単なる広告を権威あるものと誤解する事例

どこぞでメディアリテラシーの授業をしている人によく何かいい題材がないかと聞かれるのでメモ。

グーグルが信用できない?アメリカに行く人はESTAの代行サイトにご注意! | | 世界を巡るFool on the web | あすなろBLOG

要約すると「ESTAで検索した時に表示されるスポンサードリンク(広告)をクリックしたらリンク先が申請代行業者で、本来無料の申請にお金を取られてしまう!これは詐欺だ!」というもの。

自分の中で当たり前になっていることって、違う意見の人と出会わないとその存在にすら気付けないものなんだな。

ESTAで実際に検索してみるとこうなる。で、検索結果を見るとトップが*.go.jp、2番目が*.gov。じゃあ(僕は)普通はトップを開くよね。もしかしたら2番目もいっしょに開くかもね。スポンサードリンクなんて(僕は)絶対に開かない。なぜ開いたの?そこにあったから?広告を出すのにはお金が必要だよね。広告を出している時点で十中八九営利企業でしょ。*.comだし。そもそも広告って何さ。お金を払って目立つ所に表示される権利を買うんでしょ。目立つ所にあるのは当たり前。そこに表示されているからって広告主がお金を払ったというだけのことしか保証されない。

仮にリンクをたどったとしよう。こんなサイトが表示される。

まずどうみても公式なサイトには(僕は)見えない。これが政府系のウェブページだと言われると違和感を覚える。まずもってトップページや他のページへ移動するためのメニューがない。本当の公式なページと見比べてみると一目瞭然:

さらに書かれている内容が初っぱなから「申請代行サイトへようこそ」であり、さらに「政府公式のサイトではなく(略)代行しているウエブサイトです」と書かれている。これで公式サイトだと勘違いする人がいるということがいるということが(僕には)にわかには信じられない。でも実際にある程度の人数はいるみたいだなぁ。

広告の文面は簡素で、誤解を招きやすいかもしれないが、公式であるとは一言も言っていない。すぐ下に広告ではない「公式」って書いてある*.govへのリンクがあるのになぁ。広告は広告で背景色が変えてあるのになぁ。なんで広告リンクをクリックするのかなぁ。

あと、付け加えるなら、僕はこのサイトを見て「日本語の得意な人が誰もいない組織みたいだ、たぶん中国かな」と感じる。例えば日本語で質問メールを出して中国語や英語で返って来たとしても驚かない。広告の文面が簡素なのも日本語に自信がないからかもね。