新刊「ネット社会の未来像」に見る大学におけるITの今後と社会学
2006/01/07に社会学者の宮台真司さんの本のことに触れたが,昨日から新刊を読んでいる。
別ブログには,“子どもの安全と監視社会”あるいは“ブログやSNS,2ch”という語をあげて簡単な記事を書いた。
この中で,宮台さんのブログに転載されている「まえがき」から以下のような記事を引用させてもらった。
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IT化は、こうした広く深い問題と密接に関係する。日本ではそのことが、アカデミズムの領域でさえ殆ど自覚されていない。もう手遅れかもしれないが、本書が、そうした絶望的な状況を好転させることに、わずかなりとも資するところがあればと願う次第である。
また,2006/01/15の記事と少し関連させて,以下の発言を自戒を含めて引用しておきたい(pp.221-222;漢数字は変更)。
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西垣──最後にちょっと触れたいのですが,現在,IT教育というか情報処理教育は,あまりおもしろいことをやっていないんです。パソコン・ソフトの操作法なんかを教えているだけです。宮台さんがさっき民度とおっしゃったけれども,インターネットを使って,さまざまな多様なもの,あるいは公共性につながるようなものを考えていくこともできるはずです。
《 中 略 》
宮台──ITやインターネットは21世紀社会の鍵ですよ。僕は確信している。決して過小評価をしてはいけない。それだけはくりかえし申しあげておきたいですね。
生命と社会のしくみを学びたいという自分自身の現在のテーマからも(2006/01/24には「細胞内タンパク質の社会学」という書籍も紹介),宮台さんはじめ何人かの社会学者の著作を読んでいる。
県立大学構想案や,
を読むと,新大学は理系ではなく文系,それも自然科学・人文科学・社会科学という旧来の分類では,社会科学系を指向しているように見える。いろいろな意味で重要な分野であるので,国内外で重要な提言を発している方に新スタッフとして参加してもらえたら心強いと考えている。