発声練習

2009-04-15

[] 研究は失敗するのが当たり前

私のボスが最近言った言葉「研究は失敗するのが当たり前。たくさんの失敗の中からたまに成功が見つかる。」

はてな匿名ダイアリー:毎日死ぬことばかり考えている僕のような人間が自殺するんだと思うを書いた人は専門家の助力が必要だよ。大学院生なら大学の保健センター、会社なら産業医のところへすぐに行きましょうよ。

追記

この書き方だと「研究」という行為自体が失敗するように思えてしまうので訂正。ハーバード大学医学部留学・独立日記:常に暫定的な答えがあると考えた方が生きやすいハーバード大学医学部留学・独立日記:暫定的な答えとしての納得解は言葉のイノベーションでかかれているとおり、まず、仮説をたて、その仮説に基づいて情報を収集し、次に仮説を検証するという行為を繰り返してちょっとずつ前進するのが研究行為の通例です。

「失敗するのが当たり前」はこの「仮説をたて、その仮説に基づいて情報を収集し、次に仮説を検証する」という1サイクルが失敗の連続であるということです。仮説が間違っていたり、検証方法が間違っていたりととにかく誰もやったことないことですから正解がありません。正解がないところに正しさを探るわけですから、失敗が山積みになるわけです。

失敗への対応は、「質の高い仮説(あまりはずれない、あるいは次につながりやすい仮説)を厳選して検証する」人から「たくさんの仮説を検証する」人まで対応はさまざまです。私は、駆け出しの研究者なので、まずは「たくさんの仮説を検証する」人でありたいと思っています。だから、失敗がたくさん続くのはしょうがないんです。

追記2


はてなブックマークの方で他の方々からいろいろな研究での失敗をどうとらえるのかのコメントをいただいているのでこちらに転載。

  • klon 研究は失敗したりうまくいかないところが一番面白いんです。そこに発見がある。/最近「仮説」という言葉をよく聞く、がうちの業界だとあまり明示的に使うことないんだよな。
  • yocchan731 実験,研究は失敗して然るべきだということを知って欲しい.成功体験はそれからだ.
  • Kotobuki_F 「このやり方ではダメだ」(他の方法を探せ)ということ自体が成果である
  • kelokelo「失敗」という言葉が悪いと思う。「失敗」じゃなくて、「その可能性がうまく行かないという知見を得ることに成功」と考えるようにしています。
  • naya2chan だからこそブレークスルーしたときの達成感はひとしおでもある。
  • nagaichi 歴史的に言い換えるとね、厖大なトライ・アンド・エラーのすえに、現在の僕らの社会のあらゆる蓄積があるんだよ。個人的には長い目でみて焦らないことだと思うし、社会的には長いスパンで支える体制が必要だろう。
  • tsugo-tsugo 失敗、というほど重い言葉で捉えてないんだよな個人的には。仮説バイナリツリーみたいな木の枝を最初に大量に生やして、いらん枝から切って盆栽にすると美しくて正しい、みたいな感じ。
  • LethalDose 小さな成功体験ができる系を持っている研究室がいいよ。誰がしても(正確に作業すれば)結果が出る系があれば、それを保険に思い切ったことができる(かも)。
  • steam_heart まあ、成功することが当たり前だったら、ものすごい勢いで科学発展して、後からの人は勉強に大変で研究どころではないとかになりそうです。
  • REV 極論だと、「土地を探し、土を耕して、種を撒き、芽が出て、木になり、実が生り、市場で売れて」成功となる。プロセス毎に成功体験を積める場合もあれば、「芽が出なかったね」で終わりの場合もある。かもね。
  • mbr (ブクマ※見て)失敗という言葉は確かに自分も使わない。上の人も使ってないな/「行き詰った」は言う。やってみたけど、どうもここ外れだったぽい、みたいな。要は金鉱掘ったり3Dダンジョンうろつくのと同じ>研究
  • nekoluna 仮説の作成能力とか実験デザインとかが研究者の腕の見せ所なのである意味結果はどうでもいい / マイケルソン・モーリーとか思い出すといいよ
  • showgotch これは誤解されないように書くなら"研究は「短期的には」失敗するのが当たり前。たくさんの失敗の中から長期的な成功が見つかる"がベストアンサーかと

keloさんから頂いたトラックバック。

id:tsugo-tsugoさんのエントリー

syaian_farconsyaian_farcon 2009/04/18 00:58 僕も、以前似たような言葉を指導教員から教えられた記憶があります。
「失敗した実験も、『この方法ではダメであるという事が示された』という立派な成果なんだよ。」と。
論文に書いてあることだけが成果じゃないんだよ、とも教えられた気が。

僕自身の専門は情報工学(更に言うなら音声情報処理か?)ですが、どの分野でも当てはまるのでしょう。


ただ、僕も含めて、なかなか失敗を上のように考え直しにくい人もいるんじゃないかと思います。
特に、「論文になるような成果が全然出ずに焦っている人」とか「失敗なんて許せない、真面目で完璧主義者の人」とか。

こういう時、一旦研究から離れて気分転換をする事が出来ればいいのですが
真面目な人って、経験上それも自発的にできないんですよね。

…となると、悩んでいる人にとって一番必要なのは、
「基本的には励ますけれど、いざという時には悩んでいる人を無理やりにでも引きずり出して気分転換させようとする人」
なのかもしれません。
そんな人、あまりいませんけどね(^^;

next49next49 2009/04/18 19:44 > syaian_farconさん

悩んでいるときには一回頭を完全に切り替えることが必要ですよね。
「アイデアのつくり方」という本にアイデアを出す工程として
1. 情報を収集する
2. すごく良く考える
3. 一度頭の中から追い出す
という順序が提示されています。

研究者のみならず、創造的な活動をする人すべては、何らかの形で
自分の頭を強引にでも切り替える技術・儀式・イベントを持っていないと
しんどいのだと思います。

nn 2009/05/03 02:29 5/1に追記がありました。
http://anond.hatelabo.jp/20090414194624
何か声をかけてあげたいとは思うのですが…。

next49next49 2009/05/03 12:17 >nさん

素朴に「死なないで」と言葉をかければ良いと思います。

ikeaikea 2009/05/16 02:35 私は農学系の学部4年で3年の夏から研究が始まりました。休みなく研究を行って、少ない休みの中で就職活動をしています。一回しかない卒業研究と思って、自分なりに必死に行ってきました。
自分の研究以外にも教授の論文データとなる実験も行っておりました。私は自分の研究の状況も常に報告をしてきたのですが、結局論文の実験を優先されてしまい先生が論文を提出した後に、呼び出されて「今、君の実験材料を見てきたけど、実験を行うにはこの状態では遅すぎる。君は半年いろいろ実験をやってるみたいだけど、何ひとつデータは無いからね。これから、どうすんの?」と説教を受けました。実際はデータはいくつかあったのですが、半年間行った実験は別の学生の卒論テーマになってしまって、その学生の参考データにしかならなかったのです。若干、卒論テーマが変更になったという背景もあったのです。かなり無理して実験を行ってきたので辛いです。半年間毎日顔出して御伺いを立てて、意味がないと言われてもう最近眠れないし、食欲がないです。研究室で先生の顔を見ると怖いです。
同じ失敗でも納得がいく失敗なら良いんですよね。
失敗という内容で書かせてもらいました。長文申し訳ありません。

next49next49 2009/05/17 20:00 > ikeaさん

全力で卒業研究に取り組んだikeaさんの姿勢と行動に心から「素晴らしい」と申したいです。
たとえ、その実験やデータが卒業研究に直接的に役に立たなかったとしても、実験を通して
身につけたことはすべてikeaさんの人生にとって役にたつことだと思います。

卒業研究の内容そのものが今後の人生の役にたつ人は少なく、卒業研究を通して学んだ
研究のやり方、コミュニケーション方法、文章の書き方こそが人生の役に立つことだと
思います。その意味でikeaさんは3年生の夏からこの4年生の春までさまざまな事を学ばれた
と思います。この時間は無意味ではありません。ぜひ、これまでを頑張った自分自身を信じて
褒めてあげてください。

一方で、現実的な問題としては卒業することが重要です。まずは、大学のカウンセラーに
現在の状況を相談しにいき、精神的な逃げ場を用意しましょう。そして、カウンセラーの方と
相談しつつ、指導教員と良いコミュニケーションをとり、卒業に専念した方が良いと思います。

yuyu 2014/11/13 01:29 大分前の日記のようですが、お礼を。

私は文系の博士学生です。
修士論文があまりできがよくなかったので、博士試験に落ち、
その後研究生論文を書いてリベンジし、博士に合格しました。
修士論文の挫折を乗り越え、研究生論文が認められたと喜んでいました。

ですが、今日、その研究生論文をゼミで発表したら、論旨の修正が必要なことを指摘され、
うまくできたと思っていた研究生論文は全然だめだったのか・・・と落ち込んでいました。
挫折を乗り越え努力して書いた論文で、認められたと喜んだ論文だったので、ショックが余計に。

でもこの日記を読んでとても気が楽になりました。ありがとうございます。
失敗するのが当たり前。そうですよね。
しかもゼミでこう論旨を修正したらいいと教えられたので、さらに前に進んだということですよね。

ちょっと、最近忙しくしていて疲れている節があったので、余計落ち込んでしまったのがあると思います。
ちょっと、温泉に入って遊んで疲れを癒してから、また再考したいと思います!

next49next49 2014/11/13 10:39 yuさん

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