幽栖録

極私的備忘録

俺は待ってるぜ!』監督:蔵原惟繕 脚本:石原慎太郎 主演:裕次郎北原三枝 1957年(昭和32年
蔵原惟繕監督デビュー作であった。上手いね。港町で小さなレストランを営みながらブラジルへ渡った兄からの連絡を待つ男(裕次郎)。過去を持つキャバレー歌手(北原三枝)。ボクサー崩れの地元のヤクザ(二谷英明)。ブラジルへ渡ったはずの兄が音信不通になる。その謎を追ううちに、、、。

 その後、読んだ本

『世界十五大哲学』大井正/寺沢恒信 PHP文庫
1962年に出版されたものの復刻本。佐藤優に乗せられちゃったなぁ。ある意味、懐かしく、面白かった。「反動(的)」とか「小ブルジョワ」とかいう言葉を久しぶりに見た。哲学的な体系とか認識論には、まったく興味がなくなっているな、私は。倫理(学)は興味がある。だがそれも結局個別具体的にどう判断するか、みたいな話になってくると、(新約)聖書(福音書パウロ書簡)あたりを読んだ方が面白いかな、という感覚だな、今は。
原発敗戦』船橋洋一 文春新書
だいぶ前に買ったけれど、今更、みたいな感じもあってほったらかしになっていた。読んでみると、当時の実際の対応など、いろいろと参考?になって面白い。同じ著者の『メルトダウン』も読んでみよう。
『じゅうぶん豊かで、貧しい社会』ロバート・スキデルスキー、エドワード・スキデルスキー 筑摩書房
先進資本主義国が、すでにじゅうぶん豊かになっているにもかかわらずいまだにGDPの拡大=金銭的貪欲に突き動かされているという問題意識から、「良い暮らし」とは何か、それは「存在し、定義可能であり、そしてそのことを目指すべきである−そのことを伝えるために私たち(著者)は本書を書いた」「問題は、万事を金銭価値に換算する競争経済では、もっと欲しがれ、欲しがれと圧力がかかり続けることだ」 全くその通りなんだが、読後の感想としては、著者自身が「序論」で紹介している「反論」に、結局応えられていないんじゃないかという感じだなぁ。その圧力から逃れるのは個人の自覚しかないような気がするのだが。
『大格差』タイラー・コーエン NTT出版
今後さらに、超富裕層と、収入が頭打ちになる層との格差が拡大し、中間層はいなくなってしまう。15%の超富裕層とその他大勢、というのだが、(私的な)感覚としては世界レベルで見たら現在はそんなもんじゃないか?でその他大勢(たとえばアフリカ諸国民)はまだ豊かになる余地がある。しかし、先進国のその他大勢は、アフリカ諸国民と同じレベルまで現状からは下がってゆく可能性があるだろう。結局は、私の関心は、個人としてどう生きるか、どう生きられるようになるべきかということになってしまう。(私が恵まれた立場にいることは間違いない。)






.