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はるるの勝手に独り言

2018-07-14 猛暑の夏にいきなりリービ英雄にはまる

 ご無沙汰してます〜。

 大雨の被害の大きさに衝撃をうけております、はるるです。

 我が故郷、愛媛を含む西日本各地でたくさんの方々が亡くなられ、本当に心が痛みます。

 と言いつつ、ボランティアにいくでもなく、義援金に協力する程度のことしかやってませんが…。

 

 大雨の後が、この暑さ。本当に被害地はどうなることかと案じられますが、そんなこといいながら、この一か月ほどはまった作家について書こうとしているワタクシであります。

 リービ英雄については、アメリカ人で日本語で小説を書く人だ、という知識はありましたが、これまでさしたる関心は持っていませんでした。

 ふと彼を読もうという気が動いたのは、今思えば、温又柔の『台湾生まれ 日本語育ち』を読んだことだったようです。

台湾生まれ 日本語育ち

台湾生まれ 日本語育ち


 といっても、その時は、温又柔の法政大での恩師がリービ英雄という知識があったわけではなく、多言語使用とか、別の言語の中で生まれた後に違う言語を使って生きるようになったということに、興味が動いたということなんだろうと思いますね。

 で、そういうことに猛烈な好奇心が湧いたところでたまたま図書館で見つけたのが、リービ英雄の『越境の声』でした。

 

越境の声

越境の声

 なんだかこの本にガーンと衝撃を受けて、それから突如として憑りつかれたように彼の本をひたすら図書館で借りて読みました。

 『日本語を書く部屋』、『新宿の万葉集』、『仮の水』、『国民のうた』、『我的中国』、『延安』、『我的日本語』、『千々にくだけて』、『最後の国境への旅』、

そして『天安門』。

 

日本語を書く部屋 (岩波現代文庫)

日本語を書く部屋 (岩波現代文庫)

新宿の万葉集

新宿の万葉集

仮の水

仮の水

国民のうた

国民のうた

我的中国 (岩波現代文庫)

我的中国 (岩波現代文庫)

延安―革命聖地への旅

延安―革命聖地への旅

我的日本語 The World in Japanese (筑摩選書)

我的日本語 The World in Japanese (筑摩選書)

千々にくだけて (講談社文庫)

千々にくだけて (講談社文庫)

最後の国境への旅

最後の国境への旅


 ついでに昔読んだけど、その時はその背景がよく分からなかった『英語でよむ万葉集』まで再読してしまいました。(そして、そこに書かれていることが、分かったという思いがしました。)

英語でよむ万葉集 (岩波新書)

英語でよむ万葉集 (岩波新書)

 9・11を扱った『千々にくだけて』(大佛次郎賞受賞)は本当にすごくて、なるほど文学とはこういうことがやれるんだと唸りました。そういう思いを持ったのは、初めてだったかも。

 

 また、英語が母語だった人が、日本語で現代の中国を書くというのが、とにかくすごくて、これが中国なのかと圧倒される思いで、中国絡みの一連の小説を読みました。

 わけても、個人的にこれはものすごく大事なことが書かれているのに、それを私はきちんと受け取れ切れていないという思いで、何度も読んだのが『天安門』に収められている中編の「ヘンリーたけしレウィツキーの夏の紀行」。

 まだ、きちんと言語化できません…。

 

天安門 (講談社文芸文庫)

天安門 (講談社文芸文庫)

 

 というわけで、ものすごい勢いでリービ英雄の本を読みまくり、ただいま、ちょっと一息入れてます。

 彼のデビュー作の『星条旗の聞こえない部屋』は読んでおきたいし(なんで、あんなにこの人は日本人になりたかったのか)、彼の魂の原点である台湾について書いた『模範郷』はやっぱり読みたい。

星条旗の聞こえない部屋 (講談社文芸文庫)

星条旗の聞こえない部屋 (講談社文芸文庫)

模範郷

模範郷

 あとは、『日本語の勝利』も読んでみたい。

 あ、『大陸へ』もね。

日本語の勝利

日本語の勝利

 というわけで、仕事の合間にもう少しリービ英雄を読む旅は続きそうです。

 ちなみに、リービ英雄から派生して姜尚中の『それぞれの韓国そして朝鮮』も読んじゃったし(この対談集の中で、リービ英雄が対談相手になっているから)、リービ英雄と一緒に台湾を旅した温又柔(『模範郷』はそこから生まれた本みたいです)からの連想で、『タイワニーズ』も読みました(『タイワニーズ』良いです。お勧め)。

 派生読書、ですね。

 

タイワニーズ 故郷喪失者の物語

タイワニーズ 故郷喪失者の物語

 で、派生ついでに、こうなったら、かつて読んだけど結局何もわかっていなかった『エクソフォニ―』を再読すべきか、と考えているところです。

 今ならもう少し、この本からきちんと何かを受け取れるかも。

 

エクソフォニー――母語の外へ出る旅 (岩波現代文庫)

エクソフォニー――母語の外へ出る旅 (岩波現代文庫)

 はるる

 

  

EmmausEmmaus 2018/07/18 15:07 以前リービ英雄を興味をもって読んだのですが、結局彼は彼、自分は自分という当たり前の結論になりました。
母語については、生みの親より育ての親という言葉があります。そして今の自分がいる。自分と言葉を突き詰めるのではなく、これからどうしたいのかと自問しました。たどたどしい自分の日本語で。

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2018-04-09 いろいろ読んでる2018年

 すっかりご無沙汰もいいところの、はるるでございます。

 読んでいる人、いますかー?

 とりあえず、自分の読書記録も兼ね、仕事以外で読んだ本を思い出すままに上げてみます。

 といっても、もう半分忘れてますけど…。

 年末年始に実家に抱えていったのは、保坂正康さんの『風来記』全2巻。

 

 保坂氏の作家としての矜持と禁欲的な努力の積み重ねに、感銘を受けました。

 これに触発されて、鎌田慧さんの『声なき人々の戦後史』上・下巻も読み始めましたが、こちらはまだ上巻読んでます…。

 

 そういえば、鈴木邦男さんの『天皇陛下の味方です』も読みました。

 

 天皇の個人的資質に頼り過ぎる危険性があると思いましたね。

 鈴木さんの論だと、天皇は常に立派な人格を持った個人でなければならない。

 また、天皇制というのはシステムなので、いくら個人的に立派な人でもシステムとなるとそういうものを超えて作動してしまう。

 その怖さが看過されているという印象。 

 あ、保坂氏関連で、『ナショナリズムの正体』、『憲法を百年いかす』、『昭和維新史との対話』も読みました。

 どれも対談本ですが、『昭和維新史との対話』はなかなか読み応えありましたね。

 勉強になったし。(私が無知過ぎ?)

 

 

 そういえば、図書館で群ようこさんの『衣にちにち』を借り、面白かったので、つい勢いで『衣もろもろ』の文庫本を買って読んだんだった。

 

 またそういえば、1月についに憧れの恵文社一乗寺店に行きました。

 そこに行きたいという思いを決定づけたのが、『街を変える小さな店 京都のはしっこ、個人店に学ぶこれからの商いのかたち。』でした。

 

 これを読んだとき、なんとなく同じ方向性だなあと連想したのが、『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』。

 (昔読んで、感動しました。タルマーリーのお店も、いつか行ってみたい所の一つです。パン食べてみたい!)

 

[rakuten:book:16561660:detail]

 で、恵文社に行ってあれこれ見て購入したのは、路地裏の資本主義』だったりするんですね〜(読了しました)。

 もう、はるるという人がどういう経済のあり方がいいと思っているか見え見えです。

 そうそう、パンといえば、昨年12月に映画『74歳のペリカンはパンを売る』を観て、『パンのペリカンのはなし』も読みました。

 ここのパンは、この間、仕事で東京に行った時、購入して食べてみたのでした。 

 


 ところで、 毎晩少しずつ読んで、先日読み上げたのが、いとうせいこうさんの『「国境なき医師団」を見に行く』。

 いい本でした。

 いとうせいこうさんの本を読むの初めてだったのですが、他の本も読みたくなりました。

 [rakuten:neowing-r:12510593:detail]

 それと、ついつい買って読んでしまったのが、『炎と怒りートランプ政権の内幕』。

 何がすごいって、この本に出てくる人物のほとんどが、もう政権内にいないってことが一番すごい気がする。

 

 この本に刺激された訳でもないのですが、普段なら読まないようなジャンルの本も買って読んでしまいましたよ、ええ。

 それは『悪だくみ』です(^^;)。

 

 何も言うまい…。

 とにかく、この後は、口直し(?)に端正なものを読みたくて、今、読んでいるのは大竹昭子『須賀敦子の旅路』です。

 ちなみに、深く考えないで某書店で買いましたら、著者サイン本でした。

 

 毎晩、ちょっとずつ読んでいます。

 はるる

  

EmmausEmmaus 2018/04/11 18:20 はるるさん、
feedlyというリーダーアプリで更新を読んでいます。
お続けください。もうはてなも10年以上になりますね。

はるるはるる 2018/04/11 21:12 Emmausさん、ほんとうになんだかんだで10年以上、続いてますね。途切れ途切れでも続くというのは、すごいことです。

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2017-11-19 いつの間にか増えている

 カズオ・イシグロの『忘れられた巨人』は、毎晩少しずつ読んで、先日読了しました。

 メタファー豊かな小説ですが、今の日本の状況に身を置いて読むと、かなり身をつまされるというか、いろんなことを考えさせる小説でした。民族的、国家的な記憶とか、和解とか、民族的な対立とか。

 読み終わって小説を本棚に戻す際に、別の著者の本が最近本棚に増えているなあと改めて実感して、それは誰かというと、ブレイディみかこさん。

 我が本棚に並んでいるのは、以下の本たちです。

 最近新書で出た『労働者階級の反乱』を読みたいなと思いつつ、まだ買っていません。

 あと、ファンでもないし、『いまモリッシーを聴くこと』は読まなくてもいいわよねえと思い、こちらは確信的に購入せず。

 この人が描くイギリスと、自分が今年見たイギリスは、階級が違うということなのか、少し風景が違っていると感じています。が、私が一緒に旅行したイギリス人はそろって労働党支持者で、彼女たちの感覚はブレイディさんが描きだすイギリスとつながっていて、興味深いです。

 そういえば、このところ往復書簡集を二冊読んだのでした。

 一冊目は梨木香歩と師岡カリーマ・エルサムニーのお二人による往復書簡『私たちの星で』。

 二冊目はぐっと大御所のお二人で、澤地久枝とドウス昌代の間で交わされた『海をわたる手紙』。

 

 どちらの本も魂が養われ良い時間をいただいたという思いがしました。ドウスさんの私的なこととか、初めて知ったことも多々あり。(そもそも、この人がピーター・ドウスの奥様だと知らなかったよ。)

 また、本を読む過程で、いろいろそれまであまり考えなかったこと(イスラーム世界のこととか)や、興味は持っていてぼちぼち読んではいたけど、深く向き合ったことないなということ(日系アメリカ人のこととか)を改めて考えました。

 そして何といっても、この人たちの本を読もう!という気にさせられました。梨木さんの本だけはほとんど全部読んでいますが、他は澤地さんの本を数冊購入したものの積読状態で、残りのお二方の著作は読んだことがありません。(澤地さんに関しては、共著は何冊か読みましたが。)

 ドウス昌代さんの書かれた本が気になったのですが、全部絶版だと分かり、いささかがっかり。(英訳されたものでアメリカで出版されたものは全て購入できるみたいなのですが。英訳も読んでは見たいですが、きっと難しいだことでしょう。)

 図書館で探して、いつか読みます。と言ってると、その「いつか」は来ないんだけども(^-^;。

 

 『ブリエアの解放者たち』、『日本の陰謀―ハワイ・オアフ島大ストライキの光と影』、『水爆搭載機水没事件―トップ・ガンの死』など興味あります。

 師岡カリーマ・エルサムニーさんの本では、『イスラームから考える』を読んでみたいです。

 私はカトリックなので、欧米を中心に他の地域(中東・アジア・アフリカ・南米)を含むキリスト教世界については情報も知識もそれなりにあるし、自分の中の世界把握もキリスト教世界を通して行っている部分があります。

 しかし、イスラームという要素は私の中ですっぽり抜けているので、その視点から世界を見たらどうなるのかについて、往復書簡を読みながらすごく興味が湧きました。

 

イスラームから考える

イスラームから考える

 ではでは。

 はるる

池 2018/04/02 01:18 ジョージハーバートの「愛」についてネットを漁ってたら見つけましたが、
いいブログですね。
他のブログ等に移転していたら是非教えて頂けるとありがたいです。

はるるはるる 2018/04/09 13:31 池さま、コメントをありがとうございました。返事が遅くなりまして、失礼しました。
他のブログ等には移転しておりませんで、単に怠けているだけです(^^;)。長い目で見て頂ければと思います。書こう、書こうと思いつつ、いろいろあって、また明日と一日延ばしの結果が半年近い空白になってしまいました。

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2017-10-30 台風が来る日はイシグロを読もう

 というわけで、仕事も何も投げ出して、カズオ・イシグロの最新作…ではなく、

デビュー作『遠い山なみの光』を買い、日曜日に再読しました。

遠い山なみの光 (ハヤカワepi文庫)

遠い山なみの光 (ハヤカワepi文庫)

 昔、英語で読んでみたのですが、粗筋はともかく、細かい所は全然読めてなかった

なあと痛感した次第。

 こんな風に、原爆が影を落としていたなんて、全く読みとれてなかったです。

 今回、翻訳で読み返してよかった。

 のですが、娘の自殺の話が地下水流のように話の底を流れていて、これが辛かったのも、事実。

 この後、仕事に区切りをつけたら、読みますよ、『忘れられた巨人』を。

 もう購入はしていて、本棚に飾って横目で眺めている状況ですから。

 


 最近『私たちが孤児だったころ』も読み返して、やはりすごい作家ではないかと思い、

ちょっとイシグロ読みたい熱にかかっています。

 本屋でイシグロ研究本も立ち読みして(しかも立ち読みが一冊で終わらなかったので、

本屋側からすれば買いなさい!と仰りたかったのでは)、日本を題材にした最初の二冊、

特に『浮世の画家』の翻訳で論争があったとか、そういうゴシップめいたものだけが

印象に残っているという状態で、雨が降る中、家に戻り、購入した『遠い山なみの

光』を一気読みしたのでありました。

 立ち読みしたのは、こちらの二冊。

カズオ・イシグロ―境界のない世界

カズオ・イシグロ―境界のない世界

 すみません、購入するほどのイシグロファンではなくて。

 はるる

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2017-10-08 さらに読書

 前回書こうと思っていて忘れていたこと。

 大したことないですが、『メッセンジャー』の〈村〉はアメリカ合衆国のメタファーで、〈境界〉を閉じるかどうかという話は、現在のトランプ政権のもとのアメリカを予言していたかのような話だなあと思ったということ。

 そして今は、いきなりこの四部作から離れて、津島佑子の遺作『半減期を祝って』を読んでいます。やはり表題作は衝撃的でした。


半減期を祝って

半減期を祝って


 3・11から30年後、独裁政権のもとにあるニホンは、「高貴なヤマト人種」が優遇され、アイヌ人、オキナワ人、トウホク人が差別されるという社会を作りあげ、ASD(愛国少年団)に所属している子供たちは、トウホク人を襲撃する「翡翠の夜」という事件を起こし…というディストピア世界がこの短編小説の背景です。

 

 ううむ、『ギヴァー』シリーズに続いて、またもやディストピア小説を読んでしまった。

  

 (前略)いや、とっくに深刻な変化が起きていた。「ASD]を作った現政権はオリンピックの熱狂の余波から生まれたのではなかったか。変化は思いがけないところからはじまった。そして、その変化はもう、だれにも止められない。

 今まで、なにも気がつかないふりをしてきた。気がつきたくない。なにかに気がついたところで、どうすることもできないのだから。

 このところの政治の動きの中で、自分も無力感に苛まれ、「気がつかないふりをしてきた」のではなかったか。

 この部分を読んで、刃を突き付けられた気分になりました。

 この短編小説、何かの書評で評価が高かった記憶があり、読んでみたいと漠然と思っていたのですが、中川成美氏の『戦争をよむ』を読んでいて、最後に紹介されていた、この『半減期を祝って』についての説明文を読んだとき、矢も楯もたまらず読みたくなって図書館で借りて読んだ次第。(ああ、こうやって仕事がおろそかに…。)

 


 こうなったら、ディストピアつながりで、中村文則『R帝国』も読もうかしらん。

 

R帝国

R帝国

 はるる

 

 

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