正する必要があると思いますか、改正する必要はないと思いますか」  

 改正する必要がある 19・7 どちらかといえば改正する必要がある 34・7

 どちらかといえば改正する必要はない 23・7 改正する必要はない 16・3

 ※改正する必要がある 計54・4 改正する必要はない 計40・0

・「(「改正する必要がある」「どちらかといえば改正する必要がある」と答えた人に聞く)あなたが、そう思う最も大きな理由は何ですか。(回答者949人)」

 憲法の条文や内容が時代に合わなくなっているから 60・5

 新たな権利や義務などを盛り込む必要があるから 28・6

 米国に押し付けられた憲法だと思うから 5・8

 制定以来、一度も改正されていないから 4・2

 その他 0・6 分からない・無回答 0・3

・「(「改正する必要がある」「どちらかといえば改正する必要がある」と答えた人に聞く)あなたは何を対象に憲法改正を議論すべきだと思いますか。二つまでお答えください。(回答者949人)」

 憲法の前文 7・2

 天皇制 5・5

 憲法9条と自衛隊 52・4

 国際貢献 9・6

 基本的人権 15・5

 環境権 5・6

 知る権利・プライバシー保護 23・3

 内閣・議会制度 12・0

 地方分権地方自治 11・4

 憲法改正の発議要件を定めた96条 5・5

 緊急事態条項の新設 15・9

 財政規律条項の新設 4・1

 その他 0・7 分からない・無回答 6・5

・「(「改正する必要はない」「どちらかといえば改正する必要はない」と答えた人に聞く)あなたが、そう思う最も大きな理由は何ですか。(回答者698人)」

 戦争放棄を掲げ平和が保たれているから 40・3

 改正すれば「軍備拡張」につながる恐れがあるから 27・5

 改正すれば基本的人権が制約される恐れがあるから 11・2

 現憲法で不都合なことがないから 19・5

 その他 0・1 分からない・無回答 1・4

▼読売新聞社

・「今の憲法を、改正する方がよいと思いますか、改正しない方がよいと思いますか」

 改正する方がよい49 改正しない方がよい50

・「【「改正する方がよい」と答えた人だけ】改正する方がよいと思う理由は何ですか。いくつでも選んでください」

 アメリカに押しつけられた憲法だから 18

 国の自衛権を明記し、自衛隊の存在を明文化するため 36

 権利の主張が多すぎ、国民の義務がおろそかにされているから 18

 時代の変化に憲法の解釈や運用だけで対応すると混乱するから 63

 国際貢献など今の憲法では対応できない新たな問題が生じているから 43

 その他 2 答えない 1

・「【「改正しない方がよい」と答えた人だけ】改正しない方がよいと思う理由は何ですか。いくつでも選んでください」

 すでに国民の中に定着しているから 34

 世界に誇る平和憲法だから 60

 基本的人権、民主主義が保障されているから 31

 時代の変化に応じて、解釈、運用に幅を持たせればよいから 32

 改正すると軍事大国への道を開くおそれがあるから 45

 その他 2 答えない 1


【憲法9条】

▼日本世論調査会

・「憲法9条では、戦争を放棄し戦力を持たないことを定めています。あなたは憲法9条を改正する必要があると思いますか、改正する必要はないと思いますか」

 改正する必要があると思う 38・0

 改正する必要はないと思う 56・7

 分からない・無回答 5・3

・「(「改正する必要があると思う」と答えた人に聞く)9条を改正する場合、あなたが最も重視すべきだと思うことは何ですか。(回答者663人)」

 現在の自衛隊の存在を明記すべきだ 41・7

 自衛隊を軍として明記すべきだ 14・0

 国際貢献を行う規定を設けるべきだ 20・4

 自衛隊が国際活動をするにあたり、歯止め規定を設けるべきだ 21・9

 その他 0・3 分からない・無回答 1・7

▼読売新聞社

・「戦争を放棄し、戦力を持たないとした憲法第9条をめぐる問題について、政府はこれまで、その解釈や運用によって対応してきました。あなたは、憲法第9条について、今後、どうすればどうすればよいと思いますか。1つだけ選んでください」

 これまで通り、解釈や運用で対応する 38

 解釈や運用で対応するのは限界なので、第9条を改正する 35

 第9条を厳密に守り、解釈や運用では対応しない 23

 その他 0 答えない 4

・「憲法9条の条文には第1項と第2項があります。それぞれについて、改正する必要があると思うかどうかをお答えください」

 「戦争を放棄すること」を定めた第1項については、改正する必要があると思いますか、ないと思いますか

 ある 16 ない 82 答えない 2

 「戦力を持たないこと」などを定めた第2項についてはどうですか

 ある 48 ない 48 答えない 4


【安全保障関連法】

▼日本世論調査会

・「安倍政権集団的自衛権行使できないとしてきた従来の憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を可能とする安全保障関連法を成立させました。あなたは集団的自衛権と憲法の関係について、今後どうすべきだと思いますか」

 集団的自衛権の行使容認を憲法解釈変更で対応する現状でよい 30・1

 集団的自衛権は行使できないとする以前の憲法解釈に戻す 32・3

 憲法を改正し、集団的自衛権の行使容認を明文化する 27・8

 その他 0・6 分からない・無回答 9・2

▼読売新聞社

・「あなたは、安全保障関連法の成立で集団的自衛権を限定的に行使できるようになったことを、評価しますか、評価しませんか」

 評価する 49

 評価しない 49

 答えない 2

・「(【評価する】と答えた人だけ)評価する最大の理由は何ですか。1つだけ選んでください」

 日本だけでは平和は守れないから 55

 集団的自衛権を使えるようになったから 10

 日米同盟を強化し、抑止力を高めるから 15

 自衛隊がより国際貢献できるようになるから 11

 国会の事前承認など一定の歯止めがあるから 5

 その他 1 答えない 4

・「(【評価しない】と答えた人だけ)評価しない最大の理由は何ですか。1つだけ選んでください」

 日本の存立が脅かされる事態は起こらないと思うから 3

 憲法は、集団的自衛権を使うことを認めていないと思うから 12

 米国の戦争に巻き込まれるから 16

 将来的に歯止めがきかなくなる恐れがあるから 52

 自衛隊員の危険が高まるから 9

 その他 2 答えない 6


【緊急事態条項】

▼日本世論調査会

・「自民党は大規模な自然災害や外部からの武力攻撃に際し、国会議員任期の延長や首相の権限強化、基本的人権の制約などを規定する『緊急事態条項』を改憲の優先項目とする方針です。あなたは自民党が『緊急事態条項』新設を改憲の優先項目としていることに賛成ですか、反対ですか」

 賛成 51・0

 反対 37・4

 分からない・無回答 11・6

▼読売新聞社

・「大災害などの緊急事態における政府の責務や権限は、今の憲法には規定がなく、個別の法律で定められています。これについて、あなたの考えに近いものを、1つだけ選んで下さい」

 憲法を改正して、政府の責務や権限を条文で明記する 29

 憲法は改正しないで、政府の責務や権限を明記した新たな法律を作る 52

 今のままでよい 16

 その他 0 答えない 3


【その他】

▼読売新聞社

・「憲法について、今の条文を改めたり、新たな条文を加えたりする方がよいと思うものがあれば、いくつでも選んで下さい」

 天皇の地位やありかた 11

 自衛のための軍隊保持 36

 積極的な国際協力 22

 行政機関の情報を知る権利 24

 個人情報やプライバシーの保護 31

 家族の尊重 13

 良好な環境で生活する権利 32

 緊急事態における首相の権限強化 20

 健全な財政の維持 43

 衆議院参議院の役割 18

 国と地方の役割 25

 憲法裁判所の設置 5

 その他 1 とくにない 12 答えない 2

・「衆議院と参議院には、憲法改正の原案を提出できる憲法審査会が置かれています。憲法に関する次の項目の中で、あなたが、憲法審査会がとくに優先して議論すべきだと思うものを、3つまで選んで下さい」

 戦争放棄、自衛隊の問題 63

 環境権やプライバシー権など新しい権利 23

 二院制など国会のあり方 21

 道州制など地方自治のあり方 15

 大災害など緊急事態における政府の建言 51

 憲法改正に関する手続き 18

 健全な財政のあり方 48

 その他 0 とくにない 5 答えない 2

2016年-03月-16日

安倍晋三首相「任期中に改憲」を約半数「評価せず」〜NHK、朝日新聞調査

 NHKが3月11〜13日に実施した世論調査と、朝日新聞が12、13日に実施した世論調査の結果が報じられています。

 ともに、安倍晋三首相が首相の任期中に憲法改正を実現させたいと述べたことへの評価を尋ねています。結果は以下の通りで、ともに「評価しない」がおおむね半数を占め、なおかつ「評価する」を10ポイント余り上回っています。

 ▼NHK

 「大いに評価する」9% 「ある程度評価する」31%

 「あまり評価しない」31% 「まったく評価しない」23%

 ※「評価する」計40% 「評価しない」計53%

 ▼朝日新聞

 「評価する」38% 「評価しない」49%


 また、共同通信と加盟紙の日本世論調査会が2月27、28両日に、電話ではなく面接方式で実施した世論調査結果も報じられています。憲法に関する主な内容は以下の通りです。

 ◇日本世論調査会

 ▼憲法改正は必要か

  「改正する必要がある」「どちらかと言えば改正する必要がある」計54% 「改正する必要はない」「どちらかと言えば改正する必要はない」計40%

 ▼夏の参院選で、憲法改正に賛成の議員国会発議に必要な3分の2に達した方がよいか否か

  「3分の2以上を占めた方がよい」44% 「達成しない方がよい」47%

 ▼憲法9条の改正は必要か

  「必要がある」38% 「必要ない」57%


 そのほかの項目では、沖縄県宜野湾市米軍普天間飛行場移設問題について、朝日新聞の調査では以下のようになっています。

 ▼朝日新聞

 沖縄県のアメリカ軍普天間飛行場の移設計画をめぐる問題について、うかがいます。安倍政権は、沖縄県との裁判で、裁判所提案した和解案を受け入れ、移設先の埋め立て工事をいったん中断すると発表しました。安倍政権のこの対応を評価しますか。評価しませんか。

 「評価する」54% 「評価しない」29%


 内閣支持率は、NHK調査では「支持」46%で2月より4ポイント減、「不支持」は3ポイント増の37%。朝日新聞調査は「支持」44%で2月の前回から4ポイント増、「不支持」35%で3ポイント減でした。

 ※内閣支持率の推移はこちらにまとめています。

 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20151212/1449929793


【追記】2016年3月16日9時10分

 「安倍晋三首相『任期中に改憲』は『評価せず』が約半数〜NHK、朝日新聞調査」から改題しました。

 

2016年-03月-11日

東日本大震災から5年

 東日本大震災から5年になりました。

 警察庁によると3月10日現在、震災の死者は全国で1万5894人、行方不明者は2561人、厳しい避難生活やストレスが原因となった震災関連死は3410人に上るとのことです。東京電力福島第一原発事故の影響も続き、福島県から県外に避難している住民の方は計約4万3千人です。全国では今なお17万4千人もの方が避難生活が続いています。

※47news共同通信「大震災、避難なお17万4千人 関連死3410人に」2016年3月10日

 http://this.kiji.is/80576079411036162?c=39546741839462401

 東日本大震災は11日、発生から5年の日を迎える。震災と東京電力福島第1原発事故による全国の避難者は、なお17万4千人に上る。午後には政府主催追悼式や全国各地の慰霊行事があり、千年に1度とも言われた大災害犠牲者に、鎮魂の祈りがささげられる。

 津波被害の激しかった岩手宮城福島の3県によると、避難生活での体調悪化などで亡くなった震災関連死は、3月10日時点で3410人にまで増えた。死者、行方不明者を合わせた震災の犠牲者数は2万1865人となった。

 5年間の集中復興期間は3月で終わり、政府が「復興・創生期間」と呼ぶ、さらに5年間の新たな段階に入る。

※47news=共同通信「東日本大震災、発生から5年」「犠牲者2万1千人、復興途上」2016年3月11日

 http://this.kiji.is/80762608397387258?c=39546741839462401

 関連死を含め2万1千人を超える犠牲者を出した東日本大震災は11日、発生から5年を迎えた。地震発生時刻の午後2時46分には被災地各地を含む全国で黙とうし、犠牲者への祈りをささげる。東京では政府が追悼式を開く。

 警察庁によると10日現在、震災の死者は全国で1万5894人、行方不明者は2561人。厳しい避難生活やストレスが原因となった震災関連死は3410人にまで増えた。

 発生から5年間、自治体を手厚く支援した国の集中復興期間が終了し2016年度から復興・創生期間に入る。

 東京電力福島第1原発事故の影響は続き、福島県から県外に避難している住民は計約4万3千人。

 

 犠牲者の方々にあらためて哀悼の意を表します。そして、被災地の復興の歩みが一歩一歩、前進を続けるように願っています。

 わたしが身を置く東京でも、朝日、毎日、読売日経産経、東京の新聞各紙は11日付朝刊の1面トップに置きました。

f:id:news-worker:20160311081911j:image

 朝日、毎日、読売の3紙は、別刷りの特集も発行しました。 

f:id:news-worker:20160311081920j:image

 

 

2016年-03月-10日

立地地元ではない滋賀の住民の問い掛けに正面から向き合った司法判断〜大津地裁の高浜原発差し止め、在京紙の報道の記録

 福井県高浜町関西電力高浜原発3、4号機の運転差し止めを、隣県の滋賀県の住民が申し立てた仮処分申請で、大津地裁の山本善彦裁判長は9日、運転を差し止める仮処分決定を出しました。仮処分は裁判の判決と違ってただちに効力を持つため、運転中だった3号機は10日夜、停止しました。現に稼働中の原発が司法判断によって停止させられたのは初めてです。2011年3月11日の東京電力福島第1原発事故後に、裁判所が再稼働や運転を差し止めた司法判断としては3例目ですが、事故後に策定された原子力規制委員会の新規制基準に合格し、稼働していた原発に対する判断としては初めて。画期的な判断として、既にマスメディアで大きく報じられている通りです。

 「3・11」後の原発再稼働問題に対しては、大阪に住んでいた当時の2012年6月に、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働が決まっていく過程を当の電力消費地に身を置いて見ながら、民主主義社会において、社会の意思はだれがどのように代表すればいいのかが問われているような気がしていました。

 立地元の福井県知事は、国策として原発を再稼働するという名分にこだわり、一方で電力消費地の中では滋賀県と京都府知事は共同歩調を取って、再稼働に慎重でした。関西電力はと言えば、もともと発電能力の中で原子力の割合が過半数に達しており、一刻も早く再稼働したい立場。結局は政府(当時は民主党政権)が主導する形で再稼働に進みました。ひとたび重大事故が起これば、放射能放射性物質の飛散に対して県境はまったく意味を持ちません。なのに、再稼働は立地地元の福井県知事の意向が最優先され、滋賀県や京都府の知事の意向が顧みられることはなかったように感じていました。福井県知事も選挙を経ています。滋賀県知事も京都府知事もそうです。民意を背に負っているという意味では、みな等しく扱われてしかるべきだと思っていましたが、現実には差があったことをどう考えればいいのか。社会のどの部分の意思を、だれがどうやって代表するのか、民主主義の手続きが根本的に問われているような気がしました。

 そういうことばかり考えていましたので、今回、大津地裁が立地地元ではない滋賀県の住民の問いかけに正面から向き合い、住民の不安を汲んだとも思える判断を示したことに、とてもすっきりした気分でした。

※参考過去記事

・「橋下市長と『脱原発』の一つの仮説〜勉強会『原発再稼働の波紋』で報告」=2012年5月28日

 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20120528/1338162680

・「大飯再稼働『決断』へ〜関西の意思、広域連合に負わせ」=2012年6月3日

 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20120603/1338659273

・「大飯再稼働を超える首相会見の意味〜社会の意思はどう代表されればいいのか」=2012年6月10日

 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20120610/1339289716

・「続・大飯再稼働と首相会見 ※追記あり」=2012年6月12日

 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20120612/1339433558


 大津地裁の判断は、東京発行の新聞6紙(朝日、毎日、読売日経産経、東京)も10日付朝刊ではそろって1面トップです。以下は、各紙の本記と社説の見出しです。もともと新聞社によって社論が比較的はっきり分かれているテーマです。特に社説はそれぞれの新聞社のスタンスをよく示しているように思います。

朝日新聞

本記「高浜原発 差し止め」「稼働中初 きょう停止」「3、4号機 安全の証明不十分」「大津地裁 仮処分」

社説「原発事故から5年 許されぬ安全神話の復活」新基準にも疑問/問われる避難計画/国民の重大な関心事

毎日新聞

本記「高浜 運転差し止め」「稼働中 初の停止へ」「『関電 説明尽くさず』」「大津地裁仮処分」

社説「高浜差し止め 政府も重く受け止めよ」

読売新聞

本記「高浜3、4号機 停止命令」「『関電は安全説明不足』」「3号機きょう停止 原発 稼働中で初」「大津地裁 仮処分決定」

社説「高浜差し止め 判例を逸脱した不合理な決定」

日経新聞

本記「高浜原発 運転差し止め」「『関電の安全立証不足』」「稼働中で初 3号機きょう停止」「大津地裁が仮処分」

産経新聞

本記「高浜 運転差し止め」「稼働原発 初の仮処分」「大津地裁 3号機きょう停止」「関電、異議申し立てへ」/「菅長官『方針維持』」

社説(「主張」)「高浜原発差し止め 常軌を逸した地裁判断だ」

東京新聞

本記「高浜原発 停止命令」「『新基準で安全といえず』」「大津地裁 仮処分、稼働中で初」「隣県民申し立て 認める」

社説「高浜原発に停止命令 フクシマを繰り返すな」よみがえった人格権/過酷事故が具体論へと/規制委は変われるか

f:id:news-worker:20160310234741j:image

 以下に備忘を兼ねて、各紙の主な記事と見出しを書きとめておきます。いずれも東京本社発行の最終版です。

▼朝日新聞

1面トップ本記「高浜原発 差し止め」「稼働中初 きょう停止」「3、4号機 安全の証明不十分」「大津地裁 仮処分」

1面・解説「新規制基準の妥当性に疑義」/決定理由の骨子/高浜原発3、4号機(用語説明)

2面・時時刻刻「高浜再稼働 再び『ノー』」「福島の事故究明『道半ば』」/「規制委『基準に瑕疵ない』」

2面「関電、自由化控え衝撃」「料金値下げ計画に影響」

3面「原発に厳しい安全性求める」九州大の吉岡斉教授(科学技術史)/「決定理由の記述 乏しく乱暴」元東京高裁判事の升田純・中央大法科大学院教授(民事法)/「小泉元首相『決定は当然』」

17面オピニオン・原発と議論東日本大震災5年 私たちは変わったのか3)「『思考停止』に転換の兆し」認定NPO法人環境エネルギー政策研究所所長飯田哲也さん/「立地の経緯踏まえ道筋を」評論家・恵泉女学園大学教授武田徹さん/「『便利』の意味まず考えよ」脚本家倉本聡さん

27面・1ページ特集(東日本大震災5年 全国の原発)「原発回帰 課題残したまま」「再稼働すでに4基 審査中は22基」「問われる安全 司法の場でも」

社会面トップ「隣県の原発 止めた」「滋賀の県民ら『画期的だ』」/「『もてあそばれている』」「福井・高浜 不満と戸惑い」/「大津いじめ訴訟で和解案 山本善彦裁判長」

第2社会面「再稼働の流れに警鐘」/「『琵琶湖守る』声届いた」/「福島避難者『反原発 盛り上げる』」

第3社会面・仮処分決定の要旨

社説「原発事故から5年 許されぬ安全神話の復活」新基準にも疑問/問われる避難計画/国民の重大な関心事

▼毎日新聞

1面トップ本記「高浜 運転差し止め」「稼働中 初の停止へ」「『関電 説明尽くさず』」「大津地裁仮処分」/仮処分決定骨子/「方針変わらず 菅官房長官」/「不服申し立てへ」

1面・解説「再稼働 国の姿勢を批判

3面・クローズアップ2016「新基準への不安指摘」/「『福島調査 道半ば』」/「電力 訴訟拡大を警戒」

3面「原発新規制基準、なぜできた?」「福島事故が契機 地震浸水対策強化」質問なるほドリ

5面「野党歓迎『画期的だ』」「高浜差し止め 与党『新基準は妥当』」

6面「原発推進リスク考えよ」吉岡斉 九州大教授/「決定、安全性の議論無視」奈良林直北海道大教授/大津地裁決定 要旨/「関電は体制改善必要」大島堅一・立命館大教授(環境経済学)/「原子力政策に影響大」伴英幸・原子力資料情報室共同代表/「規制委も十分に説明を」小沢守・関西大教授(熱工学)

7面(経済面)「関電 経営環境厳しく」「電力自由化の戦略 白紙に」

社会面トップ「『勇気ある司法判断』」「原発への疑念示す」「住民『一番うれしい日』」/「『福島の教訓生きた』」「あす大震災5年 避難者ら歓迎」/「関電幹部は絶句」/「繰り返しの停止 地域の不信危惧 福井知事が不満」

社会面「再稼働前の仮処分却下 山本善彦裁判長」

社説「高浜差し止め 政府も重く受け止めよ」

▼読売新聞

1面トップ本記「高浜3、4号機 停止命令」「『関電は安全説明不足』」「3号機きょう停止 原発 稼働中で初」「大津地裁 仮処分決定」/仮処分決定のポイント/「『承伏できない』関電コメント」/「再稼働方針は維持 菅官房長官」

3面・スキャナー「新基準に疑問呈す」「より厳しい水準要求」「規制委・関電は困惑」認識変えない・国の責任も・決定は「追い風」に/「原発政策 遅れ懸念」/「今夜、完全停止」

9面(経済面)「関電戦略見直し必至」「5月の値下がり先送りへ」

13面・緊急論点スペシャル「規制委審査 正当性揺るがず」慶応大特任教授 遠藤典子氏/「想定超えたリスク語れ」工学博士・弁護士 近藤恵嗣氏/「結論ありきの決定 疑問」中央大法科大学院教授 升田純氏

第3社会面「振り回される地元」「福井知事『誠に遺憾』」/「14年の決定では差し止め申請却下 山本裁判長」

社説「高浜差し止め 判例を逸脱した不合理な決定」

▼日経新聞

1面トップ本記「高浜原発 運転差し止め」「『関電の安全立証不足』」「稼働中で初 3号機きょう停止」「大津地裁が仮処分」/仮処分決定の骨子

3面「原発再稼働 司法の壁」「規制委の判断否定」「エネルギー政策 政府、説明責任重く」/「関電 稼働原発ゼロに」「値下げ白紙、戦略見直し」

3面・専門家の見方「厳しい安全審査を軽視」伊藤哲夫近畿大学原子力研究所長(原子力安全工学)/「安全性への疑問は的確」吉岡斉・九州大学教授(科学技術史)

社会面トップ「『広範被害踏まえた判断』」「滋賀の住民歓喜『歴史的だ』」/「地元福井は困惑『司法に翻弄』」

社会面・知事の反応「滋賀『再稼働容認できない』」「福井『立地地域に不信招く』」/「運転の差し止め14年は却下判断 大津地裁の山本裁判長」/「避難の福島県民 差し止めを評価『帰れない現実知って』」

第2社会面「再稼働可否 揺れる司法」「福島事故後、原発に逆風」/大津地裁決定要旨「過酷事故踏まえ規制基準を」「津波対策や避難計画に疑問」

▼産経新聞

1面トップ本記「高浜 運転差し止め」「稼働原発 初の仮処分」「大津地裁 3号機きょう停止」「関電、異議申し立てへ」/「菅長官『方針維持』」/決定骨子

1面「『ゼロリスク』押し付け 最高裁判例を逸脱」

3面「地裁 乏しい科学的根拠」「関電説明は『不十分』」「規制委新基準も批判」/「仮処分 直ちに効力発揮」

3面「関電 値下げ・域外販売先送りも」「遠のく自由化メリット」

28面(第3社会面)決定要旨

社会面トップ「原発と共生 また遮る」「関電『受け入れられない』地元も困惑」/「原告側『画期的』『天にも昇る気持ち』」

社会面「司法判断 エネルギー政策揺るがず」/「前回は差し止め申請却下 山本善彦裁判長」

社会面「結論決まっていた印象」元東京高裁判事の升田純中央大法科大学院教授(民事法)/「司法への信頼を損ねる」宮崎慶次大阪大名誉教授(原子力工学)/「公平比較し理詰め判断」吉岡斉九州大教授(科学史

社説(「主張」)「高浜原発差し止め 常軌を逸した地裁判断だ」

▼東京新聞

1面トップ本記「高浜原発 停止命令」「『新基準で安全といえず』」「大津地裁 仮処分、稼働中で初」「隣県民申し立て 認める」/仮処分決定のポイント「発電の効率性、甚大な災禍と引き換えにできない」

2面・核心「甘い新基準を批判」「『福島事故』想定より後退」「避難計画 自治体任せ」/3号機きょう停止

3面「原発政策 司法が警鐘」/解説「立地県以外 影響認める」/「3・11後 割れる判断」/「再稼働方針 政府は堅持」/「関電『理解得られず遺憾』」

3面・関係自治体の反応「『安全確保に重き』滋賀知事」「『住民の不安払拭を』京都知事」「司法に左右『遺憾』福井知事」/「電源依存目標実現に影響も」

6面・仮処分決定詳報「福島の原因究明 道半ば」「事故起きれば国境越え被害の可能性」「安全の根拠 関電の説明では不十分」

6面「前回は差し止め申請却下 大津地裁 山本裁判長」/「公平で理詰め判断」吉岡斉九州大教授(科学史)/「司法の信頼損ねる」宮崎慶次大阪大名誉教授(原子力工学)

社会面トップ「『福島から学んだ判断』」「住民ら喝采『画期的な決定』」/「『滋賀を第二の福島にしたくなかった』」「南相馬から避難住民 感涙」

第2社会面「『再稼働の歯止めに』」「歓喜と懸念交錯」福島避難者/脱原発団体/地元・福井

社説「高浜原発に停止命令 フクシマを繰り返すな」よみがえった人格権/過酷事故が具体論へと/規制委は変われるか

戦争が終わった後にも続いた悲劇〜東京大空襲と戦災孤児

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 太平洋戦争末期の71年前、1945年3月10日未明に、東京下町地区は米軍B29爆撃機空襲を受け、一夜にして住民10万人以上が犠牲になりました。「東京大空襲」です。戦後70年だった昨年、企画展「東京大空襲・七十年」を開催した東京都墨田区向島の「すみだ郷土文化資料館」が、ことしは続編にあたる企画展「東京大空襲から戦後復興へ」を開催しています。先日の休日に見学してきました。

 昨年の展示では、2001年に発見された「都内戦災殉難者霊名簿」(以下「霊名簿」)の研究成果が中心でした。空襲の犠牲者のうち、身元の分からない遺体は公園などに仮埋葬され、戦後、東京都はその改葬を進めました。その際、遺族の申告や着衣に残っていた名札の記録などを元に、犠牲者の氏名、住所、性別、年齢、死亡場所、仮埋葬地などの情報を記録していました。これが霊名簿で、約3万人分です。資料館は東京大空襲・戦災資料センターなどとともに分析を進め、住所と死亡場所が分かっている犠牲者について、地図上でその両地点を直線で結びました。そうやって、地区ごとの大まかな人の動きが地図上に可視化された、新たな被災地図が作成されました。

 ことしの展示では、仮埋葬と戦後の改葬の状況についての分析結果が展示されていました。被災地域の中で、ある特定の地区の犠牲者が、どこの仮埋葬地に埋葬されていたか、仮埋葬地ごとの割合をまとめたデータがありました。その地区の犠牲者が、どの方向へ避難しようとしていたか、方向別の割合がある程度類推できるデータです。

 現在の墨田区の地域の空襲前と後を高高度から撮影した航空写真もありました。目の粗いモノクロ写真ですが、焼け野が原になった地域は全体に白っぽくなっていました。

 印象に残ったのは、戦災孤児について解説した展示です。空襲との関連で言えば、東京を離れて集団で農村部に疎開していた間に、親が空襲で犠牲になったケースが多かったようです。戦後、上野駅地下道などで寝起きし、靴磨きなどでわずかな収入を得ていました。飢えや寒さで毎日のように死者が出ていたとのことです。戦争が終わった後にも、悲劇は続いていたことにあらためて気付かされました。戦争は1945年8月15日で何もかもがすべて終わったわけではありません。そのことを忘れまいと思いました。企画展は5月8日までです。

 ※すみだ郷土文化資料館

  https://www.city.sumida.lg.jp/sisetu_info/siryou/kyoudobunka/index.html


 資料館を出た後は散歩がてら、昨年と同じように隅田川にかかる「言問橋(ことといばし)」を渡り、浅草界隈までぶらぶらと歩きました。大空襲の当夜、隅田川にかかる各橋には避難民が押し寄せました。中でも言問橋は犠牲者が集中した場所です。橋の西側、台東区隅田公園にある犠牲者の慰霊碑の前で手を合わせました。

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 「戦争で最初に犠牲になるのは真実」という言葉があります。戦後50年だった2005年に東京大空襲のことを調べる機会があり、そのときに初めて「大本営発表」の実際の文章を目にしました。現場に足を運べば惨状は歴然としているのに、人的被害に一切触れていない大本営発表は、まさに真実を犠牲にして遂行する戦争そのものを表していました。ことしも引用して紹介しておきます。

「大本営発表」(昭和二十年三月十日十二時)本三月十日零時過より二時四十分の間B29約百三十機主力を以て帝都に来襲市街地を盲爆せり

右盲爆により都内各所に火災を生じたるも宮内省主馬寮は二時三十五分其の他は八時頃迄に鎮火せり

現在迄に判明せる戦果次の如し

撃墜 十五機 損害を与へたるもの 約五十機

※参考過去記事

「企画展『東京大空襲・七十年』〜声なき死者が遺した記録」=2015年3月10日

 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20150310/1425915139

「3・10から3・11へ、『大本営発表』の教訓」=2012年3月10日

 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20120310/1331367081

「東京大空襲の大本営発表はツイート1回分」=2011年3月10日

 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20110310/1299688088

「日米密約と東京大空襲に共通するもの(再録・大本営発表報道)」=2010年3月11日

 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20100311/1268241655

「あらためて東京大空襲の『大本営発表』報道」=2009年3月10日

 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20090310/1236694754

「東京大空襲の『大本営発表』報道」=2008年4月25日

 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20080425/1262048340

「東京大空襲と『大本営発表報道』」=2006年3月10日:旧ブログ「ニュース・ワーカー」

 http://newsworker.exblog.jp/3637903


 以下は大阪空襲についての過去記事です。

「『あと1日』を許さなかった8月14日の大阪大空襲(再び)」=2012年8月15日

 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20120815/1344985658

「『あと1日』を許さなかった8月14日の大阪大空襲」=2011年8月14日

 http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20110814/1313282333