二森日和。

将棋をみた感想。たまにサッカー。ごくまれに雑談。




第7期加古川青流戦 竹内雄悟四段-藤井聡太四段 一分の攻防、一筋の途。

「物語を疑え、そして紡げ」(あいさつ)

若き棋士たちによる早指し棋戦、
加古川青流戦トーナメントの開幕局は、
藤井聡太四段の登場により、
これまでにない注目をあつめることになりました。

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四段昇段後、公式戦で負けがない藤井聡太四段。
その連勝数は、すでに前記録を大幅に更新する「17」。
本局に勝ち、18連勝となると
新人記録はおろか歴代の連勝記録でも
十指に入ります。

その記録は、紡ぐ指し手は、
もはや「新人」のそれではない。

すでに棋士の歴史に挑む存在となりつつある藤井四段。
立ちふさがるは、広島出身・森信門下、
「現代力戦の系譜」竹内雄悟四段。

最新型先手中飛車の折衝は、
難解な形勢を保ったまま終盤にもつれ込む
大激戦となりました。

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2016年4月「将棋クラスタが選ぶ月間名局賞」結果発表。

思いつきで始まった「ツイッターつかって月間名局大賞を選ぼう企画」。

告知もなく、また短い期間でしたが、
500票を超える投票をいただき、ありがとうございました。

以下、結果と各推薦コメントなどについて
この場をお借りして、取り上げさせていただきたいと思います。

また、月間名局賞に関する紹介については、
前エントリも参照していただければ幸いです。

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2016年4月「将棋クラスタが選ぶ月間名局賞」はじめました。

ツイッターつかって月間名局大賞を選ぼう企画をやっております
(5/8 00:50現在、投票は5/8 23:59まで)
※ 投票は終了しました。ありがとうございました。


始めた理由は、将棋における名局賞や熱局評価について

「年度初めの対局って不利すぎねえ?」

というシンプルな想いからで、
できれば月間で振り返ることでおもしろかった対局を
掘り起こすというか、改めて評価しなおすことにつながればいいかなと
思ったからなんですが、これ、やってみると、ことのほか面白い。

間もなく投票は終わってしまうのですが、
是非出来る限り多くの人に参加していただきたい、
ということで、今回、月神局の投票対象になっている
月間名局賞となった4局について、
この場を借りて簡単に紹介したいと思います。

なお、紹介順は推薦上位の4局について、
勝手に抽選した順となっております。

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第73期名人戦第4局 羽生善治名人-行方尚史八段 片隅にそっと歩を置く。

名人戦は既に終わってしまいましたが、
激戦の記録として「残しておきたい」、と思ったので。

羽生善治名人に行方尚史八段が挑む第73期将棋名人戦は第4局。
これまで後手番をそれぞれが制して羽生2勝、行方1勝で本局。

先手番で羽生名人が突き放すのか。
それとも後手番シリーズの流れを受け、行方八段が追いつくか。

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対局は5/20~5/21、静岡市浮月楼」。
第4局は「将棋の純文学」と称される矢倉定跡形に。

凄まじい将棋でした。

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第73期名人戦第3局 行方尚史八段-羽生善治名人 先よりも疾き後。

羽生善治名人に行方尚史八段が挑む第73期名人戦は第3局。

第1局を羽生名人が、第2局を行方八段が、
それぞれ後手番で勝ったことで、
この第3局がシリーズ全体の方向をきめそうな雰囲気。

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対局は5/7~5/8、島根県松江市「松江歴史館」。
力勝負だった第1局、第2局から
第3局は角換わり腰掛銀定跡形の最先端へ。

その未知の領域で、それぞれの研ぎ澄まされた感性が
静かに、深く、衝突しつつ、新たな地平を拓く。

熱戦となりました。

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