月曜日のドラマ 『ヴォイス 命なき者の声』

『ヴォイス 命なき者の声』第8話




大己(瑛太)、亮介(生田斗真)、羽井(佐藤智仁)は、哲平(遠藤雄弥)の部屋に
来ていた。哲平の部屋には、沢山の海外ドラマのDVDがあった。
大己は、海外ドラマのDVDボックスを2セットずつ持っている哲平にどうして!
と連呼して理由を問うと、鑑賞用と保存用という。
いわゆるオタクの哲平は、コレクションとして集めるために保存用として持っていた。
そんな哲平を理解できない大己は、一生開けないなら中身はいらない、
箱だけ売ってればいいのに…と意見する。
そんな中、哲平は海外ドラマのCSI:NYがきっかけで法医学ゼミに入ったと話し始める。
哲平は、歯医者を経営する父親に反対されたが、法医学の道に進んで良かったと
いうのだった。
一方、佳奈子(石原さとみ)は、1ヶ月アメリカで実地研修できるプログラム
(海外研修)の最終面接まで残っているためレポートを書いていた。


翌日、東凛大学の解剖室に、火災現場で死亡した62歳の男性が運び込まれる。
大和田(山崎樹範)が遺体の詳細を報告する。
その男性・今成卓見(平田満)は警備員で、自宅付近の火災現場で発見されたが、
なぜか胸に子供・小谷聡(福本晟也)の遺体を抱えていた。今成と子供に面識がなく、
今成は独身で両親も他界していて、身寄りのない遺体。
所持品は、ポケットに70円。
遺体付近には鍵が落ちていたが、鍵についていたキーホルダー部分だけが
焼き焦げていた。
火災の原因は調査中だが、子供の遺体がカーペットに包まれていたことから、
今成には放火犯の可能性もあるという。
佐川は、今成の遺体の状況から死因は子供の遺体と同じ一酸化炭素中毒と判断。
早速、遺体の解剖を開始する。大己、亮介、哲平、羽井は、佐川から
肝炎を患っていたを聞き、ウイルス性にかかっている人の解剖は注意して行う
とようにと指導される。
そんな矢先、解剖作業をしていた哲平は、玲子(矢田亜希子)から今成の肝臓を
実験室に運ぶように指示される。ところが、途中でシャーレを落としてしまう。
慌てて割れたシャーレと肝臓を拾い集める哲平。
その指を、シャーレの破片が切っていた。物音を聞き駆け込んできた佐川は、
出血した哲平の指を取ると急いで洗浄する。
その後、佐川は哲平に抗ウイルス薬を投与し、不安がる哲平を励ます。
その頃、蕪木(泉谷しげる)は、今成がB型肝炎であると突き止める。
感染していたら命に関わるだけに、大己らたちは検査を受けている
哲平のことが気にかかる。


次の日、大己たちは、火災の原因が今成のせいではなく、ストーブの消し忘れ
によるものだったことを知る。大己と亮介は、今成が火災現場にいたことに
疑問を抱くが、羽井は、今成が肝炎だったせいで哲平が苦しんでいるんだ、
今、自分たちが心配するのは哲平だ!と大己たちに怒鳴りつけた。
そんな時、佳奈子は哲平の自宅に行ってくるといい、その場を去り、
羽井は佳奈子の後を追うのだった。
その後、2人は自宅待機中の哲平を訪ね、部屋に入った佳奈子は、哲平に謝罪する。
実は、哲平が指をケガした日、佳奈子は大学が募集する海外研修の最終面接があり、
解剖作業を代わってもらっていたのだ。
哲平は、肝炎に感染した場合のことを考え、自分の生死のことを真剣に悩み、
感染の有無に関わらず法医学を辞めると決心する。
一方、大己と亮介は、今成の警備員・同僚の2人(山崎直樹ト字たかお)に
今成がどんな人だったのか尋ねる。
2人から大己たちは今成は無口で神経質な人であることや新聞に何か書いていたこと
を聞き、今成が残したいくつかの新聞を調べ、今成が詰め将棋をやっていたこと
を知る。


後日、研究室にいた大己たちは、大和田から、今成が少し前まで科学警察研究所
通称“科警研”の火事を専門に分析する部署に勤めていたことを聞く。
そして、大己たちは、今成の所持品の70円は、火災事故の前に新聞を買った時の
お釣りだったことや、焼き焦げになったキーホルダーは分析の結果、
昔に焼けた物と判明したことを知る。
そんな中、哲平が法医学を辞める決意をしたことに責任を感じている佳奈子は
ショックを受けていた。
すると、大己は、佳奈子に哲平がこんなことになったからといって、今成のことから
目を逸らしてはいけない、危険を顧みず火災現場に立ち向かって行った今成の
最後の声を拾いたいというのだった。
その後、大己は、“科警研”に今成の元部下・矢野(田中実)を訪ね、
今成が将棋をやっていたことや海外ドラマのCSIが好きだったことを聞く。
そんな中、矢野から今成をよく知るという上司・三島(志賀廣太郎)を紹介された
大己は三島を訪ねる。
三島から大己は、今成が詰め将棋をやっていたが、自分の性格や考えを曝け出す
将棋が嫌で、人と指すのを好まなかったことや焼き焦げになったキーホルダーは、
今成が研修で初めて火災現場に訪れて拾った物だったことを聞き、
今成ほど火災のことに精通している男はいなかったとの情報を得る。
それを知った大己は、火災のプロがなぜ火災現場で亡くならなければいけなかった
のか…と思いを巡らせる。


翌日、大己、亮介、羽井が研究室で哲平の心配をしていると、そこへ佳奈子が来て、
火災現場で子供を包んでいたカーペットが、不燃加工が施された特殊なものだった
と話す。それを聞いた大己は、今までの今成の情報を思い出し、
救い出したかったんじゃなかったんだ!とあることに思い当たった大己は、
研究室を後にする。
その後、大己がやってきたのは、亡くなった子供の両親(農塚誓志・中込佐知子)
のもとだった。
今成と子供のことについて、少し話がしたいと言うが、現状を受け入れられない母親に
拒絶されてしまう。
その頃、検査のための哲平の採血が終わる。それを待っていた亮介たちに大己も合流し、5人は研究室へ向かった。
なんとなく重苦しい雰囲気が漂う中、哲平は今回のことで自分の弱さを痛感したと言い、感染の有無に関わらず、法医学を辞めようと思っていると明かす。
すると、大己は、哲平に今成もCSIの大ファンだったことを話し始める。
今成は、そのDVDボックスを観賞用・保存用・プレゼント用の3セットを持っていて、
今成の方がCSIに対する熱意が高かったという。
そんな今成は、矢野のミスが原因でB型肝炎を発症してしまい、それを気に病む矢野は、家にこもり、職場に来なくなってしまった。
今成は、普段無口で研究熱心なのに矢野を気遣い、そのDVDとメモを送っていたという。
今成に勇気付けられた矢野が職場を復帰した時に、自分の身に危険が迫ることには
覚悟ができているから申し訳ないと思うんだったら仕事を続けろ、と激励していた
ことを話す。
そして、大己は今成が何故、重いカーペットで子供を包んだ理由を説明。
今成が火災現場に行った時には、既に子供は息を引き取っていて、
今成は、子供の焼死体が両親にどれだけのショックを与えるかを経験上知っていたため、
燃えにくいカーペットを巻き、遺体を火から守りたかったのだろう。
大己は、そんな今成のことを最後までプロフェッショナルだったといい、
自分を犠牲にしてまでも、子供の遺体を守り、残された遺族を思いやれる今成の
ことを凄いと思うと話す。
大己の言葉に、今成の人間性と仕事に賭ける情熱を知った哲平は熱い涙を流すのだった。


翌日、哲平は、佐川に検査結果に関わらず法医学を続けると決意したことを話し、
佐川と共に検査の結果を聞きに病院に行った。
一方、哲平の検査結果の陰性を願い、大己たち4人は、とある神社を訪れていた。
健康祈願のお守りを買ったり、高額のお賽銭を投げたりしていると、
大己の携帯電話に哲平から電話が入る。
哲平から検査結果は、セーフだったとの連絡。
それを聞いた4人は、心から安堵し微笑み合う。
その後、研究室にいる大己たち4人のところにきた哲平は、みんなからお守りを
もらい、仲間との友情を実感するのだった。





第8話でしたが、今成は、自分を犠牲にしてまでも残された遺族のことを思い、
子供の遺体を焼死体にならないように守ったわけですねっ!!
今成は、かっこよすぎですっ。
今回は、哲平メインでしたが、大己が命なき声を知ることによって、
哲平は命なき人の思いが伝わり、法医学を辞めると決意したことを撤回。
このドラマは、本当に毎回いい話で感動して見入っちゃってます。
次回も期待…。