- 作者: 魚川祐司
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/04/24
- メディア: 単行本
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逆にまだはっきり理解できないのが、悟りを開いた後なんで死なないんだという問い。その種の問いには悟りはある意味中立的というのも分かる一方、この世の執着から逃れた人は、死んでようが生きてようが関係ない、むしろ執着から完全に逃れるには死んだ方が早いと考えるのもある程度説得力を感じるのだが、どうなんだろう。
永井均さんは近年仏教に言及することが増えて、本も出しているけど、悟りって〈私〉の理解というか感得というか、それとかなり近いんじゃないでしょうかね。
著者自身は仏教徒じゃないというのがこれまた面白い。「哲学をやっている人が哲学教徒ではないでしょ?」という言い方が、仏教のもつ知的・哲学的側面を良く表していますな。