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2015-04-15

[][]TPPでコメ輸入枠増加へ!?

最近TPPのことをまったく触れなくなった当ブログですが、忘れているわけではございません。

ただ、しっかり記事読んでまとめたり考えたりする時間と体力と気力が取れなくて、昨年1年はお休みをしていました。

が、結局休めば休んでしまうだけで、何にも自分にプラスにならない!ということに気付いたので、今年度は毎日更新はしないものの、なるたけちょこちょこ(自分の勉強というのも含めて)更新していきたいと思います。

引き続きよろしくお付き合いください。


さて、再会一発目はやや古い情報になってしまいましたが、4月3日の北海道新聞から、Twitterで活躍中の「にゃんとま〜」さんの転載を頂戴しました。


コメと言えば言わずもがな日本農業の基幹であり、最も普遍的で重要なものなんですが、現在非常に危機が訪れております。

昔はコメ1町作ってればとりあえず食うに困ることはなかったと言われていたようですが、近年は「作れば作るほど赤字」なんてことも言われていて、2010年だったかのコメ農家の時給(平均所得を平均労働時間で割ったもの)が179円という、ブラック企業も真っ青(というのもヘンな表現ですがw)の低賃金労働だったわけです。

なんでそんなことになるかというと、少子高齢化で胃袋は減るわ、その減った胃袋に入るのは主食のコメよりも主菜の肉や油脂が多くなるわ、さらに主食のコメもパンやパスタに攻め込まれるわでコメ消費量が単純に減ったこと、それに追い打ちをかけるように、1995年のGATTウルグアイラウンドによってコメの貿易が自由化され、記事にもある「MA米」が入ってくるようになったことが挙げられます。


加えて、昨年安倍政権が発表した「減反廃止」のインパクトが大きく、26年産米はそれ以前と比べてもかなり値段が下がっています。

聞いた話では、今まで地域の稲作作業受託をしていた三セク的企業が「赤字にしかならないから」と今年は受託を取りやめる方針を決定、その地域では飲食業をやっている私の友人(農業は完全な素人)にまで「田んぼをやらないか?」なんて話まで出るほど切羽詰っている様子。

(カッコつきの)「農協改革」とやらで「岩盤規制」を廃して「農家の所得倍増」なんて謳ったところで絵に描いた餅(それもヘタクソな)でしかなく、そもそもその目標とされる10年後だか20年後には農家そのものがいなくなっちゃうよ、なんてことも夢幻ではなくなっている気さえします。


そしてそんな中、TPPでは許されざる「譲歩」が行われている、というのが今回のニュースです。

そもそも2012年の衆院選に挑むにあたり「TPP反対」を訴えて農村票を得た自民党政権でしたが、「重要5品目は守る」などと言いながらズルズルと交渉に参加。

政府主催の説明会や市民側の要請で何度か開催した意見交換会でも「何を持って『守る』というのか」という質問には答えず、こうして自分たちで勝手に線を引いてどんどん譲歩しては危なくなっているわけです。


まあそもそも、日本政府がTPP協議に参加する、となる前に日米事前協議が行われており、実はその時点で(自動車や保険分野など)かなりの部分で譲歩を約束しているのではないか、そしてそれをその場で発表すると13年参院選、14年衆院選、15年統一選といった一連の選挙で不利になることから、その前後で他のニュースに紛れるようにして小出しに発表しているのではないか、とも言われています。


今年秋からはアメリカが大統領選モードになるため、GW周辺にも(日本側の大型譲歩と共に)TPP妥結が報じられるのでは、とも言われる一方で、それは市民側を騙すための誘導であり、そこを乗り越えてしまえばTPPは漂流する、という見方もあります。

いずれにしても、未だ全く予断を許さない状況ながら、私たちの暮らしが脅かされる可能性だけが日増しに高まっている、というのがTPPの現状なのではないかと私は見ています。

今後も国内外含め、情報取集&共有に努めたいと思います。


『コメ輸入枠 自ら「10万トン」 TPP協議 日本、提示後に撤回 米側の要求高める』北海道新聞2015年4月3日


 環太平洋連携協定(TPP)交渉の日米協議で浮上している米国産主食用米の特別輸入枠をめぐり、日本政府が一時、枠の規模を年間10万?とする案を米国側に提示し、その後撤回を申し出ていることが2日、複数の関係者への取材でわかった。米国側は撤回を認めず、交渉を優位に進める材料として使っており、日米協議が難航する最大の要因になっているという。(解説4面)= http://twishort.com/L5bic

 関係者によると、特別枠では関税を通常より大幅に低くするかゼロにする。日本が米国やタイなどから無関税で輸入している「ミニマムアクセス(MA、最低輸入量)」の年間77万トンの枠外に設けるため、特別枠設定で日米が合意すれば、日本のコメ輸入量が増える。

 日本が米国に「10万トン枠」を提案した具体的な時期は明らかになっていないが、昨年秋よりも前の日米協議の場とみられる。ある関係者は「幹部クラスの交渉官が交渉の早期決着を図ろうと考え、独断で提示したようだ」と話す。

 日本はMA米の枠外で輸入するコメに1?当たり341円の高関税をかけて生産者を保護するなど、通商交渉ではコメを最も慎重に扱う米農産物と位置付けている。国内では過剰生産が響いて価格が下がっており、10万?の特別輸入枠が実現して安い輸入米が増えれば、コメ生産者に悪影響を及ぼしかねない。

 日本政府は、10万?の特別枠は正式提案ではないと釈明し、その後の協議で米国に撤回したいと申し出た。しかし米国側は撤回に応じず、さらに高い条件をのませようと、提案を大きく上回る17万5千?の特別枠の設定を求めている。同時に、枠を小さくする条件として牛・豚肉の関税大幅削減を要求するなど、日本に揺さぶりをかけている。

 日本が劣勢に立たされている現状に、日本政府関係者は「10万?枠の提案が米国につけいる隙を与えた」と厳しく指摘する。日本は妥協案として年間5万?程度までの輸入枠ならば政府備蓄米の買い入れを増やすことで対応できると考えているが、米国が受け入れるかどうかは不透明。コメで大幅に譲歩すれば、コメや牛・豚肉など重要5農産物の関税保護を求めた国会決議に抵触するとの批判も呼びそうだ。



『日本、米にコメ輸入枠提示 「聖域」危機招く失策』北海道新聞2015年4月3日


<解説>環太平洋連携協定(TPP)交渉の日米協議で、日本政府が米国産主食用米に年間10万?の特別輸入枠の新設を一時提案したことは、明らかな失策だ。日本は撤回を申し出ているが、米国が無条件で応じる可能性は低い。コメ輸入増への道筋をいわば自ら付けてしまったことになり、国内生産者が反発するのは避けられない。(河相宏史、高橋俊樹)=1面参照=http://twishort.com/M4bic

 かつて日本はコメの輸入を厳しく規制し、ほとんど受け入れていなかった。1986〜93年の関税貿易一般協定(ガット)ウルグアイ・ラウンド交渉で、米国などから輸入自由化を求められた際も、国内生産者は「一粒たりとも入れるな」と激しく反発した。95年に「ミニマムアクセス(MA、最低輸入量)」枠によるコメ輸入を始めたのも、長く激しい議論の末だった。

 コメは今も「日本の食文化象徴」とみなされており、輸入が増えることに対する国内の抵抗感は根強い。TPP交渉でも、コメは乳製品や牛・豚肉などを含む重要5農産物のうち、最も慎重に扱うべき「聖域」と位置付けられている。

 日本側は10万?枠の撤回を申し出た上で、特別枠を5万?程度とする妥協案を検討している。ただ、この5万?でさえ、全国農業協同組合中央会(JA全中)の万歳章会長が「国会決議が守られたとは言えない」と批判するなど、国内生産者の反発を招いている。

 米国側は10万?を上回る17万5千?の輸入枠の設定を求めるなど、日本側の失策を交渉材料としてフル活用しており、日本政府は国内生産者と米国との間で板挟みになっている。政府関係者は「コメの問題について米国や国内生産者との間で妥協点が見いだせなければ、TPP交渉は簡単にはまとまらないだろう」とみている。

2015-04-03

[]TPP投資章リーク:九大磯田先生の仮抄訳の整理

ウィキリークスが3月25日にリークしたTPP投資章テキスト(2015年1月20日時点)に対する,同日付パブリックシチズンによる批判的分析文書を仮抄訳・整理したものをアップします。

焦点のISDS関連条項批判が中心です。


リークテキストは https://wikileaks.org/tpp-investment/

パブリック・シチズン文書原文は http://citizen.org/documents/tpp-investment-leak-2015.pdf,にあります。


後日読み解きしたいと思います!

2014-09-14

[]農協改革、韓国の実態

ほぼひと月前のニュースですが、少し前に日本でも話題になっておりました農協改革について、先んじて同様の改革を行っている韓国の事例を紹介した記事がありましたので紹介します。

「改革を行っている」というと聞こえがいいですが、実体としては米韓FTAの際にアメリカから要求されそれを呑んだ結果であって、まさに日本が今TPPをテコに同様の要求をされているのと同じ構図です。

新しく農相に就任した西川公也もなんとかかんとか言っているようですが、結局のところこういう結果を招くことを承知で、アメリカの要求を飲むような方向に向かうものと考えられます。




韓国中央会改革から2年半 目的と実態 隔たり (2014/8/17)

http://image.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=29354


 全国段階の経済事業と信用事業を株式会社化した韓国での農協改革から2年半近くたち、改革の実態が目的と違ってきているとの指摘が出ている。改革を主導した政府は、経済事業の会社に対して公正取引法(日本の独占禁止法)の適用除外と法人税の優遇措置を続けると説明していたが、特別扱いはできないとして現在は廃止も視野に同国農協中央会と調整中だ。信用事業では、地域の総合農協の事業と競合するとの懸念が高まっている。

 経済・信用事業の会社化は、2011年3月の農協法の改正を受けて12年3月に始まった。

 韓国では、全国に一つの農協中央会が(1)農協の監査・指導(2)教育活動などに助成する教育支援事業(3)農産物と畜産物の流通、販売や生産資材の供給を担う農業経済事業と畜産経済事業(4)銀行・保険などの業務を行う信用事業――を行っていた。

 農協改革では、農業・畜産経済事業と、信用事業の大半を中央会から分離し、新設した経済持ち株会社と金融持ち株会社の子会社として移管。経済事業は赤字が続いていたため大規模化・専門化で市場交渉力を強め、金融事業は効率化を進めて競争力を高めるのが狙いだった。しかし農協幹部からは「約束が違う」との戸惑いの声が上がる。


・税制優遇廃止も 経済事業

 経済事業への公正取引法の適用除外と法人税の優遇について政府は、農林畜産食品部(日本の農水省)の次官の国会答弁などで継続する方針を表明。だが当時の政府高官が退任したことや法律で定めていないことを理由に、一般の会社と同等に扱うべきだとの意見が政府内で浮上し、中央会との調整に入った。「税制優遇がなくなれば数百億円増税になる」(ある農協幹部)という。経済事業は17年2月までに完全移管する予定で、それが決着の期限になる。

 事業分離に際して中央会は、事業強化に必要な施設整備などに約2兆7420億円が必要だと算定。自己資金で1兆5160億円を用意し、政府が5000億円を支援することを約束したとして、残り7260億円を借入金で賄った。

 ところが政府は、1000億円は政府保有の株式を譲渡する形で助成したが、残り4000億円の支援は、中央会が発行する債券への利子補給という方式に切り替えた。結局、中央会は合計で1兆円を超える借金を抱えることになった。


・地域農協と競合 信用事業

 信用事業の会社化にも批判の声が出始めている。組織再編に際して金融持ち株会社は、地方の支店の人員を増やし営業体制を強化した。中央会が信用事業をしていた時も組合員らに融資していたが、「当時は農協と協調して行っていた」と、ある農協組合長。「巨大な資本を持つ金融持ち株会社が営業体制を強化したことで、農協の信用事業との競合が激化するのではないか」と懸念する。

 また、金融持ち株会社は、「農協」と、日本の「JA」に当たる「NH」のブランド使用料として年600億円を農協中央会に支払うことになっているが、使用料の引き下げを要求している。人件費の増加や金利低下などによる利益の減少が理由だという。

 中央会の元幹部は「農協改革は(収入減少で)中央会の指導力を弱め、政治力をそぐことになった。農家の声を政策に反映できず、市場経済に対抗する協同組合の破壊につながる」と憤る。(金哲洙)

2014-07-18

[]集団的自衛権 国会集中審議

ものすごい久しぶりの更新になってしまってすみません。。

しかも記事らしい記事でもなく、表記件についてネット上で上がっている記事のまとめですごめんなさい。。


【集団的自衛権の行使】新3要件で歯止め疑問 首相は抑止力拡大強調 衆院予算委集中審議

http://www.47news.jp/47topics/e/255313.php


 安倍晋三首相と野党は14日の衆院予算委員会集中審議で集団的自衛権行使をめぐり論戦を交わした。首相は新たな「武力行使の3要件」が「厳格な歯止めとなる」と訴えたものの、民主党などは曖昧さを追及し疑問視。「内閣への白紙委任」になると懸念を突き付けた。行使容認で抑止力が拡大すると強調した首相に対し、野党から軍拡競争を招くとの指摘も出た。三つの論点を整理した。

 【歯止め効果】

 「3要件は世界で最も厳しい。きっちりとした歯止めだ」。首相は審議で、新3要件がいかに自衛隊の海外展開を限定するか力説した。

 連立を組む公明党を説得するかぎとなった新3要件は、他国への攻撃でも国民の権利が根底から覆される「明白な危険」がある場合、必要最小限度の実力行使を認める内容だ。

 首相は恣意的な判断ができないことをアピールするため、審議で新たに「攻撃国の意思、能力、事態の発生場所、規模、態様、推移などの要素」「わが国に戦禍が及ぶ蓋然性」「国民が被ることとなる犠牲の深刻性、重大性」を「明白な危険」を判断する際の基準に挙げた。

 だが民主党の岡田克也元代表が具体的なケースでただすと3要件の曖昧さが露呈した。首相は中東地域のシーレーン(海上交通路)に機雷が敷設され世界経済が打撃を受けた場合や、他国による対米攻撃など日米同盟が深刻な影響を受ける場合も3要件に当てはまる可能性に言及。岡田氏は「3要件は一見厳しいが、経済的苦境や同盟関係(への影響)でも読めれば、何の限定もしていないに等しい」と舌鋒鋭く批判した。


 【抑止力】

 なぜ集団的自衛権行使が必要なのか―。首相はこの素朴な問いに対し、中国の海洋進出や北朝鮮の核ミサイル開発などを踏まえ「切れ目のない対応を可能とする国内法制を速やかに整備し、争いを未然に防ぐ力、抑止力を高めていくことが必要だ」と説明した。「地域の平和と安定を保つ」方策だとの理屈だ。

 これに対し民主党の海江田万里代表は緊張関係にある国同士が互いの警戒感から軍備増強の連鎖を起こす「安全保障のジレンマ」を引き合いに「抑止力万能主義になれば軍拡競争になる」と警告した。首相による靖国神社参拝に触れ、対中外交の努力を欠いたまま抑止力を強める危険性を前面に打ち出した。


 【地理的制約】

 「機雷掃海は受動的かつ限定的な行為だ。3要件を満たす場合には他国の領域内における武力行使であっても許容される」。岸田文雄外相は審議で他国領域での武力行使はあり得ると言明。地理的制約を明記しなかった閣議決定の内容より踏み込んだ。

 念頭にあるのはペルシャ湾・ホルムズ海峡で国連の集団安全保障措置に基づく機雷掃海への海上自衛隊の参加だ。「日本の石油の8割が通る」(首相)という同海峡の最も狭い部分は沿岸国の領海が重なる。

 岸田氏の答弁と「海外派兵はしない」と繰り返してきた首相発言との整合性について、行使容認に前向きな日本維新の会からも「機雷掃海は海外における武力行使ではないのか」(松野頼久国会議員団幹事長)と疑問の声が出た。

 機雷掃海を「受動的」と別扱いする「武力行使の使い分け」は国際的に通用せず、首相サイドも理論武装に苦心する。民主党の岡田元代表は「機雷除去から戦闘行為となる可能性は絶対にないとはいえない。国民にしっかり説明すべきだ」と格好の攻撃材料とした。

(共同通信)



首相 3要件満たせば機雷掃海など可能

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140714/k10013005311000.html


 安倍総理大臣は衆議院予算委員会の閉会中審査で、集団的自衛権を巡って、武力行使の新たな3要件を満たせばシーレーン=海上交通路での機雷の掃海活動など政府が先に示した具体的な8つの事例のいずれでも行使できるという考えを示すとともに、日米同盟に関する事態は3要件に該当する可能性が高いという認識を示しました。

 政府が集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行ったあと初めての国会論戦となる衆議院予算委員会の閉会中審査が行われました。この中で自民党の高村副総裁は、シーレーン=海上交通路で武力攻撃が発生した際の国際的な機雷の掃海活動について、「国の存立を危うくし国民の権利を根底から覆す明白な危険があるような場合にはできるし、そこに至らない場合はできない。具体的にどういうところまでいったらできるのか」と質問しました。

 これに対し安倍総理大臣は、「ホルムズ海峡はわが国のエネルギー安全保障の観点から極めて重要な輸送経路となっており、仮にこの海峡の地域で紛争が発生し機雷が敷設された場合、その段階で相当の経済危機やエネルギー危機が発生したと言える。わが国の存立が脅かされ国民の生命・自由及び幸福追求の権利が根底から覆されることとなる事態が生じうる」と述べ、武力行使の新たな3要件を満たせばホルムズ海峡での機雷の掃海活動は可能になるという認識を示しました。

 公明党の北側副代表は、武力行使の新たな3要件について、「単に密接な他国に武力攻撃があったというだけではだめだ。国民の権利が根底から覆される状況や明白な危険がある事態はどのような要素から判断されるのか」とただしました。

 これに対し横畠内閣法制局長官は、「他国に対する武力攻撃が発生した場合において、国家としての究極の手段である武力を用いた対処をしなければ、国民にわが国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況であると解される。明白な危険というのは単なる主観的な判断や推測等ではなく、客観的かつ合理的に疑いなく認められるというものであると解される」と述べました。

 民主党の岡田前副総理は、「日米同盟に影響を与えるのであれば武力行使の新たな3要件があてはまる可能性があるというのならば、何の限定もしていないのに等しい。白紙で内閣に委任するような話で、国会として許し難く、見直すべきだ」と指摘しました。

 これに対し安倍総理大臣は、「日米同盟は死活的に重要なので、日米同盟の関係で起こりうる事態は3要件に当てはまる可能性が高い。ただ自動的に当てはまるわけではなく、わが国の事態に発展していく可能性が高いものを国際的な状況などを判断しながら決めていく。行政だけの判断ではなく、当然国会の承認がなければできず、国会の判断を頂いて初めて自衛隊は行動できる」と述べました。

 日本維新の会の橋下共同代表のグループの松野代表は、シーレーンで武力攻撃が発生した際の国際的な機雷の掃海活動について、「機雷を置いた国に対する武力攻撃であり海外での武力攻撃であるわけだから、『海外派兵はしない』というロジックと全然違うのではないか」とただしました。

 これに対し安倍総理大臣は、「機雷を掃海する行為は武力行使に当たり戦闘行為であるが、機雷の除去というのは派兵といっても受動的、限定的な行為だ。掃海艇自体がまったく攻撃的なものではなくぜい弱なものであり、事実上、そこで戦闘行為がまさに行われている状況のところに自衛隊を派遣して掃海を行うことは考えていないわけで、性格はずいぶん違う」と述べました。

 結いの党の柿沢政策調査会長は、集団的自衛権の行使容認について、「歴代の内閣法制局長官が憲法上認められないと口をそろえて言っているが、これまでの憲法解釈の変更と今回の変更では、なぜこんなにも違う反応を引き出しているのか」とただしました。

 これに対し安倍総理大臣は、「歴代の長官の発言を論評するつもりは全くない。法制局ではもっぱら憲法との関係を議論していると思うが、私たちは憲法の規範を変えずに整合性と法的安定性をしっかり担保したうえで閣議決定を行った。憲法との関係で今までの議論にだけこだわって、国際法上、非常識なことをするのか、そこに隙間があっても、放っておくのかということを考えた」と述べました。

 日本維新の会の石原共同代表のグループが発足させる次世代の党の山田幹事長は、集団的自衛権の行使に関係するとして政府が先に示した具体的な8つの事例について、「今回の憲法解釈の変更で8つの事例はクリアできるのか」と質問しました。

 これに対し安倍総理大臣は、「集団的自衛権の行使はあくまでも武力行使の新たな3要件に当てはまるかどうかで、3要件に当てはまれば武力行使ができるということになる。個別的自衛権においても、かつての3要件に当てはまるかどうかで武力行使ができるかどうかということであったわけで、今回は集団的自衛権も含めて武力の行使は3要件というふうになる」と述べました。

 みんなの党の浅尾代表は、「武力行使の新3要件の中に『わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生した場合』とあるが、この『他国』はアメリカ以外も含まれるのか」と質問しました。

 これに対し安倍総理大臣は、「一般に外部からの武力攻撃に対し共通の危険として対処しようという共通の関心を持ち、わが国と共同して対処しようとする意思を表明する国を指すと考えている。あらかじめ特定されるものではなく、武力攻撃が発生した段階で個別具体的な状況に即して判断されるべきだ。同盟国であるアメリカは基本的に当たると考えているが、アメリカ以外の国が該当する可能性は現実には相当限定されると考えている」と述べました。

 共産党の笠井・政策副委員長は、「今回の閣議決定で自衛隊の活動はさらに拡大し、従来、戦闘地域と言ってきた場所にも行くことがある。戦闘中のアメリカ軍などを支援している自衛隊が攻撃の対象になる危険があるのではないか」とただしました。

 これに対し安倍総理大臣は、「今後日本が行う支援活動は現に戦闘行為が行われている現場では実施しないことで武力行使の一体化の問題は生じないと考えている。仮に状況の変化によって日本が支援活動を実施している場所が現に戦闘を行っている現場となる場合には、ただちに支援活動を中止、中断するという考え方を基本として法整備を進めていく」と述べました。

 生活の党の村上・安全保障調査会長は、「日本の戦後体制を大きく変えていこうという思いがあることは承知しているが、集団的自衛権の行使容認は戦後の安全保障政策の大転換であり、当然国民に信を問うべきではないか」と指摘しました。

 これに対し安倍総理大臣は、「私は自民党の総裁選挙に立候補した時から集団的自衛権の行使について憲法解釈の変更を訴えてきた。また、衆議院選挙や参議院選挙の際に自民党が発表した政策集にも書き込んでおり、私たちはそこで勝利を得て政権を維持している。現段階で衆議院の解散を考えているわけではない」と述べました。また、安倍総理大臣は、集団安全保障に関係する武力行使について、「国連決議がなされて集団安全保障の行為に移っていくなかで、そこでやめるのかといえば、あくまでも武力行使の新3要件との関係で判断する。新3要件にそぐわなくなればやめるが、合う状況であれば、当然、集団的自衛権が集団安全保障の措置に変わったとしても続いていく」と述べました。

 一方、安倍総理大臣は、アメリカで起きた同時多発テロ事件に関連して、「ワールドトレードセンターが破壊されたが、こういう行為に対してわが国が集団的自衛権を行使して武力を行使するか否かは武力行使の新3要件には当てはまらない」と述べました。



集団的自衛権:武力行使拡大、鮮明に「集団安保参加可能」

http://mainichi.jp/select/news/20140715k0000m010109000c.html


 安倍晋三首相は集団的自衛権の行使容認を巡る14日の衆院予算委員会で、「武力行使の新3要件」に基づく戦時の機雷掃海について、「機雷による(中東・ホルムズ海峡の)封鎖は日本経済に打撃を与え、多くの中小企業が被害を受ける。3要件で判断する」と述べた。「経済への影響」を理由に武力行使できるとの答弁で、政府の判断次第で武力行使の範囲が広がる可能性を示した。さらに自衛隊が戦時に機雷掃海している際、国連決議に基づく集団安全保障が始まっても、日本は武力行使を続けられるとも明言した。

 首相は、攻撃を受けた他国を防衛するために日本が武力行使する条件について、「攻撃国の言動などから攻撃を早急に止めなければ我が国にも武力攻撃が行われかねない状況が、想定される一例だ」と説明した。

 ただし「政府が情報を総合して個別・具体的に判断する」と述べ、▽攻撃国の意思や能力▽日本に戦禍が及ぶ蓋然(がいぜん)性▽国民の犠牲の深刻さ、重大性−−などで判断する、とあいまいさを残した。

 その上で首相は、ホルムズ海峡が機雷で封鎖され、日本への原油輸入が滞る事例について「結果として多くの倒産が起き、多くの人が職を失うかもしれない。かつてのオイルショックを上回れば多くの製造業が死活的な状況になる。(武力行使を)選択肢として考えておく必要がある」と指摘。「(機雷掃海が)大規模な戦闘行為に発展したことは今までない」などとも語り、武力行使である機雷掃海に理解を求めた。

 日本経済にどの程度影響すれば機雷掃海に踏み切るかについては、「(原油の)備蓄があり、国際的な供給状況がそれほど打撃を受けていなければ新3要件には関わりがない」との認識を示したが、「状況を勘案し、総合的に判断していく」と答えるにとどめた。

 また首相は、国連の集団安保における武力行使の解禁に関して「日本が個別的自衛権を行使している時に、国連決議があって集団安保に変わった場合、(日本が)武力行使をやめることは当然ない。それは新3要件についても当てはまる」と説明した。

 1日の閣議決定に先立つ与党合意の際、自民、公明両党は集団安保の武力行使については「棚上げ」したと説明してきたが、首相は答弁で、戦時の機雷掃海を念頭に解禁を明言した形だ。公明党の太田昭宏国土交通相も「あくまで新3要件を厳密に判断するということだ」と答え、追認した。

 この日の審議は、政府が1日に集団的自衛権の行使容認を閣議決定して以降、初の国会論戦となった。

 首相は、集団的自衛権を行使する範囲について「憲法9条の解釈に関する従来の政府見解の基本的な論理を超えて、武力行使が認められるとする解釈を現憲法の下で採用するのは困難だ。その場合には憲法改正が必要と考える」と説明。世界各国と同様の行使を容認するには憲法改正が必要だとの認識を示した。【影山哲也】


【ことば】武力行使の新3要件】

 政府が1日、集団的自衛権行使容認を閣議決定するにあたり、従来の「自衛権発動の3要件」に代えて、新たに策定した。具体的には、(1)日本、または密接な関係にある他国への武力攻撃が発生し、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある(2)国の存立を全うし国民を守るために他に手段がない−−場合に、(3)必要最小限度の実力行使−−を認める内容。自衛隊の活動範囲や「明白な危険」とは何か、などが具体的でなく、政権に裁量の余地が残る。



中東での機雷除去、首相が言及 集団的自衛権の集中審議 2014年7月14日12時19分

http://digital.asahi.com/articles/ASG7G2T67G7GUTFK001.html?_requesturl=articles%2FASG7G2T67G7GUTFK001.htmlamp;iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG7G2T67G7GUTFK001


 安倍晋三首相は14日午前の衆院予算委員会の集中審議で、他国への攻撃に武力で反撃する集団的自衛権を使う例として、中東・ペルシャ湾のホルムズ海峡を挙げ、「仮に機雷が敷設された場合、相当の経済危機が発生したといえる。日本に向かう原油の8割はそこを通る。誰かがやらなければ危険はなくならないわけで、我が国の国民生活に死活的影響が生じる」と述べ、自衛隊が機雷除去をする必要性を強調した。

 首相が1日の閣議決定後、国会で答弁するのは初めて。集団的自衛権の行使が地理的にどこまで許されるかは、政府・自民党と公明党の間で焦点となっていた。ホルムズ海峡の機雷除去まで含むかどうかは、閣議決定では結論を先送りしていた。

 公明党は武力行使の新3要件に「根底から覆される明白な危険がある」との文言を盛り込み、朝鮮半島を含む日本周辺での有事に基本的に限るとみている。首相の答弁は、今後の法案提出までの与党内調整に影響を与える可能性もある。

 首相は米国の艦艇を防護することについても「米国兵士は日本を守るために命を危険にさらす。日本は能力があるのに相手を助けなくていいのか。米国の艦船を守らなくて、問題がないのか」と述べた。

 一方、首相は集団的自衛権の行使について「あくまでも我が国の存立を全うし、国民を守るためのやむを得ない自衛の措置に限られている」として、限定的であると強調。「世界各国と同様の集団的自衛権行使を認める解釈を現憲法の下で採用することは困難だ。その場合は憲法改正が必要になる」とも答弁した。

 また、首相は関連法案を国会に提出する時期について「一括で国会、国民の皆さんに示した方がいいと考えるが、膨大な作業になるわけで少し時間がかかる」と答弁。今秋の臨時国会ではなく来年の通常国会に提出することを示唆した。「安保政策に精通した方に担当大臣を務めていただき国会で説明してもらいたい」と担当相を置く考えも改めて示した。

 自民党の高村正彦副総裁、公明党の北側一雄副代表、民主党の海江田万里代表への答弁。


集団的自衛権 首相答弁 歯止め見えず

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014071602000128.html


 参院は十五日、武力で他国を守る集団的自衛権に関する集中審議を行い、衆院と合わせ二日間の論戦を終えた。閣議決定した新たな武力行使の三要件がどこまで歯止めになるかが焦点だったが、安倍晋三首相は幅広く解釈する答弁を繰り返した。武力で守る他国の範囲も曖昧で、行使の範囲が際限なく広がっていく恐れは強まった。 

 日本と「密接な関係にある他国」が武力攻撃され、国民の生命や権利が「根底から覆される明白な危険がある」場合に集団的自衛権の行使を認めた三要件。内閣法制局の横畠(よこばたけ)裕介長官は「日本が直接攻撃を受けたのと同様な被害」と意味を説明した。

 だが、首相は中東のホルムズ海峡に機雷がまかれ、原油やガスの輸入が滞る事態に関し「日本経済に相当な打撃になる」と機雷掃海への意欲を表明。「日米同盟は死活的に重要だ。日米同盟で起こり得る事態は要件に当てはまる可能性が高い」とも強調した。

 「密接な他国」の定義は「日本と共同で対処する意思を表明する国」と説明。米国以外の国に関し「あらかじめ特定されない。状況に即して判断される」と拡大の余地を残した。

 首相は中東での機雷掃海をめぐり「戦争への参加では」と問われると「イエスかノーで答えられるような単純な問題ではない」とかわした。二日間の審議で説明責任を果たしたとは到底いえず、解釈変更に賛成している日本維新の会の片山虎之助元総務相も「審査を終えては駄目だ。国民の認識が高まらない」と議論継続を求めた。 (新開浩)



集団的自衛権 集中審議 各党の態度をみると

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-07-17/2014071702_01_1.html


 衆参両院の予算委員会の集中審議(14、15両日)で、集団的自衛権の行使容認の「閣議決定」(1日)に対する各党の態度はどうだったのでしょうか。


「日米同盟を強化」 自民  行使反対明言せず 民主

 衆院予算委員会(14日)で、自民党の高村正彦副総裁は「もし日本を攻撃したらアメリカが相手をたたきつぶす、こういうことを(相手が)はっきり理解してこそ抑止力だ」と強調。「日米同盟の信頼性」を強化することが「閣議決定」の核心であるとしました。

 公明党の北側一雄副代表も「日米防衛協力をより実効性のあるものに、また信頼性のあるものにしていくことが一番大事」と同調しました。

 日本共産党以外の野党の態度はどうか。

 民主党の海江田万里代表は、「国民の議論を無視して決めることは反対」と述べ、「閣議決定」で重大問題を決めた手続きについて批判しましたが、行使そのものへの「反対」は明言しませんでした。

 同党元代表の岡田克也衆院議員は、多国籍軍の後方支援で「リスクが高まる」としながら、武力行使の一体化に関する限定を「見直すことに反対しているわけじゃない」と発言。危険な活動範囲の拡大の必要性を認めました。

 「立派なご決断をされた」。次世代の党の山田宏衆院議員は「閣議決定」を強行した安倍首相を礼賛し、みんなの党も安倍政権に同調しました。

 日本維新の会(橋下グループ)は、すでに行使容認の見解をまとめています。片山虎之助参院議員は「日米同盟の強化になり、抑止力も向上する」と賛成を表明しました。

 維新との合流を目指す結いの党の柿沢未途衆院議員も、政府が示した事例について「自衛隊がこういう活動をやることに本質的な異論があるわけではない」と述べています。

 審議を取材したある地方紙記者は「共産党の質問時間がもっと長ければ国会審議は面白くなる」と述べていました。


共産党の論戦  戦地派兵告発 各紙1面で

 日本共産党の国会論戦は、「閣議決定」が「戦闘地域」での他国軍への後方支援に道を開き、これまでの海外派兵よりもいっそう“殺し殺される”戦闘に自衛隊が巻き込まれる危険性があることを浮き彫りにしました。

 笠井亮衆院議員は、現に銃撃戦が行われているような「戦闘現場」に自衛隊が居合わせることを「閣議決定」が想定していると指摘(14日)。安倍晋三首相は自衛隊の活動場所が「戦闘行為の現場になる可能性はある」と認めました。

 笠井質問を受け、小池晃参院議員は「戦闘現場」で自衛隊が攻撃されれば応戦せざるをえず、結果的に戦闘に参加することになると追及(15日)。首相は「身を守るために、また任務を遂行するための武器の使用はある」と述べ、自己防護に加えて任務遂行のための武器使用を認めました。

 小池氏は、「非戦闘地域」の活動に限定されたイラク派兵(2003〜09年)でさえ薄氷を踏む実態だったことを示し、「戦闘地域」に行けばさらに危険にさらされると追及。首相は「危険はないのは明確だ」としていた14日の答弁を、「完全に安全な場所ではない」と言い直しました。

 16日付各紙も注目。「毎日」は1面で小池氏の追及に首相が武器使用を認めた答弁を紹介し、「武装集団などとの衝突拡大や、自衛隊が多国籍軍の武力行使に巻き込まれる懸念もある」と報じています。

 「朝日」も1面「自衛官の命 首相語らず」との見出しで、小池氏の指摘を紹介。「東京」も「戦地『安全ではない』」の見出しで取り上げました。


地方紙も取り上げていますね。


北海道新聞

安保集中審議 政府の論理破綻明白だ(07/15)

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/551242.html


 集団的自衛権行使を可能にする憲法解釈変更に関する衆院予算委員会の集中審議がきのう行われた。安倍晋三内閣が閣議決定してから初の国会論戦である。

 審議であらためて明らかになったのは、限定行使といいながら実質的な歯止めがない矛盾と、閣議決定で言及のない集団安全保障にも道を開く乱暴な論理だ。

 憲法9条に抵触する恐れが強いことがますます明白になった。この閣議決定に基づく日米防衛協力指針(ガイドライン)見直しや安保法整備は断じて認められない。

 横畠裕介内閣法制局長官は、新たな武力行使の3要件のうち「明白な危険」について「わが国が武力攻撃を受けたのと同様な深刻、重大な被害が及ぶのが明らかな状況」とし、可能な武力行使は「わが国を防衛するための自衛の措置に限られる」と説明した。

 だが、首相はホルムズ海峡での戦闘中の機雷除去について「石油の供給不足で国民生活に死活的な影響が生じ得る」として3要件に当てはまるとの考えを示した。

 また「日米同盟は死活的に重要だ。同盟の関係で起こり得る事態については、3要件にあてはまる可能性は高い」とも述べた。

 石油も日米同盟も日本に死活的に重要だから集団的自衛権行使は可能という理屈だ。「死活的」かどうかの判断は時の内閣次第である。民主党の岡田克也氏が「3要件は何の限定もしていない」と批判したのも当然だ。

 そもそも、政府が憲法解釈変更の根拠とした1972年の政府見解は「集団的自衛権行使は憲法上許されない」と結論づけている。

 横畠氏は閣議決定について「結論の一部は変わるが、72年見解の基本論理と整合する」と述べた。結論の一部どころか正反対に変えている。こんな解釈を許すなら「法の番人」たる内閣法制局の長官の役割を果たしてない。

 首相は機雷除去に関連し、3要件を満たせば国連決議に基づく集団安保でも可能だと明言した。

 機雷除去は国際法上の武力行使である。「武力行使を目的とした戦闘行為には参加しない」という従来の説明と明らかに食い違う。

 首相は改憲手続きを経ずにこれ以上、集団的自衛権行使を広く認めることはできないと指摘し、他国と同様の全面的な行使を認めるには「憲法改正が必要になる」との認識を示した。

 だが拡大解釈の余地を残すことに腐心する首相の答弁を聞く限り、その言葉は信用できない。


河北新報

自衛権集中審議/国民の疑問深まるばかりだ

http://www.kahoku.co.jp/editorial/20140716_02.html


 答弁を重ねるほどに「明確な危険」の範囲が広がり、「必要最小限度」の規模が変化して、自衛隊の活動に歯止めが利かなくなる恐れが高まる。

 そんな懸念が浮き彫りになり、安全保障政策の大転換に対する国民の不安を払拭(ふっしょく)するどころか、増すばかりではないか。

 集団的自衛権の行使を可能とする閣議決定を踏まえて14、15両日、衆参両院の予算委員会で行われた集中審議である。

 閣議決定後初めての国会論戦。安倍晋三首相は、ときに野党の質問をはぐらかす一方で、閣議決定を補足する説明で踏み込んだ答弁を繰り出し、集団的自衛権をめぐり自衛隊に認める「武力行使3要件」の曖昧さが抱える危うさを、あらためて見せつけた。

 「明白な危険」など3要件で明示した「限定容認」の不明瞭さが浮かび上がり、武力行使の範囲や規模が政府の裁量でより幅広く認定される可能性があるということだ。

 安倍首相らは14日の衆院予算委で、同盟国の米国が攻撃を受けた場合や、石油供給が絶たれて日本に打撃を与えるような経済危機は、行使の可否を判断するケースに当たり得る、との認識を明らかにした。

 中東における機雷掃海は受動、限定的と容認し、国連決議で侵略国を制裁する集団安全保障への参加も3要件の範囲で可能とした。

 15日の参院予算委では、3要件の一つ「必要最小限度」の武力行使について、相手国の攻撃の規模や態様によって変わり得る、との認識も示した。

 歯止めの機能不全状態につながりかねず、国民の懸念が募るだろう。

 「密接な関係にある他国」も、米国以外は「相当限定される」と、日米同盟強化の手段とする本音を隠さない。台頭する周辺国への抑止力を期待し、米国に見捨てられないための緊密な関係の構築を、ということだろうか。国力に陰りが見えるとはいえ、基地を提供する代わりに守ってもらう、日米安保条約の根幹が揺らごう。

 米国への協力が存立を脅かされない要諦だとすれば、その分米国の戦争に引き込まれるリスクは高まる。覚悟を問われた安倍首相は深入りを避けた。政治に必要な国民への誠意や説得の姿勢を欠いていないか。

 集団的自衛権行使による防衛は自国、他国を区別しない。国際的に使い分けは通用しにくく、そこにも自衛限定の論理が破綻しかねない一端がのぞく。

 安保政策は日々の暮らしとの関わりが薄く、論議も専門的になりがちだ。分かりづらい抽象的な議論を重ねても国民に届かない。安倍首相は説明責任を尽くし、野党は具体的な課題を示し追及してこそ、是非が明確になる。ともに責任は重い。

 集団的自衛権行使が今なぜ必要で、3要件の歯止めが有効に機能するのか。国民が最も知りたい論点への議論が2日間の日程では足りない。引き続き、審議の機会を持つべきである。


佐賀新聞

[論説]自衛権集中審議

http://www.saga-s.co.jp/column/ronsetsu/84280


 集団的自衛権の行使を可能にする閣議決定を受け、初めてとなる国会の集中審議が衆参両院の予算委員会で2日間開かれた。安倍晋三首相は新たな「武力行使の3要件」が「厳格な歯止めとなる」と説明するが、むしろ際限なく広がる可能性さえ感じた。

 新3要件は、他国への攻撃でも日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある場合、必要最小限度の実力行使を認めるとした。しかし国民にはどんな事態を指すのか判然としない。

 首相は審議で新たに「明白な危険」の判断基準として、「攻撃国の意思、能力、事態の発生場所、規模、態様、推移などの要素を総合的に考慮し、わが国に戦禍が及ぶ蓋然(がいぜん)性、国民が被る犠牲の深刻性、重大性」を挙げたが、これも抽象的である。

 具体例として、中東のホルムズ海峡に機雷が敷設されて石油供給が絶たれた場合や、同盟国の米国が攻撃を受けた場合は、3要件に当てはまる可能性に言及した。これで日本の存立を脅かされると判断するのであれば、限定しているとは言い難い。

 審議では他国の領域での武力行使もあり得るとした。岸田文雄外相が「3要件を満たす場合には他国の領海内でも機雷掃海は許容される」と踏み込んだ。機雷掃海を「受動的、限定的」として武力行使との質の違いを強調したが、機雷を敷設した国が戦闘行為と見なし、反撃することもあり得る。

 国会での集中審議は本来であれば、閣議決定前に開かれるべきだった。2日間で疑念が解消されることはないが、「容認ありき」の与党協議と違い、野党との論議は国民の不安がぶつけられ、政府の考えを引き出すことにはなった。

 今回の集中審議はそのスタートにすぎない。政府は国民に説明する機会を増やし、不安や疑問に答えなければならないが、その意識は薄そうだ。

 政府は行使を可能とするために必要な安全保障関連の具体的な法整備を来春以降に先延ばしするとしている。法案づくりに時間がかかるのは理解できるが、その一方で、自衛隊と米軍の軍事協力の強化を目指す日米防衛協力指針(ガイドライン)の年内改定に行使容認を反映させる考えだ。

 米国とのすり合わせが先なのはいかがなものか。国民や国会の手が届かないところで再び話が進む恐れがある。審議で岸田外相は「米国に対する武力攻撃は、わが国の国民の命や暮らしを守るための活動に対する攻撃になる」と述べた。こうした姿勢では米軍の要望に応え、武力行使の一体化が進む可能性がある。既成事実が積み上げられ、法案審議のときに引き返せなくなっていないかと今から心配する。

 先日、訪問したオーストラリアで安倍首相はこう語っている。

 「日本とオーストラリアには、それぞれの同盟相手である米国とも力を合わせ、一緒にやれることがたくさんある。なるべくたくさんのことを諸外国と共同してできるように、日本は安全保障の法的基盤を一新しようとしている」。

 国内では歯止めを強調しながら、国外では他国と歩調を合わせるような発言をしている。どちらが本心なのか。国民と正面から向き合ってほしい。(宮崎勝)




沖縄タイムス

社説[自衛権集中審議]すでに「歯止め」がない

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=76740


 日本が攻撃もされていないのに他国の防衛のために集団的自衛権を行使することと、安倍晋三首相が強調する「受動的」「限定的」な範囲にとどめるというのは国際的には通用しない。歯止めとしている武力行使の新3要件もあいまいで、時の政権の裁量次第でいかようにでも解釈できる余地が残されている。

 米国が攻撃されたり、中東のペルシャ湾・ホルムズ海峡に機雷が敷設され、石油供給が絶たれたりするなどの経済的な要因も集団的自衛権を行使するケースに当たるという。「専守防衛」を逸脱するのは明白で、武力行使が際限なく広がる懸念が拭えない。早くも、歯止めがなきに等しいことが浮き彫りになった。

 衆参両院の予算委員会は14、15の両日、集団的自衛権に関する集中審議を行った。憲法解釈を変更した閣議決定から初めての国会論戦だ。

 日本に輸入される原油の8割が通過する中東のホルムズ海峡における機雷掃海について安倍首相は「石油の供給不足が生じて国民生活に死活的な影響が生じ、わが国の存立が脅かされる事態は生じ得る」と答弁した。経済的要因も集団的自衛権の行使に該当するとの認識を示したものだ。どれだけの経済的ダメージを受ければ集団的自衛権の行使に踏み切るか判然としない。

 機雷掃海について安倍首相は受動的、限定的と強調したが、集団的自衛権を行使し、「敵国」が敷設した機雷を除去することは受動的、限定的などではない。戦争における能動的な戦闘行為である。逆にいえば日本は敵国の攻撃の対象になるのである。

    ■    ■

 ホルムズ海峡での機雷掃海では、沿岸国の領海に入らざるを得ない。岸田文雄外相は「他国の領海内でも許容される」と明言した。「海外派兵はしない」と繰り返す安倍首相の見解との齟齬(そご)ではないか。

 日米同盟が大きな影響を受ける場合も武力行使の3要件に該当する可能性が高い、と安倍首相は答弁した。米国が主導する戦争に日本が巻き込まれる危険性が高まる。閣議決定の内容に地理的制約は明記されておらず、日本が米国の世界戦略に深く組み込まれることは間違いない。

 集中審議における安倍政権の前のめりの姿勢はそれだけではない。安倍首相は新3要件を満たせば、米艦防護など政府が提示しながら与党でも議論が尽くされていない8事例、当初は否定していた国連決議に基づき団結して武力制裁を科す集団安全保障への参加もできると踏み込んだ。もうすでに閣議決定を飛び越えたなし崩し的な拡大である。

    ■    ■

 安倍首相は集団的自衛権の行使に、どういうリスクが伴うかについては固く口をつぐむ。集中審議でも「自衛隊のリスクが高まるのを認めた上で、国民に説明すべきだ」と何度も迫られたが、真っ正面から答えることがなかった。

 集団的自衛権は他国の戦争に参戦することである。他国を守るために自衛隊員に戦死者が出る。自衛隊員が敵国の兵士を殺す。安倍首相は聞き心地の良い言葉だけを並べ、戦争のリアリティーを隠しているというほかない。

2014-04-23

[][]「日豪経済連携協定(EPA)の大筋合意に関する声明」(大学教員の会)の読み解き

TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」さんが、先の日豪EPAの大筋合意に関して声明を出されました。

難しい言葉だけどわかりやすく、非常に重要な指摘であると思ったのでSNSでシェアしたところ、一般の方にはやはり内容が難しいよね、という反応が返ってきたので、簡単にですが読み解きをしていきたいと思います。

細切れにしていますが引用部分が元々の教員の会の声明で、それ以外は偽百姓の個人的見解となりますのでご容赦ください。


2014年4月16日

日豪経済連携協定(EPA)の大筋合意に関する声明

TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会


 日豪政府は4月7日、焦点となっていた牛肉の関税に関して、冷凍牛肉については現在の38.5%を18年かけて段階的に19.5%まで引き下げ、冷蔵牛肉については15年かけて23.5%まで引き下げることに合意した。これに伴い、輸入牛肉が急増した場合に国内畜産農家を保護するセーフガードとして、輸入が一定枠を超えた場合に関税を元の38.5%に戻す緊急輸入制限措置が採用された。これと同時に、大筋合意では、オーストラリア向けの日本車に対する5%の関税が中小型車については協定発効と同時に撤廃され、大型車については3年かけて撤廃されることになった。

 牛肉の関税引き下げをめぐる今回の日豪合意をめぐって農業団体の間では、「ぎりぎりの交渉を粘り強く行った結果」と受け止める団体と、「国民、農業者への裏切り行為」と厳しく批判する団体に分かれている。

しかし、日豪EPA交渉が開始された2006年12月に採択された自民党農林水産物貿易調査会決議、衆参農林水産委員会決議に照らせば、牛肉の関税をほぼ半減させる今回の合意が、「米、小麦、牛肉、乳製品、砂糖など重要品目は除外または再協議の対象となるよう、政府一体となって交渉すること」、「万一、我が国の重要品目の柔軟性について十分配慮が得られないときは交渉の中断を含め、厳しい姿勢で臨むこと」とされた決議に反することは明らかである。

 これに対して、政府内には上記決議にある「除外」の定義は前もって確定したものではなく、交渉の中で決められるものであると解釈し、関税率の引き下げは関税の撤廃と違って「除外」に含まれるかのような答弁が国会でされている。しかし、こうした解釈は、「聖域」の切り売りを余儀なくされるに至っても、政府が交渉中断の道を選ばず、「初めに妥結ありき」の姿勢で交渉にのめりこんだつけといえるものである。それを後知恵の修辞ではぐらかそうとするのは姑息で無責任な物言いであり、国民を愚ろうするものである。

初段は改めて、合意内容について振り返っています。

この点について単純なプラスマイナスに話を振るのは適切ではないのですが、理解のためにということで敢えて分けますと、

<日本にとってマイナスとされる内容>

○牛肉輸入関税の削減(冷凍は約半分となる19.5%、冷蔵は23.5%)

→十数年かけてと言っているが、最初に大きく下がるのが通例であり、輸入牛肉の価格が大きく下がるであろうことは明らか。(詳しくは次の引用参照)

 これについては二段目にあるように、自民党農林水産物貿易調査会決議および衆参農林水産委員会決議に反することだ、と糾弾されています。

 「決議」というのはわかりにくいかもしれませんが、ものすごく強引に言うと「こういう風にしましょうね」という約束事項みたいなものです。

 これ自体に法的な拘束力があるわけではないのですが、「決議をした」ということそのものが国民との約束になるわけですから、それを破る、あるいは有耶無耶にするというのは政治家としてあるまじき行為である、ということは重々認識されるべきかと思います。

 (ちなみに約束をしたのは自民党調査会および衆参委員会であり政府ではないですが、いずれも与党議員が中心であることは間違いなく、これに違反するのであれば離党、あるいは不信任決議による内閣交代を迫る、という対応が当然求められるものと私は考えます)

 また三段目では「関税引き下げなら問題ない」とする政府の「決議違反」に対しての詭弁を非難しています。当然です。


<日本にとってプラスとされる内容>

○輸入牛肉が増えた場合に、輸入量が一定を超えたらそれ以上は高関税にできる仕組み(セーフガード)を導入。

 現状の輸入量から大きく上回る場合はこれが発動する。

→セーフガード発動後は現在と変わりませんが、裏を返せば今までの輸入分については関税分価格が下がることを意味しています。

 そうなると、

  輸入量が一気に増えるわけではないので需給バランスは変わらない

  →だから国産は守られる

 という論理は破たんすることとなり、実際は

  輸入肉の価格が下がる

  →国産との価格差が拡大

  →相対的に国産が『高く』なることで買いにくくなる

  →国産肉も値段を下げなければ売れなくなる

  →結果として国産牛肉市場の価格崩壊に繋がる

 というわけですね。


 また、関税収入(国税)も減少することになります。

 この点についてはあまり報道がなされていませんが、TPPと合わせると決して少なくない額の税収減につながります。

 税収足りないから消費税も上げたのにね。

 ちなみに輸出企業には消費税分を還付する「輸出戻し税」なるものがあります。

 当然、輸出を多く行う大企業ほどこの額が大きくなります。


自動車輸出関税の撤廃(中小型車は即時撤廃、大型は3年で撤廃)

 →これが今回の目玉のようです。他の報道を見てもこれが大きく扱われています。

 ただし豪州の経済規模はさほど大きくなく、元々5%の関税が撤廃されることに為替変動(円安〜円高)以上の効果が果たしてどれほど期待できるのか、という疑問符は付きますよね。

 それからもう一つ、「関税が撤廃されれば輸出が増える→国内生産が拡大して雇用確保・収入増加に繋がる」という論もありますが果たしてそうでしょうか。

 日豪EPAにも投資の自由化条項が含まれており、投資が自由化されるということはすなわち「工場の海外移転をしやすくなる」ということでもあります。

 はてさてそうすると、「資源のない日本に資材を輸入して、高い人件費で加工し、原油高で燃料費の上がる船便で輸出する」ことと「人件費の安い国に資材を運び加工し、そこから輸出する」ことと、どちらが経営的に合理性が高いのでしょうね。

 さらにそこに、「邪魔な環境規制や労働規制、その他不都合なことはISDS条項で訴えて潰してしまえ」が加わると…。

 このことが日本経済の復権につながるとは、僕にはちょっと考えられません。


 セーフガードというが、半減される関税率が適用される輸入数量枠は年を追うごとに増加していく仕組みになっている。また、今回採用されるセーフガードは数量ベースであり、安い輸入牛肉に引きずられる形で価格が下がった場合の保護にはならない。さらに、15〜18年かけた段階的引き下げといっても、初年度に一気に6%(冷蔵用)あるいは8%(冷凍用)も引き下げられる仕組みになっている。これでは「農家にとって生殺しにされるようなもの」(2014年4月9日、「盛岡タイムス」)と言っても過言ではない。

 また、それぞれ影響が及ぶ分野が異なる自動車の輸出関税と牛肉の輸入関税をバーターで交渉し、為替変動で無に帰す程度の自動車関税の段階的撤廃を得るのと引き換えに、食の自給、安全と直結する牛肉の関税を半減させる道理はどこにもない

先に挙げたこととも一部重複しますが、「セーフガード」の実態について述べられています。

○半減される関税率が適用される輸入数量枠は年を追うごとに増加していく

 →セーフガードは初年度には冷凍195,000トン、冷蔵130,000トンで発動します。

  (合計は325,000トン。これは2013年実績286,546トンをやや上回る数量。)

 これが 5年目には冷凍201,700トン、冷蔵136,700トンの338,400トンとなり大幅に増加する予定で、さらに10年後には冷凍210,000トン、冷蔵145,000トンの計355,000トンまで拡大される予定です。

 つまり「現在輸入している以上の量の牛肉について、低関税で輸入しますよ」ということなので、実質的にセーフガードがそこまで機能するものになるとは思えません。

 なぜなら…下に続きます。


○価格が下がった場合の保護にはならない

 →前段で述べた通り、安い外国産牛肉が出回ることで国産牛肉にも値下げ圧力が生まれることは必至です。

 少なくとも値上げ圧力は生まれないでしょう。

 しかしながら、畜産業界は今でも既に青息吐息のところが多いです。

 大きな原因はアベノミクスによる円安により、飼料価格が高騰していることです。

 こちらは関税の問題ではないので、いくら貿易を自由化したからといって飼料が安くなるわけではなく、むしろ国際価格変動に振り回されることになるでしょう。

 また、環境問題がクローズアップされてきていますから、今後畜舎の環境整備も必要になるかもしれません。


○初年度に一気に6%(冷蔵用)あるいは8%(冷凍用)も引き下げられる

 →これにより、畜産農家の経営は一気に厳しくなるでしょう。

 「生かさず殺さず」というよりは「殺さないギリギリの範囲」での営農を余儀なくされ、最終的には農業参入の規制緩和で外国資本に農場が乗っ取られていく、なんて未来も有りうるかもしれません。


○為替変動で無に帰す程度の自動車関税の段階的撤廃を得るのと引き換えに、食の自給、安全と直結する牛肉の関税を半減させる道理はどこにもない

 →何をメリットで得て何を失うのか、きちんと精査することが必要です。


 さらに、今回の日豪大筋合意でわれわれが懸念するのは、それが目下進行中のTPP交渉に波及することが避けられないという点である。BSE問題で日本市場での牛肉のシェアが落ち込んだアメリカはTPP交渉で失地回復を目指している。それだけに、日米交渉でアメリカはオーストリア向けの関税を上限とみなし、それを大幅に上回る税率引き下げを求めてくるのは明らかであり、今回の日豪合意は、そうした市場開放圧力に対して防御の役割を果たすはずの国会決議を政府自らが放棄したに等しい。

 現に、オバマ大統領の来日を控えた日米交渉でアメリカは牛肉関税の撤廃、少なくとも一ケタ台までの引き下げを要求していると伝えられている。しかし、この局面でも政府・与党内ではアメリカ向けの関税をオーストラリアと合意した水準内にととどめれば国会決議に違反したことにならないという解釈が早々と台頭している。こうした議論は国会決議のドミノ的違反を身勝手な解釈で釈明しようとするものであり、許されない。

ここはもうそのまま、現状になっていますね。

TPPにも先に挙げたものと同じ「決議」がありましたが、それをなし崩し的になかったものにしてしまおうというのが今政府が取っている対応です。


われわれは政府と国会に次のことを要求する。

1. 2006年12月の自民党決議、衆参農林水産委員会決議に明確に反する日豪EPA協定には署名すべきでない。国会は大筋合意を白紙に戻すよう、政府に働きかけるべきである。

万一、政府が協定に署名したとしても衆参両院は国会でこの協定を承認してはならない。

2. 目下の日米交渉やTPP交渉では、牛肉ほか重要農産物の関税は除外または再協議するとした昨年3月の自民党決議、衆参農林水産委員会決議は厳守すべきである。オーストラリアと合意した水準の範囲内なら、これら決議に反しないなどというこじつけの解釈で決議違反を糊塗するのは許されない。

3. 関税以外の分野も含め、交渉の進展状況を国会と国民に向けて直ちに公開するよう求める。それなしに、いかなる国といかなる合意を交わすことにもわれわれは絶対に反対する。

4. 関税以外の分野も含め、衆参農林水産委員会と自民党の決議で示された諸項目は日本にとって最低限の聖域である。これさえも切り売りしなければならない状況に至っているTPP交渉から直ちに脱退するよう求める。

以上

ということで、これらの要求です。

1.日豪EPAは決議違反なので署名するな、

2.TPPでもなし崩し的に合意するな、決議を守れ、

3.交渉状況を公開しろ、

4.こんな交渉状況ならTPPなんて辞めてしまえ、

ということです。


以上簡単でしたが、偽百姓的読み解きをお送りいたしました。

最新情報が溜まってきています。

頑張って更新しますー!