赤本は悲しみにあふれる

nikoju2011-11-12

「あかほんくんなんてね、にこにこ笑っているキャラクターだけど、あのキャラクターを作った人はこの赤本が本当ににこにこ笑っていると思っているんだろうか。この正信偈のどの言葉を見ても悲しみにあふれているのに。」と彼は言った。すでにあかほんくんを携帯にぶら下げて、あかほんくん西陣織ペンケースを愛用していた私には斬新な言葉だった。殴られた気がした。小さい頃じいちゃんが話してくれた「腹ごもりのお聖教」の話を思いだしたからだ。

今から500年以上昔、蓮如上人が吉崎滞在中に吉崎御坊が大火に見舞われた。その時、弟子の一人の本光坊了顕が、親鸞聖人ご真筆の教行信証を火の中に取りに行き、その腹を切り、お聖教を腹に入れ、焼け死んだという。この「腹ごもりのお聖教」と呼ばれる教行信証は現存していて、重要文化財に指定され今もある。吉崎の地には本光坊了顕の墓がある。

参考:
http://hattoris2.sakura.ne.jp/nohokuriku3ken04051002.htm
http://www.shinmuryouin.jp/y_report.php?&page=2&chapter=1
だから、赤本は赤いんだよ、大事な本だから、下に置いてはいけないよ、とおじいちゃんはいった。
佐野さんが悲しみにあふれていると言ったのは、正信偈の言葉自体だといえる。いずれにしてもにこにこ笑っているキャラではないのだけど、親しみをこめたいということなら、黙認すべきか。