行列のできる大学とは
以下の記事をご覧になった方も多いと思う。
紹介されているのは県内の3国立大学で,新潟大学は「副専攻制度」などの新設,上越教育大学は教育実習を重視して指導力養成,長岡科学技術大学は卒論に代えて実務訓練を実施といったところが要点。それぞれに数年前から指摘されている少子化,大学全入時代への対応が進められている。少しばかり引用してみよう。
- 新潟大学に関する記事より
上記のように国立大学でさえ努力を重ねているのに,短期間で有効な手段を講じられるのか心配でならない。高い倍率を確保できる学部・学科ができるならそこに所属させてもらいたいのだけれどこれは虫が良すぎるだろうか。
今年,ある国立大学の工学系の先生と法人化の話などいろいろしていて,その大学のある学部は,ある年代の複数の教員が他大学に転出することに活路を見出す雰囲気になって改革が思うように進まず悲慘な状態になったということを聞かせてもらった。受験生どころか,教員まで逃げ出すようなこともあるのだと強く印象に残った。可能な限りいろいろな分野の学会に参加するようにしているが,発表よりも他大学の先生方との情報交換のほうが有益であることは少なくない。本学でもそのような情報を持ち寄れる場ができないものかとずっと思っていて,このブログもそのための試金石にしたいところがある。
また,冒頭の記事には受験生が大学を選ぶ基準について,代ゼミ・進学相談室の岩名氏へのインタビューも掲載されている。
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「資格」支援や授業充実 決め手
「これまでは将来のことを考えず、偏差値や名前で大学を決めていた部分もあると思う。だが、今後は、世の中に出て、しっかりと生き抜いていく力を大学でつけていかなければならない。各大学がホームページなどで公開しいる情報の中身を、事前にしっかりと調べる必要がある。オープンキャンパスにも積極的に参加すべきです」
これについては,今年の本専攻の推薦入試で,私のWebサイトのあるコンテンツを見て,そのことについて学びたいという受験生が来てくれたことでも指摘できる*1。サイトを開設して9年が過ぎてようやく,という思いもあるけれど。
今日は御用納めらしい。新しい年に希望を持てる話が舞い込むことを期待したい。
*1:専攻の推薦選抜の定員12名に対して15名の応募があったうちの1名に該当することになる。