独裁者を許すな

  腹立たしいことの多い世相だが、とりわけ、昨今の小泉総理の独裁者ぶりには恐怖すら覚える。知性と論理と謙虚さを欠き、自分のアンバランスな「信念」だけに頼り、他人の意見に耳を貸そうともしない宰相、内心は知らずそれにブレーキをかけようともしない多くの閣僚と与党首脳、いったいこの国はどこに行くのだろうか。
  いまや「郵政」などは取るに足りない問題であり、小泉独裁政権、それに続く小泉亜流政権を是認するのかどうかが、今度の選挙のポイントだと思う。にもかかわらず、解散を是とする世論が多いということ、小泉内閣の支持率が上がったという一部の世論調査結果・・・世論というものも私の理解の及ばないものになって来た。
  今度の選挙で「小泉自民党」に絶対に勝たせてはいけないと私は思う。国政全般を放棄して、郵政しか頭になく、「非情」を公言し反対派の粛清等独裁者ぶりを隠そうともしない総理、そしてそれに追随するのみの自民、公明両党・・・・悲しくなる話だ。
  私は、長年にわたって中央官庁に勤務した者であり、元来保守的、体制派の人間だと思っている。にもかかわらず、いやそれだからこそ、この国が危険な方向に走り出していること、それを引っ張って行こうとしている独裁者の存在を黙視することができない。
  自民党の議員には知人・後輩も多いし、多くは見識のある人々だ。彼らのことを考えると、「自民党惨敗」を期待するのは情において忍びないものもあるが、この際そのようなことは言っていられない段階に来ていると思う。もし小泉自民党が勝利するような結果にでもなったら、この国の未来に希望は持てないとすら思う。