寝ても覚めても学校のこと。

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創造学園大、国評価で「不認定」

 国が義務付けている大学の認証評価制度で、日本高等教育評価機構(東京)は31日、学校法人堀越学園が運営する創造学園大学(群馬県高崎市)について、不合格にあたる「不認定」にしたと発表した。

 経営難の堀越学園整理回収機構のもとで再建を目指しているが、今回の「失格」の烙印(らくいん)で生徒離れが進み、難しい学校運営を迫られることは必至だ。

 認証評価は、大学の質を分かりやすく示すことで、学生に進路判断などの参考にしてもらう狙いもある。

 今回、同大学の評価では、教育課程や学校運営、教職員の質などの計11項目の基準に関し、8項目で「基準を満たしていない」と、大学側の体制がことごとくはねつけられた。

 文部科学省によると、同制度が2004年度に導入されて以来、不認定(不適合)は同大学で5例目だ。

 機構の判定では、11の基準すべてを満たす場合は「認定」。満たさない基準が一つ以上あり、原則3年以内に基準を満たすことが可能なら「保留」となる。「不認定」とされるのは、3年以内に基準を満たすことが出来ない場合か、評価の過程で、重大な虚偽報告や事実の隠蔽など社会倫理に反する行為が意図的に行われていることが判明した場合に限られる。

 インターネットを利用して通学しなくても単位が取れる、同大学の「eラーニング」の単位取得についても、機構は「大学設置基準に違反している」との厳しい見方を示した。

 機構は不認定の理由を「これだけ課題が多いと3年以内の改善は難しく、危機的な財務には中長期的な計画もない」と指摘した。

 結果を受け、堀越学園の王豊理事長は同日、「eラーニング」について「機構の判断は間違っている」と異議を唱え、「改善点は早急に直し、改めて評価を受けたい」とコメントを発表した。同大学の認証評価を巡っては、昨年6月に認証評価を受けるのに必要な自己評価書の提出や、評価料425万円の納入を期限内に実施しなかったことから、一時的に「評価中止」となる異常事態が生じた。


ずさんな運営大学は説明を

 創造学園大に対して、国が認定した機関が「不認定」という厳しい評価を下したことは重大な意味を持つ。

 評価基準は、学校教育法や大学設置基準などの内容をふまえ、大学の質を保証するものだ。

 創造学園大の場合、教育研究やそれを支える管理運営などに関する11の基準のうち、実に八つを満たしていない。日本高等教育評価機構の過去の事例では、最大でも三つで、いかに堀越学園による大学運営がずさんだったかを公的に裏付けた格好だ。

 評価では、理事長のワンマン体制や理事会、教授会の機能不全、情報公開や法令順守などへの取り組みがなされていないことを厳しく指摘した。

 3月に学園の土地・建物を担保にした銀行債権が整理回収機構に売却され、大学のみならず傘下の専門学校、幼稚園の教職員や学生ら関係者の不安は頂点に達している。

 大学当局は再生を語るならば、社会的な説明責任を果たすことがその第一歩である。(諏訪泉)
(2011年4月1日 読売新聞)

このようなこと、あるんですね。同大学の実際の運営についてあまりよく知らないので踏み込んだコメントはできませんが、「経営」ということの重要さは十分推し量られます。ぜひ「計画経営」の実践を…とお伝えしたいですね。(JTC/吉田俊也)