ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

島岡譲『和声:理論と実習』

 島岡譲が執筆責任を担当した『和声 理論と実習』は全3巻と別巻からなりますが、1964年〜1967年に初刷が出て以来、現在でも刷を重ねて音楽之友社から刊行されています。著者に名を連ねているのは、池内友次郎、長谷川良夫、石桁真礼生、松本民之助、島岡譲、柏木俊夫、丸田昭三小林秀雄三善晃末吉保雄、佐藤真の各氏です。第1巻が赤、第2巻が黄色、第3巻が青の表紙。それぞれの目次は次の通り(手元にある第1巻は76刷、第2巻は75刷、第3巻は46刷)。

和声:理論と実習 I

本書の趣旨…1
本書の用いかた(教師のために)…2
凡例…4

第1章 予備知識…13
第2章 基本位置3和音の配置…17
第3章 基本位置3和音の連結…25
第4章 和音設定の原理…37
第5章 各種の調…43
第6章 3和音の第1転回位置…49
第7章 3和音の第2転回位置…61
第8章 V7の和音…69
第9章 V9の和音…85
第10章 D諸和音の総括…99

補遺…106
和声実習における原則的な公理…112
配置・連結の一般的可能性…118

付録
I 24個の調とその和音の一覧表…133
II 配置と連結の総括…138
III カデンツの総括…142

補充課題…153
索引…165

和声:理論と実習 II

第II巻の用いかた(教師のために)…1
凡例…2
和音の種別…4

第1章 II7の和音…11
第2章 準固有和音…19
第3章 V(v)の諸和音…31
第4章 IV7・+IV7・-II1の和音…67
第5章 K2におけるS諸和音の総括…81
第6章 K3におけるS諸和音の総括…89
第7章 近親転調…97
第8章 ソプラノ課題…111

附録
I 24個の調のS和音の一覧表…155
II カデンツの総括…160

補充課題…173
索引…193

※「V(v)」は実際には、Vの上に v が乗った表記。

和声:理論と実習 III

第III巻の用いかた(教師のために)…1
凡例…3
和音の種別…4

第1章 調設定の原理…13
第2章 借用和音の総括…41
第3章 内部変換…75
第4章 構成音の転位(1)…109
第5章 構成音の転位(2)…167
第6章 和音の補遺…211
第7章 反覆進行…229
第8章 偶成和音…283
第9章 保続音…343
第10章 主題的構成をもつバス課題…367

和声実習における原則的な公理の総括…395
転調進行の総括…409

附録
I 調関係の一覧表…413
II 数字付低音…418

補充課題…435
索引…457

あとがき…461

あとがき
 本書は、満3年を費して、ここに全3巻を完結した。この間、大小の委員会における討議は、100回以上に及んだ。各章ごとに、執筆責任者の原案にもとづき、全員による検討が行われ、その結果、大部分の章は数回にわたって書き改められた。
 このように、われわれとしてはベストを尽くしたつもりであるが、勿論、まだ不満足な点も少なくない。かつ、内外からの批判も種々寄せられている。これらの点については、さらに検討と研究の上、なるべく速やかに改定したいと考えている。

 音楽之友社サイト(https://www.ongakunotomo.co.jp/)に載っている内容紹介は次の通りです。

  • 第1巻東京芸術大学作曲科教授陣の総意を結集した和声教本で、大学向きに極めて高能率な方式が展開される。I巻では古典的和声の根幹を説く。
  • 第2巻Iでは主に一定の調内でカデンツの原理をD和音を中心に扱ったが、IIは借用和音・変化和音およびソプラノ課題を扱うものである。
  • 第3巻:非和声音をすべて転位構成音として把握する独自の理論により、従来では至難とされていた高度の対位法的運声技術までマスターする内容。