ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

実験工房による『綾の鼓』

 三島由紀夫は能の『綾鼓』を題材にした戯曲『綾の鼓』を1951年に作り、これは1952年に初演されました。秋山邦晴らの実験工房では1955年にこの作品を上演しています。音楽は湯浅譲二でした。佐谷画廊の図録には、同時に上演されたシェーンベルクの『月に憑かれたピエロ』と共に『綾の鼓』の写真が載っていて、斬新な公演の雰囲気が伝わってきます。

実験工房〉年譜

1955年12月5日 円型劇場形式による創作劇の夕

産経国際会議場
制作・演出=武智鉄二

月に憑かれたピエロ

原作=A.ジロー
作曲=A.シェーンベルク
訳詩=秋山邦晴
装置および仮面デザイン=北代省三
衣裳=福島秀子
照明=今井直次

『現代能・綾の鼓』

作=三島由紀夫
音楽=湯浅譲二
照明=今井直次

(大辻清司、山本善之介による写真あり)

出典:『実験工房瀧口修造』展図録(佐谷画廊、1991)p121-124
http://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20171006/

 2013年の『実験工房展』図録には、「月に憑かれたピエロ」の配役として、アルルカンが観世寿夫、ピエロが野村万作、コロンビーヌが浜田洋子、と載っていました。当代一流の役者が出演していたのでした。翻訳は秋山邦晴でした。

参考: