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発声練習

2015-05-21

[] まずインプット&相談時に録音&卒業できないことの方が怖い

kuuuさんからいただいたコメント。

突然コメント失礼します。

私は今文系で、卒論を書いています。

この間、ゼミで発表だったのですが、考察を考えてないから論文書けないよと言われてしまい、考えているのですが思いつきません。

だんだん自分がやりたいことなのかさえ分からなくなってきて苦しいです。就活もあるのにもうくちゃくちゃで、気晴らしに本屋に行ってしまったり現実逃避してるのではと思ってしまいます。

先生は怖くて相談できないし、どうしたらいいのか…。

つらいときは自分に言い聞かせよう「三ヶ月後の自分はきっと笑えている」より)

本来、傾聴&共感から入るべきですが、それは学内カウンセリングサービスの方で行っていただくことにして。

ゼミでの発表、質疑応答、先輩および教員との相談はすべて録音しましょう

この間、ゼミで発表だったのですが、考察を考えてないから論文書けないよと言われてしまい、考えているのですが思いつきません。

たぶん、教員あるいは先輩はこのようなことを言っていないと思います。というのは、考察というのは先行研究に基づき構築してきた論や調査/実験結果から展開するものであり、考察から論文の構成を作るというのは筋が良くないからです。いくつかの話をまとめ過ぎているか、用語を勘違いしている可能性があります。

最近はスマートフォンに録音機能が標準で搭載されていますので、ゼミでの発表、質疑応答、先輩および教員との相談はすべて録音し、その日のうちに自分用の議事録(可能ならば指導教員に「ご指導いただいたこと」としてメールで送る)を作っておきましょう。

考えるのを一旦やめて、インプットしましょう

この間、ゼミで発表だったのですが、考察を考えてないから論文書けないよと言われてしまい、考えているのですが思いつきません。

だんだん自分がやりたいことなのかさえ分からなくなってきて苦しいです。

自分の手元に材料が揃っていないのに、考えてもいつも同じ結果しかでてきません。ぜひ、材料を揃えましょう。まずは、卒業論文の書き方や卒業研究の進め方についてインプットするのが良いと思います。以下の本などを読んでみてはいかがでしょうか。どれも短いので1〜2時間で読めると思います。

上記を1〜2冊読んだあとに、所属しているゼミの2〜3年前までの卒業論文を5本くらい読んで見てください。そうすると、どういう結果が求められているのかの目安がつくと思います。

上記の本や先輩の卒業論文を読むと、結局、重要なのは「問い」であることがわかると思います。「問い」について明確化するために、自分が書きたい事柄の関係文献を読み直してください。

指導教員に詰められることと卒業できないことのどちらが怖いか検討してみる

先生は怖くて相談できないし、どうしたらいいのか…。

こちらをどうぞ。

卒業しようと努力する学生に対して、ほとんどの教員は支援したいと考えています。kuuuさんが行うべきことは、努力していることを教員が理解しやすい形にして、相談時に持っていくことです。アウトプットはどういうものがあるかというとたとえばこういうものです。

では、どうやれば「あなたが努力している」と教員が認識するようにできるかですが、基本的に指導教員に過程を成果の双方を見せつけます。指導教員はエスパーではないので、あなたの内面にあるものを見ることはできません。常にあなたの外にでてきたものだけが指導教員の評価の対象になります。

努力の評価対象は以下のとおりです。

  • 指導教員が研究室であなたが研究しているのを知ったという事実(指導教員が知らなければ意味はない)
  • 研究を行ううえでの課題や疑問
  • 研究を行う上で今困っていること
  • 文献調査の結果
  • 実験方法の提案と実験結果
  • 各種図や表
  • 各種数式
  • プログラミングコード

これらを進捗報告のメール、ゼミでの定例報告、指導教員への個別相談などで、指導教員の目の前に見せ付ける必要があります。重要なのは、あなたがいくら努力していたとしても、上記のような評価対象となるアウトプットがあることを指導教員に認識してもらわなければ意味がないという点です。

防御的研究室生活の手引きより)

その他こちらもどうぞ。

その他リンク

2015-05-20

[] ポツダム宣言・サンフランシスコ平和条約

TwitterのTLに安部首相がポツダム宣言を読んでいないという主旨のツイートが流れてきていて「そういえば、私も読んだことない」と思い検索してみた。ネットでアクセスできる公式の現代語訳ってないの?

読んでみていまさらながら「条約」じゃなく「宣言」なんだと思った。「俺らの軍隊すごいから、降伏しないならわかるよね?」みたいな脅しが入っていて「おおっ!」と思った。

で、ついでにサンフランシスコ平和条約というのも内容を読んだことないなぁと思って検索。こちらは現代語訳があった。

こちらは「条約」で契約書だった。Wikipediaの署名国一覧をみると「第二次世界大戦で日本が戦争していたのはアメリカ、中国、東南アジア、あと英連邦でしょ?」という私の認識が崩れる。さすが「第二次世界大戦」。

ついでにカイロ宣言

ヤルタ協定

国立国会図書館は有能だな。できれば、学がない我々向けに現代語訳を用意してくれるとうれしいのだけど。

追記:今回の発端

文字おこしの方を読んだけど、志位さんの質問もなんだかなぁという感じ。「正しい」「間違っている」の判断の根拠をポツダム宣言に求めるのはおかしい。「侵略が目的」「自衛が目的」の2択ならば、ポツダム宣言を受け入れている以上ノータイムで「侵略が目的の戦争でした」と答えるべきだけど。安倍首相も「正しいか間違っているかはわかりませんが、侵略を目的とした戦争でした」と返せないのかな?返せないから、歴史修正主義者として警戒されているんだろうけど。

さらに追記:YouTube:志位委員長の党首討論を聞いたけど、時間が限られている中でのアピールとしては素晴らしいと思うけど、「間違っている/正しい」「侵略が目的/侵略が目的でない」「善/悪」をごちゃまぜで使っていく展開は好きになれない。この論法だと三つの組み合わせを適当にいじったら、ポツダム宣言をすべて受け入れた上で集団的自衛権について問題ないという展開にできるはず。暗黙に「侵略を目的とした戦争=間違った戦争=悪」なのだから「自衛を目的とした戦争=正しい戦争=善」となって、集団的自衛権に由来する戦争は自衛のための戦争だから「正しい戦争であり、善なることである」という展開になっちゃう。で、結局「自衛」の定義論争になって今と同じ展開となる。

共産党の護憲の立場からいえば、「戦争=間違い=悪」でも、他国から攻められたときの最後の手段として許容できるのが「自衛としての戦争=必要悪」からスタートしないとまずいんじゃなかろうか。つまり、「正しい戦争などない」からスタートしないと。

2015-05-18

[] 大阪市特別区設置住民投票

以下、クリップ。

世代格差等についての議論は否定しませんが、あのグラフを元に今後、どのような議論もするべきではない、と私は思います。

【謎】大阪都構想の住民投票の世代別の賛成・反対投票率がどうも妙な件。より)

青が「賛成」、赤が「否定」である。投票総数で観ると、賛・否の差は総数でわずか1万票強足らずで大差ないが、地域別に見てみるとはっきりとその地域差に傾向があることがわかる。一目瞭然のように、大阪市北部は「賛」、大阪市南部は「否」と区分されている点だ。

〜中略〜

しかし、一般的には、所得の高い地域の層、つまり比較的生活に余裕のある層は、橋下氏の訴えたような改革的な風潮に一抹の心地よさを感じたことであろう。一方、所得の低い地域の層、つまり生活に余裕の無い層は、実際的な「都構想」の実効性はともかく、何事にも「急進的改革」には拒否反応を示すのは、古今東西の歴史が示すとおりである。

「大阪都構想住民投票」で浮き彫りになった大阪の「南北格差問題」より)

そして民主主義の根幹、統治者と被治者の一致において最も重要なのは、「私たち」をシュミット的な「敵・友」に分断させぬよう、どうにか合意形成を探ることだ。もちろんそれは果てしなく面倒くさくて楽しくないうえ、劇場性に欠けるのだけれど。

〜中略〜

だが人の命を保護するのは、民主主義というよりは、むしろ立憲主義のほうだろう。ルワンダ・ジェノサイドのように、人が少数派に属するだけで合法的に虐殺されることは、人類史には結構ある。だから多数派に好き勝手させない立憲主義的抑制が大事、つまり憲法とそれを尊重する文化が大事、ということだ。

坂井豊貴の研究室:「大阪都構想」選挙への雑感より)

NHKの出口調査を見る限り、賛成票は30代が一番多く、それ以上の世代では徐々に反対票が多くなり、70代では反対派が多数派になるようです。20代も30代より反対票が多いのも特徴です。これをみて「シルバー民主主義」「若者の敗北」と評論する向きもあるようですが、大阪市の解体が若年層を利するものとは言えないはずで、評価としては単純すぎる気がします。20代の反対が30代より多いことの説明も的確に出来ないように思います。筆者の体験からしても、子供を持ち、育て、定住して地域につながりを持ち、自らも老いていく中で、地方行政との関わりが強くなっていくので、今回の課題で年齢が上がるほど反対票が増えるのはそれほど不可思議なことではないと思います。一言で言えば、学校を卒業した後、地域に根を張り始める前の若年層は地方自治との利害関係が薄いのです。

むしろ、筆者には、大阪市の中心部の区では総じて賛成が多数派で、尼ヶ崎寄り、海側、南側など、大阪市の周辺部で総じて反対票が多いことの方が印象的です。これが、改革により利益を得る可能性の高い(維新のCMを見れば分かりますが、大阪都構想で描かれる未来は大規模開発による未来です)市内中心部の強者と、置いて行かれる可能性の高い周辺部の人々、という構図を示しているとすれば、大阪市民は、それぞれの地域で、それぞれの利益に沿った妥当な判断をしたことになるでしょう。

そして、大阪都構想を否決したからと言って、大阪市が現実に抱える課題が何も解決しないのも事実です。筆者の住む京都もそうですが、地方の疲弊は凄まじいものがあり、大阪市も引き続く地盤沈下にどう対処するのかが重い課題なのです。しかし、筆者は、これに関して言えば、問題点をあぶり出し、不十分ではあっても、全市民的に議論をした大阪市民をちょっと羨ましく思っています。「問題の解決に近道はない」と分かったところから真剣な議論が始まると思うからです。

渡辺輝人:大阪の住民投票結果から見えるものより)

記者会見の時に大阪都構想について聞かれたのですが、私は橋下知事が大阪府と大阪市の二重行政の解消に向けて積極的に取り組もうとしていることは評価しています。

また、自治体の役割分担や権限移譲といった、非常に重要な課題であるにも関わらず、自治体関係者や政治家以外、殆どの国民が関心を持っていなかったことについて国民的議論の的に持っていったことも大変感謝しています。

ただ、何度か申し上げているように市の権限を奪って都道府県に移すというのは地方分権の流れに逆行するものであると言わざるを得ません。

実際、政令市は都道府県が行う業務の大半を行っています。二重行政を解消するのであれば大半を行っている政令市の方に残りの業務を移した方が効率的であるはずです。

〜中略〜

いずれにしても大阪都構想はリスクがあまりに大きすぎる割にはそこまでメリットの無い、非常に非効率な手法に思えます。

冒頭に申し上げたとおり、大阪府と大阪市という特殊な二重行政の問題を解消しようとする着想は大変素晴らしいと思いますので、敵だ味方だというような話をするのではなく、十分に議論を深めていくべき話と考えています。

千葉市長:熊谷俊人の日記: 大阪都構想についてより)

[] 東京大学前理事 江川さんが驚いたこと

日本経済新聞 5/18朝刊:東大、組織改革の課題 自律運営体制の整備を 江川雅子 東京大学前理事が面白かった。

江川さんの経歴は以下の通り。

3月末、東京大学理事(国際、広報、社会連携、産学連携、男女共同参画担当)を退任した。ニューヨークと東京で外資系金融機関に勤務後、ハーバード・ビジネス・スクール(ハーバード大学経営大学院)の日本リサーチ・センター長を務めていた私にとって、ほぼ30年ぶりの母校は、規則に基づく国立大学の運営、ハンコによる書類決裁など、すべてが初めての経験だった。就任前の3年間、経営協議会委員を務めてはいたが、東京大学の一員となって初めてわかったこと、驚くことも多かった。

江川さんが最も驚いた点

最も驚いたのは、04年の法人化で国立大学は形の上では独立した組織になったにもかかわらず、財政、人材などの資源面で自由度が低く、依然として自律的な経営をしにくい仕組みだったことである。

例えば、施設整備は引き続き国から予算措置するという制度設計で減価償却が認められないため、概算要求に頼らざるを得ず、設備投資計画を立てにくい。退職金は毎年予算措置される仕組みなので、人事制度の変更が難しい。文部科学省との交流人事で幹部の大部分が2年周期で入れ替わるため、組織としての蓄積や人材育成もままならない。

ハーバード大での経験を踏まえた大学の統治機構に対する考え

近年、改革のため学長に権限を集中させるべきだという声をよく聞く。だが、大学は一定の資格を得た構成員によって統治される組織であり、企業のようなヒエラルキー型組織とは異なる。

ハーバード大学の経営学者から、「大学の学長はアメもムチもなしで経営をしなくてはならない」と教えられた。

〜中略〜

法律事務所やコンサルティング会社などは組織の長をパートナーの選挙で決めるが、大学も同様にプロフェッショナルから成る集団なので、同じような統治の仕組みができたのだろう。

必要なのは、大学を中央集権型の組織に変えることではない。分権的な組織を維持しながら全体として管理できるようにするための透明性の向上、全学に関わる意思決定・資源配分を迅速に行うプロセスの整備である。

他の驚いた点

1つは、構成員の多様性が低いことである。外国人の学生・研究者が少ないばかりでなく、日本人でも男性、東大出身者の比率が高い。

〜中略〜

2つ目は、競争的資金の導入によって組織が寸断され、自律的な活動や人材育成が困難になっていることである。

〜中略〜

長期計画に基づいて行うべき教育が、打ち上げ花火のような5年限りの「プロジェクト」として遂行される一方、本来の自律的、継続的な改善のための資源が枯渇し人材への投資も行われない。

提言

具体的には、(1)自律した組織として運営できる体制の整備(2)分権的構造を維持しつつ全学として意思決定や資源配分を迅速に行える体制や透明性の高い経営管理の仕組みの導入(3)経営にあたる専門的人材の育成(4)人事の透明性、人材の流動性・多様性を高め、世界中から優秀な人材を集める――などが重要であろう。

日経記者のコメント

法人化後、国立大学には経営協議会委員や監事、さらには理事や教職員として多くの外部人材が入っている。一部では名誉職化しているという指摘はあるものの、大学という閉鎖社会を経験した外部の人の声は、今後の大学改革に大いに参考になるはずだ。

今後、大学を“卒業”する外部人材には、大学で経験し気がついた事項を積極的に発言してほしい。

運営に関わった外部の声は貴重