しなやかに、したたかに、無責任に・・・西中眞二郎雑記帳

2010-03-10 題詠100首選歌集(その12)

 このところ寒い日が続く。今日は午後15℃まで上がるという予報で出掛けたのだが、結局10℃以下の気温で終わってしまったようだ。すっかり騙されてしまった。


           選歌集・その12


003:公園(149〜175)

(一夜)公園でお砂場グッズ取り合って 泣いた吾子のせ揺れるブランコ

(みち。)だれにでもやさしい春の公園のようなかたちで抱きしめられる

(斗南アキラ公園の隅でひっそり咲く花を見つけてしまった 君に、会いたい

008:南北(110〜135)

(本間紫織) 君という海原めぐる旅に出る南北線のゆりかごの中

(南雲流水) 南北の自由通路で渡されたホワイトティシューと雨の湿り気

039:怠(1〜27)

中村あけ海) OLを怠けたい日は真っ黒な80デニールのタイツです

(古屋賢一)だいたいが怠惰な人は回文を思いつけない だいたい怠惰

(リンダ) 怠惰なる過去の封印とくようにビル開発は雨でも進む

(コバライチ*キコ) 包丁もときに怠ける日もありき茄子のへたすらきれいに切れず

040:レンズ(1〜27)

(tafots)テレビ塔 連なってゆく荒れ畑を魚眼レンズで描く夕焼け

(船坂圭之介) 憎まれてゐこころ在り潔斎のごとく眼鏡のレンズを磨く

(リンダ) 湯気ごしの曇ったレンズ拭きもせず立ち食い蕎麦をすする駅前

041:鉛(1〜27)

中村あけ海) 複写紙の一ページ目にごく弱く鉛筆で描くいびつなかたち  

(髭彦)鉛管の破裂恐れる日々ありき都心に住めど冬の厳しく

(間宮彩音)鉛筆を削り忘れた算数の時間はなぜかゆっくり進む

042:学者(1〜26)

(夏実麦太朗) モニターのQuickTimeの枠のなか学者になりし友うごきおり

(髭彦) 学者にはつひにならねど時としてからかはれたり学者ですねと

043:剥(1〜27)

(夏実麦太朗) 剥がされた光GENJIポスターのなかなるひとのそれぞれの今

中村あけ海)ビル中の交通安全ポスターを全部剥がせば階段は夏    

(みずき)剥く指の先するすると滑りたるぺティナイフへ秋のジン酌む

(船坂圭之介)夢をまた剥離されしや屈まりて眠るロシアン・ブルーの眼の仔

044:ペット(1〜25)

(夏実麦太朗)何をするでもない春の休日にペット売り場の犬を見ている

(tafots) バスが来なくて貼り紙を読み尽くす 迷子のペット増えゆく街で

045:群(1〜25)

(tafots)雲梯を群青色に塗りこめて七月末の校庭静か

(みずき)群集をはぐれる怖さ水無月の記憶の底にひとり迷ひし

046:じゃんけん(1〜27)

(tafots) じゃんけんで最初にチョキを出す人はひねくれ者と言いあう五月

中村あけ海) じゃんけんで負けて庶務課に来たのよと微笑んでいる澄子先輩

(みずき)じゃんけんに負けた涙が夕光に浮かぶ 八月をさな日のこと

(船坂圭之介)春来しや窓のかなたにそれぞれの調べそぐはぬ「じゃんけん」の声

(コバライチ*キコ) いつだって要領のよき姉の勝ちピアノゲームじゃんけんすらも

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tafotstafots 2010/03/13 00:31 こんばんは。tafotsです。
何首も取り上げていただき、光栄の至りです。

選ばれた皆さんのうたの中でも、「じゃんけん」の歌は表情豊かというか
つくった人の顔が見え隠れするのですね。おもしろいです。
高校のころ、ニュージーランドからの留学生がじゃんけんを知らず
このドラマチックな手遊びを知らないなんてと驚いたことを思い出します。

ではでは、おやすみなさい。

tafots様 西中tafots様 西中 2010/03/16 13:10 コメントありがとうございます。ところで、「じゃんけん」をする民族はどのくらいいるのでしょうか。また、知らない場合、何かの順番を決めるのはどうするのでしょうか。いちいちくじ引きをするのも面倒でしょうし・・・。知らないことがまだまだたくさんあることを、あらためて感じました。