落ち着くとは

本番が近くなる1週間前から、ずっと緊張する。
手が震えるし、落ち着かなくなるし、お腹も壊すし、いつも泣きそうになる。
言葉にできないいろんな気持ちがざわめいている状態が続く。
過去のステージで起きた体のいろんな現象が、降りかかるようにフィードバックされる。
壁のような向かい風の中で、一つ一つの動作が、祈りのように思える、
それくらいステージでの時間は長く、重たく、あっという間で、軽やかに、比喩的な意味ではなく、
ひかりに満ちている。地獄であり、普段どおりの広い木の板。


集中するという言葉は、眉間に力を込めることではなく、
その世界に、身を立たせること。調和を一瞬でも感じること。
全身の細胞で、自分を外に、立ち表せるようなこと。


指導にあたって、演者に考えてもらうことを多くしたつもりで、
実は、考えることを塞いでいないか?
ただ、「やる」ということだけを押し付けていないか?
もっと彼らが、心から何かをしたいと思うには、どんなことが必要か?と
ずっと問いかけてきた。
だけど、本当は、個人は個人で、彼らは彼らで、いつだって
彼らの人生を生きている。選んでいる。
そういう基本的なことを肯定することを忘れていなかったか?
「させる」ことに夢中になっていなかったか?
「したいこと」を聞いたか?
本気という言葉と、礼儀を欠く態度を混同しなかったか?感情的に考えなしに、その個を否定しなかったか?
許すつもりで、許さなかったことはないか?


そういうことが、全部出るのがステージだ。
楽しいとはなにか、おもいっきり自分らしいということ。
そして、チームプレイとして、認められること。
そのために、ちゃんと、ポジティブなしかけを提示したか?
そうなるように、未来を見据えて、彼らに夢を授けたか?
失敗を恐れるなと言いながら、失敗をさせないように守りすぎていないか?
一つ一つ、共有していこう。
本番、ダメダメでも、最高でも、彼らをめちゃくちゃゆるそう。
受け入れよう。


そそそそ。


私は、外部からの視線に非常に弱い。
今年は、周りとの関係性が広がった分、責任を感じている。
緊張は、私の表面に生えている産毛にように。いつだって私とともに。
産毛を剃ろうか。
そういう意味で、私は、そろそろ私から飛び出さないといけない。
はっきり、好きと言わなくちゃね。それで自分の世界が変わるかもしれない、
よくいくかもしれないし、悪くなるかもしれないし、
想像以上に、ざわざわするかもしれない。でも
自分の決定が、自分にとって最高、と思えさえすれば、おそらく
ハッピーにことは進む、そう信じて、言わなきゃ。


Sometimes if you want to make change you gotta make a little noise.
Gleeでブレインがつぶやいたセリフ


年齢を重ねて、私は、どんなものさしで世界を図っていくのだろうと、
思います。