量子将棋が面白い

量子将棋というゲームが遊べるようになったということで、さっそくプレイしてみた。ルールは簡単に言うと、すべての駒は量子的な重ね合わせの状態にあり、どう動かしたかによって駒の状態が収束する。王将に収束した駒を取れば勝ち。(追記: ルールの解説書きました: 量子将棋 Q&A)

2勝2敗で結構面白かったので流れ去ってアクセスできなくなる前に感想をメモ。

1回目(勝ち)

棋譜: http://shogitter.com/kifu/884

僕の戦略

  • 駒の種別が確定すれば取れる選択肢が減る。ということは必要がない限り駒は動かないほうが良い。動かさなければいけないのであれば歩の振りをするのが一番可能性が狭まらない。
  • 王将に確定した駒を取れば勝ちなのであれば、相手の「王将かもしれない駒」をどんどん取って行って可能性を狭めるべき。

感想

  • 駒の上にマウスポインタを置くと可能性のある駒の種類が出てくる
  • 飛車を取るのがいいことなのかどうか悩む。「飛車でしかない駒」なので。

2回目(勝ち)

棋譜: http://shogitter.com/kifu/885

僕の戦略

  • 1回目で勝ったので「王将かもしれない駒をどんどん取る」を続行
  • 相手の「王かも駒」をなる早で減らすために、相手から取った「桂馬かも駒」で両取りを掛けて交換しまくる

感想

  • 自分が香車のつもりで使った駒を、相手が「打って、横に動かす」によって飛車に収束させ、僕の駒のすべてから飛車の可能性が奪われた
  • 「持ち駒」があることによって、自分だけではなく相手の駒の確率も変えられるのか!
  • 相手の「王将かも駒」が2枚になったあと、片方が入玉。詰めやすい入玉してない方を囲んで、さあ取ろうか、と思ったが冷静に考えるとそれを取ると入玉している方が本物の王になってしまう。詰めにくい方を先に取らなければいけない。大変。
  • 王かもしれない状態を保ったまま散らばられると両方追い詰めないといけないから大変だな。

3回目(負け)

棋譜: http://shogitter.com/kifu/894

僕の戦略

  • 勝ったので「王かも駒をどんどん取る」続行
  • 機会があれば「相手から取った香車飛車を飛車に確定」をやろう

感想

  • 取られた駒を相手が角に確定、まだ事の重大さに僕は気づいていない
  • 着々と相手の「王かも」との交換を繰り返す
  • 「よし、相手の駒がたくさん歩兵になった!」と思った(109手目)が、気づくと僕はとっくの昔(91手目)に「歩王」に収束させられていた。自分が動かしていない駒から、83手目で金、64手目で銀の可能性が消えていた。
  • これは相手が「相手からとった香車飛車を飛車に確定させて、残りの駒から飛車の可能性を奪う」を一般化して応用した結果
  • 歩王や歩香王になってしまうと、隣に敵の駒が来ても、それを取れば王に確定してしまう関係上ためらいが生じる
  • 確率分布が収束して普通の将棋に近づくと僕は将棋の経験が乏しいため不利

4回目(負け)

棋譜: http://shogitter.com/kifu/899

僕の戦略

  • 上記「相手の金銀の可能性を奪う」戦略を教えてもらったので実行しよう

感想

  • 僕が後手で、先手が初手でどまんなかに香車飛車を突っ込んで成るという急襲を掛けたので「相手の金銀の可能性を奪う」とか考える余裕がなくなった
  • 香車飛車を2枚打って「相手の香車飛車が下がったら飛車に確定するから交換しても損しない」と思ったが、相手の香車飛車が下がって飛車に収束したところで、自分の香車飛車が香車に収束して大損
  • 対戦相手が「普通の将棋に近づいた」と言っている一方、僕は混乱を深める
  • おそらく原因は、僕に将棋の基礎体力がないことで駒が過去にどう動いたかを覚えていないため。その結果、確率収束の具合はマウスホバーして出てくる「残りの可能性」のツールチップに頼るしかなくアクセス性能が非常に悪い。
  • 42手目、11個残っている自分の未確定コマのうち、金が1枚、王が1枚であることを理解しないままその内の1枚を横に動かしたために急激な確率収束が発生、王将が2枚に絞られる
  • 47手目でその片方が取られ王将を特定される
  • 慌てて効きのあるところに王を動かしてあっさり取られる

まとめ

量子将棋は2勝2敗、僕に将棋の基礎体力がないため「自分がその駒を過去にどう動かしたか」や「どれが相手から取った駒か」がわからず、使っている戦略を聞いたあとでもそれを実行することができないようだ。基礎体力は応用編を戦う時でも重要。

将棋よりは囲碁のほうが得意なので量子囲碁を…と思ったが囲碁は2000年以上前から「石は死んでいる状態と生きている状態の重ねあわせであり、石の生死が確定すると周囲のマス目が白地か黒地か駄目かが決まり、その多寡を競う」という量子的なゲームであった。二眼あれば生に収束!