2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

題詠100首投稿(091〜095) 

題詠100首投稿 091:略 省略をせよとも言えず先輩の長き話に相槌を打つ 092:徴 駅まではかなりの距離があるらしく特徴のなき道が続けり 093:わざわざ わざわざ行くのも面倒と思いつつもチケットあれば午後を出かけぬ 094:腹 腹立たしきニュースに気付かぬ…

題詠100首投稿(086〜090)

題詠100首投稿 086:珠 黒真珠土産にするを諦めてほどほどの値のものを買いおり 087:当 土地の香りする食堂は見当たらずミスタードーナツで昼飯を食う 088:炭 三池炭鉱の事故知りたるはハネムーンの旅先で読みし新聞なりき 089:マーク 遙かなるランドマー…

題詠100首投稿(081〜085)

題詠100首投稿 081:付 古き日の相撲番付見ておれば人生模様あらわに見ゆる 082:佳 月の夜をかたち佳き人歩みいしが不意に小暗き露地に消えたり 083:憎 老いたらば枯れて来るかと思いいしに我が愛憎は時折激し 084:錦 ふるさとに「錦」飾るもままならずせ…

題詠100首投稿(076〜080)

題詠100首投稿 076:舎 日曜の公務員宿舎訪ねれば高級官僚穴堀りており 077:等 君の話とぼくの話を等号で結んで良いかそれが判らぬ 078:ソース 食卓にこぼしたソース拭きながら午後のセリフを考えており 079:筆 太き筆で渦巻く風を書き上げて䔥白思わず破…

題詠100首投稿(071〜075)

題詠100首投稿 071:粉 給食を知らざる世代の我なれば脱脂粉乳との馴染みは薄し 072:諸 諸説ある中での針路の選択はせめて謙虚さ持ちたきものを 073:会場 会場に音楽低く流れいて菊を手向ける列の続けり 074:唾 唾飛ばさん如き勢いのやりとりにいささか倦…

題詠100首投稿(066〜070)

題詠100首投稿 066:缶 ハワイより届くコンビーフ缶詰を心待ちせし時期もありたり 067:府 山間を抜ければ桃の花咲きて甲府盆地は春の日盛り 068:煌 風吹きて庭の葉群の揺れたれば木斛の葉は陽に煌けり 069:銅 古き日の故郷の島は日差し強く赤銅色の老人多…

題詠100首選歌集(その6)

選歌集・その6 001:呼(75〜99) (コバライチ*キコ)「もういいかい」幼き我を呼ぶ声が私のこゑにすり替わる闇 (笹木真優子)君が呼ぶためだけにつけられた名前 だから今では忘れた名前 002:急(65〜89) (葵の助)子は急に熱を出すから永遠に…

題詠100首投稿(061〜065) 

自作の投稿より選歌の方を進めたいのだが、「在庫25首以上のお題10題」という勝手な選歌集基準になかなか届かない。そんなわけで、心ならずも(?)粗製濫造の自作を先行させざるを得ないというのが正直なところだ。 題詠100首選歌集 061:宗 灯籠も軒…

題詠100首投稿(056〜060)

題詠100首投稿 056:リボン 現役の白きリボンのあらかたは知らぬ人となる新年の会 057:析 政権を分析すればどす黒き思考の見える議員の多し 058:士 勝ち力士花道過ぎて帰るとき思わず笑みをこぼすもおかし 059:税 所得税の申告書書きにやや疲れリビングに…

題詠100首投稿(051〜055) 

題詠100首投稿 051:緯 退任を決断したる経緯など既におぼろな記憶となりぬ 052:サイト 気が向けばいつでも行けると思うゆえビッグサイトに行きしことなし 053:腐 沖縄の土産に買いし豆腐餻(とうふよう)子らとの食事の楽しみとせむ 054:踵 ひび割れし踵…

題詠100首投稿(046〜050) 

題詠100首投稿 046:貨 鈍行の汽車待ちおれば重き音立てつつ貨物列車が行きぬ 047:四国 霧こめし盆地もありて眼下には四国は黒く広がりており 048:負 負け戦濃厚なれば無理筋と思われる手を試みており 049:尼 若き日に弥勒と会いし尼寺の夏の畳は足に冷た…

題詠100首投稿(041〜045) 

題詠100首投稿 041:扇 節電の夏なるゆえか「扇風機入りました」との貼紙のあり 042:特 ガールハントが特技と言いし友なるに病の床に伏して久しき 043:旧 旧正月に搗きたる餅でかき餅を祖母と作りし記憶のありぬ 044:らくだ 月の砂漠らくだ次第に遠ざかり…

題詠100首投稿(036〜040) 

題詠100首投稿 036:バス 斎場にバスにて向かうたそがれは見知らぬ街に夕日差しおり 037:療 療養所昔ありたる高原の村美しく風立ちており 038:読 このところ本読むことの減りたると思いつ書店の前歩みおり 039:せっかく せっかくのお誘いなれど寒いのは苦…

題詠100首投稿(031〜035) 

題詠100首投稿 031:認 筆無精を自認しおれば礼状も無粋なメールで済ませるばかり 032:昏 薄闇の中より若き声響く黄昏時の高校グラウンド 033:逸 不幸せとぼやく中身のあらかたは好機逸せし程度のことで 034:前 我が前を行くアベックが更けし夜のコンビニ…

題詠100首選歌集(その5)

選歌集・その5 021:小(1〜32) (千原こはぎ)今朝きみはいつもの声でおはようを言う小規模な別離を終えて (天野うずめ)また会えぬ日々が続いてゆくならば小指で伝わる温度が欲しい (しま・しましま)外階段だれか小さく軋ませてもう月曜は始まつて…