2010-10-15 集めてみた5
横山三国志で「印象深いコマ・ネタとなったコマ」を集めてみた
「うほっいい男」…では無く劉備が漢中王を名乗る決心をした際の張飛の喜びの声(40巻96頁)
前回の続き。横山作品関連の最後のエントリでは「むむむ」以外の横山三国志で印象に残った名シーンや、ネタにされているコマを選んでみた。
巨人・張飛(1巻158頁)
巨人・張飛2(1巻168頁)
初期の張飛はとにかく \でけえ/。前期と後期の路線と比較してみると色々面白い
霊帝「とてもつらい」(3巻137頁)
たった6文字で病状を的確に伝えている。自分も短い言葉で伝えられるようありたい。
曹操「おれは天下にそむこうとも〜」(4巻185頁)
これは正確には「三国志演義」で印象に残ったシーン。
陳宮「しかし罪もないのを承知で(呂伯奢を)殺すのは、大なる不義と申せましょうぞ」
曹操「わしは、自分が天下の人にそむこうと、天下の人にそむかれることは我慢ならんのだ」
陳宮は返すことばもなく黙りこんでしまった。
(三国志演義 第四回「漢帝を廃して陳留位に即き 董賊を謀らんとして孟徳刀を献ず」より)
「おまえのものは俺のもの、俺のものは俺のもの」に匹敵する強烈なジャイアニズム溢れる*1セリフを見た時は「そら陳宮も言葉を無くすよな」と思ったものである。
李カクの部下「だまらっしゃい」(9巻117頁)
孔明の印象が強い(ジャイアントロボの影響も大きい)だまらっしゃい。横山三国志における初出はこれ。
「ああっなにをなさいます」(13巻89頁)
これ自体は何てことの無いコマだが、コラージュ画像には吹いたものである。
台詞とハートマークを付けただけでいやらしさ倍増。
曹操「君と余だ」(15巻113頁)
これも横山三国志というよりは「三国志演義」で印象に残った場面だな。
曹操「当今、天下の英雄と申せるのは、それ、貴公と、このわしじゃよ」
「ウム!」(16巻64頁)
曹操に追い詰められた劉備は袁紹に助けを求める。袁紹陣営は「この機に乗じて曹操討つべし」と「まだ時期尚早だ」とで意見が分かれた。そしてこの「ウム!」である。
なお別のコマではごく普通の丸顔。上のは今風に言うところの「顔芸」
曹操「関羽よこれが余からの贈り物じゃ」(17巻137頁)
よくコラ画像にも使われるネタ画像。あるいはコラ画像のせいで「ネタ画像」に見えているだけかもしれない。魔人探偵脳噛ネウロの「ドーピング・コンソメ・スープ」もネットで取り上げられなければスルーしてた人が大勢いたと思うんだ。
関羽「そんなものはない」(18巻147頁)
関羽がそんなものと言ったのは公の通行に必要な「告文」の事。後に曹操から告文が届けられたわけだから関羽が取りに戻れば関所の守将も死なずにすんだ件。今連載中だったらVIPにスレが立ち2chまとめサイトに乗りそうな勢い。
劉備「だまらっしゃい」(21巻64頁)
諸葛亮「だまらっしゃい」(24巻29頁)
周瑜と蒋幹(24巻206頁)
なんかこの後に「アッー!」ってコマが続いてもおかしくない感じ。
曹操「げえっ関羽」(26巻164頁)
逃げて逃げて逃げまくって最後に関羽がジャジャジャーン。
劉備「おおっ、ケイ道栄を捕らえたか。斬れっ!」(28巻28頁)
いつもなら「部下にならないか」と説く劉備が珍しく即断しているのでネタになっている。このシーンは孔明に「有能な者はつとめてこれを生かすこれが真の大将の任でございます」というセリフ(28巻30頁)を言わせるための言わば前フリなのであるが
魏延に対しては打って変わって「彼は処刑すべきです」(28巻201頁)と来る。「さっきと言ってる事違う(ガビーン」と突っ込んだものだ。
(2012年9月27日。?さんの指摘に伴い追記)
確かに場面の為に創作された架空キャラのケイ道栄と、斬られる可能性のある行動をした魏延では対応に差があるのは当たり前。同じ28巻で「劉備と孔明の対応が真逆」という図式に面白みを感じて、そこで考えがストップしていたようです。
趙雲「おまえは自分のやってることがまだわからんのか」(28巻79頁)
趙雲にボカボカ殴られる趙範がしたことは「夫に先立たれて3年になる(趙範の)兄嫁との婚姻話」である。「初対面の客人が自分の息子を養子にくれる」とかホイホイやっている世界観でそんな事言われても困る趙範であった。
馬超「父上っ」(31巻24頁)
1ページ丸々嘆きシーンを見せたのは馬超(一族郎党を殺された)と劉備(関羽を殺された)だけ。このシーンは横山三国志の中でも強烈に印象に残ったところだ。
張松「だまらっしゃい」(33巻52頁)
張松「だまらっしゃい」(33巻68頁)
張松は蜀に劉備を入れたがってるが、要するに外患誘致なわけで反対論も当然多い。そんな反論を「だまらっしゃい」で封じる張松である。
曹操の使者「かなえていただけますならこの胸あてを・・・」(36巻169頁)
この黄金の胸あて部分を消して「ウホッ」「アッー!」なネタ画像にされている。
甘寧「甘寧一番乗り」(37巻23頁)
朱光の守る皖城に真っ先に乗り込んだ甘寧の勇猛果敢さを余すこと無く表現したコマ。
曹操の部下「温州蜜柑でございます」(37巻118頁)
各種コラの材料にもなっている「温州蜜柑でございます」。
于禁「だまらっしゃい」(40巻203頁)
于禁「命だけはお助けくだされ」(41巻40頁)
アニメで女になったり、見苦しい命乞いをしたり于禁は三国志界隈では変な扱いをよくされる。「101匹阿斗ちゃん」ではネコミミ(橙の耳)となった于禁が時折出てくる。
陸遜「適当にやってればよろしい」(41巻86頁)
どうってことのないコマだが、じわじわ来るんだよなぁ。
関羽と関平の首(42巻68頁)
劉備「余は信じぬ 信じたくない オオオオ…」(42巻96頁)
同じ日に死すと誓い合った兄弟の死。1シーン1シーンが淡々と描かれる横山三国志にあって胸をうつ一幕。
司馬懿「待てあわてるなこれは孔明の罠だ」(55巻54頁)
今なお(マリオの隠しブロック的な意味で)使われている「孔明の罠」。司馬懿のこの台詞はネタとして有名である。なお「孔明の罠」の初出は郭淮(51巻187頁)。
(2012年9月27日。774さんの指摘により追記)
曹操さんが早い段階で孔明の罠と発言していました(23巻173頁)。
この報告は孔明にとってはショックだった(59巻56頁)
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司馬懿「げーっ孔明」(59巻138頁)
孔明亡き後の蜀軍を追撃する司馬懿。そんな時に孔明(人形)が出てきた日にはこんな顔をするわな。
魏延「わしを殺せるものがあるか」馬岱「ここにいるぞ」(59巻209頁)
- 楊儀が魏延に「きさまがこの軍勢の前で『わしを殺せる者があるか』と三度叫ぶことができたらただちに漢中の城を渡してやる(略」と煽る
- 魏延がその通りに叫ぼうとする
- 1回目で馬岱が「ここにいるぞ」と応え、魏延を斬り捨てる。
正論(子午谷強襲)を唱えたために孔明に疎まれて殺される魏延カワイソス(´・ω・)
楊儀「丞相にはご在世のみぎりより、とうに貴様が背くことを見越されて、わしに用心するよう申されておったが、今日、果たしてそのとおりとなったな。貴様に、そこで『おれを殺す者があるか』と三声叫ぶことができたなら、まこと男じゃ。わしはこの漢中の城を開け渡してやる」
魏延はからからと笑って、
魏延「下郎めが、よいか、孔明がおらば、わしも三分がほどは遠慮もしようが、彼も死んだ今は、天下にわしにかなう者はおらぬ。三声はおろか、三万回でも叫んでやるわ」
魏延「おれを殺す者がおるか」
と叫ぶ。その言も終わらぬうち、後ろで一人、
「わしが殺してやる」と大声一声するた薙刀一閃、魏延を斬り落とした。一同、あっと仰天したが、魏延を斬ったのは、これぞ馬岱である。
(三国志演義第百五回「武侯預め錦嚢の計を伏し 魏主拆ちて承露盤を取る」より)
とりあえず今度こそネタのストックは全部。
コメント覧にて「ふむう」「ゴルゴ13の―――」の希望が出ていたが集め終わって満足した今、何も集める気が起こらないので不可能。やりたいネタがあればやるし、なければ無理。
完