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西尾泰和のはてなダイアリー

2017-02-28

未踏会議と未踏ナイトの違い

未踏会議のデジタルサイネージがあちこちの駅で見られるようで、話題になっています。この機会に混同されやすい未踏会議と未踏ナイトについて改めて説明して置くことにします。

未踏会議は、完全招待制のイベントで、招待状がない人は参加できません。ニコ生で中継されるのでオンラインでなら誰でも見ることが出来ます。サテライト会場でパブリックビューイングという選択肢もあるようですが僕は参加したことがないのでわかりません。

IPAの公式ページ: https://www.ipa.go.jp/jinzai/mitou/2016/mitoukaigi2017.html

未踏ナイトは同日同会場で未踏会議終了後に行われる、未踏卒業生を中心とした交流イベントです。未踏関係者と未踏会議に招待された人が参加することが出来ます。

Facebookページ: https://www.facebook.com/events/1025361637607737/

申し込みページ: http://eventregist.com/e/vSvNCjdP4KS5

2015-09-10

首都大学東京の「情報通信特別講義」で話してきました

首都大学東京システムデザイン学部1-2年生配当科目「情報通信特別講義」で1時間半の講義をしてきました。

講義資料はアンケート結果をもらってから加筆して公開する予定です。

今回、複数人の講師による講義でした。

小町先生が他の講師の講義も含めて #tmutalks というタグでツイートしています。首都大学東京システムデザイン学部1-2年生配当科目「情報通信特別講義」 - Togetterまとめ

自分のTweetまとめ

講義の後の質疑・雑談や他の講師の話を聞いて、僕が違和感を持ったところ(僕の講義で使った「言語」で表現するなら「現実と自分の理解のギャップ」)について後からいくつかツイートしたので転載して加筆修正しておきます。

■「コネが大事」という言葉の真意について

「一言で要約すると、コネが大事」というような話が何度か出たのですけど、僕個人は「コネ」という言葉はあまり使いません。そのギャップが何から生まれたのか考えてみました:

僕が学生の頃「コネが大事」と言うオッサンは嫌いだった。自分がオッサンになって、彼らが何を伝えたかったかがわかるようになった。当時の自分の「コネ」という言葉の解釈と、彼らの「コネ」という言葉の解釈にズレがあったのだ、と今では考えている。

当時の僕は、「コネ」を「親がすごい」みたいな「運で決まるもの」と捉えていた。しかし、学生にアドバイスをするオッサンがそんな「本人の努力でどうにもならないこと」を重要だとか言うはずがない。彼らの言っているのは「努力で作ることができるコネ」のことだ。これはどうやって作られるか?

その作り方がこれ:「人と仲良く。過去に仲良くすると助けてくれるが、過去にいじわるすると跳ね返ってくる。」 自分が困ったときに助けてもらえる「コネ」は、ヘラヘラ笑いながら名刺交換していても作れない。自分から率先して人を助けることによって作られる。 https://t.co/LToipAZb7e

(参考: ギブ&テイクはギブから始まる 焼畑農業をやめるために---新卒準備カレンダー 2011春)

というわけでオッサンの言う「コネが大事」ってのは、当時の自分にわかりやすいように噛み砕くと「周りの人を助けることで、自分が困ったときに助けてくれる人を増やそう、それが大事」ということだと思うんだ。誰もそこまで噛み砕いて教えてはくれなかったが。


■「流行りものに飛びつこう」について

たぶん id:overlast さんの講演の中で語られたのであろう「流行りものに飛びつこう」という言葉について、これも「コネ」と同様にオッサンの中の解釈と学生の中の解釈がズレそうだなと思ったのでつらつらと書いてみました:

「流行りものに飛びつこう」も、割とハイコンテキストな言い方なのではないかと懸念している。「数学が大事」「より抽象度の高い知識ほど応用範囲が広い」というテーゼが通奏低音として流れていることを前提として、アンチテーゼとしてあえての「流行りものに飛びつこう」だよね?

抽象度の高い知識の方が応用範囲が広いから、年を取るに従ってそういう知識の重要度が上がる。オッサンたちは普段の生活の中でその必要性を痛感していて、だから学生に「大学の数学とか超重要」などといったアドバイスをする。一方で抽象的知識は経験と結びつかないと応用しにくい、それを学ぶモチベーションも維持しにくい。

それを踏まえて「流行りものに飛びつこう」は若者の戦略としては有用だ。経験を積み上げているオッサンと若者の戦いは基本的に若者が不利だが、流行りものはスタートラインの差が小さいから、体力や自由にできる時間の多い若者に有利になる。有利な土俵で勝つことで、注目や実績や人脈を(オッサンに取られる前に)奪い取る戦略は若者向きだ。

一方で、その「流行りもの戦略」での成功体験に囚われるとジリ貧になる。僕が最初に出した本はJythonの本で、本を出す実績を積んだ点は成功だったが、個人的には内容の陳腐化の速度が予想以上で、題材選択の失敗と解釈している。それが二冊目の題材選択に強く影響している。

(5年経っても陳腐化しないことを目指して書かれた「コーディングを支える技術〜成り立ちから学ぶプログラミング作法」のこと)

まあ「若者がオッサンと戦う上での戦略」みたいなことを言ったけど、33歳のオッサン当時に、流行りもののword2vecの本を出す話が来た時には「飛びついて実績を作る」戦略を選んだわけだなあ、今考えると。機械学習の広いテーマの解説だと機械学習自体が本業のPFNとかの人に蓄積の量でかなわないから、流行りもの戦略を採用した、と事後的には解釈できる。

話を少し戻すと「流行りものに飛びつこう」が若者の戦略として有用なのは対オッサン戦略としてだけではない。積み上げの少ない分野だから、他人のやってないことを実現するまでの時間が短い。注目の分野だからフィードバックを貰える確率も高い。つまり学習サイクルが速く回せる。

「学習のサイクルを速く回す」というコンセプトは、実は教育関係の本ではなく、意外かもしれないがベンチャーの経営に関する本で学んだ。「リーン・スタートアップ」だ。遡るとこれは経営戦略における派閥の一つで、その話はサイボウズ式の原稿に書いたのでそのうち公開される予定。

2015-08-11

Facebookの特定グループ内の会話を全バックアップした

Facebookは検索できなくて辛くて、kintoneに移行することにしたのだけども、でも「今までにFacebookに書いたあの情報、どこに書いてたっけ、こっちに転載したいんだけど」みたいなことが起きちゃうわけですよ。

粗削りな解決方法だけどとりあえずこんな感じ:

  • 右に出てる余計な通知divを削除
  • スクロールを繰り返して全スレッドを表示
  • スレッドが折りたたまれているのを展開するために下記コードを出力が0になるまで実行(非同期だからwhileで回すのできないし、本当はforEachもいきなり何十リクエストもパラで走るので良くないだろうなぁと思う)
  • PDFに印刷
var xs = document.getElementsByClassName('UFIPagerLink'); [].forEach.call(xs, function(x){x.click()}); console.log(xs.length)

100ページのPDFが出力されたりして大変だけど、一応検索はできるはずだ。

追記:投稿の本文が長い場合にダイジェストされているのも戻さないといけない。a.see_more_link。

2015-08-05

未踏社団の「未踏研究会キックオフ」で講演しました

8月4日18時から、秋葉原のダイビル5F交流施設で「未踏研究会キックオフ」が開催されました。定員いっぱいに人が集まり、とても濃密な時間を過ごすことができました。

「未踏研究会」とはどういう仕組みなのかについて、まず理事の荒川さんから解説がありました。未踏研究会は、社団メンバーの興味関心を切り口に、色々なワーキンググループを作ることによって、未踏社団内外の創造的人材をつなぐハブとして機能しようという試みです。未踏社団に閉じるのではなく、社団の外にいる創造的人材にもオープン、という方針が明示的に語られたのはとても重要なポイントだと思います。開発合宿なども計画されているそうで今後が楽しみです。

次に2010年本体の小池さん(Plusadd株式会社)による「起業」をテーマとしたワーキンググループの紹介がありました。全員起業するべきというわけではないが、知識がないせいで過剰に恐れるのは良くないので、起業も取りうる手段の一つとして考えられるように、という方向性には共感します。中山さんが指摘していた「ベンチャーに誘われたけど転職するべきか否か」って視点も興味深いです。

次に、2011年の鵜飼さん、2012年の安川さん、2013年の鈴木さんによる「プログラミング教育」のいろいろな活動の紹介がありました。僕もIPAのセキュリティ&プログラミングキャンプなどに関わってきたのですが、やはり未踏クリエイターの中にはそういうプログラミング教育に関するプロジェクトに関わる人も多いのですね。横のつながりを作ってそれぞれのプロジェクトで得られた知見を交換することは、日本のプログラミング教育をよりよくしていくうえでとても重要だと思いました。

私は「生産性向上」に関するワーキンググループについて講演しました。いろいろある生産性向上の手段のうち、今回は「知識による生産性向上」にフォーカスして話したので、プログラミング教育WGの「教育の場をどう作るか」という議論と関係ありそうな話になりましたね。予期していなかったのですがお互いに良い影響を与えることができたようでよかったです。

僕の発表資料はこちら: http://www.slideshare.net/nishio/ss-51288295

最後に竹内先生の最近やっていることの紹介と、夏のプログラミングシンポジウム 2015の案内がされました。今年のプロシンは開発合宿スタイルとのこと。

会場をはけた後、20人ぐらいが二次会になだれ込み、活発に濃密なコミュニケーションを行いました。僕が観測できた範囲内でもいくつか、未来につながる面白い「芽」が生まれたように思います。ここで生まれた芽が大きく育って実をつけるのが楽しみです。全力で応援していきたいと思います!

2015-03-08

社団未踏の公式ページができました

一般社団法人未踏の公式ページが出来ました: http://www.mitou.org/

僕は初年度未踏ユースOBとして一般社団法人未踏を絶賛応援していくつもりです。僕の観測する限り最も高い濃度で「いい意味での奇人変人」が濃縮されているコミュニティなので。

追記

最初「社団法人未踏ができました」と書いていたのですけど、正確に言えば「公式ページができました」だなと思ったのでタイトルを修正しました。昨年公式ページが未完成の状態でリーク記事が出てしまったので検索して関係ないページにたどりついて混乱した人も多かったそうです。まだコンテンツは少なめですが、安心して「ここが社団法人未踏の公式ページだ」と紹介できるようになりました。

また、連絡がつく未踏OB/OGにはこの記事より前に連絡が行っているらしいのですが、残念ながらIPAにメールアドレス変更が伝わっていないなどの理由で連絡を取れなかった人も多いそうです。この記事を介して少しでも多くの人に伝わればいいなと思っています。

あ、あと、3月10日(未踏の日)のニコニコ生放送をお楽しみに。