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西尾泰和のはてなダイアリー

2017-01-05

3Dプリンタで猫のエサ台を作った話

年末に友達の記事を読んで3Dプリンタのある生活はいいなと思ったので、3Dプリンタが家に来たら何を作るかなと考えて猫のエサ台を作ることにしました。3Dプリンタ自体を買うかどうかは「3Dプリンタで作ったものが家にある生活」をしばらくやってから考えようかと。

作るものはこれ。床に直接エサ皿を置くと低くて食べにくそうだったので適当な段ボール箱の上に置いてあるけどこぼしたご飯の油が染みたりして汚いです。これを3Dプリンタ出力で置き換えます。

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今の箱でもまだ低そうだったのでもう少し高くして、ついでに手前に15度ほど傾けました。エサ皿の下のくぼみに引っ掛けるための出っ張りを配置。

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安定度がどうかは若干不安だったけど、ダメだったら直せばいいや、という気持ちで。ちなみにツールはAUTODESK 123Dで、無料です。作成にかかる時間的コストは30分程度。直方体や円柱のプリミティブを適当に並べて、ブーリアン演算で結合して、猫が触れうるところに角があるとよくないかな〜と思ってFilletで角を丸めただけ。

出力代行を発注してから3日くらいで届きました。見なれないのでしばらく下の棒の部分をクンクンしていたけど、納得して食べ始めました。特に不満は無いようです。もうちょっと高くしてもよかったかも。安定感は支障なし。

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今回学んだこと

以前使ったDMM.make 3Dプリントを使ったのだけど、金銭的コストは意外と高いです。2万円くらい。でも5万円の3Dプリンタを買おうとしていたところだったので「買って使わなくて場所もとるしお金も無駄になるリスク」を考えたら2万でプロトタイププロジェクトを走らせるのはよいだろうという判断をしました。

元記事でPLAとかABSとかが話題になってましたけど、それに相当する選択肢がわからなかったのでナイロンを選択。これが後の話の伏線になります。

発注してから「3D Hubsとか使えばもっと安いんじゃないの」という指摘を受けて、試してみました。3D出力代行の一括見積みたいな感じ。こちらだと2000〜5000円ぐらい。せっかくなので同じものをプリントしてみて違いを比較してみようとします。

モデルを投稿すると出力代行業者の一覧が表示されます。いっぱい表示された!と思ったけどよく見たら日本なのは4件だけで、残りは海外でした。送料が書いてある通りの金額でよいのか疑問。一覧に表示された代行業者を選ぶと、チャット的な画面が表示されます。ここで代行業者と英語でコミュニケーションを取りながら発注を進めるわけです。面白いですね。

1つ目の代行業者からは「Design doesn't fit in my 3D Printer」というお断りのメッセージが30分ほどで届きました。理由は「It's difficult to model this object using our printer. For the special shape.」とのこと。「Please consider other modeling method and other hubs.」と言われたのでとりあえず他の業者に出してみることにしました。

2つ目の代行業者からは20分くらいで同じく「Design doesn't fit in my 3D Printer」との返事が。「I'm sorry. machine's vibration makes not collect printing and height of model is too high for my printer」とのことです。

3つ目の代行業者からは20時間くらいでお断りが。理由は「Due to Holiday season, we can process this order.」can'tって言いたかったんでしょうね。

「これがプリントできるサイズのプリンタ」で絞り込むことはできなかったので、試しに適当なプリンタを選択して絞り込んでみたり、いろいろ試行錯誤しました。ここら辺でボチボチわかってきたのですけど、彼らの3Dプリンタではサイズがフィットしない以前に、サポート材なしでこういう形状をプリントできないようです。モジャモジャになってしまう。Supports in 3D Printing: A technology overview | 3D Hubs DMM.makeで選んだナイロンは、たまたまサポート材がなくてもプリントできる素材だったようです。(粉末を固めるタイプなので粉末自体がサポートする仕組み) SLS Nylon 3D Printing | 3D Hubs

同じものを印刷してみてどういう差があるか比較しようと思っていたけど、同じものを印刷できないという結論になりました。

じゃあ分割しよう、ということで先ほどのモデルをブーリアンで3つのパーツに分割、2番目の代行業者の人に「これならプリントできるの?」って聞いたら「できるよ」との返事が。

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だけどここで僕が日本から発注していることに気付いて「The price of overseas delivery is too much than this price of printing. are you sure this request?」とのこと。Too muchって言われてもどれくらいかわかんないじゃん。$30以下ならいいよ、と返事。

ここで先方からの返事が来なくなります。年末年始のお休みです。このころDMM.comからの出力が届きます。

休暇が開けて戻ってきた業者さんが「positional tolerance(0.25~0.5mm)がない」と指摘。ブーリアンで分けただけだから穴とそこに入れる棒のサイズが同じなんだけど、それじゃ刺さらないよ、とのことです。そうじゃないかとは思ってたけどいくら細くしたらいいかわからないからやすりで削ればいいかな〜なんて考えていました。親切〜。

あと業者さんが皿をホールドするためのcubesを外していいかと聞いてくるので、それは皿をホールドするためにつけてるのだけどなんで外したいの〜?とか質問したり。ワイワイしてます。モデルはどんどん複雑に…。

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こういうやり取りが楽しめるなら3D Hubsを使うのもよいかと思います。DMM.makeを使う方が圧倒的に手間は無いけど、その分学びのチャンスも少ないかも。あとはTechshopとかに使いに行くのも試したいところですね。

(ここまで書いて、最初のモデルをSLS Nylonで出力した場合いくらになるのか気になったので確認してみたところ、一番近いのは中国の業者で96ドル、次がアメリカで140ドル+送料不明、3つ目が670AUDって感じでした。通貨そろえてほしい…。)

追記: 1/10 「I’ve updated the delivery on this order to EMS. "EMS delivery payment is only posible pay in advance . delivery weight :150g. korea cuurent :17900won->14.82 dollor."」とのことで、最終的に

  • Startup Costs $3.00
  • 17.6 ✕ 17.2 ✕ 3 cm $11.18
  • Shipping $14.82
  • Total $29.00

という金額になりました。

追記: 1/13 に韓国からEMSで届きました。

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組み立てるとこんな感じ。

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加工精度はこんな感じ。ハマらないよりはスキマが空いた方がマシ、という設計をしたので予想通りスキマが空いています。ダイソーで買った安物のホットボンドで接着しました。問題なさそうです。

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こちらのリンクから$10のディスカウントが受けられるっぽいです: http://3dhubs.refr.cc/CVPNDJ5

2015-12-22

3Dプリントを試してみた

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僕の初めての3Dプリンタ出力。抵抗が6本ずつ17種類入ります。これに先日のカラーバー出力スクリプトで見出し作って蓋としてつけてゴムで止める予定。一回り太い10Mの抵抗も一応4本入った。遊びがないから取り出しにくいけどそんな頻繁に使うものでもないからよいでしょう。

データをここからダウンロードして自分でプリントするとか、そのままここで発注するとかできるみたいです。 http://make.dmm.com/item/406392/

12/7の21時半に思い付いてAutodesk 123Dをインストールし始め、操作方法の解説動画を見ながら23時にSTLデータ完成。3DプリントサービスにSTLデータを投げて見積もり・発注、というすべてPCの前で完結する作業。70x70x14のサイズで、最初は透明アクリルでプリントしようと思っていたのだけど、見積もりを掛けたら9992円だったので「最初の一歩からそんなに出せないなぁ」と白色ナイロンに変えた。それで3614円。ちなみに石膏だと4668円。

12/9に造形開始されて、12/14の午後発送された。

このサイズで3000円だったらRaspberry Piのケースなんか作ったら何円かかるんだ〜とテンションが下がっていたのだけど、よく考えると料金とサイズが比例するわけないので大きくてもさほど値上がりしないかもしれないなという気がしてきた。

立方体

10mmの立方体でナイロン1554円、石膏807円。

100mmの立方体でナイロン81646円、石膏162602円

体積は1000倍になっているけど、価格はせいぜい50〜200倍。

5面がふさがっている箱型で、10mm立方だとナイロン1470円、石膏656円。面は0.7mm。この辺が最小工賃か。

50mm立方だとナイロン2514円、石膏が2606円。このへんで石膏の方が高くなる。石膏の方が材料費の体積当たり価格が高いのだろう。これは面は1mm

100mm立方だとナイロン7378円、石膏11725円。ちなみにこれは面が1个世韻苗譴世唄岼磴┐3mmある。(実はここまでの3つは上に書いてあるものほど後から作ったのでやってる最中に僕のモデリングスキルが向上してる)

その分厚い底を貫通させてチューブ状にしたらナイロン4869円、石膏7023円まで下がる。

やる前はなんとなくバウンディングボックスの大きさが価格を決める主要因のように思い込んでいたけど、100mm立方の3つの例で4869円、7378円、81646円、というわけなので、明らかに体積が一番大きな要因。壁を薄くするとか、ぺったりふさがってる必要がないならメッシュ穴開けるとかすると安くなると思われる。上の抵抗ケースは外壁2mm、隔壁1mmで設計したのだけど、少なくとも隔壁はもっと薄くてもよいと思う。


2012-10-13

iPad額縁を作ってみた

前から欲しいと思ってたiPad額縁のプロトタイプをダンボールで作ってみた。横置きで、かつ、この状態で実はコンセントから給電できているのが重要なポイント。

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続き。裏はこうなっている。

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iPadを縦でドックに挿すとなんだか不安定そうなので横置きにしたいのだけど、単純に横置きにしてケーブルを指して充電すると横にぴろっとケーブルがでちゃってとてもダサい。なので横置きで支えてくれて、かつケーブルが後ろから出るようなドックがあればいいんだけどなぁ。

とりあえず前からイメージしていた「額縁の縁の中でケーブルを曲げる」が物理的に可能なことは確認できたので、次は木で作るかな。それとも3Dプリンタかな。黒のアクリル板がいいかな。


一晩寝て、何で額縁を作るか考えてたら、結局つくらないでいいんじゃないかという結論になった。

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要するにこんな形のケーブルがあれば良い。

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この白い出っ張りの部分に猫とかがついて出っ張りを隠してくれればいいな。

2011-07-27

QUMAと未踏の話

みなさんもうQUMAの動画はみましたか?日本のベンチャーが開発し、英語のプレスリリースがないにもかかわらずすぐにThe Washington Postなどで取り上げられたあのQUMAですけど。

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QUMAの衝撃が世界各地に広がっていくのが観察できて面白いからTwitterでQUMAを検索して眺めていたんですけども、そしたらこんな発言を見つけました:

QUMAは、元々ハッカーズカフェで知り合った西尾さんから紹介された人が企画してたので、ハッカーズカフェ発祥と言ってもいいと思うの。

http://twitter.com/#!/doodoo_jap/status/94392093094576128

これ本当です。モノが出来るまでには当事者しか知らない長い歴史があるもので、その事実ひとつひとつを大切にしたいと思います。

http://twitter.com/#!/3DGAN/status/94416327518846977

いやはや、まさか自分が言及されるとは思ってませんでした。僕は部外者なのにそんなことを言っていただけてありがとうございます。確かに思い出してみれば、3D-GANに未踏OBたちでぞろぞろと遊びに行ったときに、案内をしたのは僕でした。もう3〜4年前のことじゃないかな。あれは秋葉原で未踏ユースの成果報告会の後だったかな。

でもそういう意味で言うなら、企画した久池井君と僕が出会ったのは、IPAの未踏事業のおかげです。IPAは、未踏採択者の間でネットワークを作るために、採択者を一箇所に集めて宿泊させる「ブースト会議」を行ってきました。そして「採択年度をまたいだパスをつくろう」という目的でブースト会議にOBを参加させてきました。もしブースト会議がなければ、ブースト会議にOBの僕や久池井君が呼ばれていなければ、この二人が知りあうことはなかったのです。雑談の中で久池井君がQUMAプロトタイプの関節を作るために3Dプリンタを使いたいってのを知って「それならすぐそこに3D-GANってのがあるよ」って言うこともなかったのです。開発メンバーにも未踏で知り合ったすごい人たちがたくさんいます。未踏がなければ、彼らが出会うこともなく、QUMAが完成することもなかったでしょう。

僕が未踏に参加してからもう10年くらいが経ちます。当時の僕はネットワークづくりがこんなに重要だとはわかっていませんでした。でも、根のように張り巡らされたネットワークがあってこそ、プロジェクトは大きな樹に育つことができるんだなと思います。日本発、世界に誇れるプロダクトを生み出すために、IPAが今まで未踏事業を続けてきてくれたことに感謝です。事業仕分けで途絶えなくて本当によかった。そしてセキュリティ&プログラミングキャンプという形で、未踏よりさらに5年ほど若い人達のネットワークを編み上げるプロジェクトに参加させてもらえてとても幸せです。彼らは未踏をした時の僕より5年若いのだから、15年くらいの長い目で見ないと成果がわかりにくいかもしれません。それでも、こういうプロジェクトを継続していくことはとても重要なのです。

もう、「組織の中に自分がいる」という考え方ではなく、「自分と他人の間にコミュニティがある」という時代なのかなと思います。そしてこういうコミュニティを介して人がつながりあって、価値を生み出すネットワークができあがるのではないでしょうか。

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そんなコミュニティを作るチャンスの一つ、未踏事業。先週から新しい人の公募が始まってますよ!ぜひ挑戦してみてください!情報処理推進機構:未踏:未踏IT人材発掘・育成事業

2008-08-11

[]第6回1000人スピーカカンファレンス@Kyushu

発表してきました。イベントの詳しい情報はこちら: http://ja.doukaku.org/wiki/index.php/1000speakers:6

さてさて、今回は初の東京以外(長崎)での開催だったのですが、長崎県はかなり技術者コミュニティの支援に積極的らしく、会場はとてもきれいで設備も整っていたのに無償で借りられたらしいです。佐世保情報産業プラザ。世界最速の3Dプリンタなんかもありました。あと、何気なく長崎県産業労働部 のサイトを見たら「SOHO(small office home office)を支援するため 『SOHOフェア2008』を開催します!」なんて書いてあって、IT産業の活性化に積極的な感じをうけました。すばらしい。他の自治体でもやるといいのに。大阪の勉強会は会場の費用を割り勘の場合が多くて、お金を集めたり赤字にも黒字にもならないようにがんばったりするのが大変らしいけど、無償でプロジェクタとネットワーク接続のある会議室が借りられれば勉強会を開催するのがもっともっと楽になるんだよね。


基調講演はAIPカフェの山本さん。AIPカフェって全然知らなかった。前にはてな界隈ではid:dropdbとかがやりたいとか言っていた「プログラマカフェ」に近い物なのだと思うけど、こっちは建物自体がプログラマやデザイナの寄合い長屋みたいなことになっているらしい! AIPカフェがついにOPEN! 福岡に「ルイーダの酒場」ができたよ! 冷静に考えるとルイーダの酒場に戦士ばっかりだと酒場の意味がないのと同じで、Webプログラマばっかりしかいないのよりはいろんなバックグラウンドの人がいる方が面白いよね。


(徐々に書く)

「続きを読む」「ニコニコ動画」はてな記法を覚えたのでニコニコアカウントのない人でも全部の動画を見られるように下に貼付けておく。



自分の発表:

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ワンライナーネタは卒業しようと思いつつ、ネタとして手軽なのでついつい頼ってしまいます(^^;


1000speakers@Kushu #1 司会の話 - sugiyama

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AIPカフェ ー 交流と発信の場 ー - ar916‐ニコニコ動画(夏)

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Proce55ing+JRuby、ちょっとおさわり - Murave‐ニコニコ動画(夏)

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Akelosってどうよ? - updoor‐ニコニコ動画(夏)

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俺フレームワーク支援ツールを作ってみた - Nagakura_eil‐ニコニコ動画(夏)

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ネトゲ作ろうよネトゲ - haiku‐ニコニコ動画(夏)

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「mono」ってどうよ - HideAki‐ニコニコ動画(夏)

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inside OpenCOBOL/その実装と実際のところ - minemaz‐ニコニコ動画(夏)

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Curlに関して話します - 3kai‐ニコニコ動画(夏)

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今は化石となりつつあるシューティンゲームについて! - Zumida‐ニコニコ動画(夏)

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「Web 3.0」とかいってみる‐ニコニコ動画(夏)

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機械学習とか - kis‐ニコニコ動画(夏)

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10_takken

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